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〜プロローグ〜 自らの本当の願望への気づき

変わり始めた自己顕示の日常 シャワー

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 帰宅してすぐに、愛音は浴室へと駆け込んだ。
 脱衣所の鏡にはレギンスの股座に大きなシミを作った姿が見えた。
 盛大なお漏らしをしたかのように股座の色は変わり、変色はそのまま下へ行く程に細まるものの、膝横まで達っている。

「はあ、はあ!? こ、こんなの、絶対帰るまでに何人にも!?」

 全力逃走で帰宅する間にも、何人もの人間とすれ違っている。
 事情を知らない者達から見れば、愛音が漏らしたとしか考えられない濡れ方だろう。
 強烈な恥辱を感じながらも、それどころではないと慌てて全裸になる。
 呼吸も整えぬままシャワーを捻り出すと。まだ冷たいシャワーを、腰を前に突き出すようにして当てにいく。

「冷た!? で、でも、早く洗い流さないと!!」

 精子を外に出されたとはいえ、素股で執拗に擦り付けられたのだ。
 男に体を許すつもりはない愛音であっても、年相応の最低限の性知識はあった。
 外出しでも妊娠の危険性があることは分かる。間違っても妊娠せぬように、早急に洗い流しにいく。
 
(ね、念の為……中も洗った方がいいよね? でも、下手にすると逆に……)

 シャワーの水が温かくなることはなく、今更ながらガスをつけ忘れたことを思い出すも。今は、つける手間さえ惜しかった。
 間違っても残り子種を自ら膣に入れてしまわぬよう、恐る恐る秘裂の表面を撫でるように指で触れる。
 微弱な電流が流れ、指は少し盛り上がる恥丘を押し潰しながら。指先には少しねっとりした粘液が触れた。

「う、嘘!? 中に入ってる!? か、掻き出さなきゃ!!」

 明らかに水とは違う粘度に背筋が青ざめる。
 思わずそのまま指を挿入しかけるも、逡巡すると開いた方の手を股座に近づけた。

「くっ!! んっ!!」

 羞恥心を感じながらも、指で恥丘を押し広げるようにして秘裂を開いた。
 処女の秘裂は強烈な伸縮力で入り口を閉じようとしていたが、必死に押し広げ続ける。
 シャワーが直に粘膜に触れ、思わず腰の力が抜けかけるが。指を狭い膣内に挿入した。
 そのまま、第一関節まで指を埋没させると。爪を立てないようにして指を曲げて外に粘液を掻き出す。

「ゆ、指全体がヌルって……そ、そんなに入ったの!? ッ!!」

 愛音は再び青ざめながらも、幾度も幾度も同じ要領で指を挿入して粘液の掻き出しを行う。
 だが、粘液は幾度描き出そうとも、中々なくなってはくれない。

「ふう、はぁっ!! おかしい……いくら掻き出しても? ふう、それに、身体が……♪」

 冷たい冷水を股間に当てているというのに、体の奥から熱が起こるような感覚が湧き起こる。
 落ち着き始めた呼吸は再び乱れ、こそばゆくも心地よい感覚が股座に起こり続けていた。
 指先が秘部内部を掻く程に心地よさは増していく。
 それでも消えないどころか、粘液はむしろ増えていくよう。まるで、膣奥が発生源で溢れ出るよう。

「違う!! ちがハァうンン♪」

 指を更に深くまで挿入させてみれば、膣穴はキュウキュウと指を締め上げるというのに。
 粘膜の原因たる粘液が指を滑らせて挿入の手伝いをしてくる。
 愛音は理解してしまう。
 精子と感じていたモノの正体は愛液。
 愛音は濡れているのだ。
 そのことを理解すれば、先程ぷ素股の最後に感じた刺激が、絶頂であったと思い至ってしまう。

「ち、違う!! 愛音……そんな、子じゃぁ~……!!」

 鏡には、腰を突き出しガニ股気味になりながら、自らの秘部に指を挿入する姿が。
 見下ろす乳房の先端は勃起していて。
 鏡に映る表情は、どことなく気持ち良さげ。
 粘液を掻き出していたはずの指は、もはや膣内から出ることなく内壁を擦るように。
 膣内からはシャワー音に隠れて別種の水音が響き。口からも艶かしい吐息が漏れる。
 完全に自慰を行っている姿にしか見えない。
 自己否定しながらも己が自慢のバストを下から救い上げるように持ち上げれば。心地よい刺激が。

「あっ!? ふっ♪」

 そのまま指を沈み込ませるように指に力を幾度も込めれば、柔肉には心地よい感覚が広がる。

(こ、この感覚……絶好調の時に、男達に姿を見られてる時に感じた……)
(嘘!? 嘘よ……じゃあ、たまに、パンツにオリモノみたいに汗が付いてることがあったのも、アレは汗じゃなくて……)

 自尊心高く、自慢の肢体を見せつけて悦に浸っていた時に感じた高揚感。

「愛音……興奮して……エッチな気分になってたの?」

 ここ最近の絶不調が嘘のように。身体は疲労困憊で未だ明らかな体調不良を感じているというのに、身体には満足感が満ちていく。
 普段の自己顕示が満たされる瞬間の充足感を、今まさに感じてしまう愛音。

「違う!! ああ、愛寝は!! 見せてただけ!! ばかな男達に見せて……見せてぇ~!!」

 膣を弄る指先の動きが激しくなり、胸を完全に揉んでしまいはじめてしまう。
 否定したがくも認め難い認識。
 
(き、気持ちいい♪)

 だが、久方ぶりの充足感の昂まりは余りにも甘美。
 先程男に襲われていた際には否定が優ったが。今は一人鏡を前にするだけ。
 抵抗感は薄く、快楽を完全に認めてしまう。

「ただ、男に見られて……見て欲しくて? ああッ!!??」

 指先が敏感な乳首を擦れば、溜まっていた何かが吹き出すような感覚を感じ尻餅をついてしまう。
 愛音は余計なことを考えるのをやめた。
 そのまま、狂ったかのように30分程自慰に興じ続けるのだった。
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