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水泳部のマーメイドの憂鬱 〜水瀬 サクヤ〜

美魔女とマーメイドのせめぎ合い 童貞を巡る攻防4

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 突然のサクヤの口づけに浪人生の頭は真っ白になる。
 ファーストキスだ。
 瑞々しいグミのような弾力ある感触が触れると共に、生温かな鼻息と吐息が触れる。
 心地よい感触を感じながらも、視線はヨツユに向かう。
 ヨツユはやれやれといった調子で、ベットの上の旦那と共にベットの横の椅子に移動して行った。
 そして、遠目にコチラの状況を笑みを浮かべて眺める体勢に入った。

(ヨ、ヨツユさん!! まさか、はじめから!?)

 ここにきてようやく、察しの悪い浪人生もヨツユの意図に気づいた。
 旦那の性癖うんぬんはともかく、恐らくはサクヤとの間を取り持つつもりだったのだと。
 ヨツユで童貞を捨てるという目論見が外れた浪人生はショックに固まってしまう。

「んんっ!! ふぅっ!!」

 唇に触れる弾力ある柔らかさに対して、サクヤの動きは固いもの。
 恐らくはサクヤの方もファーストなのだろう。
 不慣れな様子で吐息を漏らしながら、グイグイと唇を押し付けてくる。
 当然のように豊満な巨乳もひしゃげる程に押し付けられ、浪人生は呆然としながらも精嚢は刺激される。

(ああ、そんな……そんな!!)

 美少女と互いにファーストキスの交換を行いながらも、尋常ではないショックが襲い続ける。
 すっかりこの一週間余りで美魔女の虜になっていた浪人生は、失恋に近いショックを受けていたのだった。

「ンン!? んンンっ!? あっ……むちゅッ!?」

 ショックから立ち直れぬまま、浪人生の両手はサクヤの背に回り込んだ。
 片腕で更に強く抱き寄せながら、もう片方の手は臀部に。
 服と短パンに大きなシワができ。鷲掴みきれない臀部は指を沈み込ませ凹みながらも、指を押し返してきた。
 無遠慮に舌をサクヤの口内へと挿入させると。ムードもなく唇を押し付け返しながら、口内を舐りサクヤの舌に絡めていった。
 
「ンチュ!? んふぅ~!! れろ……ンチュ!!」

 驚き目を見開いたサクヤだったが、まもなく自らも舌を絡め返してきた。
 浪人生は乱雑な上、サクヤも不慣れ。
 絡め合おうとする舌は幾度も口内からすらはみ出し、互いの口周りを唾液で汚していく。
 吐息とリップ音ばかりが響く中、チラリとヨツユの様子を伺えば。ヨツユは楽しげに笑っていた。
 その様子に怒りさえ滲み出した浪人生は、その娘の唇と尻肉を乱暴に味わい続ける。

(ハアッ、サクヤちゃん、なんていやらしいんだ!!)
 
 乱暴な愛撫ともいえぬ触れ合いに、サクヤは抵抗することなく迎合してくる。
 浪人生の頬を掴んでいた両手はいつしか首に回され。グイグイ引っ張り込まれるように力が込められていた。

(こんなエッチな身体をしてる美少女が……あの時に、恋心を抱いてくれてたなんて!!)

 その上、サクヤにとって自身が初恋の相手かもしれないという情報は、大いに浪人生の心を揺さぶった。
 どんな男でも堕とせそうな肢体が、まさに腕の中にある。
 尻肉はいくら乱雑に力を込め揉みしだいても、抜群の張りで手を押し返してくる。
 唇からは艶かしな吐息が漏れ、キスに夢中になっている。

(この服じゃまだ!! もっと、サクヤちゃんを!!)

 ヨツユに幾度も引っ張られていた視線は、完全にサクヤに釘付けね。
 当てつけのように乱暴に手を出していただけだった心向きも、すっかり肉質的で若く瑞々しい肢体に向かい合っていった。
 短パンの上から下着の中にまで手を滑らせると、生尻を揉みしだきにいく。
 滑らかなはずの絹肌は、熱を持ってもっちり吸い付くようになりながら、汗が手を滑らせる。
 布越しとは別格な触り心地に、堪らず背に回していた手も臀部に降りていく。
 そのまま両手で生尻を味わえば。自然と短パンはずり落ちて、生尻そのものがまろび出ていく。
 そんな状態になっても、サクヤは熱烈なキスをやめなかった。

(サクヤちゃん、サクヤちゃん!!)

 浪人生の心がサクヤに向かい合ったからか、お互いにキスに慣れたからか。
 舌は相変わらず激しい動きを見せながらも、口内に収まる形に。
 唾液こそ口から溢れ漏れるものの、舌同士の絡み合いは濃密な密着感に。
 二人は初めての粘膜の触れ合いに夢中になっていく。

(む、胸ももっと!!)

 臀部の感触はいくら揉んでも飽きそうになかったが、押し付けられ続ける乳房もまた蠱惑的。
 既に先程味わったばかりだが、二つある手は有効に使われることを望んだ。
 生尻を片手で味わいながら、もう片方の手をTシャツを下から捲り上げるように挿入させる。
 身体の密着感が薄れサクヤが少し驚きの反応に固まるも。すぐに舌は動き出し、行動を察した上半身は少しだけ隙間を作った。

「んフゥン!? フゥん……んぁ!!」

 下から掬うように溢れでる美巨乳を持ち上げながら。先程以上に汗をかいた乳房を強く揉む。
 窮屈なクローゼットの時とは違い、手は自由に乳房を味わえた。
 滑らせるように表面を撫であげ、相変わらず乳首が勃起状態なのを確認すると。正面から鷲掴見ながら、乳頭にも同時に刺激を与える。

(サクヤちゃん、お尻だけの時よりもエッチな反応を……やっぱり、胸の方が感じるのか?)

 加減が強くとも気持ちがいいのか、サクヤは艶かしい吐息の中に官能的吐息を漏らす。
 浪人生は余すことなく臀部と乳房を触り尽くす。
 幾度も撫であげ揉みしだき。乳房は突起を扱き摘む動作も加える。
 どちらかといえば反応の良い乳房への愛撫に熱を込める。
 上半身の胸板同士の密着が緩んだ分、下半身の密着に意識が向く。
 乳揉みのためにTシャツはずり上がり、肉棒はサクヤの引き締まった腹部に擦り付けられる。
 亀頭とヘソの凹凸が幾度も触れ合い。
 短パンもずり下がったことから股間部分も精嚢に触れるも、ぶつかるという表現が近く感触は味わい難い。

(オマンコの方も、もう一度!!)

 手は二つしかない。股座を味わうなら、今味わっているどちらかの手を向かわせなければーーどちらの手も名残を惜しんでいる。

「ハァっ!! ンチュ~……れろッ!! むちゅ!!」

 ただ唇と粘膜の接触だけは、揺らぐことなく続き続ける。
 もはや、サクヤのことしか考えられない。
 既に背後で見守るヨツユの存在も、その夫の存在も思慮の外へと外れていった。
 その外では、ヨツユが旦那に再び迫りは始めていた。
 どうやら、浪人生の童貞を巡る攻防は、決着の様子を見せたようだった。 




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