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水泳部のマーメイドの憂鬱 〜水瀬 サクヤ〜

美魔女とマーメイドのせめぎ合い 童貞を巡る攻防3

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 かつて家庭教師を務めた少女が目の前で精飲をする姿に喉が鳴る。
 既に二度の射精を終えていながら、浪人生の肉棒は未だ力を失わずに天を向いている。
 ここしばらくの覗き行為と禁欲生活が、浪人生の精力を飛躍的に肥大させていた。

「それで、どうでしたか……」

 サクヤが緊張した面持ちで問いかけてくる。

「えっ!? ああ、凄くよかったよ!!」

 浪人生は慌てて心からの賞賛をサクヤに送ったものの、当のサクヤの表情はムッとしていた。

「初めは少し痛かったけれど、途中から凄い気持ちよくて……口を窄めながら、舌で舐められた時はーー」

「そういうことを聞いてるんじゃありません!!」

 サクヤは慌てたように言葉を遮ってきた。
 単純な賞賛だけでは足りなかったと考え感想を付け足した浪人生は困惑してしまう。
 顔を赤らめている様子は、恥ずかしげになっている気がする。

「……母と、どっちがよかったですか?」

 サクヤの言葉に、ようやくサクヤが実の母相手に張り合っていた状況を思い出す浪人生。

「そ、そういうことか!?」

 察しの悪い浪人生はようやく問いかけの意味を理解した。
 チラリとヨツユを盗み見れば、そこには余裕を持った大人の女性の姿だ。
 サクヤがジッと浪人生を見上げる中、視界の端でヨツユは小さくアゴでサクヤをさし示した。
 サクヤからは微妙に死角となる位置に移動しているため、サクヤにバレた様子はない。
 
「も、もちろんサクヤちゃんの方が良かったよ!! 具体的にはーー」

「具体的な説明は結構です!!」

 いつもは利発なはずの美少女が、感情のままに言葉を再度遮ってきた。
 余程、具体性のある感想は恥ずかしい様子だった。
 
「と、とにかく良かったよ、最高だった!! 流石サクヤちゃんだよ!!」

「……そんな、簡単な言葉でだけ言われたところで、信じられません」

(どうしろと!? 具体的に褒めたらカットインしてくるじゃないか!?)

 以前は教えを施す立場だったが、今は答えを教えて欲しい立場だった。
 困惑する浪人生の姿に痺れをきらせたのか、サクヤは少しイラタダシ気に立ち上がる。
 そのはままピッタリと寄り添うように接してくれば。Tシャツが捲り上がったまま乗った豊満で柔らかな生乳が、熱を持って身体に吸い付くように張り付く。
 豊満な肢体と美貌の接近にドギマギとしてしまう。

「……シたくなりましたか?」

「……えっと?」

「ああ、もう!! だから、私とシたくなりましたか?」

 サクヤが珍しく感情的になりながらも、浪人生の耳元へ顔を近づけ小声で問いかけてくる。
 サクヤの手は逆手に肉棒を握ると、唾液や精子に塗れたソレを扱き出す。
 この短時間で手際は随分となれたものとなり、茎を程よい力加減で扱き快楽を与えてくる。
 ネットリした摩擦音を響かせながら、顔を耳元に寄せるサクヤの呼吸は少し乱れていた。
 鼻腔にはサクヤの芳しい香りと共に、己が精子の磯臭い臭いのブレンド臭が。
 不快感すら感じる匂いだというのに、心音は上がってしまう。

「……そ、それはっ!?」
(さ、サクヤちゃんの方から誘われてる!? ほ、本番のことだよな!? シ、シたくないはずないじゃないか!!)

 絶世の美少女からの誘い。断るのは無作法というもの。
 ソレでありながら、浪人生の視線はヨツユと、ついでにその夫へと向いてしまう。
 夫の方は相変わらずだが、ヨツユの方は微笑みの中に少し呆れが見えた。

(ヨ、ヨツユさん、なんでそんな表情を? 今日まで散々……コッチだって、そのつもりで!!)

 今日までの美魔女の戯れはスッカリと浪人生をその気にさせていて。いくらサクヤに誘われてもヨツユに気がいってしまう。
 かといってサクヤの誘いを無下にもできず、優柔不断極まりない煮え切らない態度を取るしかなかった。
 そも、まともに決断できる男気があれば、受かる気もない一流大学を受験すると浪人する選択などしていない。
 停滞こそが浪人生のスタンダードだった。
 
「また、お母さんの方を……」

 サクヤが静かに怒気をあげる。
 浪人生の中に、受験勉強以前に聴き知る。2頭追うもの一頭も得ずということわざが浮かぶ。
 その意味を理解しながら、ことわざに学んだ行動を取ることができない浪人生。

「呼んだかしら?」

 ヨツユがサクヤの横に立つようにしながら、浪人生の肩を掴んだ。
 力が込められていて非常に痛い。
 表情は涼やかだが、微笑の下には怒りが滲み出ている気がした。
 そんな気がしながらも、ヨツユの手が再び肉棒の先端部へと伸びてくれば。肉棒は思わず跳ねる程に期待感を持ってしまう。
 サクヤも期待感に気づいたのか、肉棒が跳ねた瞬間手を止め。ギュッと強く握ってきた。

(やばい!? ど、どうしよう!! また、二人にーー)

 本気で困惑しながらも、浪人生は再び麗しい親子二人に責められる期待感も強く感じてしまう。

(あ、あれ? ヨツユさん、触って……こない?)

 サクヤの手は亀頭を包むように伸ばされたが、ヨツユの手が触れてくることはなかった。
 時折手は触れるものの、それはサクヤが手コキを再開したために接触するといった状態。
 困惑しながらも、これもまたヨツユの何かしらなプレイなのだと浪人生は考えた。

「そういえばサクヤ? アナタ、この前気になる年下の男の子が居るって言ってたけど、こんなことしていいのかしら?」

 サクヤが動揺して手を止める。
 浪人生も動揺した。近頃疎遠ゆえにサクヤの近況は知らない。初耳な情報だ。

「なんーー」

『なんで今?』と、サクヤは消え入りそうな声音で呟いたようだった。

(コレって、サクヤちゃんを動揺させて、退がらせて自分がってことか?)

 ヨツユが自分の童貞を食うために、サクヤを退がらせる駆け引きに出たと考えたが。同時にヨツユらしくない少し卑怯な手に感じた。

「ああ、そう言えば、昔は少し気になる年上の『先生』が居るって言ってたわね?」

 サクヤの動揺が強まり、顔が羞恥心で赤みを増した。

(サクヤちゃん、昔は学校の先生が好きだったのか……いや、まあ、サクヤちゃん程の美人ならーー)

 ヨツユがジッと浪人生を見。サクヤは浪人生から視線を外しながらも、チラチラと様子を伺ってきていた。

(?? あれ、ちょっと待て、先生って別に学校のってだけじゃーー)

「む、昔言った冗談を今更!!」

「アラ、冗談だったの? アナタが『せっかく、塾だの家庭教師だのって話なら、お隣のお兄さんの方がいいわね』」
「『少し知的で落ち着いた感じが素敵だし、知り合いの方が安心できるでしょ?』って、言ってきたから。わざわざ誰かさんにお願いしてあげたのに」

(やっぱり、俺のことか!?)

 まさかとは思ったものの、どうやら自分のことで間違いない様子。
 サクヤは顔を更に赤らめ動揺を見せている。

(サクヤちゃんが俺のことを?)
 
「昔の話だって言ったでしょ!! 今のこんな、髪がボサボサで浪人してる人なんか興味ありません!!」
「だいたい、元教え子のお風呂を覗くような変態なんて……」

 言葉の刃が突き刺さる。
 出掛け前に慌てて身支度をした際に髪を整え髭も剃ったが、元々の手入れが悪いからか頭髪は普段よりマシと言った程度に乱れている。
 浪人と覗きに関しては言うに及ばない。
 サクヤの方は、口にしてからしまったと言った風な様子でそっぽを向いた。
 
「あら、そうなの? むしろ、そういうダメなところが可愛いって考えもあると思うけど?」

 母の娘に対するフォローは、フォローになっていなかった。

「……趣味が悪いわ」

「ふ~ん。じゃあ、いいのね? お母さんが食べちゃっても?」

 ヨツユの言葉にサクヤと二人で驚き視線を向ければ、ヨツユは浪人生に顔を近づけてきた。

「童貞だけじゃなくて、キスもまだでしょ?」
  
 ヨツユの顔がゆっくりと近づいてくる。
 元々の距離がそれ程離れていないため、直ぐに吐息のかかる距離に。
 泡を食うように口をパクつかせる浪人生。

「ンンッッ!?」

 首が捻られ痛みを覚えた瞬間、唇には弾力のある柔らかさが。
 視界が横を向かされた先には、ゼロ距離でサクヤの顔があった。
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