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プロローグ 〜朝日奈 ヒナタ〜 〜シャルロッテ・ブラウン〜

プラチナブロンド留学生との交友 1 いつもの、ささやかな幸せを噛みしめながら、寝たフリをしていたらーー

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 春の陽光差す心地よい朝。少年は、自分の教室の席に座り眠っていた。
 日直のため朝早くに登校して雑務を終えた後、己が両腕を枕にし、突っ伏すようにしている。
 その前方では、女子が数名、教卓を囲みながら談笑していた。
 眠る少年を気にかけてか、声音は抑え気味なこともあって。
 少年はその女子集団が発する声に対して、不快感どころか、好感すら持っている。
 特に、前方の教卓の方を向いて立っている女子ーー。
 こちらに背を向けている少女の言葉には、特に注意を払い、聞き耳を立てていた。

(ああ、シャルちゃんのお尻が、目の前に……もう少しで、スカートの中が見えそうなのに)

 少年が実際に眠っていたのは、だいぶ前。
 今では、眠るフリをしながらコッソリと前方の様子を伺っていた。
 教室の中央最前列が座席になった時にはがっくりとしたが。
 今となっては、割り振ったであろう担任に感謝さえしていた。

 少年が気にかけている少女の名は、シャルロッテ・ブラウン。
 オーストラリア人の少女で、半年前。1年生の半端な秋時期に転向してきた留学生だ。
 美しいプラチナブロンドの髪は、腰まで伸びる美しいもので。
 肌色は黒に分類されるだろうが。
 ミルクをたっぷり溶かし込んだかのように滑らかな、白に近い薄褐色だ。
 背は日本では高めな160後半で、バストは80後半のDカップ。
 母国にいた時は新体操をやっていたようで、ウエストはくびれて脚周りの肉付きもよい。
 非常にグラマラスな体躯をしている。
 そうなれば当然、スカートをヒップラインの丸みが押し上げるのは必定で。
 股下数cmのミニスカートは、むっちりした太ももが惜しげもなく晒されている。

「クラゥス!! やはり、ニッポンの文化は、とて~も、興味深いですネ!!」

 声音は、とても元気で明瞭でありながら可愛らしい。
 そんな少女が、お尻を目の前で振りながら、スカートをたなびかせているのだから、堪らない。
 
(たまに舌足らずになったり、イントネーションがズレるのも、かわいいな~)

 教壇が前方にもあれば、段差でショーツが見えるのにと惜しがりながら。
 パンツこそ見えないものの、少年はこの状況に幸せを噛み締めていた。
 少年には、特色がない。
 強いて言えば、早漏半包茎だが勃起した際のサイズは人並が特徴といえる程の男だ。
 興奮時のアソコのサイズは並だが、平常時は小さめで。
 それゆえか、友人からしめじだの、なめこだのと呼ばれたが。
 既にその命名がついた先輩が身内にいたからか、ついた渾名は、あろうこか『ビッツ』
 当初は意味がわからなかったが、ある一粒サイズの菓子から取られたと知った時は、憤慨した。

「アハハッ!! ウップス!!」

 女子の集団が戯れつくうちに、シャルロッテのお尻がビッツの机を押した。

「あぅ~、ごめんなさィ。起こしてしまいましたか、ビッツクン?」

 シャルロッテが振り向いて、ビッツの顔を覗き込むように見下ろしてきた。
 豊かな胸は、しっかり着こなしたブレザーの上からでも揺れて。
 形が整った半球が、その十分すぎる存在感をアピールしてくる。

「あっ、うん。大丈夫だよ。ブラウンさん」
「そろそろ、体育の授業の時間だし、むしろ、起こしてくれてありがとう」

 男子の間でついた渾名は、いつしか詳細を伏せた状態で、女子にも広がりを見せた。
 ビッツとシャルロッテは親しいわけではないが、響きが日本風なモノより呼びやすいからか。
 彼女は、初めから渾名の方で少年のことを呼んでくれた。
 初めて呼ばれた際には盛大なダメージを受けたが。
 よくよく考えれば、ビッツは『小さな男性器』のスラング。
 彼女の口からそんな言葉が出る上、男子で唯一渾名で呼ばれるという名誉は、侮蔑にまさった。
 おかげで、この不名誉な渾名を自身の誇りにすら感じている。
 彼女に呼ばれること限定だが。

「ジャッ!! それは、よかったですヨ」

 彼女は、安堵して朗らかに微笑んだ。
 シャルロッテの目元はパッチリしていて、まつ毛は長い。
 天使のような微笑みを返されて、天にも登りそうな気持ちだった。

「シャールさん!! これなーんだ!!」

 黒板側に立つ女生徒が何かを掲げて見せた。
 シャルロッテはそれに誘われるようにきびすを返し、背を向けてしまう。

(くそっ!! も、もう少しぐらい話をしたかったのにっ!!)

 ビッツは心の中で女生徒Aに文句をい言いながら、再び寝る偽装体勢に入ろうとする。
 先程自身が言った言葉など覚えていない。

「そ、それはッ!! 『幕末魔法少女ハイカラさん』の、ご当地限定のゥ!!」

 女生徒Aは、水色を基調としただんだら羽織にステッキを持った少女のキーホルダーを掲げていた。
 シャルロッテの他に、教室の男子と女子1名ずつが。
 瞬間的に凝視し、慌てて視線を逸らしたが、そんなことには誰も気づかない。
 アニメなどに精通していないビッツも『幕末なのに、ハイカラ?』と、いった程度の興味しか示せない。
 
「親が仕事先で『なんか、流行り物の限定品だったから』って、お土産にくれたんだけど」
「あたし、興味ないから……シャルさん、確か好きでしょ? だから、あげる」

「オオオゥゥ!! 大好きです!! アリガトウ、ゴザイマ~ス!!」

 シャルロッテは盛大に喜びながら、飛び跳ねた。
 少年は、慌てて惰眠体勢に入る。
 スカートは、先程の比ではないほど捲れあがり、尻たぶの膨らみが瞬間的に覗いた。

(少しっ!! あと、少しでっ!!)

 だが、肝心の布が見えない。
 尻たぶも脚の付け根の盛り上がりからそうだと予測できる程度で、見えてるとは言い難い。
 今日まで幾度もチャンスはあったが、未だかつて、決定的瞬間が訪れたことはない。
 シャルロッテは、興奮しながらも跳ねるのをやめてしまい。
 予鈴のチャイムが鳴り始めた。
 どうやら、今日もダメだったようだ。
 教室から生徒が出始める気配が漂い、各々が会話を打ち切りだす。

(はあ~、僕も、準備するか)

 ビッツは、体を起こした。

「はい、じゃー、シャルさん? 欲しかったら、取ってみ?」

 女生徒Aは、キーホルダーのリング部分を持って、高く掲げて揺らしだした。

「モ~!! イジワル、しないでくださ~イ!!」

 女生徒Aの背はそれなりに高く、教壇もある。
 間に教卓もあることから、シャルロットから目当ての品の位置はなかなかに遠い。
 手を伸ばすが、届かない。

「先、行ってるよー」

 呆れた他の女子は、荷物を持って教室から出て行った。

「もう少し~、もう少しでスゥ~」

「あっ……」

 不意打ちだった。
 シャルロッテは、手を教卓に着くと、そのまま体を伸ばすようにしながら手を伸ばした。
 元新体操選手だったクセか、自然な動作で片脚が上がっていき。
 そのまま、ほぼ水平な高さの位置でポジションがキープされた。
 上体を起こしていても、座っているビッツの目の前には。
 太ももによって捲り上げらてた、隠された布地が。
 純白のショーツには、赤、ピンク色の花のデザインが施されていて。
 手触りが良さそうな生地は、シルクに見える。
 予想通りむっちりした尻肉は、フルバックタイプのショーツから少しはみ出ていた。


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