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水泳部のマーメイドの憂鬱 〜水瀬 サクヤ〜

美魔女の遊戯と童貞の行方 2 仕方なく、黙って娘さんと、狭い密室で覗き見していたらーー

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 夫婦が互いに触れ合う動作は穏やかなものながら、淀みない自然な動作だった。
 対して、触れ合いのないクローゼットの中の空気は重い。
 浪人生は、戸に向かって右、サクヤは左側に立ちながらの状態。
 厳密にいえば肩はぶつかっているが、それはやむに止まれずのもの。
 到底夫婦間で行われている、積極的な接触とはいえないものだ。

「あっ……んっ………れろ! ん……ちゅンン……ふぅ~~ーー」

 互いに服に手をかけてからおおそ3分。未だ、2人は服を着たままだ。
 旦那の方は、上に着ていたYシャツのボタンを外されているが、ヨツユはズボンの留め具を外された程度。
 ヨツユの手は、旦那の胸元から腹部側面を撫で降りるように下降し。
 旦那の手は、腰から背中の辺りに回されて撫で回すように。
 ヨツユの膝が旦那の股間を、旦那の手がヨツユのヒップを撫でることこそあれ、未だメインは口づけだ。

(ヨツユさん、今日は、一段と、また色っぽいな)

 色っぽさについては、ここ一週間あまり散々思い知らされた。
 だが、吐息の艶かしさの方は、殆ど初見に近い。
 ヨガの際、わざとらしく声を上げられたことはあったが。
 ナチュラルに、行為によって息が乱れて吐き出される声音は、聞いているだけで体を熱くさせてくる。
 ヨツユが、動いた。

「うふふ。今日も、仕事、お疲れ様……あむ」

 横腹を撫でていたヨツユの手が、旦那の服の中へ侵入する。
 そのまま手先は服の中を潜って、旦那の胸の辺りへ。
 手の甲がTシャツに浮き上がり、相手は男だというのに揉むような動作で撫でているようだ。

「うんっ……ヨツユこそ、毎日ご苦労様。お前が家事全般を引き受けてくれるから、安心して仕事に集中できるよ」
「明日は、仕事が休みだから、ゆっくりするといい。私が家事を代わろう」
「どうせ、朝には習慣で目が覚めてしまうだろうしな」

「本当? じゃあ、お言葉に甘えようかしら?」
「あん!! そうだ、じゃあ、お昼は、たまには、出前でもとりましょうか?」
「うふっ。浮いた時間は、映画でも観にーー」

 旦那はYシャツを脱ぐと、ヨツユのズボンのファスナーに手をかけた。
 ファスナーをおろしていけば、レース生地の黒いショーツが姿を表し始める。

(く、黒!! ヨツユさんなら、紐か、Tバックか!? りょ、両方の線も……)

 ズボンは強烈なヒップの張りによって脱げることなく、下半身を覆ったまま。
 覗き見える秘部周辺の黒布が、刺繍の施されたシースルー気味なものだとわかる。
 ズボン上部にショーツの上部分がはみ出すも、僅かすぎて全容が掴めない。
 旦那はヨツユの腰を抱くようにしながら引き寄せ、ヨツユも旦那の腰の上に跨った。

「んっ……んちゅ……あふぅ~~んチュッ!!」

 対面座位のような格好になると、そのまま抱き合いながら再びキスを再開する。

(旦那さんっ!! 何やってるんだよ!! もっと、こうっ!! 胸とかっ!!)
(ズボンのファスナー外したんだし、さっさと脱がしてっ!!)

 浪人生は、AV鑑賞の際、目当てのシーン以外は割と飛ばしてしまう派である。
 そんな彼にとって、目の前で行われている。
 快楽を求めるより、心を通わせて愛を確かめ合うゆったりした行為は焦ったかった。
 特に、セックスに関係ない、日常会話の部分にイライラしさえしていまっている。

(くそっ!! 俺だったら、もっといっぱい、ヨツユさんのこと、気持ちよくするのにっ!!)
(さっきから、キスとか、会話ばかりじゃないか!!)
(話すのなんて、セックス終わってからでいいだろう!!)
 
 旦那の手腕は十分にヨツユを昂らせていて、満足いく前戯として機能してるのだが。
 脳内妄想強気目な即物的な浪人生は、旦那の行為に不満しかなかった。

「はあ、はぁ……!! ……?」

 それゆえ、浪人生は気づいていない。
 夫婦の営みを覗き見ながら焦らされることで、自身の性欲が昂っていることを。
 不満を心の中で叫ぶように呟きながら、浪人生の視線は夫婦の行為に釘付けだった。
 そのため、横っ腹を肘で小突かれるまで、サクヤの存在を完全に忘れていた。

「……ぁ」

 顔だけ横を向けば、明らかに不快そうな美少女の顔が浪人生の横辺りを見ていて。
 視線をその先に向ければ、浪人生の両手は、いつしか扉に添えられていて。
 もう少し体重をかければ、扉を開けてしまいかねない程。戸に向かって体全体が前のめりになっていた。
 慌てて両手を下げて、ギリギリまでーー半歩程後ろに下がる。
 そして、改めて夫婦を覗き見る行為に集中しようとした時、視界が何かに遮られた。
 サクヤの右掌だ。
 再びサクヤに視線を移すと、相変わらず表情は不快そうだった。
 浪人生が反射的に躊躇なくその手を取ると、サクヤは驚いたのか体をビクつかせる。

(両親のセックスシーンなんか、他人に見られたくないだろうけど……ゴメン、無理!!)

 浪人生はサクヤの手を握ったまま、横に退ける。
 サクヤは動揺しながら抵抗をみせるが、ギュッと手に力を込めてその動きを制する。

「ぁっ!?」

 サクヤが動揺しながらも大人しくなったのを確認し、視線を正面に向ければ。
 旦那がヨツユの服を引き上げて、ヨツユは両手をあげて脱がされているところだった。
 服などさっさと脱がせと思いながらも、取っ掛かりのシーンを見逃して、浪人生は嘆いた。
 だが、視線は直ぐにヨツユの胸元へ注視されることとなる。
 予想通り、そこにはブラジャーがあり、ショーツとお揃いの黒いレースだったのだが。
 浪人生は、驚嘆した。

「ヨツユ? おまえ、その胸……」

(……そんな、馬鹿なっ!! 胸が……ある!?)

 推定Aカップ。目測70台前半で、まな板よりはマシと予測していた胸元は膨らんでいた。
 横からで見ずらいが、確かに谷間もあるようで。
 最低でも70台後半。アンダーからの見事な円の描き具合は、最低でもB。下手すればCに届きかねない程。
 思い返せば、服の上からでも膨らんでた気はするが。
 なまじ動揺していた上、バストサイズに期待していなかったために見逃していた。
 予想外の、貧乳なりの豊乳具合を見せられて、理解が追いつかない。

「これは、育乳用のものなのだけれど、こうしてバストアップもしてくれるタイプなのーー」

 旦那驚きを見るに、浪人生と同じく初見なようで。
 ヨツユは2人の疑念に答えるように、両手で胸元に添えながら説明を始めた。 

「中にエアパットが入っていて、中央のこの部分を押せば、空気が入って膨らむのよ」
「私の胸は、ご存知の通りだから、最大でもコレだけれども」

 ブラ中央の部位を指さした後、乳房を下から救うように持ち上げれば、乳房は自然に近い形で揺れた。

「普段は、パットも使ってないから、驚いたでしょ……どうかしら?」

 ブラのサイドベルトは、付加機能のためか普通の物より面積が広く。
 カップ下のアンダーベルトの生地も、気持ち広めに感じる。
 見ようによっては、いささかババ臭いブラにも見えるのだがーー。

(ヨツユさん、体が細くて引き締まってるから、思いの外不自然じゃないし)
(ブラ自体も上品な刺繍が入ってるからか、全然ダサくない……そ、それに、透け……!!)

 ノンワイヤーなのか、貧乳を無理に型で膨らませている感じはせず。
 むしろ、無駄なく上げ寄せているのも相まって、ピッタリとフィットしてる。
 大きめなブラでありながら着こなしに不自然さはなく。
 さながら、セパレートタイプのウェアに近い感覚で見ていられる。
 その上、刺繍の隙間は透けて色白い素肌が覗いているのだから、堪らない。
 これを身につけていたのが、自身の母であれば、ババア自重してくれと思っただろう。
 だが、目の前の女性は倍近く歳が離れた存在だというのに、可愛らしくすら思える。
 ブラを外せば、その胸の膨らみはたちまち消えるだろうが。
 むしろ制限下の着飾りはーー

(バストアップブラ……アリだ……)

「ふむ……豊胸を目的としたブラジャーか……思っていた以上に、いいじゃないか」

(ッオオ!? よ、ヨツユさんの胸が……ゆ、揺れているっ!! おおっ!!)

「ほう……交際をはじめてから、20年以上経つが……ほう!!」

(ありがとうございます!!)

「いいものを見せてもらったよ、ありがとう」

 旦那とおおよその見解が一致した。
 完全に、アリだった。
 生涯見ることがないと思っていた、ヨツユの乳揺れ。
 トレーニングウェアの時ですら拝めなかった乳揺れに、製造会社に心から感謝の念を感じた。

「だが、どうせなら……」

「あん!! もう、甘えたいの?」

 旦那は、ヨツユの背に手を回し抱き寄せながら、擬似豊乳に顔を埋めた。
 寄せて上げられた豊乳は、横幅が少なく。
 旦那の顔を包み切ることができず、口端に届くかといった程度。

「やはり、普段よりも、柔らかいな……」

「内側には、メッシュ生地が入ってるから、ふぅ~、直で私の胸を触るより、触り心地がいいかも?」

「いや、やはり私は、普段の張りの強い柔らかさの方が好きだな……ふぅ」

「クス。もう!! そう言いながら……んっ……ふぅ~、随分と、堪能しているようだけど?」

「こんな機会、まずないからな」

「っーーォっ!?」

「ンッーー!?」

 旦那はヨツユの胸に顔を埋めて、顔を擦り付けるようにしながら、感触を堪能している。
 浪人生は、その様子を見て、妬ましく悶えた。
 自然と手には力が入り、空いた手は握り拳に。
 サクヤの手を握る方は、ギュッと力が入り、力強く握られることに。
 サクヤは思わず顔を赤らめて身を震わせたのだが、そんな様子は視界に入らない。
 ジッとサクヤに横顔を見据えられているのだが、気にもとめない。

「しかし、おまえが育乳とはな……」

「今更だって、言いたい? だって、流石に3人目だと、垂れたりしちゃいそうだし……」
「できることは、しておきたいじゃない?」
「色々と……そう、色々とね」
「何事も、下準備は大事よ。知ってるでしょ、私が、事前準備は、念入りな方だって?」

 それゆえ、気づくことができないーー。
 3人目発言に、旦那が一瞬顔を曇らせたことに。
 サクヤの空いてる方の手が、そろそろと、自身のイキリ勃つ股間へと伸びてきていることに。
 母親の3人目発言に、思わず伸びた手は止まったが。
 再度動き出せば、容易く触れられる距離まで迫っていた。






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