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水泳部のマーメイドの憂鬱 〜水瀬 サクヤ〜

美魔女の戯れ 1 覗きの代償は心臓に悪いものでーー

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(サクヤちゃん、大丈夫だろうか?)

 サクヤに窓のルーバーを閉められた後、浪人生は呆然とその場に立ちつくしていた。
 浴室の方からはサクヤの他に、先程とは違う男の声が聞こえた。
 水瀬家に男は1人しかいない。通話していた男とは違う声の主は、おそらく父親だろう。

(それにしても、サクヤちゃん。 まさか、本当に俺に気付いていたなんて)

 サクヤの身に何かあったようだが、家族が駆けつけたのなら心配はないだろう。
 状況は落ち着いたものの。
 1人野外で取り残された浪人生の体は、興奮が収まることがなかった。
 サクヤがこちらの覗きに気付いてる兆候は、確かにあった。
 しかし、あの才色兼備な美少女が、そうと知っていながら覗きを黙認するはずがない。
 幾度もそう否定しながらも『ワザと裸を見せつけている』と、いう願望は消えなかった。
 しかし、その願望が事実だと突きつけられた今、この後どのようにすべきか分からない。
 
(今までは、バレてるなら、風呂場に突入とか、頃合いを見て会いにいって、とか考えてたが……)

 妄想の中では強気でも、本命の二流大学ですら受からず。
 落ちた言い訳に、一流大学を目指しているからと三流大学を蹴った浪人生はヘタレだった。
 つまらないプライドはあるも、チキンハートな小市民が、浪人生の正体だ。

(とりあえず、今日はもう帰るか。 帰ったら……)

 股間に目を向ければ、ペニスがズボンをパンパンに押し上げている。
 本音を言えば、この場で自慰に興じたいものだが、流石にそれははばかられた。
 ならば、ひとまずは帰ってからすることは一つしかない。

「ふぅ~……」

「あら? まだ元気なのに、随分とアンニュイね?」

 突如背後から声をかけられ、心臓が飛び出そうになった。

「ふうっんーー!!」

「静かにしたほうがいいわよ? サクヤはともかく、あの人に見つかったら、大変よ」

 物理的にありえない事象のかわりに飛び出しそうになった声は、声の主の手によって遮られた。
 同時に背後から抱きつくように拘束されて、思わずジタバタと身を捩る。
 声からしてサクヤかと思ったが、違うようで、よく聞けば声質は少し低い。
 浪人生が抵抗の動きを落ち着かせると、口元から手がゆっくりと離れていく。
 しかし、体を拘束する腕の力は弱まらず、逃してはくれないようだ。
 浪人生は、首だけを背後に向けて、その正体を確認にかかる。

 容姿や背丈は、サクヤによく似ている。  
 黒いTシャツにジーパンというラフなスタイルの女性。
 明確な違いは。
 髪が少し短いショートカットで。
 胸元の膨らみは慎ましいものだというくらいだ。
 細かく見れば、サクヤと違い目尻は釣り上がっていて、より美麗さに拍車がかかり。
 若かりし頃はバレリーナだった名残か、ウエストはサクヤより更に括れている。
 年齢は40前後のはずながら、未だ20代前半で通じるほどに若々しく。 
 サクヤと共に街を歩けば、JDの姉妹と勘違いされることすらあった。
 とても経産婦とは思えない細身の肢体と、美貌を有している。

「ヨツユオバサン……」

 動揺からカタコトのようになってしまう。

「お久しぶりね。と、いっても、よく犬の散歩の時に、挨拶なんかはしたけど」
 
 美魔女と称するにふさわしい体からは、バラ科の香水の香りが漂ってきた。
 その上、ナチュラルメイクの施された美貌の仕上がりは、サクヤ以上。
 そんな女性に抱きつかれれば、当然平常心ではいられない。
 しかし、娘さんの入浴を覗いていた場面なのもあり、全身からは嫌な汗が浮かんでしまう。

「そ、そのっ!! これはっ!!」

 小声ながら慌てて誤魔化しに走ろうとした口は、ヨツユがポケットから出したスマホ画面によって黙らされる。
 そこには、つい先程までの自身の姿がムービーで収められていた。

「中腰になりながら、必死に背伸びをしたり、人の家の壁に股間を押し付けたり……」
「なかなか、面白い姿だったわよ?」

 からかうように浮かべている笑みの真意は読み取れない。
 画面に映る滑稽な自分の姿と、美しい美顔を交互に見ながら。
 浪人生は、早ければ、翌朝の朝刊に自分の名が載ることを覚悟した。
 逃げることも、言い訳すらできないまま、茫然自失としてしまう。

「さて、っと、どうやら、自分の立場が理解できたようだし、ちゃっちゃとすませてしまいましょうか」

 警察か、まずは家族の前に突き出されての罵倒や断罪か。
 浪人生は呆然としながらも、覚悟を決める。
 そんな姿を、ヨツユは鼻歌でも歌いそうな程に上機嫌に眺めながら。
 拘束していた手を浪人生にへそ下へと移動させていく。

「ヨ、ヨツユおばさん!? あっ……」

「ほーら、静かに。 まだ、サクヤはお風呂に居るようだから」
「なかなかいいモノを持っているようね?」
「なのに、覗きだなんて……もしかして、早漏くん? なのかしら?」

 耳元で囁かれれば、吐息がかかり。
 ヨツユの掌が股間全体をーー膨らみ具合をはかるように撫で回してくる。
 思わず腰から力が抜けて、背後のヨツユへ身を預けてしまいそうになりながら。

「な、なにをっ!?」

「なにを……って、分からないのかしら?」

 ヨツユの手が、ズボンのファスナーへ手をかけてくる。
 張り詰めすぎた膨らみは、そのシンプルな動作を阻害しながら。
 浪人生は抵抗することができないまま、自身のトランクスが顔を出す様を見つめるしかなかった。
 ファスナーが完全におろされ、狭い隙間から覗くソレにはシミが拡がっていた。

「あらあら? オナニーは、してないように見えたけど、もしかして、イっちゃってたのかしら?」

「あっ……あっ……」

 ヨツユがイタズラっぽい笑みを浮かべながら、更にトランクスのボタンへ手をかける。
 開かれた隙間から、細い指が侵入してくる。
 その感触に思わず声を上げながら、ペニスは自分以外のものに触れられたことで大きく脈打って。
 ヨツユが指をペニスに引っ掛けるようにしながら引っ張れば。
 平均値よりも長さのある肉棒は、しなり曲がりながらも何とかその姿を外に表して。

「思っていた通り、元気一杯ね。 それに、やっぱり、大きめなサイズ……」
「体だけじゃなくて、コッチの方も、すっかり大人になっちゃって」

 肉棒が夜風に当てられながら、指先に撫でられる。
 ブルン、と大きくしなって飛び出した肉棒を感慨深そうに見つめられ。
 今更ながら、幼い頃から顔見知りな大人の女性に成長を見られた羞恥心が沸き起こる。

「ヨツユ、おば……あぅっ!! ぁーー」

 しなやかで細長い五指が、肉棒を包んでくる。
 そのまま手は、長すぎて握りきれないソレをカバーするように、上下に動き始めて。
 肉棒からのぼってきた刺激に、背筋は震えてしまう。





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