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 なかばエルザを避けるように別棟にやってきたルイスは、まだかすかにまとわりついているような気がするエルザの気配を振り払うべく足早に自分の部屋へ入った。後ろ手にドアを閉め切ることでようやく気を休めることができた。

 使用人達の住まい。城内ほど華美ではないが、一般水準より高価に造られた建物。バス、トイレ、ダイニングキッチン完備の一人部屋なので、各々のプライベートは守られている。棟の内部では男女別にスペース分けされている。

 ここのところ連日城内の自室で休んでいたせいか、久しぶりに足を踏み入れる別棟のプライベート空間からは生活感が消えかけていた。ベッドやデスク、本棚。置いてある物には何の変化もないのに、知らない部屋に入り込んだ気分になる。

(あいな様がお城で暮らすようになってからというもの、すっかり足が遠のいていましたね。)

 閉めた扉に凭(もた)れたまま、窓越しに遠くをぼんやり眺めた。王族の間(ま)を出てからずっと、止むことのない胸の高鳴り。
 まだ、腕の中にあいなのぬくもりが残っている気がする。彼女の涙や笑った顔、濡れた頬、幼さの残った声、抱きしめた時の体の柔らかさ、何よりも優しい香り、唇を重ねた時の感覚。それらが鮮明に思い浮かび、頭から離れない。

 誰かのことを深く考えたり、こんなにも焼けるように胸が熱く、苦しくなるのは初めてだった。
(もう何も望まない。絶対に――。)

 扉に凭(もた)れたまましゃがみ、両手で強く額を押さえる。
 あいなが恋しい。永遠にそばにいてほしい。愛したい。愛されたい。決して人には言えない想いを心の中で繰り返すことで、明日からの自分を律(りっ)しようとしたのだった。



 シャルのおかげでどうにか食事を終えることができたあいなは眠気を覚えた。歯磨きをしてベッドに横になる。
 シャルと色々なことを話せて安心したのか、頭痛も治まっていた。

 入浴後、シャルは寝室にやってきた。そこまではまだ良かったのだが、
「なっ、シャルのベッドはあっちじゃん!」
「心配だから添い寝する」
 シャルは、平然とあいなの寝ているベッドに入ろうとし、彼女の体に掛けられている布団をめくった。
「やっ、何の罰ゲームなのそれ!添い寝なんかいらないっ!」
「罰ゲームって、ひどい言い草だな。ルイスは良くて俺にはさせてくれないのか?」

 いじけたように唇を尖らせるシャル。ベッドの隅(すみ)に腰を下ろし、噛(か)みつくような眼差(まなざ)しでこちらを見てくるあいなに視線をやった。

「ルイスにもさせたことないし!」
「そうか。お前は寝てたから知らないんだったな」

 シャルは、バロニクス城で見たことを話した。あいなはみるみる顔を青くし、自分の醜態(しゅうたい)を恥じる。

「ルイスが添い寝!?気ィ失ってたとはいえ、私、何てことを!」
「本当だ。何てことをしてるんだ。なんてな。俺が酒を飲み過ぎなければ防げた事態だ。あいなは悪くない。ただ……」

 正直になると決めたシャルは顔を赤くし、泣きそうな顔で想いを語った。

「悔しかった。自分のせいであいなとルイスの距離を縮めていたことも、添い寝を先にされたことも。俺は我慢したのに。あいなと同じ部屋に寝たって、お前がその気になるまでは待つって決めてたんだ。いや、じゃなくて、別にそういうことばかり考えてたわけじゃなくてだな。その、つまり、何が言いたいかっていうと、お前がこれから体験する初めてのこと、その相手に俺はなりたいんだ。ルイスはどんどん先に行ってお前の心を奪っていくみたいで、恐いんだ……」
「シャル……」
「悪夢を見てるお前を、俺が真っ先に支えたかった。酒を飲んでたとはいえお前を一人にさせたクセに妬くなんて、自分で自分が嫌になるけど……。本当にごめんな、あいな」

 寂しげなシャルの横顔に、あいなは胸がじんとした。彼の気持ちが痛いほど伝わってくる。
 ベッドに寝そべり、あいなはそっと、シャルの手を取った。

「変なことしないなら、いい、よ」
「いいのか?」
「っ…!だって、そんな顔されたら、なんかこっちが悪いことしてるみたいだし!」

 シャルの嬉しそうな顔を見たら恥ずかしくなり、あいなは顔をそらした。シャルのいる方とは反対の方向を向く。
「灯(あか)り、消すな?」
 寝室の電気を消し、シャルはそっとあいなのベッドに入った。

 背中の方に自分のものとは違う体温を感じ、シャルの匂いも漂う。心地良いこの匂いに、あいなは弱かった。
(初めて会った時から、何だろう?落ち着くのにドキドキする甘い香り――。)
 数日間シャルと共に過ごしたが、香水をつけている様子は見られなかった。

「あいな、いい匂いがする」
「へっ!?」
 一瞬、頭の中を見透かされたのかと思い、あいなは焦った。
「きっ、気のせいじゃない!?」
「ううん、する。なんかこう、安心する匂い」

 体調を崩しているのもあり、今夜あいなは入浴をしていなかったし、普段から香水も使わない。今朝、ハロルドの誘いで温泉に浸かったくらいである。そう考えたら、シャルが近くに来るのに抵抗が湧いた。

「やっぱり、別々に寝よ!?私、汚いから!シャワー浴びてないし、ね?」

 そう言ったところで、シャルがすんなりベッドを出ていくとは思えない。あいなはシャルとの距離を離すためモゾモゾと動き、落ちそうになるギリギリまでベッドの隅に移動した。
(ふう。大きなベッドでよかった。)
 ホッとしたのも束の間、シャルの両腕が伸びてきて、あいなの頭と体を背後から抱きしめた。背中を中心に、全身がシャルのぬくもりに染められる。

「逃げるのナシ。添い寝って言っただろ?」
「やっぱりダメだよ、頭とか特に触らないで?汚いし、髪、絶対臭いからっ」
「あいなの匂い、体温、感じたい」
「嫌じゃないの?」
「好きでこうしてる。腕の中にお前がいると落ち着く」

 互いの鼓動が重なり、同じ速さで刻まれている。緊張するし恥ずかしいのに、そうしていると次第に気持ちは落ち着いてきた。仰向けになるとシャルの肩に頭を預け、あいなはゆっくり目を閉じる。

「何もしないから安心しろ」
「分かってる。そういう心配はしてない」
「そうか。ならいいけど。でも、お前の匂い嗅(か)いでるとちょっとな……」
「ちょっと、な?もしかして変な気起こしてないよね!?」
 あいなはシャルを睨(にら)み付けた。
「冗談だ。若い男にしては理性がある方だとよく言われる。安心していい」

 小さく笑うシャルの眼差しが愛しげに細められている。ずっとあいなを見つめていたらしい。
 気がつくと、二人の顔は間近にある。シャルの目が優しすぎて、あいなの胸は再び激しく鼓動した。

「理性があるとかないとか、そんなの私には分からない」
「いいよ、分からなくても。そばにいてくれれば」
「…………」
「…………」

 ふいに訪れた沈黙が恥ずかしくて、あいなは黙っていられなくなった。何か話さなくてはと、気が急(せ)く。

「私より、シャルの方がいい匂いだよっ」
「俺が?」
「うん。初めて会った時からずっと思ってた。シャルのそばにいると、なんか甘い匂いがするの」
「初めて言われた。自分でも感じないしな」
「そう、なの!?」

 私の鼻がおかしいだけ?首をかしげるあいなに、シャルは語った。

「でも、心当たりはある」
「何?」
「お前に初めて出会った時よりもっと前の話になるんだが、幼い子供だった頃、俺は不思議な夢を見たことがある」

 夢の中に出てきた妙齢(みょうれい)の魔女は語った。
『人には、その人にしか出せない香りがあり、それは運命の相手を引き寄せてくれるもの。でも、人々の間からそのことは忘れ去られ、香りの効果も失われてしまった。
 でも、あなたには特別にその力を授けましょう。幸福をもたらす伴侶に巡り会える力です。魔女村に祈りを捧げてくれたことに対する、私なりの感謝の印です』

 魔女の言う通り、シャルはその日、父のカロス国王と共に魔女村を訪れていた。魔女村とはロールシャイン王国の外れに存在する貧民街だった。昔魔女が作った村だという言い伝えにより魔女村と呼ばれるようになったが、足場の悪い土の地面に木や藁(わら)で作った家が点々と並ぶ寂(さび)れた村である。

 魔女村とは名ばかりだった。魔法を使える者は仕事を求めてどんどん都会に出ていくので、この貧しい村には魔女など一人も居やしない。

 シャルとカロス国王は遠い昔に亡くなった魔女村の初代村長の墓に手を合わせた。国境もすぐそばの村の外れに建てられている石碑(せきひ)がそれだ。
 国王にとっては視察だったが、シャルにとっては家族との貴重な外出だった。墓参りをした後、不謹慎(ふきんしん)だと思いつつ父と並んで歩けることを喜んでいた。だから、夢の中で魔女に感謝された時、シャルはひどく申し訳ない気持ちになった。

「そんなことがあったせいか、その夢だけは今までずっと忘れられなくてな」
 シャルは言った。
「運命の相手を引き寄せる香りだなんて、半信半疑だったけどな。だが、あいなが言うなら、夢の中の魔女は本物だったということか。不思議なこともあるものだな」
「魔女村、か」

 魔女村。まさにファンタジー世界の話だが、今のあいなはそれを心から信じられた。なにせ、今自分が居る場所は魔法の存在する異世界なのだから。ワクワクしながら尋ねてみる。

「魔女村は、今も人の出入りが少ないの?」
「国王の働きかけもあって、今はだいぶ安定した土地になった。城下町ほど活気のある場所になるまでにはまだ時間がかかりそうだが、最近の魔女村には自分で商売を始めて村を守(も)り立てようと働きかける若者も増えていると聞く」
「そうなんだ。良かったね。カロス国王は国の人を大切にする人なんだね」

 ロールシャイン王国はとてもいい国なのだろう。あいなは、まだ見ぬカロス国王にあたたかな関心を抱き尊敬もした。

「先進国と言われているが、ロールシャイン王国にはまだまだ貧しい村がたくさんある。そういう人達にも苦のない生活を送ってもらいたい。国王の意志を、俺も受け継ぎたいと思ってる」

 まっすぐ、覚悟を秘めた目で語るシャルに、あいなは惹かれた。思わずじっと見つめてしまう。二歳しか違わないはずなのに、シャルのことが大人に見える。初めて“王子らしい”と思った。

 あいなの視線に気付いたシャルはドキッとし、目をしばたかせた。
「あいな……」
 至近距離で視線が絡む。見えない何かで近付けさせられるような感覚がして、二人は互いから目を離せなくなった。
「そんな目で見つめられたら、キスしたくなる」
「……!」

 ふわりと、シャルの唇があいなの頬に触れた。かたく目を瞑(つむ)ることで心の準備をしていたあいなは、唇に何の感触もしないことに拍子抜けしてしまう。

「え…?(唇に、しないんだ)」
 ルイスとたくさん唇を重ねたせいなのか、あいなの頭にはいつの間にか『キスイコール唇』の図式が出来上がっていた。

「どうした?キョトンとして」
「だ、だって、キ……ス、するって言うから、てっきり…!」
「唇にされると思ったか?」
「違う!そうじゃないっ」

 その通りとは言えず、強く否定してしまう。
 真っ赤になって目をそらすあいなを見つめ、シャルは彼女の右手首を自分の口元に持ってくる。

「唇へのキスはおあずけだ」
 シャルはつぶやいた。それはあいなに向けた言葉にも聞こえたし、シャル自身に言い聞かせているセリフのようにも見える。あいなの右手薬指にはめられたエトリアの指輪に軽く口づけし、シャルはもう一度つぶやいた。
「俺を好きになって、キスしたくなったら、その時はお前からしてほしい。それまで、何年でも何十年でも待ってるから」

 シャルなら、本当に何年でも、それこそ死ぬ日まで待っていてくれそうな気がした。あいなは短く答える。
「分かったよ。いつになるか分からないけど……」
 シャルではなくルイスに気持ちがいってしまうこともあるかもしれないのに待つの?そう言いかけて、あいなは言葉をのんだ。シャルがこんなことを言ったからだ。
「俺、今ならルイスの気持ちが分かる。一生片想いでもいいっていう気持ち。だって、好きな人がいるだけで幸せだし、そばにいてくれるだけでこんなに胸が満たされるんだもんな」
「……!」

 シャルの言葉にあいなはハッとした。彼がルイスと同じようなことを言ったからだ。
(シャルの気持ちが分かるって、ルイスもそう言ってた。二人は、本当に仲がいいんだな。)

 今まで自分のことしか考えていなかった。シャルとルイス。この時初めて、あいなは自分が居ることで彼らに与える影響を考えたのだった。

「私がどちらかを選んだら、二人の関係は悪くなるの?」
「そうかもな。ルイスはライバルだしな。どんな結果になってもしこりは残るだろう。揉(も)めるのは当然だ」
 怖(お)じ気(け)づくことなく、シャルはハッキリと言い切った。
「それだけ、俺達はお前のことを本気で好きなんだ。想いの強さの分、痛みも大きくなる。でも、それを気にして同情で結論を出すようなことはやめてほしいんだ。どんな答えを出してもいい。お前がしたいようにすればいいんだ」
「うん……。同情は、しない」

 今まで何度も恋をし、告白し、振られてきたあいな。それでも次の恋に行けたのは、相手の男子がしっかり断ってくれたからなのだと、今になって分かったような気がする。
(迷った分、ちゃんと答えを出さなきゃ!同情で選ぶようなことはしない。シャルのためにも、ルイスのためにも、私自身のためにも。)

 あいなを気遣うシャルの言葉。それとは真逆に、あいなを抱きしめるシャルの腕は力強く、永遠にそばにいてほしいと訴えかけているようでもあった。





 翌日の朝。あいなはまだ眠っていたので、先に起きたシャルは足早に国王・カロスの元に向かった。まだ朝早い時間。城内は使用人の姿もほとんどなく静かだ。多忙を極めるカロスもまだ自室にいる頃である。

 あいなと接している時とは違う、一国の王子として、シャルはカロスの部屋の前に立った。ノックをし、
「国王様、ご報告したいことがあります。今、よろしいでしょうか?」
「シャルか。入れ」

 室内には執事等の姿もなく、カロス一人だった。昔はそうでもなかったはずだが、歳を重ねるごとに威圧感を増すカロス。息子ではなく他人を見るように無関心な視線をシャルにやった。

「ルイスからお聞きしているとは思いますが、あいなに催眠剤を嗅(か)がせた人間の正体が分かりそうです。ですが、彼女のことは無罪放免にしていただきたいのです。もちろん、なぜそのような犯行に及んだのかは問いただすつもりではありますが……」

 緊張した面持ちで、シャルはカロスを見た。カロスは平然と言う。

「その件についてだが、お前達はもう何もしなくていい。私が対処し、彼女を無罪放免にした。昨夜、彼女には城から出ていってもらった」
「そんな…!!逃がす前に、彼女から犯行の理由を訊(き)いて下さったのでしょうか?」
「理由、か。それを知ったところで何になる?無罪放免にした、それでいいだろう。彼女はもう二度とロールシャイン王国に足を踏み入れることはない。納得しろとは言わないが、理解しろ」
「納得もできないし理解も出来ません!」

 シャルはカロスに掴(つか)みかかった。

「なぜ、そうする前に一言相談して下さらなかったのですか!?あのメイドがあいなに何の薬を嗅(か)がせたのか、私はどうしてもそれを知りたかったのです!」

 冷静な態度を崩さず、カロスは静かにシャルの腕を下ろすとやや悲しげな眼差しで言った。

「シャル。そうまでしてかまう価値が、あの娘にあるのか?」
「当然です!彼女は私の大切な伴侶です、何をしても守りたい、そう思っています」
「しかし、あの娘はお前を愛してなどいないのだろう?エトリアの指輪で契約のごとく縛られ仕方なくお前と結婚するだけだ。言わせてもらうが、私はあの娘とお前の結婚を良く思えないし、あの娘に嫌悪感すら覚える」
「国王様はあいなを気に入らない、だから、あいなを貶(おとし)めようとしたメイドを問いたださなかったということですか?」
「どう受け取ってもらっても構わない。あの娘も、これに懲(こ)りてお前との結婚を諦めるかもしれないしな」

 カロスは嫌味な笑みを浮かべる。ギリリと歯を食いしばり、シャルは耐えるように言った。

「あなたの気晴らしのために片付けていい問題ではなかったのです!あいなの体に何かあったら……。命に関わることだったらどうするのですか!?」
「価値のないものは自然に淘汰(とうた)されていく。それだけの話だ」
「価値がない?なぜそのようなことを…!いくら国王様でも許せません!お言葉が過ぎます…!」

 怒りの感情をあらわにするシャルに、カロスは変わらず冷たい物言いをした。

「羨ましいな。純粋に人を愛せるうちは何も見えていない。今のお前のように」
「何が言いたいのですか?」
「お前があの娘に抱いている感情は果たして何年続くのだろうな。愛や恋は不確かなもの。もろく儚(はかな)い。国王になるお前には必要のない感情だとは思わないか。結婚がしたいのならば他に女はたくさんいるだろう」
「……ご自分の過去を、俺に重ねているだけではありませんか?」

 言わないでおこうとしていた昔のこと。シャルは容赦なくカロスに叩き付けた。

「俺は知っています。あなたがかつてルイスの実の母親と恋仲にあったことを」
「……!」

 威圧感は一気に崩れ、カロスの表情には動揺の色が濃く浮かんだ。

「なぜ、それを……」
「昔、偶然あなたの執務室で調査書類を見つけてしまったのです。国王様。あなたには胸に秘めておきたい過去がある。ルイスの母親との恋は、王妃にすら話さなかった大切なものだったのですよね。だからこそ、あなたは血の繋がらないルイスが身寄りを無くした際彼を引き取り自分の息子同然に育てた。
 本気で人を愛したことのあるあなたがなぜ今そのようなことを平気で言えるのか、私には分かりません」
「……お前は、愛さえあれば何でもうまくいく、そう思っているのか?」
「ええ。あなたになら、俺があいなを想う気持ちを理解していただけると思っていました」
「…………」
「知ってほしいのです。俺はあいなを愛している。かつてあなたがルイスの母親を愛したように」

 シャルは静かに部屋を出ていった。いつの間にか大人びた表情をする息子の背中から、カロスは逃げるように目をそらす。

「シャル。私達は愛し合うがゆえに離れ離れの運命を辿(たど)った。あの娘とお前に、それほどの絆が築けるのか?」

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