7 / 114
一章◆ぜひ常連さんに◆
7
しおりを挟む
***
翌日の昼休み、雄大は思い立って昨日地図で場所を確認した【小さなパン屋minami】へ足を運んだ。
住宅街の路地を曲がると可愛らしい小さな立看板があり、迷うことなくここだとわかる。
隠れ家のような小さな店だが、ガラス張りの窓に大きく開かれた入口。
客が数人並んでいて人気店なのかと思わせたが、近づいてみてその理由がわかった。
店内が狭いのだ。
自分で好きなパンを選んでレジに持っていくスタイルではなく、珍しくショーケースに並べられているパンたち。
まるで洋菓子店のようだ。
斬新なスタイルに惹かれて、雄大は列に並んだ。
普段は行列なんて面倒で敬遠するのに、何故だか並んでみようという気持ちになったのだ。
行列といっても数人なので、思ったよりすぐに店内へ入ることができた。
店内は外からの光りが柔らかく差し込んで明るく、落ち着いた色合いで統一されている。
スペース的には小さいはずなのに床に視覚効果が施されているのか、小ささを感じさせない空間デザインだ。
なるほどと感心していると、先にいた客が会計を済ませて出ていった。
「お決まりでしたらお申し付けください。」
声をかけられそちらを見ると、可愛らしいエプロンと三角巾を身に纏った店員にニコリと微笑みかけられ、はっと我に返る。
翌日の昼休み、雄大は思い立って昨日地図で場所を確認した【小さなパン屋minami】へ足を運んだ。
住宅街の路地を曲がると可愛らしい小さな立看板があり、迷うことなくここだとわかる。
隠れ家のような小さな店だが、ガラス張りの窓に大きく開かれた入口。
客が数人並んでいて人気店なのかと思わせたが、近づいてみてその理由がわかった。
店内が狭いのだ。
自分で好きなパンを選んでレジに持っていくスタイルではなく、珍しくショーケースに並べられているパンたち。
まるで洋菓子店のようだ。
斬新なスタイルに惹かれて、雄大は列に並んだ。
普段は行列なんて面倒で敬遠するのに、何故だか並んでみようという気持ちになったのだ。
行列といっても数人なので、思ったよりすぐに店内へ入ることができた。
店内は外からの光りが柔らかく差し込んで明るく、落ち着いた色合いで統一されている。
スペース的には小さいはずなのに床に視覚効果が施されているのか、小ささを感じさせない空間デザインだ。
なるほどと感心していると、先にいた客が会計を済ませて出ていった。
「お決まりでしたらお申し付けください。」
声をかけられそちらを見ると、可愛らしいエプロンと三角巾を身に纏った店員にニコリと微笑みかけられ、はっと我に返る。
0
お気に入りに追加
343
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
こじらせ女子の恋愛事情
あさの紅茶
恋愛
過去の恋愛の失敗を未だに引きずるこじらせアラサー女子の私、仁科真知(26)
そんな私のことをずっと好きだったと言う同期の宗田優くん(26)
いやいや、宗田くんには私なんかより、若くて可愛い可憐ちゃん(女子力高め)の方がお似合いだよ。
なんて自らまたこじらせる残念な私。
「俺はずっと好きだけど?」
「仁科の返事を待ってるんだよね」
宗田くんのまっすぐな瞳に耐えきれなくて逃げ出してしまった。
これ以上こじらせたくないから、神様どうか私に勇気をください。
*******************
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
Promise Ring
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
浅井夕海、OL。
下請け会社の社長、多賀谷さんを社長室に案内する際、ふたりっきりのエレベーターで突然、うなじにキスされました。
若くして独立し、業績も上々。
しかも独身でイケメン、そんな多賀谷社長が地味で無表情な私なんか相手にするはずなくて。
なのに次きたとき、やっぱりふたりっきりのエレベーターで……。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
イケメン副社長のターゲットは私!?~彼と秘密のルームシェア~
美和優希
恋愛
木下紗和は、務めていた会社を解雇されてから、再就職先が見つからずにいる。
貯蓄も底をつく中、兄の社宅に転がり込んでいたものの、頼りにしていた兄が突然転勤になり住む場所も失ってしまう。
そんな時、大手お菓子メーカーの副社長に救いの手を差しのべられた。
紗和は、副社長の秘書として働けることになったのだ。
そして不安一杯の中、提供された新しい住まいはなんと、副社長の自宅で……!?
突然始まった秘密のルームシェア。
日頃は優しくて紳士的なのに、時々意地悪にからかってくる副社長に気づいたときには惹かれていて──。
初回公開・完結*2017.12.21(他サイト)
アルファポリスでの公開日*2020.02.16
*表紙画像は写真AC(かずなり777様)のフリー素材を使わせていただいてます。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる