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11.過去の傷

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くちゅり、と指が這う。

「あっ……んっ……」

「すごく濡れてる。感じちゃった?」

恥ずかしいのに、穂高さんが満足そうにキスをくれるので、嬉しさで胸がいっぱいになった。もっと欲しくて手を伸ばす。全てを絡みとるように口内を舐め取られ、穂高さんでいっぱいになる。

もう、上手い下手だとか、雄一がどうだったかとか、そんなのは頭から消え去った。穂高さんしか見えない。穂高さんしか感じられない。

「たまらないって顔してる。気持ちいいの?」

「んっ……もっと……もっとして……」

無意識に懇願していたみたいだ。指が敏感な部分を擦る。とろりとした蜜が溢れるのがわかる。そのたびに自分の意志とは反して甘ったるい声が出てしまう。

ビクビクと体が震えた。
目の前がチカチカとする。

「やっ、だめっ、そ、そこっひゃあんっ」

「莉子、たまらないよ。すごく可愛い」

「あっあっ……だめっ、やっ、ああっ――」

頭が真っ白になり、全身から一気に力が抜けるように脱力する。そんな私を穂高さんは優しく抱きしめてくれた。はあはあと、息が荒い。私が落ち着くまで、穂高さんはずっと身体のあらゆる部分を撫でてくれた。

「ほ、穂高さん……」

「ごめんね、莉子。最後までしたいけど、実は避妊具《ゴム》がなくてさ、今日は指だけで許して」

「えっ……」

「本当にごめん。まさかするとは思わなかったから、用意してなかったんだよ。明日、ちゃんとしよう?」

「あ、えっと、……穂高さんはそれでいいの?」

「正直、よくはないけど……って、また余計なことを考えてないか?」

「えっ? あっ、ちがっ、そういうわけじゃなくて」

慌てふためく私に穂高さんはくすっと笑う。

「莉子が気持ちよくなってるのを見るだけで十分満足してる。それともまだ足りなかった? もっとする?」

すぐに穂高さんの指が秘部を這う。ぴちょぴちょと音を立てるソコは、するりと穂高さんの指を吸い込んだ。一度達したソコはもう限界というようにヒクヒクと震える。

「だ、だめっ、もうっ、お、お願いっ、ああんっ」

「何度でもイッていいよ。可愛い顔、もっと見せて」

指の動きに合わせて勝手に腰が揺れる。気持ちよくなるのもイク瞬間も、すべて穂高さんの腕の中。彼にしがみついたまま、私はまた果てた――。
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