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短小コンプレックス←カップルが主人公のお話です
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「お前、浮気してるだろ?」
ドスの効いた声。帰宅するや否や玄関で恋人に嫌疑を掛けられた青年、焦はその目を見開いた。
なっなっ何で紘一はオレを疑ってるんだろう……解らない、解らないけど何かこの状況イイッ。
焦はその儚げで若々しい美貌にある目を輝かせながらその口を開いた。
「そっそんな事…」
「言い訳なんて聞きたくないっっ」
その時、紘一に言葉を遮られた焦の表情が一変した。
「出て行…」
「バカッッ」
焦は大声で恋人の言葉を遮ると踵を返した。
数分後、焦は公園のベンチでうなだれていた。
何で、何でこんな事に…。
数週間前、焦と紘一は仲むつまじい同棲中のカップルだった。
「紘一…」
焦は時折、そう言い焦とは対照的な美貌の持ち主である紘一に欲情した。
その度、紘一はその顔に笑みを浮かべながら焦の唇を奪うと指と舌を使って焦の性欲を満たした。いついかなる時も下半身を晒さずアナルセックスしないと言う事以外は平凡なゲイのカップルだった二人は順調そのものだった。
そんなある日、焦は紘一と共に寝食を共にしている室内にいた。
その時、紘一は焦がいる場所からほど近い場所でくつろいでいた。
「あっ」
その時、焦が誤って紘一が大事にしているグラスを落とした。グラスはまっすぐ床に落下し大きな音を立てて割れた。
「あ」
その時、たまたま一部始終を見ていた紘一がその口を開いた。
「紘一ゴメ…」
「大丈夫かっっ」
その時、紘一は焦の言葉を遮ると焦の傍に駆け寄り焦の手をとるとそこにケガがないか確認し始めた。焦は驚くと同時に紘一に惚れなおした。
焦は紘一と一つになりたいと強く思うようになった。それから焦は短小コンプレックスとおぼしき紘一のコンプレックスを何とかし一つになると言う夢をかなえる方法を考え始めた。
「…そうだっっ」
その時、焦はその目を輝かせた。
数ヶ月後、焦はコンドームや大人の玩具が平然と机上に置かれている会社のオフィスにいた。
「安藤焦です宜しくお願いします」
数ヶ月前、商社のサラリーマンだった焦は転職活動をした後、上司に辞表を提出し後日、別の会社の平社員になった。
自己紹介の後、焦は上司に自分の席の場所を教えられた。ほどなくして自分の席に着席した焦はそこで企画書を書き始めた。
数ヶ月前、短小の人向けの盛れるコンドーム的な物を作りその後、それの存在をそれとなく紘一に伝えれば紘一と一つになると言う夢を叶えられるんじゃないか?と思った焦は紘一に黙って転職活動をし始めたのだ。
十数分後、企画書を書き終えた焦は企画書をプリントアウトし上司の席に歩み寄った。
その時、焦の上司はパソコンを使っていた。焦はその顔に緊張した表情を浮かべながらその口を開いた。
「お願いしますっ」
「…どれどれ…」
その時、焦に差し出された企画書を受け取った上司はそう言い企画書に目を通し始めた。
通りますように…通りますように…通りますように…。
ほどなくして焦の祈りは天に届いた。
「いいじゃないか!これ」
「あっ有難うございますっっ」
その後、焦は上司に焦が企画した物の商品開発リーダーに抜擢され紘一と過ごす時間を削り始めた。
数週間後、焦は帰宅するやいなや紘一に嫌疑をかけられ激怒した後、近所にある公園に足を運んだ。
何で何でこんな事に…。
うなだれ焦が頭を抱えていたその時、焦の上空にある空は灰色の雨雲で覆われていた。
数分後、「くそーっっ」
焦は汚い言葉を発しながら走っていた。ザ―と言う音とともに容赦なく降り注ぐ大量の雨水。少し前、ゲリラ豪雨に襲われた焦はズブ濡れになりながら雨宿り出来る場所を求め走っていた。
ほどなくして、焦は集合住宅の一室にある玄関扉の前にいた。脇屋と言う表札がある平凡なドアの横にはインターホンのボタンがある。
焦はインターホンのボタンに視線を移すと寒さに震える手を伸ばした。
…ピンポーン。
焦が押したインターホンは平凡な音を立てて鳴った。
『…焦っっ』
ほどなくして扉の向こうからした声は友人の在宅を確認するすべがなかった焦を安堵させた。
「良かった…」
少し前、焦が鳴らしたインターホンの音を聞いた青年は「セールスかな?」という言葉を呟いた。
その後、青年は玄関扉に歩み寄り覗き穴を覗いた。
その時、ずぶ濡れの焦を目にした青年は「焦っっ」と言う言葉を発しその目を見開いた。
「何でずぶ濡れ…ま、いいや風邪ひくから早く入って」
「あっありがと」
焦を室内に招き入れた後、青年は「タオルと着替え貸すから」と言い焦に入浴を勧めた。
「有難う」
その時、焦はそう言い青年の言葉に甘え始めた。
その後、青年に浴室に案内された焦は服を脱ぎシャワーを浴びた後、浴室を出た。
その時、焦は焦がシャワーを浴びている間、青年が脱衣所に用意していたバスタオルに視線を移した。
数分後、バスタオルで体を拭き青年が用意していたスウェットをその身に付けた焦が脱衣所を出た。
「あ、焦」
その時、脱衣場からほど近い場所にあるキッチンにいた青年がその口を開いた。
「今オムライス作ってんだけど、お前も食う?」
その時、浮かない表情をしていた焦は「いい食欲ないから」と言いその場を離れた。焦は窓辺に足を運び始め窓辺につくと窓の外を見始めた。
大丈夫かな?。
その時、焦の背中を心配そうに見つめていた青年はそう思った後、一人分のオムライスを作って食べた。
数分後、青年はお茶入りのマグカップを片手に窓辺で相変わらず外を見続けている焦に歩み寄った。
「ハイ」
その時、青年にマグカップを差し出された焦は青年に視線を移すとすぐその口を開いた。
「有難う」
焦は微笑むとマグカップを受け取りイイ匂いと言う言葉を口にした。
「…美味し」
焦はお茶を一口飲んだ後、そう呟いた。
それから焦は青年にずぶ濡れで来た理由を話し始めた。
「ツイてないなー」
焦から事情を聞いた後、青年は明るい口調でそう言いその場を離れた。
ほどなくして青年はノンアルコール飲料を手に焦の傍に戻ってきた。
「こういう時は飲んで寝るのが一番だぜ…」
青年はそう言いながら下戸の焦にノンアルコール飲料を手渡した。
「…有難う」
その時、焦はその目に涙を浮かべながらそう言いノンアルコール飲料が入っている缶の蓋に手を伸ばした。
それから二人はノンアルコール飲料を飲みながら日頃のグチを言いウサ晴らしをした後、眠った。
翌朝、焦より早く目覚めた青年はエアコンのリモコンに手を伸ばした。
「…もうこんな時間か…」
その時、エアコンのリモコンについている時刻表示機能で現在時刻を知った青年は「紘一」と言う焦の寝言を聞き視線を焦に移した。焦は青年からほど近い場所にあるベッドで眠っていた。
「焦お前…」
その時、焦の目から流れ落ちた一筋の涙を見た青年はそう言いその目を見開いた。以前、焦に焦の恋人の名前を聞き知っていた青年はその時、焦がまだ紘一を愛している事を間接的に知った。
それから青年は考え事をする素振りをし始めた。
「今日休みだし。焦の為に一肌脱いでやりますかっ」青年は誰にともなくそう呟くと焦に歩み寄った。
数分後、「行ってらっしゃーい」
青年は出勤する焦を玄関で見送ると室内に舞い戻った。
それから青年は身支度をし外出した。
数分後、青年は焦と紘一の愛の巣だった部屋があるマンションの前にいた。
「ここか…」
以前、焦に紘一と住んでいる場所を聞き知っていた青年はそう呟くとマンションの住人に訪問者が連絡する時に使う機械に歩み寄った。
同じ頃、紘一は焦と寝食を共にしていた部屋の中にいた。少し前まで焦の日用品があったそこは紘一の手によって焦の日用品がない場所になりつつあった。ベストセラー作家で尚且つ潔癖症の紘一は仕事の合間に焦の日用品を片付けていたのだ。
「だいぶ片付いたな…」
ほどなくして紘一がその口を開いた瞬間、青年が鳴らした紘一の部屋にあるインターホンの音が室内に響いた。
…セールスかな?。
紘一はその首をかしげながらインターホンのモニターがある場所に足を運んだ。
「…どちら様ですか?」
モニターで青年を見た紘一は青年と面識がなかった。
『オレは焦の友達です』
その時、青年の声を聞いた紘一はその目を見開いた。
カッカッカワイー。
紘一は鼻の下を伸ばし自分の美貌を台無しにした後、「どうぞ」と言う言葉を口にした。
刹那、紘一はマンションのエントランスにある扉を開けるボタンを押した。
ほどなくして紘一が明けたドアからマンション内に入った青年が紘一のいる部屋の前に現れた。青年はドアの横にあるインターホンに視線を移すとすぐそれに手を伸ばした。
ピンポーン。
青年の手によって押されたインターホンは平凡な音を立てて鳴り紘一に青年の到着を知らせた。
その時、洗面所で身だしなみを整えていた紘一は目の色を変え玄関に走った。
「どうぞ」
「ここで結構です」
その時、青年の有無を言わせない言葉に紘一は面食らった。
「…解りました」
その後、紘一は玄関扉を勝手に閉まらなくなるまで押し広げた後、青年の話に耳を傾け始めた。
「そんな…」
紘一はうなだれその目を見開いた。
その時、黙って紘一の姿を見ていた青年はほどなくして紘一が身に着けている上着のポケットに手を突っ込むのを目にした。紘一はポケットからスマホを掴み出すと少しの間スマホを操作し続けた。
「……ああっ焦のアドレス消すんじゃなかった」
その時、悲鳴のような紘一の声を聞いた青年は待ってましたと言わんばかりにその口を開いた。
「オレから焦に連絡してやろうか?」
「…エッ?」
その時、うなだれその目に涙を浮かべていた紘一が青年に視線を移した。
「おっお願いしますっっ」
その時、紘一に手を握られた青年はその顔に苦笑いを浮かべた。
その後、青年の計らいでよりを戻す事になった焦と紘一は後日、青年の家で再開する事になった。
その日、「じゃ頑張ってな」
青年は玄関で焦に謎の言葉をかけると外出した。
何をがんばれと言うんだ…アイツはイイ奴だけど時々意味不明な事を言うな…。
焦は青年の背中を見送った後、玄関扉を閉めた後、玄関扉についている鍵に手を伸ばした。
同じ頃、紘一は洗面所にいた。そこで紘一は瞼を閉じまるで自分を鼓舞しているかのような表情をその顔に浮かべていた。
「よしっっ」
紘一はそう言うと外出した。
数分後、焦はそわそわしながら紘一の到着を室内で待ち続けていた。
ほどなくして焦はピンポーンと言うインターホンの音を耳にし玄関に走った。
数分後、焦は室内で紘一に背を向けた状態で床に座っていた。そして自分の体の変化に戸惑うと同時にうろたえ続けていた。
数分前、玄関扉を開けた焦はこっぱずかしさを感じた。
たった数日間会わなかっただけなのに…焦はそう思いながら紘一と目を合わせることなく室内に舞い戻った。
その時、紘一は焦の予想外のリアクションに面食らった。
刹那、紘一は気を取り直しその口を開いた。
「お邪魔します」
紘一は玄関扉とそこについている鍵を締め靴を脱ぐとそう言い部屋に上がり始めた。
エ…。
紘一が入室してから十数秒、すぐ紘一が謝罪の言葉を口にしたりするだろうと思っていた焦は紘一が何も言わない事に驚いていた。
刹那、焦から少し離れた場所に立っていた紘一がその口を開いた。
「焦」
その時、紘一に視線を移した焦はその目を見開いた。
「エ…」
その時、全裸で仁王立ちしている紘一を目にした焦はほどなくして紘一がコンプレックスを克服した事を悟った。
「ウウッ…だん小じゃなぃじゃんかょ」
その時、紘一の股間にぶら下がっていた平凡なサイズのモノを見た焦は泣きながらそう言い紘一は焦に駆け寄った。
「ゴメン焦」紘一は焦の体を抱き締めながらそう言いその目に涙を浮かべた。
その後、紘一は焦の夢を叶え焦は乱れに乱れた。
「こんなにイイならもっと早くすれば良かった」
後日、焦は紘一の腕枕に頭を預けていた。
その時、紘一は焦の顔を愛おしいげに見続けていた。
「焦…」
紘一が焦の唇を奪おうとした瞬間、焦が「あ」と言う言葉を口にし顔を背けた。
その時、紘一は苦笑いし、その口を開いた。
「なあに?」
「紘一は何で下半身晒さないようにしてたの?後なんでオレが浮気してると思ったの?」
「エッ…」
その時、紘一はその顔に複雑な表情を浮かべた。
「もうそんな昔の事わすれちゃったよ…そんな事より…」
「教えてくれないなら別れる」
「ウッ…」
その時、焦に言葉を遮られた紘一はその後、休日出勤すると言う焦のあとをつけた事やその時、焦が以前働いていると言っていた会社とは違う会社に入って行くのを見て早とちりした事と子供の頃、意地悪な幼なじみに短小と言われ短小だと思い込んでいた事を白状した。
ドスの効いた声。帰宅するや否や玄関で恋人に嫌疑を掛けられた青年、焦はその目を見開いた。
なっなっ何で紘一はオレを疑ってるんだろう……解らない、解らないけど何かこの状況イイッ。
焦はその儚げで若々しい美貌にある目を輝かせながらその口を開いた。
「そっそんな事…」
「言い訳なんて聞きたくないっっ」
その時、紘一に言葉を遮られた焦の表情が一変した。
「出て行…」
「バカッッ」
焦は大声で恋人の言葉を遮ると踵を返した。
数分後、焦は公園のベンチでうなだれていた。
何で、何でこんな事に…。
数週間前、焦と紘一は仲むつまじい同棲中のカップルだった。
「紘一…」
焦は時折、そう言い焦とは対照的な美貌の持ち主である紘一に欲情した。
その度、紘一はその顔に笑みを浮かべながら焦の唇を奪うと指と舌を使って焦の性欲を満たした。いついかなる時も下半身を晒さずアナルセックスしないと言う事以外は平凡なゲイのカップルだった二人は順調そのものだった。
そんなある日、焦は紘一と共に寝食を共にしている室内にいた。
その時、紘一は焦がいる場所からほど近い場所でくつろいでいた。
「あっ」
その時、焦が誤って紘一が大事にしているグラスを落とした。グラスはまっすぐ床に落下し大きな音を立てて割れた。
「あ」
その時、たまたま一部始終を見ていた紘一がその口を開いた。
「紘一ゴメ…」
「大丈夫かっっ」
その時、紘一は焦の言葉を遮ると焦の傍に駆け寄り焦の手をとるとそこにケガがないか確認し始めた。焦は驚くと同時に紘一に惚れなおした。
焦は紘一と一つになりたいと強く思うようになった。それから焦は短小コンプレックスとおぼしき紘一のコンプレックスを何とかし一つになると言う夢をかなえる方法を考え始めた。
「…そうだっっ」
その時、焦はその目を輝かせた。
数ヶ月後、焦はコンドームや大人の玩具が平然と机上に置かれている会社のオフィスにいた。
「安藤焦です宜しくお願いします」
数ヶ月前、商社のサラリーマンだった焦は転職活動をした後、上司に辞表を提出し後日、別の会社の平社員になった。
自己紹介の後、焦は上司に自分の席の場所を教えられた。ほどなくして自分の席に着席した焦はそこで企画書を書き始めた。
数ヶ月前、短小の人向けの盛れるコンドーム的な物を作りその後、それの存在をそれとなく紘一に伝えれば紘一と一つになると言う夢を叶えられるんじゃないか?と思った焦は紘一に黙って転職活動をし始めたのだ。
十数分後、企画書を書き終えた焦は企画書をプリントアウトし上司の席に歩み寄った。
その時、焦の上司はパソコンを使っていた。焦はその顔に緊張した表情を浮かべながらその口を開いた。
「お願いしますっ」
「…どれどれ…」
その時、焦に差し出された企画書を受け取った上司はそう言い企画書に目を通し始めた。
通りますように…通りますように…通りますように…。
ほどなくして焦の祈りは天に届いた。
「いいじゃないか!これ」
「あっ有難うございますっっ」
その後、焦は上司に焦が企画した物の商品開発リーダーに抜擢され紘一と過ごす時間を削り始めた。
数週間後、焦は帰宅するやいなや紘一に嫌疑をかけられ激怒した後、近所にある公園に足を運んだ。
何で何でこんな事に…。
うなだれ焦が頭を抱えていたその時、焦の上空にある空は灰色の雨雲で覆われていた。
数分後、「くそーっっ」
焦は汚い言葉を発しながら走っていた。ザ―と言う音とともに容赦なく降り注ぐ大量の雨水。少し前、ゲリラ豪雨に襲われた焦はズブ濡れになりながら雨宿り出来る場所を求め走っていた。
ほどなくして、焦は集合住宅の一室にある玄関扉の前にいた。脇屋と言う表札がある平凡なドアの横にはインターホンのボタンがある。
焦はインターホンのボタンに視線を移すと寒さに震える手を伸ばした。
…ピンポーン。
焦が押したインターホンは平凡な音を立てて鳴った。
『…焦っっ』
ほどなくして扉の向こうからした声は友人の在宅を確認するすべがなかった焦を安堵させた。
「良かった…」
少し前、焦が鳴らしたインターホンの音を聞いた青年は「セールスかな?」という言葉を呟いた。
その後、青年は玄関扉に歩み寄り覗き穴を覗いた。
その時、ずぶ濡れの焦を目にした青年は「焦っっ」と言う言葉を発しその目を見開いた。
「何でずぶ濡れ…ま、いいや風邪ひくから早く入って」
「あっありがと」
焦を室内に招き入れた後、青年は「タオルと着替え貸すから」と言い焦に入浴を勧めた。
「有難う」
その時、焦はそう言い青年の言葉に甘え始めた。
その後、青年に浴室に案内された焦は服を脱ぎシャワーを浴びた後、浴室を出た。
その時、焦は焦がシャワーを浴びている間、青年が脱衣所に用意していたバスタオルに視線を移した。
数分後、バスタオルで体を拭き青年が用意していたスウェットをその身に付けた焦が脱衣所を出た。
「あ、焦」
その時、脱衣場からほど近い場所にあるキッチンにいた青年がその口を開いた。
「今オムライス作ってんだけど、お前も食う?」
その時、浮かない表情をしていた焦は「いい食欲ないから」と言いその場を離れた。焦は窓辺に足を運び始め窓辺につくと窓の外を見始めた。
大丈夫かな?。
その時、焦の背中を心配そうに見つめていた青年はそう思った後、一人分のオムライスを作って食べた。
数分後、青年はお茶入りのマグカップを片手に窓辺で相変わらず外を見続けている焦に歩み寄った。
「ハイ」
その時、青年にマグカップを差し出された焦は青年に視線を移すとすぐその口を開いた。
「有難う」
焦は微笑むとマグカップを受け取りイイ匂いと言う言葉を口にした。
「…美味し」
焦はお茶を一口飲んだ後、そう呟いた。
それから焦は青年にずぶ濡れで来た理由を話し始めた。
「ツイてないなー」
焦から事情を聞いた後、青年は明るい口調でそう言いその場を離れた。
ほどなくして青年はノンアルコール飲料を手に焦の傍に戻ってきた。
「こういう時は飲んで寝るのが一番だぜ…」
青年はそう言いながら下戸の焦にノンアルコール飲料を手渡した。
「…有難う」
その時、焦はその目に涙を浮かべながらそう言いノンアルコール飲料が入っている缶の蓋に手を伸ばした。
それから二人はノンアルコール飲料を飲みながら日頃のグチを言いウサ晴らしをした後、眠った。
翌朝、焦より早く目覚めた青年はエアコンのリモコンに手を伸ばした。
「…もうこんな時間か…」
その時、エアコンのリモコンについている時刻表示機能で現在時刻を知った青年は「紘一」と言う焦の寝言を聞き視線を焦に移した。焦は青年からほど近い場所にあるベッドで眠っていた。
「焦お前…」
その時、焦の目から流れ落ちた一筋の涙を見た青年はそう言いその目を見開いた。以前、焦に焦の恋人の名前を聞き知っていた青年はその時、焦がまだ紘一を愛している事を間接的に知った。
それから青年は考え事をする素振りをし始めた。
「今日休みだし。焦の為に一肌脱いでやりますかっ」青年は誰にともなくそう呟くと焦に歩み寄った。
数分後、「行ってらっしゃーい」
青年は出勤する焦を玄関で見送ると室内に舞い戻った。
それから青年は身支度をし外出した。
数分後、青年は焦と紘一の愛の巣だった部屋があるマンションの前にいた。
「ここか…」
以前、焦に紘一と住んでいる場所を聞き知っていた青年はそう呟くとマンションの住人に訪問者が連絡する時に使う機械に歩み寄った。
同じ頃、紘一は焦と寝食を共にしていた部屋の中にいた。少し前まで焦の日用品があったそこは紘一の手によって焦の日用品がない場所になりつつあった。ベストセラー作家で尚且つ潔癖症の紘一は仕事の合間に焦の日用品を片付けていたのだ。
「だいぶ片付いたな…」
ほどなくして紘一がその口を開いた瞬間、青年が鳴らした紘一の部屋にあるインターホンの音が室内に響いた。
…セールスかな?。
紘一はその首をかしげながらインターホンのモニターがある場所に足を運んだ。
「…どちら様ですか?」
モニターで青年を見た紘一は青年と面識がなかった。
『オレは焦の友達です』
その時、青年の声を聞いた紘一はその目を見開いた。
カッカッカワイー。
紘一は鼻の下を伸ばし自分の美貌を台無しにした後、「どうぞ」と言う言葉を口にした。
刹那、紘一はマンションのエントランスにある扉を開けるボタンを押した。
ほどなくして紘一が明けたドアからマンション内に入った青年が紘一のいる部屋の前に現れた。青年はドアの横にあるインターホンに視線を移すとすぐそれに手を伸ばした。
ピンポーン。
青年の手によって押されたインターホンは平凡な音を立てて鳴り紘一に青年の到着を知らせた。
その時、洗面所で身だしなみを整えていた紘一は目の色を変え玄関に走った。
「どうぞ」
「ここで結構です」
その時、青年の有無を言わせない言葉に紘一は面食らった。
「…解りました」
その後、紘一は玄関扉を勝手に閉まらなくなるまで押し広げた後、青年の話に耳を傾け始めた。
「そんな…」
紘一はうなだれその目を見開いた。
その時、黙って紘一の姿を見ていた青年はほどなくして紘一が身に着けている上着のポケットに手を突っ込むのを目にした。紘一はポケットからスマホを掴み出すと少しの間スマホを操作し続けた。
「……ああっ焦のアドレス消すんじゃなかった」
その時、悲鳴のような紘一の声を聞いた青年は待ってましたと言わんばかりにその口を開いた。
「オレから焦に連絡してやろうか?」
「…エッ?」
その時、うなだれその目に涙を浮かべていた紘一が青年に視線を移した。
「おっお願いしますっっ」
その時、紘一に手を握られた青年はその顔に苦笑いを浮かべた。
その後、青年の計らいでよりを戻す事になった焦と紘一は後日、青年の家で再開する事になった。
その日、「じゃ頑張ってな」
青年は玄関で焦に謎の言葉をかけると外出した。
何をがんばれと言うんだ…アイツはイイ奴だけど時々意味不明な事を言うな…。
焦は青年の背中を見送った後、玄関扉を閉めた後、玄関扉についている鍵に手を伸ばした。
同じ頃、紘一は洗面所にいた。そこで紘一は瞼を閉じまるで自分を鼓舞しているかのような表情をその顔に浮かべていた。
「よしっっ」
紘一はそう言うと外出した。
数分後、焦はそわそわしながら紘一の到着を室内で待ち続けていた。
ほどなくして焦はピンポーンと言うインターホンの音を耳にし玄関に走った。
数分後、焦は室内で紘一に背を向けた状態で床に座っていた。そして自分の体の変化に戸惑うと同時にうろたえ続けていた。
数分前、玄関扉を開けた焦はこっぱずかしさを感じた。
たった数日間会わなかっただけなのに…焦はそう思いながら紘一と目を合わせることなく室内に舞い戻った。
その時、紘一は焦の予想外のリアクションに面食らった。
刹那、紘一は気を取り直しその口を開いた。
「お邪魔します」
紘一は玄関扉とそこについている鍵を締め靴を脱ぐとそう言い部屋に上がり始めた。
エ…。
紘一が入室してから十数秒、すぐ紘一が謝罪の言葉を口にしたりするだろうと思っていた焦は紘一が何も言わない事に驚いていた。
刹那、焦から少し離れた場所に立っていた紘一がその口を開いた。
「焦」
その時、紘一に視線を移した焦はその目を見開いた。
「エ…」
その時、全裸で仁王立ちしている紘一を目にした焦はほどなくして紘一がコンプレックスを克服した事を悟った。
「ウウッ…だん小じゃなぃじゃんかょ」
その時、紘一の股間にぶら下がっていた平凡なサイズのモノを見た焦は泣きながらそう言い紘一は焦に駆け寄った。
「ゴメン焦」紘一は焦の体を抱き締めながらそう言いその目に涙を浮かべた。
その後、紘一は焦の夢を叶え焦は乱れに乱れた。
「こんなにイイならもっと早くすれば良かった」
後日、焦は紘一の腕枕に頭を預けていた。
その時、紘一は焦の顔を愛おしいげに見続けていた。
「焦…」
紘一が焦の唇を奪おうとした瞬間、焦が「あ」と言う言葉を口にし顔を背けた。
その時、紘一は苦笑いし、その口を開いた。
「なあに?」
「紘一は何で下半身晒さないようにしてたの?後なんでオレが浮気してると思ったの?」
「エッ…」
その時、紘一はその顔に複雑な表情を浮かべた。
「もうそんな昔の事わすれちゃったよ…そんな事より…」
「教えてくれないなら別れる」
「ウッ…」
その時、焦に言葉を遮られた紘一はその後、休日出勤すると言う焦のあとをつけた事やその時、焦が以前働いていると言っていた会社とは違う会社に入って行くのを見て早とちりした事と子供の頃、意地悪な幼なじみに短小と言われ短小だと思い込んでいた事を白状した。
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