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第4部 第6話
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「それじゃあ、点呼を取るからみんな席に着いてくれ。」
「先生!質問なんですが!」
ダイキが急に大声で質問をしたので、教室にいた生徒全員がダイキの方を向いた。生徒全員の注目を浴びていることに一切臆することなく、ダイキは堂々としていた。
「どうした、オオバヤシ?急いでいるから今聞かなくてもいいことは後回しにしてく…。」
「怪物退治に行く場合は点呼を取ってもらったらすぐに向かって良いんですか?」
「…そうだな。点呼を取った後なら行くのは自由だけど…オオバヤシは2日続けて怪物退治に出てなかったか?」
「そうだよ、オオバヤシくん!3日連続で怪物退治は高校生のオオバヤシくんはやっちゃダメだよ!」
担任教諭やライトが法律で禁止されている学生の3日連続の怪物退治をしないようにダイキに注意したが、ダイキは全く聞き耳を持たないで「コバヤシ、お前何言ってるんだ?全長10メートル以上の怪物なんてまともに戦えるのは俺ぐらいなもんだろ?国も世論も緊急事態だったら多少の法律違反は許してくれるはずだ!」と、断言した。
ダイキの意見に納得したのか、それとも悪いことは考えないようにしたのか、ダイキを止めようとしていたライトも「そ、そうだよね!全長10メートルの巨大な怪物なんてダイキくんにしか倒せないよね!」と、ダイキの意見に乗っかった。
「まあ、怪物退治に行くにしても行かないにしても、まず点呼を取るから席に着いてくれるか?」
「分かりました。」
ダイキとライトが席に着くと担任教諭が点呼を取り始めた。
「えーっと、明石は休みだから、安斎、井上、太田……渡。よしっ、休みの連絡があった明石以外は全員いるな。それじゃあみんな、校内放送で2年が避難するように言われるまで自分の席で待っていてくれるか。あとオオバヤシは怪物退治に行くなら、この同意書にサインしてくれるか?」
「同意書ですか?」
「そうそう。一応学校側は避難するように伝えたってことを証明するためのもので、これにサインしたら自己責任で怪物退治に行ったってことになるから。」
「…分かりました。」
ダイキはダイキ担当の政府の官僚に「怪物退治で何かあった場合は国や自治体とキミとの問題になるから。」と、言われてきたので、特に反論することなく同意書にサインした。
ダイキが同意書にサインし終えた瞬間に、ガラガラと教室のドアが開いてエンドウ・コウイチが「ヒイロくんはいるかい?」と、言いながら入ってきた。
コウイチは教室内の全員の視線を集めていることを全く気にする様子もなく、状況を全く飲み込めていないヒイロを見つけると、「ヒイロくん!良かった。いた~!…キミの協力が必要なんだ!付いて来てくれ!」と、有無を言わさずヒイロを連れて行こうとした。
「ちょ、ちょっと待ってください!きっと全長10メートル以上の怪物を退治する現場に連れて行こうとしているんでしょうけど、今の怪物退治の状況を教えてくれませんか?現場で話を聞くことは出来ないでしょうから。」
「それもそうだね。一旦落ち着くよ。ス~、ハ~。よしっ!実は今、ヒデオたちが何とか頑張って怪物を倒そうとしているんだけど、これ以上被害を受ける地域を広げないように足止めするのに手一杯なんだ。だから…おっと、これ以上は国が決めた作戦だから重要機密なのでこんな人が多いところではしゃべれないな。人がいない所で話そう。」
「分かりました。」
ヒイロとコウイチが教室を出て行こうとしたら、「ちょっと待ってください!」と、2人を呼び止める声があった。ヒイロとコウイチが声のする方を振り向くと、ダイキが真剣な表情でコウイチの方を見ていた。
「俺も怪物退治に行こうと思っていたんです!だから一緒に連れて行ってください!」
「え~っと、確かオオバヤシくんだったっけか?でもキミ、5~6メートルくらいにしか大きくなれないじゃないの?」
「そんなことないです!普段は無駄に大きくならないように抑えているんです。本気を出せば10メートルどころか20メートルでも30メートルでも大きくなれます!」
「そうなんだ。勘ぐったりしてごめん。それならオオバヤシくんにも一緒に来てもらおうかな。」
「はい。ありがとうございます。あっ、1人一緒に連れて行きたい奴がいるんですが良いですか?」
「そういえばオオバヤシくんには相棒がいたんだよね。いいよ、連れてきても。」
「ありがとうございます!コバヤシ一緒に行くぞ!」
「分かった!オオバヤシくん!」
「よしっ!あとはチカラくんのクラスへ行って、チカラくんを連れて戻ればいいな。え~っと、チカラくんのクラスは…?」
「2年1組です。」
ヒイロがコウイチの独り言のような発言に答えた。
「そうだったね。それじゃあ、2年1組に行こうか?」
「「「はい!」」」
「ちょっと待ってくれるか?」
ヒイロ、ダイキ、ライトがコウイチについて行こうとすると、ヒイロのクラスの担任教諭が呼び止めました。
「どうかしましたか?」
コウイチが聞き返すと、担任教諭は「いや、その、オオバヤシは大丈夫なんだけど、コバヤシとソラは同意書にサインしてから行ってくれるか?」と答えた。
「あっ!忘れてました!すみません!」
ヒイロとライトが同意書にサインし終えてから、4人はチカラのクラスに向かった。
「先生!質問なんですが!」
ダイキが急に大声で質問をしたので、教室にいた生徒全員がダイキの方を向いた。生徒全員の注目を浴びていることに一切臆することなく、ダイキは堂々としていた。
「どうした、オオバヤシ?急いでいるから今聞かなくてもいいことは後回しにしてく…。」
「怪物退治に行く場合は点呼を取ってもらったらすぐに向かって良いんですか?」
「…そうだな。点呼を取った後なら行くのは自由だけど…オオバヤシは2日続けて怪物退治に出てなかったか?」
「そうだよ、オオバヤシくん!3日連続で怪物退治は高校生のオオバヤシくんはやっちゃダメだよ!」
担任教諭やライトが法律で禁止されている学生の3日連続の怪物退治をしないようにダイキに注意したが、ダイキは全く聞き耳を持たないで「コバヤシ、お前何言ってるんだ?全長10メートル以上の怪物なんてまともに戦えるのは俺ぐらいなもんだろ?国も世論も緊急事態だったら多少の法律違反は許してくれるはずだ!」と、断言した。
ダイキの意見に納得したのか、それとも悪いことは考えないようにしたのか、ダイキを止めようとしていたライトも「そ、そうだよね!全長10メートルの巨大な怪物なんてダイキくんにしか倒せないよね!」と、ダイキの意見に乗っかった。
「まあ、怪物退治に行くにしても行かないにしても、まず点呼を取るから席に着いてくれるか?」
「分かりました。」
ダイキとライトが席に着くと担任教諭が点呼を取り始めた。
「えーっと、明石は休みだから、安斎、井上、太田……渡。よしっ、休みの連絡があった明石以外は全員いるな。それじゃあみんな、校内放送で2年が避難するように言われるまで自分の席で待っていてくれるか。あとオオバヤシは怪物退治に行くなら、この同意書にサインしてくれるか?」
「同意書ですか?」
「そうそう。一応学校側は避難するように伝えたってことを証明するためのもので、これにサインしたら自己責任で怪物退治に行ったってことになるから。」
「…分かりました。」
ダイキはダイキ担当の政府の官僚に「怪物退治で何かあった場合は国や自治体とキミとの問題になるから。」と、言われてきたので、特に反論することなく同意書にサインした。
ダイキが同意書にサインし終えた瞬間に、ガラガラと教室のドアが開いてエンドウ・コウイチが「ヒイロくんはいるかい?」と、言いながら入ってきた。
コウイチは教室内の全員の視線を集めていることを全く気にする様子もなく、状況を全く飲み込めていないヒイロを見つけると、「ヒイロくん!良かった。いた~!…キミの協力が必要なんだ!付いて来てくれ!」と、有無を言わさずヒイロを連れて行こうとした。
「ちょ、ちょっと待ってください!きっと全長10メートル以上の怪物を退治する現場に連れて行こうとしているんでしょうけど、今の怪物退治の状況を教えてくれませんか?現場で話を聞くことは出来ないでしょうから。」
「それもそうだね。一旦落ち着くよ。ス~、ハ~。よしっ!実は今、ヒデオたちが何とか頑張って怪物を倒そうとしているんだけど、これ以上被害を受ける地域を広げないように足止めするのに手一杯なんだ。だから…おっと、これ以上は国が決めた作戦だから重要機密なのでこんな人が多いところではしゃべれないな。人がいない所で話そう。」
「分かりました。」
ヒイロとコウイチが教室を出て行こうとしたら、「ちょっと待ってください!」と、2人を呼び止める声があった。ヒイロとコウイチが声のする方を振り向くと、ダイキが真剣な表情でコウイチの方を見ていた。
「俺も怪物退治に行こうと思っていたんです!だから一緒に連れて行ってください!」
「え~っと、確かオオバヤシくんだったっけか?でもキミ、5~6メートルくらいにしか大きくなれないじゃないの?」
「そんなことないです!普段は無駄に大きくならないように抑えているんです。本気を出せば10メートルどころか20メートルでも30メートルでも大きくなれます!」
「そうなんだ。勘ぐったりしてごめん。それならオオバヤシくんにも一緒に来てもらおうかな。」
「はい。ありがとうございます。あっ、1人一緒に連れて行きたい奴がいるんですが良いですか?」
「そういえばオオバヤシくんには相棒がいたんだよね。いいよ、連れてきても。」
「ありがとうございます!コバヤシ一緒に行くぞ!」
「分かった!オオバヤシくん!」
「よしっ!あとはチカラくんのクラスへ行って、チカラくんを連れて戻ればいいな。え~っと、チカラくんのクラスは…?」
「2年1組です。」
ヒイロがコウイチの独り言のような発言に答えた。
「そうだったね。それじゃあ、2年1組に行こうか?」
「「「はい!」」」
「ちょっと待ってくれるか?」
ヒイロ、ダイキ、ライトがコウイチについて行こうとすると、ヒイロのクラスの担任教諭が呼び止めました。
「どうかしましたか?」
コウイチが聞き返すと、担任教諭は「いや、その、オオバヤシは大丈夫なんだけど、コバヤシとソラは同意書にサインしてから行ってくれるか?」と答えた。
「あっ!忘れてました!すみません!」
ヒイロとライトが同意書にサインし終えてから、4人はチカラのクラスに向かった。
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