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100の準備『齋藤孝が読む カーネギー話し方入門』(齋藤孝)

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人前で話すこと、苦手でした。
大人になるにつれ、人前で話す機会が多くなるにつれ、 少しだけなれてはきました。


本書のタイトルからズバリ「話し方入門」です。


カーネギーは、人前で話すときに大事なことを二点あげています。

「勇気」と「自信」です。
そのために必要なポイントは四つあるといいます。


一つ目は、「よい話し手になろうという一途な執念」。


二つ目は、「話そうとする内容を知り尽くす」。ここでは、 安住さんのエピソードが登場します。


三つ目は、「あえて自信ありげにふるまう」。


四つ目は、「一にも練習、二にも練習」。 東京五輪のプレゼンも練習につぐ練習をした結果だといいます。


第二章では、「自信は周到な準備から」です。


知識の集積だけが準備ではありません。「自分自身を注ぎ込む」 ことが不可欠です。


準備も100用意したら、90捨てるくらいの余力が必要です。 カーネギーは、「 自分が知っていて表に出さないいろいろな情報は、 実際に表に出たわずかなものに迫力を与え、色彩を添える」 と述べています。
本でいえば、行間に滲み出るようなことでしょうか。


第三章は、「ポイントを三つに絞り、着地点を決める」です。


目的地を持った航海には海図が欠かせません。 カーネギーはナポレオンの「戦術は科学であり、 計画され考え抜かれたものでなければ、成功しない」 といっています。


第四章は、「記憶力の増進について」です。そのためには、 印象付け、反復、連想に尽きます。


著者はさらにここで、アウトプットの重要性を説いていました。


第五章は「成功に欠かせないもの」です。カーネギーは、「 諦めなければ必ず叶う」としており、著者はそれを「 私は必ずしも同調しません」という立場をとっています。


私自身も著者と同意見です。ただし、「成功には必ず努力が伴う」 と思っています。努力すれば、夢が叶うわけではありませんが、 夢を叶えるには努力が必要です。


第六章は、「話し方のコツ」です。肝心なのは、 話す内容よりも話し方、だといいます。著書は「 人志松本のすべらない話」を例に出していました。 齋藤孝先生の守備範囲の広さには驚かされました(笑)


第七章は、「話し手の態度と人柄」です。 カーネギー工科大学の調査によれば、 ビジネスの成功の鍵知能よりも人柄に影響されるとのことでした。


第一印象が大切なことは、今さら言うまでもありません。 私たちは話はじめる前から、既に値踏みされています。


次章、次々章は始め方と終わり方。

 

第十章では、「平易な言葉づかい、ビジュアル駆使」 についてです。


「百聞は一見にしかず」ですね。


第十一章は、「興味の換気」についてです。 人間のもっとも関心があることは、セックス、財産、 宗教だとカーネギーはいいます。 その中でも我が事にしか興味はありません。また、 自分が興味を持たないことには人は興味を持ちません。


最終章は、「語彙力」です。
言葉って面白いですよね。
学生のときは、あまり言葉の面白さに気がつきませんでしたが、 大人になり言葉の味わい深さに気がつきはじめました。
語彙は豊富にこしたことはありませんよね。


カーネギーといえば、「人を動かす」「道は開ける」 が有名ですが、これらに先立って「話し方入門」があります。

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