犬の駅長

(二十年前)
 ある朝、健治は駅構内を走っていた。故意ではなかったが、女性を突き飛ばしてしまう。急いでいたので、その場から立ち去ってしまった。しかし、突き飛ばした相手が、妊婦だったのではないかと心配になってくる。
 一方、突き飛ばされた真野貴子は、病院のベッドの上にいた。足に怪我をしただけで、母子共に無事であった。そこに刑事が捜査に訪れた。
 捜査は進展しない。そこに一人の目撃者が名乗り出てきた。目撃者の谷本ゆかりの証言から、捜査の糸口を掴む警察。
 自責の念にかられる健治。そんな時、姉が実家に帰ってきた。妊娠七カ月だと言う。果たして健治はどういう行動にでるのか?

(二十年前)
 家で家族に煙たがられている山岸は、仕事も以前のような情熱がない。だが、営業の外回りだけは好きだった。
 営業先の皆川という女性が妊娠したという。その女性と話をしていて、かつての自分を思い出す。父親になった時のことや子供達への愛。
 女性との会話をきっかけにして、もう一度頑張ってみようと思うのだった。

(現在)
 皆川沙織は、就職活動がうまくいかず、悶々とした日々を過ごしていた。何となく立ち寄った「就職部」で、ある職員に出会う。
 そこで「犬の駅長」の話をされる。
 帰りの電車内。沙織は酔っぱらいに絡まれてしまう。

 最後に三つの物語は偶然にもつながっていたのだ。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,249 位 / 192,249件 現代文学 8,171 位 / 8,171件

あなたにおすすめの小説

18きっぷ限界旅 〜三重・和歌山編〜

春夏 秋冬
現代文学
 2月、大学卒業を間近に控えていた湯川竜也は、来年度から自分が社会人になることに対して、漠然とした不安を抱えていた。  彼は将来のことや過去の反省・後悔を整理整頓するよう、また、残された1ヶ月弱の大学生活を無駄にしまいと、暇な時間をなんとか消費しようとする。

夫は私を愛してくれない

はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」 「…ああ。ご苦労様」 彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。 二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。

花が冷かる夜に

夢ノ瀬 日和
現代文学
『花が冷かる夜に』(ハナがヒかるヨに) 大切な人と過ごすクリスマスも、 独りで過ごすクリスマスも、 みんな平等に幸せな希跡が起きますように。 みなさん、冷えにはご注意を。

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

生まれながらに幸福で

影津
現代文学
陶芸家志望の佐島(さしま)と別人格のDは春が苦手だ。 目標や生活を見失い、桜の木に放火する。 文學界新人賞落選 〈反省会〉  ネタがそもそもベタだったかもしれない。二重人格ものを書くのが自分の中のテーマにあったのですが、二重人格だけがメインだと駄目なのかもしれない。もう一つのテーマに春嫌い、桜嫌い、具体的な標的がないので放火に走るというものがあるのですが、こちらも描き切れなかったか。    忌憚ないご意見お願いいたします。次は文藝賞を狙って書きますので、アドバイス頂けると大変助かります。

25年目のラブレター

海翔
現代文学
 そんなある日、二人が一緒になって半年が過ぎた頃に美保から「私たち25年の銀婚式を迎えるときに貴方からラブレターをもらいたいの、私、貴方からの宝物がないので一つだけ私の願いを叶えてください」そう言われ、修司はその時には25年目の銀婚式の時には自分の気持ちを重ねて、君にラブレターを送ることを約束した。

トマレとミコの ひなまつり

みるく♪
現代文学
シングルマザーのトマレと愛娘ミコの、ある日の出来事です。 時は平成10年ごろの 3月。 もうすぐ ひなまつり。 大人の童話です。

のろし

けろけろ
現代文学
僕という存在の狼煙 外界への交流の狼煙

処理中です...