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ルイス様を探るようにと俺はリオン様から命を受けた。
出会って、リオン様が言っていた意味が分かった。ルイス様からは時々血の匂いがした。
ルイス様を尾行すること1週間、廊下を歩いていたルイス様が突然咳き込んだかと思うと、血を吐いていた。
慣れた様子でハンカチを取りだし、拭いている様子に俺は驚いた。あの様子だと1、2回のことでは無さそうだ。
すぐにリオン様に報告した。信じ難い、と言いたげなリオン様に、引き続き探るようにと命じられ、外の木の上から遠距離で見、聞くことができる魔法を使い、ルイス様を観察していた。
観察するにつれ、俺はますます信じられない気持ちになった。噂と全く違う。
そうして驚くべきことが起きたのは、ある夜のこと、いつものように観察していると、ルイス様が窓辺に来た。
「死ぬまでに、もう出来ることは無いかな……」
死ぬまでに?どういうことだ、まさかなにかの病気なのか。
もっと一緒にいたかったと泣くルイス様、俺は呆然とするしか無かった。
翌日の王家の晩餐で、リオン様がそのことを話された。
「死ぬまでに……ルイスが、そんなことを?血も吐いていたと……」
アーサー様も驚いている。
「あぁ、うちのからの報告だ。間違いないねぇ、と言いたいが、俺もまだ信じられねぇ」
「あの、ルイスがなんてな」
アーサー様がハッとした表情をした。
「ルイスが外に出るようになったと聞いて、会いに行ったんだ、その時ルイスが怪我をしていて、咄嗟に手を取ろうとしてしまったんだ。尋常じゃないほど脅え、震えていた。驚かせてしまったと申し訳なかったが、思い出したことがある。その後体調を気遣われたんだ。」
「それがどうかしたか?」
「ルイスは、フィリスの呪いにかかっているのかもしれない。」
フィリスの呪い
これは、この国の最初の王の時まで遡る。ある姫がいた。彼女は優しく美しく、皆から慕われていた。それをよく思わない者がいた。そうして姫に呪いをかけたのだ。死に至る、恐ろしい呪いを。
解く方法は2つ、ひとつは運命の番とキスをすること、ふたつは7人の命と引き換えにして呪いをとく。
姫に触れた人はたちまち死んでしまうのだ。そうして7人を殺した時、呪いは解ける。
姫は最後まで諦めずに番を探したが見つからず、姫を失うのを恐れた王が7人の騎士を姫に触れさせ呪いは解かれた。
呪いは解けたが、姫は嘆き悲しみ、そのまま衰弱して死んでしまった。
呪いはなお続いた、王家の、美しい魂を持つものに、呪いは降りかかった。
呪いにかかると、分かるのだという、残酷なまでに2択を突きつけて来るのだ。
おとぎ話にもなっているような、この国では誰もが知っている話のひとつだ。
「……辻褄は会うな、元々はあんな風じゃなかった。」
「そうだ、部屋にこもるようになった理由は……私たちを殺したくなかったから。」
「血を吐いていたって事はあと1年もしないでってことかよ。くそっ」
「私からルイスに聞こう。」
先程から黙り込んでいた王が口を開いた。
「父上……」
「折を見て、な」
重苦しい雰囲気に包まれたまま、食事は終わった。
出会って、リオン様が言っていた意味が分かった。ルイス様からは時々血の匂いがした。
ルイス様を尾行すること1週間、廊下を歩いていたルイス様が突然咳き込んだかと思うと、血を吐いていた。
慣れた様子でハンカチを取りだし、拭いている様子に俺は驚いた。あの様子だと1、2回のことでは無さそうだ。
すぐにリオン様に報告した。信じ難い、と言いたげなリオン様に、引き続き探るようにと命じられ、外の木の上から遠距離で見、聞くことができる魔法を使い、ルイス様を観察していた。
観察するにつれ、俺はますます信じられない気持ちになった。噂と全く違う。
そうして驚くべきことが起きたのは、ある夜のこと、いつものように観察していると、ルイス様が窓辺に来た。
「死ぬまでに、もう出来ることは無いかな……」
死ぬまでに?どういうことだ、まさかなにかの病気なのか。
もっと一緒にいたかったと泣くルイス様、俺は呆然とするしか無かった。
翌日の王家の晩餐で、リオン様がそのことを話された。
「死ぬまでに……ルイスが、そんなことを?血も吐いていたと……」
アーサー様も驚いている。
「あぁ、うちのからの報告だ。間違いないねぇ、と言いたいが、俺もまだ信じられねぇ」
「あの、ルイスがなんてな」
アーサー様がハッとした表情をした。
「ルイスが外に出るようになったと聞いて、会いに行ったんだ、その時ルイスが怪我をしていて、咄嗟に手を取ろうとしてしまったんだ。尋常じゃないほど脅え、震えていた。驚かせてしまったと申し訳なかったが、思い出したことがある。その後体調を気遣われたんだ。」
「それがどうかしたか?」
「ルイスは、フィリスの呪いにかかっているのかもしれない。」
フィリスの呪い
これは、この国の最初の王の時まで遡る。ある姫がいた。彼女は優しく美しく、皆から慕われていた。それをよく思わない者がいた。そうして姫に呪いをかけたのだ。死に至る、恐ろしい呪いを。
解く方法は2つ、ひとつは運命の番とキスをすること、ふたつは7人の命と引き換えにして呪いをとく。
姫に触れた人はたちまち死んでしまうのだ。そうして7人を殺した時、呪いは解ける。
姫は最後まで諦めずに番を探したが見つからず、姫を失うのを恐れた王が7人の騎士を姫に触れさせ呪いは解かれた。
呪いは解けたが、姫は嘆き悲しみ、そのまま衰弱して死んでしまった。
呪いはなお続いた、王家の、美しい魂を持つものに、呪いは降りかかった。
呪いにかかると、分かるのだという、残酷なまでに2択を突きつけて来るのだ。
おとぎ話にもなっているような、この国では誰もが知っている話のひとつだ。
「……辻褄は会うな、元々はあんな風じゃなかった。」
「そうだ、部屋にこもるようになった理由は……私たちを殺したくなかったから。」
「血を吐いていたって事はあと1年もしないでってことかよ。くそっ」
「私からルイスに聞こう。」
先程から黙り込んでいた王が口を開いた。
「父上……」
「折を見て、な」
重苦しい雰囲気に包まれたまま、食事は終わった。
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