3 / 40
3話 ピンチの少女を助けてみた
しおりを挟む
森に入ってしばらく歩くとある悲鳴が聞こえた。
「きゃあああああぁぁぁぁぁ!!!」
少女の声だった。「あれは……女の子か?」
その声の主を探して辺りを見回す。
すると大きな熊のようなモンスターに襲われている小さな少女の姿を見つけた。
「うわ……あの子襲われてるじゃん。助けないとな……」
とりあえず近くに落ちていた石を拾って投げつける。
石が当たった事で驚いたのか熊がこちらを見た。
「グオォォッ!!!」
「こっちだぞ! クソ野郎が!」
そう言って挑発するように手招きをする。
だが怒り狂った熊のモンスターはその巨体に似合わない速度で襲いかかってきた。
だが俺に取ってはスローモーションでしかない。
「遅いんだよ!」
拳を振り上げて殴ろうとするがそれを避けられる。
だがそれは想定内だ。俺は避けた先に蹴りを放つ。
「オラァッ!!」
ドゴオッ!! 見事に顔に当たり吹っ飛ぶ。
「グルルルルゥ……」
怒ったようにうなりながら立ち上がる。
だが既にフラフラしている。
「くらえ!」
ブンッ! 俺は剣を振ったがその一撃が致命傷となる。そのまま倒れ込んで動かなくなった。
「ふぅ……。なんとか倒せたな。大丈夫かい?」
俺は少女に話しかけた。
すると少女は怯えた表情で俺を見る。
お尻の当たりからは水溜りが出来ていた。
「ひっ……!? ごめんなさい! ごめんなさい!」
「あぁ、別に怒ってないから安心していいよ」
俺はそう言うが彼女はずっと謝っていた。
「本当にすいませんでした……私のせいで服を汚しちゃいましたよね? ごめんなさい……」
「気にしないで良いってば。それより怪我はない?」
「はい……私は全然平気です。でも……貴方まで汚れてしまいましたね」
「俺は大丈夫だよ。ところで君はどうしてここにいるんだい?」
「はい……実は薬草を取りに来たんですけど道に迷っちゃって。それでここら辺で休んでたらあのモンスターに襲われてしまったんです」
「なるほど。それは災難だったね」
「いえ……私の不注意が原因なので仕方ありません。それよりも助けてくれてありがとうございます」
「あぁ、そんな事は良いんだけど……君の名前はなんていうのかな? 良ければ教えて欲しい」
「あっ……申し遅れました。私はリリィ・ハーティスと言います。よろしくお願いします」
「うん。俺はミカエル・マレーっていう名前だ。よろしく頼むよ」
自己紹介が終わるとお互いの事を話し合った。
彼女の家は街にあるらしい。
少女の足で長距離を移動出来るわけもなく、つまり街は意外と近くにあるらしい。
「へぇー……じゃあ結構近いんだな」
「はい。もうすぐそこですよ」
「そっか。じゃあそこまで送っていくよ。またモンスターに襲われたりしたら危ないしな」
「本当ですか!? 嬉しいです! ありがとうございます!」それから俺は彼女と話をした。
どうやら彼女はまだ幼いようだ。
年齢は十二歳らしい。
「そういえばなんでこんな危険な場所に一人で来たんだ? 親御さんは心配していないのか?」
「お母さんは病気なんです。だから私が薬草を拾いに行ってたんですよ」
「そうなのか……大変だな」
「はい……。だけど頑張らないといけません。だって……お父さんが頑張ってるんですから!」
「そうなんだな。偉いな」
「はいっ! 私はお父さんみたいな立派な冒険者になるのが夢なんです」
「そうか……じゃあ俺も応援するよ」
それからしばらく歩いているとようやく街の入口が見えてきた。
「やっと着いたみたいですね。ここまで送ってくれて本当に助かりました。ありがとうございます!」
「ははっ……どう致しまして」
「あの……もし良かったら……これからも仲良くしてくれませんか?」
「もちろん構わないよ。困った時はいつでも言ってきてくれ」
「はい! それでは失礼します!」
元気よく返事をしたかと思うと走り去って行った。
「さて……俺もこの世界の事を知るために情報収集しないとな……」
俺はそう呟いて歩き出した。
「きゃあああああぁぁぁぁぁ!!!」
少女の声だった。「あれは……女の子か?」
その声の主を探して辺りを見回す。
すると大きな熊のようなモンスターに襲われている小さな少女の姿を見つけた。
「うわ……あの子襲われてるじゃん。助けないとな……」
とりあえず近くに落ちていた石を拾って投げつける。
石が当たった事で驚いたのか熊がこちらを見た。
「グオォォッ!!!」
「こっちだぞ! クソ野郎が!」
そう言って挑発するように手招きをする。
だが怒り狂った熊のモンスターはその巨体に似合わない速度で襲いかかってきた。
だが俺に取ってはスローモーションでしかない。
「遅いんだよ!」
拳を振り上げて殴ろうとするがそれを避けられる。
だがそれは想定内だ。俺は避けた先に蹴りを放つ。
「オラァッ!!」
ドゴオッ!! 見事に顔に当たり吹っ飛ぶ。
「グルルルルゥ……」
怒ったようにうなりながら立ち上がる。
だが既にフラフラしている。
「くらえ!」
ブンッ! 俺は剣を振ったがその一撃が致命傷となる。そのまま倒れ込んで動かなくなった。
「ふぅ……。なんとか倒せたな。大丈夫かい?」
俺は少女に話しかけた。
すると少女は怯えた表情で俺を見る。
お尻の当たりからは水溜りが出来ていた。
「ひっ……!? ごめんなさい! ごめんなさい!」
「あぁ、別に怒ってないから安心していいよ」
俺はそう言うが彼女はずっと謝っていた。
「本当にすいませんでした……私のせいで服を汚しちゃいましたよね? ごめんなさい……」
「気にしないで良いってば。それより怪我はない?」
「はい……私は全然平気です。でも……貴方まで汚れてしまいましたね」
「俺は大丈夫だよ。ところで君はどうしてここにいるんだい?」
「はい……実は薬草を取りに来たんですけど道に迷っちゃって。それでここら辺で休んでたらあのモンスターに襲われてしまったんです」
「なるほど。それは災難だったね」
「いえ……私の不注意が原因なので仕方ありません。それよりも助けてくれてありがとうございます」
「あぁ、そんな事は良いんだけど……君の名前はなんていうのかな? 良ければ教えて欲しい」
「あっ……申し遅れました。私はリリィ・ハーティスと言います。よろしくお願いします」
「うん。俺はミカエル・マレーっていう名前だ。よろしく頼むよ」
自己紹介が終わるとお互いの事を話し合った。
彼女の家は街にあるらしい。
少女の足で長距離を移動出来るわけもなく、つまり街は意外と近くにあるらしい。
「へぇー……じゃあ結構近いんだな」
「はい。もうすぐそこですよ」
「そっか。じゃあそこまで送っていくよ。またモンスターに襲われたりしたら危ないしな」
「本当ですか!? 嬉しいです! ありがとうございます!」それから俺は彼女と話をした。
どうやら彼女はまだ幼いようだ。
年齢は十二歳らしい。
「そういえばなんでこんな危険な場所に一人で来たんだ? 親御さんは心配していないのか?」
「お母さんは病気なんです。だから私が薬草を拾いに行ってたんですよ」
「そうなのか……大変だな」
「はい……。だけど頑張らないといけません。だって……お父さんが頑張ってるんですから!」
「そうなんだな。偉いな」
「はいっ! 私はお父さんみたいな立派な冒険者になるのが夢なんです」
「そうか……じゃあ俺も応援するよ」
それからしばらく歩いているとようやく街の入口が見えてきた。
「やっと着いたみたいですね。ここまで送ってくれて本当に助かりました。ありがとうございます!」
「ははっ……どう致しまして」
「あの……もし良かったら……これからも仲良くしてくれませんか?」
「もちろん構わないよ。困った時はいつでも言ってきてくれ」
「はい! それでは失礼します!」
元気よく返事をしたかと思うと走り去って行った。
「さて……俺もこの世界の事を知るために情報収集しないとな……」
俺はそう呟いて歩き出した。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
おしっこ我慢が趣味の彼女と、女子の尿意が見えるようになった僕。
赤髪命
青春
~ある日目が覚めると、なぜか周りの女子に黄色い尻尾のようなものが見えるようになっていた~
高校一年生の小林雄太は、ある日突然女子の尿意が見えるようになった。
(特にその尿意に干渉できるわけでもないし、そんなに意味を感じないな……)
そう考えていた雄太だったが、クラスのアイドル的存在の鈴木彩音が実はおしっこを我慢することが趣味だと知り……?
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
周りの女子に自分のおしっこを転送できる能力を得たので女子のお漏らしを堪能しようと思います
赤髪命
大衆娯楽
中学二年生の杉本 翔は、ある日突然、女神と名乗る女性から、女子に自分のおしっこを転送する能力を貰った。
「これで女子のお漏らし見放題じゃねーか!」
果たして上手くいくのだろうか。
※雑ですが許してください(笑)
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話
赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。
前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生
西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。
彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。
精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。
晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。
死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。
「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」
晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる