上 下
52 / 53

おまけ1

しおりを挟む
皆さん、こんばんは。



性の探求者、マーロウでございます。

今日は、私の事を語らせて頂きます。



あれは半年くらい前の事です。

何かの病気か、生まれつきか・・・私は今まで、そのシンボルを立たせ、その特別な汁を吹いたことがございませんでした。

そのせいか人一倍、性的探究心が発達してしまいました。



あらゆる性具、薬、生き物、書物を研究し続けていました。



しかし、そのどんな物も私を喜びの先へは連れて行かなかった。

その奇跡の出会いがあるまでは・・・。





ご主人様とこころ様に出会い、生きる素晴らしさに出会った私は、そのままトレノスへ移住しました。





ただ、運命はいつだって意地悪なものです。





こころ様は眠りに落ちたまま、目を覚まさないのです。

ご主人様の落胆は激しく、見ていられませんでした。





ここは、私が何とかしなければ、それは奴隷の純粋な、主人を思う気持ちだったのです。







私は、こころさまの寝室にやってきました。

こころ様の寝室の前は、常にセドリックが警備をしています。



入室が許されているのは、ご主人様と陛下、主治医、そして、その誰かに用を言いつけられた私。

私は、外せない用事の為に来られないお二人に頼まれて、こころさまの無事を確認しに行きました。



お二人のこころ様への心配は深く、日に何度も呼吸を確認しないと気が済まないのです。



「ご苦労様。」

セドリックに一言声をかけて、こころ様の寝室へ入った。

よし、問題なく入ることができた。



眠るこころ様の顔を見る。

相変わらず艶やかな絹糸のような黒髪。

小さい顔にバランスよく収まる顔のパーツ。

その瞳は今は閉じられて居るけれど、開かれたときはその美しさに息をのむほどだ。



「こんばんは、こころ様。ご機嫌はいかがですか?」

こころさまからは何も答えは返ってこない。

分かっているが、皆話しかけずには居られない。

「貴方が、全然目を覚ましてくれないから・・・私も色々考えたのです。」

掛け布をめくり、その手に触れた。

「貴方は生きていらっしゃる。なら・・・起こして差し上げた方が良いと思うのです。」





私は持ってきた物を取り出して、こころ様の洋服をめくり上げた。

静かに眠っている、こころ様の性器。



それを持ち、そこにたっぷりと瓶の中身を塗り込んだ。

ポロロの粘液から作り出した、最高傑作の媚薬だ。

こころ様の華奢なペニスには多すぎたので、玉や後ろの穴の入り口付近にもたっぷりと塗った。

そして、その中に体温で少しずつ膨らみ、そしてやがて溶ける木の樹脂を固めてつくった特別な棒を入れた。

これは良く売れた、高額にしたのにもかかわらず。



それは、腹部の方にカーブする形と、まっすぐに伸びる形をしている。

カーブする方は膨らむと前立腺を刺激し、えも言わぬ快感を引き起こす。

膨らんだうえに溶ける。

それは常に形を変えて、中を刺激するという事だ。

時間にして1時間くらいだろうか。

多くの貴族の男たちを悶絶させた商品だ。



しかも溶けて無くなるので証拠を残さない。

商売としては、使ったらまた買わなければならないというのも素晴らしい点だ。

媚薬の効果もその位のものを選んだ。



私は、こころ様の服と掛け布を直した。



「こころ様。どうか皆の為に起きてくださいね。」



よし、こころ様の仕込みは完璧だ。

後は、ご主人様の仕込みをしなければ。





私はご主人様と陛下の執務室に向かった。

「っ!陛下! ご主人様はどちらへ!?」

誤算だ!ご主人様が消えている。

「どうした、マーロウ。ガイウスなら兵舎の方で用事ができて暫く帰ってこないぞ。朝までかかるかもな?」

「・・・・そうですか。」

これは、困った。

計画を変更しなければならない。

しかたないが陛下に、こころ様の事を託すしか無い。



しかし、陛下はご主人様よりも気軽に何かを口にしたりしない。

用意するはずだったお茶は飲んでいただけないだろう。



どうやってこの媚薬を飲ませたものか。



「何か用だったか?」

そうだ、陛下はこころ様の為ならガードが甘い!!

「ビザンの商人から買った気付け薬があるのですが、こころ様にどうかと思いまして・・・・まずはご主人様に試してもらおうかと。」

紙に包んだ丸薬を取り出した。

黒い小さな粒が4つ。

1つで一晩精液を吹き出し続けるという強者だ。

「そうか、ただ、アイツは毒にも薬にも耐性がありすぎる。私が試そう。」

ほら来た。

貴方、支配者ですよね。

甘過ぎませんか?



まぁ・・・今の陛下にとっては、こころ様が目を覚ますこと以上に大切なことなど無いのだろう。





たとえ殺すことになったとしても、試さずにいられなかった聖霊の力・・・。



ご主人様ができなかった事を躊躇いなくやった男。



美しく、強く、優秀な支配者。

神に、聖霊に選ばれた特別な人間。









陛下が一つ手に取り、丸薬を飲み込んだ。



「そういえば、陛下。 こころ様、すこし普段より体温が高かった気がするのですが・・・。」

「席を外す。」



陛下が立ち上がり、部屋を後にした。



よし、あとは覗きに行くだけだ。

きっと私の企みは直に陛下にばれるけれど、構わない。



私は性に命をかける、聖なる奴隷なのですから!!

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

フルチン魔王と雄っぱい勇者

ミクリ21
BL
フルチンの魔王と、雄っぱいが素晴らしい勇者の話。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

上司と俺のSM関係

雫@更新不定期です
BL
タイトルの通りです。

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集

あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。 こちらの短編集は 絶対支配な攻めが、 快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす 1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。 不定期更新ですが、 1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 書きかけの長編が止まってますが、 短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。 よろしくお願いします!

処理中です...