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第十六章 最終学年
117、sunday
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今までは日曜日は辻が来る日だったが、それがなくなって櫻は戸惑いもあった。
しかし、安心もしていた。
安定していない自分を、まだ確定していない自分を。
部屋で勉強していると、ナカがノックした。
「あの、お嬢様?」
「はい。」
「上野和枝様がお見えです。」
「え!」
驚いた。
しかし、辻が来ることになっていなくてよかったと瞬間に思った。
「お通ししてください。」
一階に降りると、和枝はソファに座っていた。
「こんにちわ。櫻さん。」
「急なお見えで驚いたわ。」
「うん、ちょっとお買い物で銀座に出て車を走らせて大森の料亭でお昼をいただいたの。帰りに御殿山を通ったからついね。」
「ううん、和枝さんがきてくれて嬉しいわ。」
「よかった。最近、櫻さん元気ないから。」
「そう?」
「自分で分かってなかったの?」
「うーん。疲れてはいたかも?」
「もう、認識してよ。」
「うん、分かってる。」
「紅茶買ってきたの、飲みましょ。」
と言うことで、アフタヌーンティーをすることになった。
ちょうど、父が買っていたスコーンがあったのでイギリス式にできた。
「ねえ、勉強だけじゃないでしょ?」
和枝が聞いてきた。
「え?」
「恋煩い?」
「。。。」
「片思い?」
「あの、私、憧れてる人がいて。」
「あら素敵。」
「でも、ほとんどお会いしてないの。」
「なんで会えないの?」
「いろいろ事情がある方で。」
「へえ。櫻さん、その筋の人とか?」
「え?」
「ヤクザもの?」
「うーん。その種かも?」
「えー!」
「まあ、私の憧れは恋じゃなくて。」
「でもときめきは必要よ。」
「和枝さんときめいてるの?」
「うん、今日、大森に行ったのもそうなの。」
「え?」
「あの、お見合いした人と、会ってきたのよ。」
「何回目?」
「4回目。」
「あらじゃあ?」
「いいかな、って思ってっきた。」
「恋?」
「うーん。恋というよりは落ち着くっていうか。」
「いいじゃない?」
「でも、恋もしたいな。」
「結婚してから結婚相手と恋愛してもいいんじゃない?」
「櫻rさん、いいこと言う。」
「そう?」
そのあとは他愛もない会話をした。
そして、二人は午後のゆったりした時間をおすごした。
しかし、安心もしていた。
安定していない自分を、まだ確定していない自分を。
部屋で勉強していると、ナカがノックした。
「あの、お嬢様?」
「はい。」
「上野和枝様がお見えです。」
「え!」
驚いた。
しかし、辻が来ることになっていなくてよかったと瞬間に思った。
「お通ししてください。」
一階に降りると、和枝はソファに座っていた。
「こんにちわ。櫻さん。」
「急なお見えで驚いたわ。」
「うん、ちょっとお買い物で銀座に出て車を走らせて大森の料亭でお昼をいただいたの。帰りに御殿山を通ったからついね。」
「ううん、和枝さんがきてくれて嬉しいわ。」
「よかった。最近、櫻さん元気ないから。」
「そう?」
「自分で分かってなかったの?」
「うーん。疲れてはいたかも?」
「もう、認識してよ。」
「うん、分かってる。」
「紅茶買ってきたの、飲みましょ。」
と言うことで、アフタヌーンティーをすることになった。
ちょうど、父が買っていたスコーンがあったのでイギリス式にできた。
「ねえ、勉強だけじゃないでしょ?」
和枝が聞いてきた。
「え?」
「恋煩い?」
「。。。」
「片思い?」
「あの、私、憧れてる人がいて。」
「あら素敵。」
「でも、ほとんどお会いしてないの。」
「なんで会えないの?」
「いろいろ事情がある方で。」
「へえ。櫻さん、その筋の人とか?」
「え?」
「ヤクザもの?」
「うーん。その種かも?」
「えー!」
「まあ、私の憧れは恋じゃなくて。」
「でもときめきは必要よ。」
「和枝さんときめいてるの?」
「うん、今日、大森に行ったのもそうなの。」
「え?」
「あの、お見合いした人と、会ってきたのよ。」
「何回目?」
「4回目。」
「あらじゃあ?」
「いいかな、って思ってっきた。」
「恋?」
「うーん。恋というよりは落ち着くっていうか。」
「いいじゃない?」
「でも、恋もしたいな。」
「結婚してから結婚相手と恋愛してもいいんじゃない?」
「櫻rさん、いいこと言う。」
「そう?」
そのあとは他愛もない会話をした。
そして、二人は午後のゆったりした時間をおすごした。
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