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第十四章 望月家からの旅立ち
2、坂本と辻
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望月家からまた学校へ向かう車内で辻と坂本は話を始めた。
「なあ、坂本」
「はい、ぼっちゃま」
「アグリくんにはこれで良かったのかな?」
「それは、アグリさんの中にしか答えはありません。ぼっちゃまは誠実でいるしかないのですよ。」
「ああ、坂本の方がまともな人間だもな。」
「滅相もありません。でも、その結納めいたものに坂本が出席してもいいのでしょうか?」
「ああ、君は家族みたいなものだよ。」
「そうであって、坂本も嬉しいです。」
しばらく車を走らせていると、坂本は海の方面を走り出した。
「あれ、坂本、学校の方じゃないようだよ。」
「ぼっちゃま、昔、物思いに耽ると海に来たのは覚えてますか?」
「ああ、母さんがいなくて。いつも小樽を思っていた。」
「海は何処へまでも繋がっています。」
「ああ、そうだね。」
「私も海に来ては、イギリスにいた頃のことを思い出します。」
「坂本も?」
「そうですよ。いいことも悪いことも、今は人生を彩る花になってます。」
「人生を彩る花?」
「そうです。ぼっちゃま、人生は山あり谷ありです。これから困難に沢山立ち向かうでしょう。」
「ああ、それは怖くもあるけどね。」
「ぼっちゃまのいいところは、人を蔑まないところです。」
「え?」
「どんなに貧しい人にでも、同じように対応できるのが坂本は素晴らしいと思ってます。」
「いや、僕はただ、自由に。。。」
「その自由さをあなたはどんな人にも平等にできる。人は時に差別をする生き物です。しかし、あなたは父上と違って、相手がどんな人であっても、それで判断しない。」
「ああ、どこに生まれるなんて運みたいなものだしね。」
「だから、あなたは櫻さんと出会えた。そして、その手を掴むことができたのです。」
「そこまで言ってくれるなんて、坂本とはこんなに心について話してこなかったな。」
「あえて心にしまってました。でも、坂本、ぼっちゃまの元で働けたことが本当に幸せです。」
「僕のわかがまにいつも付き合ってもらってこちらが感謝だよ。」
「いいえ、ぼっちゃまはそのままでいてください。」
坂本と、車を降りて、海辺を散歩した。
辻は海風が心地よく、春が近いのを感じていた。
「なあ、坂本」
「はい、ぼっちゃま」
「アグリくんにはこれで良かったのかな?」
「それは、アグリさんの中にしか答えはありません。ぼっちゃまは誠実でいるしかないのですよ。」
「ああ、坂本の方がまともな人間だもな。」
「滅相もありません。でも、その結納めいたものに坂本が出席してもいいのでしょうか?」
「ああ、君は家族みたいなものだよ。」
「そうであって、坂本も嬉しいです。」
しばらく車を走らせていると、坂本は海の方面を走り出した。
「あれ、坂本、学校の方じゃないようだよ。」
「ぼっちゃま、昔、物思いに耽ると海に来たのは覚えてますか?」
「ああ、母さんがいなくて。いつも小樽を思っていた。」
「海は何処へまでも繋がっています。」
「ああ、そうだね。」
「私も海に来ては、イギリスにいた頃のことを思い出します。」
「坂本も?」
「そうですよ。いいことも悪いことも、今は人生を彩る花になってます。」
「人生を彩る花?」
「そうです。ぼっちゃま、人生は山あり谷ありです。これから困難に沢山立ち向かうでしょう。」
「ああ、それは怖くもあるけどね。」
「ぼっちゃまのいいところは、人を蔑まないところです。」
「え?」
「どんなに貧しい人にでも、同じように対応できるのが坂本は素晴らしいと思ってます。」
「いや、僕はただ、自由に。。。」
「その自由さをあなたはどんな人にも平等にできる。人は時に差別をする生き物です。しかし、あなたは父上と違って、相手がどんな人であっても、それで判断しない。」
「ああ、どこに生まれるなんて運みたいなものだしね。」
「だから、あなたは櫻さんと出会えた。そして、その手を掴むことができたのです。」
「そこまで言ってくれるなんて、坂本とはこんなに心について話してこなかったな。」
「あえて心にしまってました。でも、坂本、ぼっちゃまの元で働けたことが本当に幸せです。」
「僕のわかがまにいつも付き合ってもらってこちらが感謝だよ。」
「いいえ、ぼっちゃまはそのままでいてください。」
坂本と、車を降りて、海辺を散歩した。
辻は海風が心地よく、春が近いのを感じていた。
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