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第十一章 櫻の冬休み
20、アグリに報告
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櫻は大井華として随筆デビューすることを嬉しくて、早く人に話したかった。
1番話したい、辻はまだ旅行中なので、仕事が終わって、望月家に帰ってすぐにアグリに話しかけた。
「アグリ先生、食事の後に書斎に行ってもいいですか?」
「ええ、いいわよ。どうした?」
「ちょと嬉しいことがあって。」
「あら、楽しみね。」
夕食を弟子皆なで作って、わいわい食べた。そこで話してもよかったのかもしれない。
しかし、ここは洋装店の修行の場なのだ。
終わった後、片付けをしてアグリの書斎をノックした。
コンコン
「はい、どうぞ。」
アグリに促され、ソファへ座った。
「早く聞きたかったわ。何があったの?」
「あの、私の書いた随筆が雑誌に載ることになったんです。」
「え!本当に!」
「はい、本名で書くと学校にバレてしまうのでペンネームで」
「あら、素敵だわ。ペンネームは?」
「大井華です。」
「ペンネームも素敵ね。」
「嬉しくて。でも誰に話したいかって考えた時、アグリ先生に。」
「そう言ってくれて嬉しいわ。本当に姉妹みたいになってきたわね。」
「姉妹見たいって言ってくれてありがたいです。」
「さて、どんな随筆を書いたの。」
「エッセーっていう種類らしいんですけど、女学生の過ごし方についてです。」
「案外難しかったでしょう?」
「はい。私、女学生らしい生活を送ってこなかったので。」
「でも、書けたってことは色々と観察していたのね。」
「観察していたときは、ちょっと羨む気持ちがあったんですけど。」
「そういうところから、生まれる気持ちもあるわよ。」
「そうですか?」
「あのね、私も女学校辞めることになって、修行に出てって、色々悔しかったから。」
「アグリ先生には失礼かもしれないけど、私たち似てますね。」
「あら、そう言ってくれるの?そうね。私たち、職業に生きる女性としては簡単じゃなかったという点では本当に似てるわね。」
「私、自分の文章が雑誌に載るだけで、本当に夢みたいで。」
「もしね、櫻さん、うちを出て佐藤支店長の家に行っても出版社は辞めないほうがいいわよ。」
「え?」
「あなた、絶対、書くのに向いてると思う。」
「どうして?」
「ヨウスケさんと同じ目をしてる。」
「望月さんと?」
「文章で戦っていく人とね。あなたはペンでこの世の中と戦っていくわ。私は女性をキレイにして戦っていくわね。」
嬉しいことを共有できることが本当に櫻は嬉しかった。
後、数ヶ月いるこの家ともっともっと嬉しいを共有したいと櫻は思った。
1番話したい、辻はまだ旅行中なので、仕事が終わって、望月家に帰ってすぐにアグリに話しかけた。
「アグリ先生、食事の後に書斎に行ってもいいですか?」
「ええ、いいわよ。どうした?」
「ちょと嬉しいことがあって。」
「あら、楽しみね。」
夕食を弟子皆なで作って、わいわい食べた。そこで話してもよかったのかもしれない。
しかし、ここは洋装店の修行の場なのだ。
終わった後、片付けをしてアグリの書斎をノックした。
コンコン
「はい、どうぞ。」
アグリに促され、ソファへ座った。
「早く聞きたかったわ。何があったの?」
「あの、私の書いた随筆が雑誌に載ることになったんです。」
「え!本当に!」
「はい、本名で書くと学校にバレてしまうのでペンネームで」
「あら、素敵だわ。ペンネームは?」
「大井華です。」
「ペンネームも素敵ね。」
「嬉しくて。でも誰に話したいかって考えた時、アグリ先生に。」
「そう言ってくれて嬉しいわ。本当に姉妹みたいになってきたわね。」
「姉妹見たいって言ってくれてありがたいです。」
「さて、どんな随筆を書いたの。」
「エッセーっていう種類らしいんですけど、女学生の過ごし方についてです。」
「案外難しかったでしょう?」
「はい。私、女学生らしい生活を送ってこなかったので。」
「でも、書けたってことは色々と観察していたのね。」
「観察していたときは、ちょっと羨む気持ちがあったんですけど。」
「そういうところから、生まれる気持ちもあるわよ。」
「そうですか?」
「あのね、私も女学校辞めることになって、修行に出てって、色々悔しかったから。」
「アグリ先生には失礼かもしれないけど、私たち似てますね。」
「あら、そう言ってくれるの?そうね。私たち、職業に生きる女性としては簡単じゃなかったという点では本当に似てるわね。」
「私、自分の文章が雑誌に載るだけで、本当に夢みたいで。」
「もしね、櫻さん、うちを出て佐藤支店長の家に行っても出版社は辞めないほうがいいわよ。」
「え?」
「あなた、絶対、書くのに向いてると思う。」
「どうして?」
「ヨウスケさんと同じ目をしてる。」
「望月さんと?」
「文章で戦っていく人とね。あなたはペンでこの世の中と戦っていくわ。私は女性をキレイにして戦っていくわね。」
嬉しいことを共有できることが本当に櫻は嬉しかった。
後、数ヶ月いるこの家ともっともっと嬉しいを共有したいと櫻は思った。
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