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第七章 新しい夢探し
14、改めてのプレゼント
しおりを挟む「では、櫻さんと辻さん、私の書斎にきてくださるかしら?」
家族の談話がひと段落したところだった。
「はい、大丈夫です。」
櫻と辻はアグリに促され、あぐりの書斎へ3人で向かった。
「さあどうぞ。」
ソファへと腰掛けた。
「今日は楽しかったわね。でも、二人の時間が取れなくて申し訳なかったわ。」
「いや、元々そんなつもりなかったし、全然アグリくんが気にすることじゃないんだよ。」
「そうです、アグリ先生もそんなふうに思わないでください。」
ふふとアグリが笑った。
「でね、ちょっとだけど、私からプレゼント。」
アグリが時計を持ってきた。
「この腕時計、櫻さんのものに買ったのよ。」
「え!私全然いただくほど何もしてないです。」
「自由恋愛には時間が重要でしょ。だから。ね。」
「アグリくん、本当に粋なことをするね。僕はいつも君に頭が上がらないよ。」
辻は肩をすくめた。
「そうだね、これは本当に素敵なデザインだ。モダンガールが着けそうだね。」
英数字で書かれた時刻はとても素敵だった。
「私、この状況も頂いたもので何でお返しすればいいのか。。。」
「櫻くん、僕はね、君は望月家に幸せを運んできたんだよ。」
「え。。。」
「アグリくんの赤ん坊も君が守ったじゃないか。」
「いえ、私はただ、アグリ先生が心配で。」
「ありがたくいだだきなさい。」
辻は少し強い口調でニコニコしながら言った。
「私、もっと精進します。アグリ先生にも、辻先生にも見合うような人になれるように。」
「そうね。あなたにはまだまだ時間がある。もっと頑張ればまだまだモダンガールも夢じゃなくてよ。」
「アグリ先生、こちらの腕時計つけてみても?」
「うん。辻さん、つけてあげて。」
辻が差し出された櫻の腕に腕時計をつけた。
「うん。似合うね。」
「やっぱり良かったわ。」
良かったと二人の笑顔を見て安心したアグリだった。
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