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第三章 愛の確認

7、いざ望月家へ

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「さてさて、望月家についたようですよ。」
優しい声で辻が抱きしめた櫻にささやいた。
「僕とはここでお別れです。」
「え、、先生一緒にお家にいらっしゃらないですか?」
「僕があなたと一緒に望月の家に行ったら、弟子の皆さんの格好のネタになってしまうでしょう。」
それもそうだ。辻はモテる。だから、そんな辻にエスコートされて現れたらそれでもなく注目されてしまうだろう。
「先生、残念ですが。。ありがとうございます。さようなら。」
車を降りようとした時、空いた左手に接吻をされた。
「先生!」
「挨拶ですよ。さよならの。明日からはどう言うふうに君と会えるかまだ決めていませんが、僕たちは離れるわけじゃない。それだけは覚えておいてください。」
心の奥が少しキュンとした。しかし、手を離し、櫻はにこりと笑った。
「あなたの未来はあなたの手の中に、ですよ。」
辻がそういい、後部座席のドアを閉めた。
櫻は辻の車に一礼し、望月家の玄関のベルを鳴らした。

キーンコーン

「どちらさまで?」
「本日からご厄介になる江藤櫻です。どうぞよろしくお願いします。」
「聞いてます。今玄関を開けますね」
ドアを開けてくれたのは、櫻と同年代の女性だった。
「さあ入ってください。私も弟子の大久保キヨです。まだこちらの家に来て3ヶ月ですが、大体のことはわかります。」
あの大きなお店とは違って、こぢんまりとした玄関だ。しかし、掃除が行き届いているのかとても綺麗である。
入る前によく見たが、和洋折衷といった、洋風と和風が混じった変わった家である。
「お荷物がありますね。櫻さんのお部屋は奥から2つ目。そのお部屋までご案内しましょう。」
大久保に案内されるまま、部屋を進む。どうやら奥には弟子の部屋が並んでいるようだった。
「ここの弟子部屋変わっているでしょう。普通は何人も一緒に和室で暮らすのが普通だけど、弟子時代のアグリ先生が、練習ができるようにって弟子部屋は個室にしてここを建てたのよ。」
櫻が案内された部屋に入ると、ベットと机がおかれた小さいがとても居心地がいいようだった。
「手前にタンスがあるでしょ。そこに荷物を入れておくといいわ。支度が終わったら、玄関の前の部屋を左に曲がって台所に来て。」
「はい、わかりました。」
大久保はそう言うと、さっといなくなった。
残された櫻は少し、緊張しつつ、この家の個室に感動していた。ここで、私の新しい人生が始まる。。。。


部屋の片付けも終わったので、早速台所に行った。
4人の弟子が、夕飯の支度をしている。
「櫻さん、自己紹介は夕飯の時として、ここにある出来上がったものを食卓に運んでくださる?」
大久保に指示されて
「はい。すぐに運びます。」
と皿を何度か運んだ。この家では大きなテーブルで10人くらいが一緒に食べるのだろうか。弟子は別のだろうか。
どんな形にせよ、櫻はこの期待の気持ちが膨らんで、望月家のこれからワクワクしていた。

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