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第二章 職業婦人見習い

8、初めてのドレス

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辻は櫻を気遣って、彼女が落ち着くまで車を停めてから、降車した。
「さあ、こちらへ」
辻に手を引かれ、店内へと導かれる。

「いらっしゃいませ。あら、辻さんじゃありませんの?」
見た目は20代の洋髪洋装の女性が立っている。
「アグリくん、こちら江藤櫻くんです。」
「初めまして、江藤さん、私望月アグリと申します。こちらの店を任されておりまして。」
「辻先生から以前、少しお話し聞きました。後、望月さんともお会いしました。」
「あら?主人が?あの人、辻さんと同じで神出鬼没でしょ。周りの人は振り回されてしまいますよね。ふふ」
振り回されると言いながらも、その表情には余裕が見えた。

「えっとねえ、今日は先日お願いした江藤くんのドレスを取りに来たんだよ。こちらで着せてもらってから次の所へデエトするのでね。」
「辻さんてば、罪造りなお方ね。ちゃんと櫻さんに今日のご予定、お知らせしたの?」
「言って仕舞えば何も面白味もないじゃないか。君から言わないでおくれよ。」
「はいはい、承知いたしました。さあ、江藤さん奥のお部屋へどうぞ。あ、辻さん、きちゃダメよ。イタズラが過ぎるのは玉にきずですからね。」
「色々と僕も見たかったのになあ。では店内を徘徊でもしますか。」
「もう、他の女性のお客様もいらっしゃるから、そこのソファでお待ちくださいね。」

アグリは辻を嗜めるのがどうもうまいようだ。櫻は圧倒されてしまった。
「さ、櫻さんこちらへどうぞ。」
6畳くらいだろうか。鏡付きの洋室がある。ドアで中が見えないようにしてある。その部屋に促されるように、アグリと助手二人と櫻ではいる。

「さて、櫻さんお着替えしてくださいな。」
「え?お着替え?」
「洋装の服ですから、下着もさっと着替えてしまいましょ。」
それからは、あれよあれよという間に、ドレスへと着替えが終わってしまった。
「あなた、肌にハリがあるから洋装とてもお似合いになるわ。髪の毛もすぐにアップにしますね。
助手が一つに束ねていたながいい髪を夜会巻きにすぐに変えた。


「これが。。。。私?」
「さあ、辻さんを呼びましょう」
アグリが助手二人と部屋から出た。

再びドアが開かれた時、辻一人で入ってきた。
「ザッツグレイト。今からでも社交界にデビューできるそんな女性に変身ですね。しかし、僕のポケットの中にしまっておきたいくらい可愛いですよ。」
「先生、もう何もかもわかりませんよ。どうして洋装洋髪で、私これからどうなるのですか?」

不意に唇が塞がれた。
顔が離れると
「シッッ」
小さい声でということだ。
「この間、あなたにつけた桜の模様替え利が大きいから見えてしまいますね。」
櫻はそれを見ると、顔を真っ赤にしてしまった。
「は、恥ずかしい、、、です。」
「本当に可愛い。」

抱きしめて辻は手を櫻のヒップに乗せてきた。
「ドレスは尻の部分が盛り上がっていてドキドキしますね」
柔らかい骨組みが組まれてるようだが、辻が尻を撫でてくるのが、恥ずかしくて、でもドキドキして仕方なかった。
「あなたはお尻も柔らかいんですね」
答えることができない。声を我慢しているからだ。

「はぁはぁ。」
「今日は本番は後ほどです。オイタはこのくらいにしておきましょう。」
そういうと辻はさっと部屋から出ていった。
櫻が部屋のはじの椅子で休まざるおえなかったのは仕方のないことである。



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