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第二章 職業婦人見習い

7、耳への侵入

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「先生、車は上野に向かってませんが。。。」
「おや、わかりましたか?」
パッと体を離す。櫻はびっくりしてしまったのだ。
「どういうことですか?私時間に帰らないと怪しまれてしまいます。」
「いやいやご安心を。実はね、今日は中元で忙しいので残業をしてもらうと百貨店から田中家に連絡してもらってるんだよ。」
「え?でも私残業してません。」
「そうだねえ。でも、僕ときちんとしたデエトもしたことないんじゃないかい?」

辻はなんでも急だ。引っ掻き回される。

「どういうことなんですか?私はこれからどちらに向かうんですか?」
「まずはね、望月くんの細君のが開いている洋服店へ向かうよ。」
「銀座の望月洋装店へですか?」
「そのとうり!」
「まあ、それまでくっついていようじゃないか。」
「もう嫌です。」
櫻はほおを膨らませて怒った顔をした。辻はそれをとても愛おしいと思う。
「あなたは可愛いことばかりするから、こちらだって意地悪しますよ。」
またひょいと手を引かれて抱きしめられる。車の中は広いと言っても二人が密着するにはちょうどいい大きさだ。
「先生。私、先生の知識とか、同好会でお話しされてることとかいろいろ知りたいです。」
「では、僕の行動にしたがってくれますか?」
「え。。。。」
急に耳の穴を唇が触れた。びっくりすると舌で耳の穴を吸い込んでくる。
「先生、私耳なんて、汚いです。おやめくだ。。。さ。。い。。。。」
はあはあと、息が荒くなる櫻。
「あなたの耳はとても甘い。少し味わっていましょう。」
辻の耳に対する行動はなお続き、櫻はクラクラしてきた。
(耳の中を舐められているだけで、こんなにどうにかなってしまうなんて。。私、気持ちがいいなんて言ったら、辻先生、許してくれない)
櫻は右耳を吸い取られた後、左耳も同様に下を転がして味わっている。



「ああ、残念だ。もう、銀座に着いてしまった。」
もちろん、すぐに車から降りることなんてできないフラフラになった櫻であった。

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