4 / 5
唯一無二
しおりを挟む次の日、琥珀は嫌々学校に行った。
案の定いじめっ子が校門の前で待ち構えていた。
琥珀はいじめっ子を素通りして、教室に向かった。
すると「琥珀くん。」顔を上げると美幸が立っていた。
「莉音の様子はどう?」と美幸に聞かれ琥珀は顔を背けた。
すると美幸は察したようで、
「そう…けど、莉音だったら大丈夫よ。だって、あの莉音だもん。キット大丈夫…」
すると琥珀は
「うん。けど、なんでいじめっ子はそんなことするんだよ…莉音が大変な状況なのに、なんであいつらそんなことを…」
怒りに震える琥珀に美幸は
「そうね…けど、誤解しないであげて、彼らも、莉音のことが心配なの。だけど、彼ら不器用だから素直になれないんだと思う。琥珀君のことを虐めているのは確かに良くないと思う。けど、私達とおんなじ気持ちで、莉音のことが心配なのよ。」
その言葉に琥珀は驚いた。
すると美幸はドアに向かって言った。
「みんなも心配なんでしょ!ほら、出てきなよ!」
するといじめっ子を始め、クラスメイトから隣のクラスの人まで先生もみんな集まっていた。
するといじめっ子は
「琥珀。悪かったな…俺が間違ってた。本当は俺も莉音の事が心配だったんだよ。俺は莉音が好きだった。だから、ずっとお前に嫉妬していたのかもしれない…悪かった、、、けどこれからは違う。お前もクラスの仲間だ。友達になろうぜ、琥珀。」
驚く琥珀にいじめっ子は手を差しのべる。
「まだ、名乗ってなかったな。俺の名前は夜麻流生。りゅうって呼んでな!よろしく琥珀。」
すると琥珀は涙を堪えて言った。
「よろしくな。みんな、、、ありがとう俺はどうやら勘違いをしていた。みんな俺のことを責めているって。だけど、それは違った。もう、俺は一人じゃないんだな…」
ずっと堪えていた涙がどっと流れた。
そして琥珀は言った。
「あの…みんなも来てくれないかな?莉音の病室に。多分、みんなが来てくれるとあいつ、喜ぶと思うから。」
すると流生は
「当たり前だぞ。てか、タメ口使えよ。友達なんだから…」
すると琥珀は「ありがとう.みんな」
琥珀は初めて莉音以外の人の前で笑う事ができた。
その時の琥珀の笑顔は最高に輝いていた。
一方病院にいる、莉音も回復してきた。
最近、自発呼吸ができてきたのだ。
医師は「信じられん…あんな状態で回復するなんて…これは、奇跡としか考えられません‼︎」
だんだんと回復する莉音。
莉音が亡くなるまで残り87日
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜
月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。
だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。
「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。
私は心を捨てたのに。
あなたはいきなり許しを乞うてきた。
そして優しくしてくるようになった。
ーー私が想いを捨てた後で。
どうして今更なのですかーー。
*この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる