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エピローグ

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 その年は、心配されていたとおり各地で小麦が不作となったけれど、ロヴァリア豆が多くの民を救った。
 ノランサス領ではアランがロヴァリア豆の導入に強硬に反対したせいで飢饉になりかけ、怒った民が暴動を起こした。
 結果、ノランサス伯は他の領主たちに頭を下げて、食糧を分けてもらうはめになったとか。


 アランはますます酒と女に溺れるようになり、ある日の夜会でよりにもよって王妃に色目を使ったとして王の不興を買った。
 さすがにノランサス伯もかばいきれなくなり、アランは、追放同然にノランサス領の北の外れの僧院に送られた。
 あれだけアランに群がっていた女性たちは、誰一人として見送りに来なかった。
 あの人たちが好きだったのは、アラン自身ではなく、ノランサス家の跡取りという身分だったのだ。


 以上は、どこからか噂を聞きつけてきたリズが情報源。
 その後、アランがどうなったかは、わからない。





 私とロイド様の結婚生活は順調そのもので、結婚式の翌年にはかわいい男女の双子が産まれた。
 私たちは、賑やかで幸せいっぱいの日々を過ごしている。

 私は時々、ロイド様がくださった求婚のお手紙を見返す。
 だって、今の私たちの幸せがあるのは、ロイド様が求婚して下さったおかげだから。
 このお手紙は私の宝物なの。

 私がそう言ったら、ロイド様は、

「クララが魅力的だったから、私は求婚したのだよ。だから、私たちが今幸せなのは、クララのおかげなんじゃないかな?」

 なんておっしゃってた。

 本当に、私の旦那様は謙虚でお優しくて、でも頼りになって、最高の旦那様!

 私はこの方を一生愛していきます。
 

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