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報告しました
しおりを挟む「そうでしたわ。ロイド様、よい報告がありますの」
「よい報告?それはもしや……」
「ええ。発芽率を上げる方法がわかりましたの!」
私は、傍らに置いておいた本を手に取り、しおりを挟んでおいたページをロイド様に見せた。
「ここに、種を蒔く前に一週間から十日、ミサリラ石とともに水に漬けると書いてあります」
「ミサリラ石!なるほど、そんな手があったか」
ミサリラ石はどこの河原にも落ちている手に入りやすい石なのだけれど、実は薬効成分があるそうで、今でも薬師たちは砕いて薬にしている。
でも、ロヴァリア文明では、他にも様々な使われ方をしていたようで、豆の吸水時にも一緒に漬け込むと書かれていたのを見つけたのだ。
「ありがとう、クララ!あなたは本当に素晴らしいよ……!」
ロイド様が感極まったようにまた私を抱きしめる。
「ロイド様ったら。まずはこの方法が正しいか試してみなくては」
「そうだな。早速取り掛かろう!」
ロイド様は勢いよく立ち上がった。
それから半月後——
なんと、ミサリラ石とともに水に漬けた後に蒔いた種は、ほとんどが発芽したのだった!
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