【完結】幼馴染に婚約破棄されたので、別の人と結婚することにしました

結婚式

　迎えた結婚式。

　駆けつけたお父様やお母様は、純白のドレスを着た私の晴れ姿に涙を流し、ロイド様の端正すぎる素顔に絶句していた。
　白い礼服姿のロイド様は、輝かんばかりにお素敵だった。

　お父様やお母様、そしてこの日のためにいらしたドラヴァレン家の親族の方々に見守られながら、私たちは神殿で永遠の愛を誓い、指輪を交換した。

　そして、私のベールを外したロイド様が私を熱っぽく見つめた。
　その青く煌めく瞳には、私だけが映り込んでいる。

「クララ……」
「ロイド様……」

　気持ちが溢れすぎて、お互いもう名前を呼ぶことしかできなくて。
　私はそっと目を閉じた。
　それから、優しいキスが唇に落とされた。

　幸せで胸がいっぱいになって——

　目を開けると、ロイド様が私を見つめたまま微笑んでいたから、私もにっこりと微笑み返した。
　
　
　こうして私たちは、正式に夫婦となった。　







　領民へのお披露目のため、私たちはオープンタイプの馬車に乗り、城下町を一周してパレードを行った。
　沿道にはドラヴァレン州中からたくさんの人々が詰めかけ、私たちの結婚を祝福してくれた。
　
「おめでとうございます！ロイド様！クララ様！」
「あんなきちんとした格好しているロイド様は久しぶりに見たけど、相変わらずの色男だねえ」
「ごらんよ、隣の奥方様もなんてお綺麗なんだ！」
「なんでも大変な才女で、例のロヴァリア豆も、奥方様のお力で栽培できるようになったそうだよ」
「ありがたいことだ」
「ロイド様万歳！クララ様万歳！」
「どうか末長くお幸せに！」
　
　聞こえてくる民の声はみな明るく、暖かい。
　ロイド様が民に愛されていることが誇らしく、民が私を受け入れてくれたことが嬉しかった。