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「うぅ……」
眠りから覚め、目を開ける。
「何だこれ?」
目を開けた視線の先には、大きな大画面。
大画面には、映像は何も映し出されてない。
白一色だ。
大画面の左右端には、捌け口がある。
捌け口の扉の上には、緑色のランプを灯した非常口のマークがチカチカと表示されている。
どうやら、ここは劇場型らしい。
とても高さがあって、広い。
俺は知らない映画館の椅子に座っていた。
「いつ……だ?……こんなのいつ……?」
わけがわからない。
映画館に来た記憶すらない。
「どうして……映画館に俺は……いる⁇」
周りを見渡すと俺以外にも、数多くの人の姿がある。
人数は数えきれないが、ざっと300~400人いるんじゃないだろうか?
全員が全員、椅子に腰掛けている。
俺と同じく辺りをキョロキョロ見渡す人も居れば、立ち上がる人もいる。
どうなってる?
どうなってるんだ⁇
記憶にはない。
俺が映画館に足を運ぶのなんて、1年以上ないぞ。
見たい映画もなければ、今あってる映画を観に行く予定すらない。
それなのに……どうして?
どうして、俺はこんなところに⁇
「何で……俺は映画館に……」
俺は顔に手を当てる。
当てたところで、記憶が思い出せるわけもなく、ただただ座り込んでいると3席離れた左側に座る20代前半の男が言う。
「スマホが無い⁉︎」
男はパタパタと全身を両手でまさぐるように当て、
「ポケットに入れていたはずなのに……」
探しているスマホがポケットにも、どこにもないことを呟く。
そう言われたら、俺もない?
そもそも俺は映画館に行く予定すらなかった。今思い出せる真新しい記憶からいけば、俺はベッドで寝ていたはずだ。
その証拠に俺は薄青い色のどこにでもありがちなパジャマを着ている。
寝ていた俺がスマホを所持してるわけもなく、もしかしたら……と思って感触を確かめてみたが、スマホは所持していなかった。
俺は訳の分からない映画館。それも真正面の先にある大画面へ視線を向けて、考え込んでいるところに右の方向から俺に向けて声がかかる。
「しんちゃん?」
聞き覚えのある女性の声。
俺は右隣の人といっても、5席ほど離れた先に数人の人を挟んでいるんだが……。その人の顔を見るよりも先に『しんちゃん』呼びする女性が誰なのかを見当がつく。
視線の先にいる女性。
俺と同い年の17歳。
高校3年生の薫だった。
「薫!」
薫は寝間着姿で椅子に座っていた。
寝間着姿は、うさぎさん模様のピンク柄のパジャマ。うさぎの絵柄がついた白い色の長い靴下を履き、誰がどう見ても今から寝ます。もしくは今まで寝ていた人の格好だというのが、理解出来る。
「良かった」
薫は黒髪ロングの髪をたなびかせ、俺の隣の席まで華麗な足取りで来るなり、俺の右隣の空席だった席に座る。
「しんちゃんがいて、良かった」
「俺も薫の顔を見て、少しはホッとした。というか安心した」
知った人や友人がいるのといないのでは、今のこの状況では大きな差となる。
俺が座ってる座席は中央に位置する場所で、下の方に座る人々――老若男女関係なく大勢いる――は知った人がいない人ばかりらしく、誰もが冷静になれずに慌ただしくしている。
その姿を側から見せられ、薫がこの場にいてくれたことに感謝する。
いなければ、今以上の冷静さを保てなかったかもしれない。
「ねぇ、しんちゃん」
考え込む俺の顔を薫が覗き込んで来る。
「ここって映画館だよね?」
「どう見ても、映画館だろう?」
俺はあまりにも見れば、映画館だと誰しもが分かる場所なのにも関わらず、映画館?とクエスチョンで聞いてくる薫の言葉を聞き、若干だが本当に映画館だよな?と疑念が生じる。
「映画館だったら、ここはいったい……どこの映画館なんだろうね?」
言われてみたら、確かにそうだ。
ここは何処だ?
「そう言われたら、どこなんだろうな?シアタールームから出れば、受付や販売コーナーもあるだろうし、分かるはずだ」
俺は椅子から立ち上がる。
「そっか。シアタールーム出たら、分かるよね。しんちゃん、頭いい」
「おいおい、よしてくれよ。そんなのは俺じゃなくても、誰でも分かることだよ」
俺は照れながら、左側に座ってる人に「すいません。通ります」と挨拶して、抜け出すと左側の階段を一段ずつ降りる。
眠りから覚め、目を開ける。
「何だこれ?」
目を開けた視線の先には、大きな大画面。
大画面には、映像は何も映し出されてない。
白一色だ。
大画面の左右端には、捌け口がある。
捌け口の扉の上には、緑色のランプを灯した非常口のマークがチカチカと表示されている。
どうやら、ここは劇場型らしい。
とても高さがあって、広い。
俺は知らない映画館の椅子に座っていた。
「いつ……だ?……こんなのいつ……?」
わけがわからない。
映画館に来た記憶すらない。
「どうして……映画館に俺は……いる⁇」
周りを見渡すと俺以外にも、数多くの人の姿がある。
人数は数えきれないが、ざっと300~400人いるんじゃないだろうか?
全員が全員、椅子に腰掛けている。
俺と同じく辺りをキョロキョロ見渡す人も居れば、立ち上がる人もいる。
どうなってる?
どうなってるんだ⁇
記憶にはない。
俺が映画館に足を運ぶのなんて、1年以上ないぞ。
見たい映画もなければ、今あってる映画を観に行く予定すらない。
それなのに……どうして?
どうして、俺はこんなところに⁇
「何で……俺は映画館に……」
俺は顔に手を当てる。
当てたところで、記憶が思い出せるわけもなく、ただただ座り込んでいると3席離れた左側に座る20代前半の男が言う。
「スマホが無い⁉︎」
男はパタパタと全身を両手でまさぐるように当て、
「ポケットに入れていたはずなのに……」
探しているスマホがポケットにも、どこにもないことを呟く。
そう言われたら、俺もない?
そもそも俺は映画館に行く予定すらなかった。今思い出せる真新しい記憶からいけば、俺はベッドで寝ていたはずだ。
その証拠に俺は薄青い色のどこにでもありがちなパジャマを着ている。
寝ていた俺がスマホを所持してるわけもなく、もしかしたら……と思って感触を確かめてみたが、スマホは所持していなかった。
俺は訳の分からない映画館。それも真正面の先にある大画面へ視線を向けて、考え込んでいるところに右の方向から俺に向けて声がかかる。
「しんちゃん?」
聞き覚えのある女性の声。
俺は右隣の人といっても、5席ほど離れた先に数人の人を挟んでいるんだが……。その人の顔を見るよりも先に『しんちゃん』呼びする女性が誰なのかを見当がつく。
視線の先にいる女性。
俺と同い年の17歳。
高校3年生の薫だった。
「薫!」
薫は寝間着姿で椅子に座っていた。
寝間着姿は、うさぎさん模様のピンク柄のパジャマ。うさぎの絵柄がついた白い色の長い靴下を履き、誰がどう見ても今から寝ます。もしくは今まで寝ていた人の格好だというのが、理解出来る。
「良かった」
薫は黒髪ロングの髪をたなびかせ、俺の隣の席まで華麗な足取りで来るなり、俺の右隣の空席だった席に座る。
「しんちゃんがいて、良かった」
「俺も薫の顔を見て、少しはホッとした。というか安心した」
知った人や友人がいるのといないのでは、今のこの状況では大きな差となる。
俺が座ってる座席は中央に位置する場所で、下の方に座る人々――老若男女関係なく大勢いる――は知った人がいない人ばかりらしく、誰もが冷静になれずに慌ただしくしている。
その姿を側から見せられ、薫がこの場にいてくれたことに感謝する。
いなければ、今以上の冷静さを保てなかったかもしれない。
「ねぇ、しんちゃん」
考え込む俺の顔を薫が覗き込んで来る。
「ここって映画館だよね?」
「どう見ても、映画館だろう?」
俺はあまりにも見れば、映画館だと誰しもが分かる場所なのにも関わらず、映画館?とクエスチョンで聞いてくる薫の言葉を聞き、若干だが本当に映画館だよな?と疑念が生じる。
「映画館だったら、ここはいったい……どこの映画館なんだろうね?」
言われてみたら、確かにそうだ。
ここは何処だ?
「そう言われたら、どこなんだろうな?シアタールームから出れば、受付や販売コーナーもあるだろうし、分かるはずだ」
俺は椅子から立ち上がる。
「そっか。シアタールーム出たら、分かるよね。しんちゃん、頭いい」
「おいおい、よしてくれよ。そんなのは俺じゃなくても、誰でも分かることだよ」
俺は照れながら、左側に座ってる人に「すいません。通ります」と挨拶して、抜け出すと左側の階段を一段ずつ降りる。
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