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本編
37.説得 ✻
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「········説得?」
「そう。···場合によっては僕も楼透の所へ律花を行かせてあげる」
にこり。
そう笑う兄貴は怒ってはいない様だが様子が変だ。
もう既に楼透を連れ戻すことについて説得したつもりだったんだが、これ以上の説得って······俺にどうしろと。ん···?嫌な予感が······。
「······俺に体で奉仕しろと?」
「ふふ、良く分かってるね···でも律花の好きでいいよ。説得の仕方は律花が選んで?食料は備蓄してあるし、僕は何日かかっても構わないよ······いつここから出られるか、楽しみだね」
なんと性格の悪い·······!
「僕からは故意に律花に触れないし、律花には選択肢があるんだ。良い提案だと思わない?呑むか呑まないかは律花次第だよ」
そう言いつつ俺の背を押しドアから離す。
ドアに背を預けくすりと笑う姿は話が弟への脅しじゃなかったなら完璧なまでに誰もが見とれる美青年だろう。ん?と首を傾げて俺の返事を待つ様はあざと可愛いならぬあざと格好良いだ。くそっ···これだからイケメンは性格が悪くて最悪だ。
「·······こっちに、来い」
意地の悪い笑みを浮かべた兄貴の袖を引っ張りドアから引き剥がす。
兄貴の隙をつくにもここじゃ場所が悪い。ソファだと俺のリーチも広くなる···そこらの床でも良いが万が一があった時に痛いのは御免だ。不本意だがベッドにしておこう。
その引っ張った袖をベッドに落とす。
体重を俺に預けていた兄はそのままベッドの上へ座った。
それでも変わらずの余裕な笑みが憎たらしい。
「···律花は何をしてくれるのかな?」
「···っ煩い。黙ってろ·······んっ」
こうなったらヤケクソだ。
俺は前世でさえ2回したか3回したかも分からない自分からのキスを繰り出した。···こちとら経験値不足なんだ、これで下手だとかどうこう言うならこのまま噛み付いてやる!
「ん·······ちゅっ········」
···本当に兄貴からは動かないのか?俺が唇を合わせるだけで、兄貴の唇は全く動かない。···キスってどうすれば良いんだよ·······。
「っ、何、見てんだよっ」
「·······可愛いなって」
「な、、馬鹿言うなっ!!」
「いや?本当に可愛いよ。···でも、そんなに屈辱そうな顔しないで。大きな瞳にこんなに涙を浮かべて···そんなに嫌だったの?もう可愛くて仕方がないよ···手を出せないのが本当に残念だ」
うぅぅ···悔しい。
残念だと言うわりに嬉しそうなのは気のせいか?
「煩い·······ちゅっ」
俺は噛み付くように唇をぶつけてやる。
だいたい自分からなんて本当に経験が無いんだ。···恥ずかしい話だが前世ではいつも彼女の方からしてきたし、せっ···せ、···そういうことだってまだ1、2回くらいしか···その···やってなかったし······。
よく2年もこんな頼りない俺と付き合ってくれたのか···コーネリアのせいで俺たちが別れたことを知った今、彼女には感謝しかない。
···キス、、そう言えば先輩はめちゃくちゃ上手かったな···。
複雑だが思い出してやってみれば······。
「···んっ·········んんッ!!?」
突然兄貴が俺の唇を軽く食んできた。
驚きで目を見開くと、そこには冷たい光を放つ兄貴の瞳がある。
「·······何?」
「···僕を説得中に、他のことを考えるなんて律花も余裕だね?」
「···は?」
「決めた······僕をイかせたら許してあげてもいいよ」
な、、。
「い、イかせるって···」
「ゴールが明確な方が律花もやり易いだろう?」
つまりは自分から兄貴に股を開けと言うのか···。
········無理無理無理無理!!これに関しては絶対無理!!
第一自分から兄貴のモノを自分の尻の突っ込むなんて出来る訳ないし、やりたくない。でもやらないと俺の今後の人生がかかってる訳で·······。
自分の貞操を取るか、今後の人生を取るか。
·······ん?待てよ···。
「······イかせるって、方法は何でもいいのか?」
「いいよ、律花の好きにして」
······うぅ。仕方がない···尻にこんなん突っ込むよりは···。
兄貴からの了承も出たことだ。
俺は覚悟を決めて兄貴の足元に座り込んだ。
「···いいな、これからすることは一切忘れろ」
「·······分かった。楽しみにしてる」
もう、兄貴には何をするか分かったようだ。
·······俺だって本当はこんなことしたくない。けど他の場所を触れさせれば手を出さないなんていっても絶対じゃないだろうし、イかせるだけが目標ならきっとこれが最短で尻の危険も低い。······だがこれはあくまでも最終手段としておこう。
恐る恐る兄貴のスラックスのジッパーを下げる。
その下の下着からはやや勃ちかけた兄貴のモノが見えた。
「···さ、触るぞ?」
「どうぞ?」
人のモノを触ると言うだけでこんなにも緊張するのか···。
先輩のも触ったことがあるけどあの時は俺もどっかのストッパーが外れてて、気にならなかった。今は意識がハッキリしてるし、だからより一層緊張してしまうんだろうけど······。
下着をずらし直に触る。
······熱っ、、もう既に熱を帯びていることに驚きつつもゆっくり触れていく。
「···ん」
軽く兄貴の吐息が聞こえた。···気持ちいいのか?
ちゃんと触れてないという自覚がある以上、少しだけ申し訳なくなってくる···。生殺しってキツイからな···。
だいぶ固く大きくなってきた兄貴の陰茎は兄貴自身の先ばしりで濡れ始めている。けれど、俺の触り方ではイクための決定打になっていない事くらい分かる。
·······くそ、、やっぱりやらないと駄目か···。
出来ることならやらずに済ませたかった。
上手く出来るか分からない。
けど、俺に出来る選択肢はこれしかない······。
「······俺、初めてだから·······その···」
「···っ······いいよ、と言うか初めてじゃなかったら僕も困るんだけどなぁ···?」
「っ·······煩い」
ぱくり。
俺は心に決めると兄貴のモノを口に咥えた。
······う、、苦い······。
「·······っ」
別に美味しいものだと思って咥えた訳じゃないが、やっぱり美味しくないのは当たり前だ。それでも咥えた瞬間に兄貴の漏らした艶っぽい吐息にもう少しだけ頑張ろうと思えた。
歯を当てないようにして······舌を使って······。
「ふぅ········ん···」
兄貴の陰茎は先輩程太くはないものの長さがある。
全てを口で咥えるのは至難の業だろう。
一旦口を離して、兄貴の陰茎を舐めてみる。
······これも俺の中に入ったんだよな······。
そう思うと、尻の穴がきゅんと窄まった。
心做しかその奥···中もきゅんきゅんしてきて何故なのかよく分からない。
「···ふぁ、、んっ·······ちゅっ」
「·······りつ······可愛い···凄く、上手だよ」
「んっ······ちゅ、、うるへ········」
·······なんかクラクラする。
兄貴の雄の匂いも、この苦い味も、咥えたせいで上手く出来ない呼吸も······辛いのに···なんだ·······これ。兄貴に上手だと言われながら撫でられる額が熱い。
触らないって言ったのに···。
兄貴の俺の頭を撫でる手が熱い。顔にかかりそうな髪を退ける手が優しく梳いてくるのが嫌なのに気持ちよくて···余計に混乱してくる。
「······んっ····硬く···なってきた··········あにき···いい····?」
「っ··········律花···」
「···ふぇ······?」
「僕のを舐めながら蕩けてるの?可愛い···」
自分から手を出さないと言っていた兄貴が屈んで俺の髪にキスを繰り返している。···蕩けてる?俺が?兄貴の言っている意味が分からない。
「·······いいよ。僕の負け·······イッてあげる···」
「···ふえ?」
「·······だから···ちゃんと、咥えて?」
その言葉に俺はまた口を開けた。
兄貴がイきやすいように頑張って鈴口や裏筋を咥えながら舐める。
·······イクなら、早くイケっ······っ。
「·······くっ···」
「ングっ!!」
不意に兄貴が俺の頭を掴んだ。
それとほぼ同時に俺の口の中に吐き出される兄貴の白濁。
「ん!!?」
何これ!?苦···っ!!
思わず吐き出そうと口を抑えるとその手を塞がれた。
「ちゃんと、飲み込んで?」
·······こんの鬼畜がぁあああ!!
俺は必死でその腕を退けようとするが、やっぱり兄貴の力には叶わない。
にこりと笑う兄貴の無言の圧力。
「···ん、、ん、んー!!」
「ほら···頑張って」
飲むしか無いのか···!?初めて男のモノを咥えた俺にさせる事じゃないだろ···。まさか異世界転生して男の精液を飲む日が来るなんて思ってなかったわ!!
······うぅ···もう、いい。
「んくっ······っ······」
こくりっ···。
苦くドロリとしたものが喉を通る···くそ、めっちゃ喉に絡まる···!
不味いし、美味しくない···。
「ぐっ······げほっ、げほげほっ」
「···あーあ、やっぱりまだ難しかったね···」
うげぇ······折角飲めた分も噎せた反動で吐き出してしまった。
そんな俺の頭を慰めるかのように撫でる兄貴。
分かってたなら飲ませるなよ···。
残念ながら今の俺にはそんな反応をする気力もない·······。
けれど責めてもの反抗だ。
兄貴のせいで俺の意思とは反対に出てきた涙でボロボロの汚い顔で兄貴を睨んでやる。
「······俺は行くからな!」
「···はぁ。全く、律花は本当に頑固だね······分かったよ。但し、条件を付けるからね」
「···条件?」
それから一日挟んで二日目の早朝。
一度目での登校予定日まであと4日。
「···律花様、大丈夫ですか?」
「あ、う、うん·······すみません、俺に付き合って貰うことになっちゃって」
「いいえ、これも従者の務めです」
兄貴の言った条件の一つが、不知火さんを同行させることだった。
蓮家の分家の一族である不知火さんなら蓮本家のある場所も知っているし、万が一にも従者として同行して貰った方が俺の為になる。
他の条件はなるべく一人で行動しないことや期限明けの延長は三日間のみ。つまり、今日を含めて四日後の夕方までに帰ってくること。と言った三つだった。
「律花、行ってらっしゃい」
「······ふんっ。············行って、来る」
「うん。気をつけて」
······あれから兄貴が嫌に優しい。勿論兄貴が優しいのは今に始まったことじゃないが···なんか機嫌が良いって言うのか···?それが少し怖い気がする。
上着を羽織って俺たちの見送りをしてくれた兄貴にまぁ、最低限の挨拶をして家を出る。転移陣の乗り継ぎが一回とは行ってもその後の行動は歩きだ。それに善は急げ(?)何事も思い立ったが吉日(?)だ。·······残念なことに兄貴のせいで時間を取られた訳だが。
···楼透、待ってろよ······!
連れ戻せなければ俺の我慢が無駄になる···。
必ずお前を連れ戻してやる!!
「律花様、そっちじゃありません。こっちです」
·········あ。
「そう。···場合によっては僕も楼透の所へ律花を行かせてあげる」
にこり。
そう笑う兄貴は怒ってはいない様だが様子が変だ。
もう既に楼透を連れ戻すことについて説得したつもりだったんだが、これ以上の説得って······俺にどうしろと。ん···?嫌な予感が······。
「······俺に体で奉仕しろと?」
「ふふ、良く分かってるね···でも律花の好きでいいよ。説得の仕方は律花が選んで?食料は備蓄してあるし、僕は何日かかっても構わないよ······いつここから出られるか、楽しみだね」
なんと性格の悪い·······!
「僕からは故意に律花に触れないし、律花には選択肢があるんだ。良い提案だと思わない?呑むか呑まないかは律花次第だよ」
そう言いつつ俺の背を押しドアから離す。
ドアに背を預けくすりと笑う姿は話が弟への脅しじゃなかったなら完璧なまでに誰もが見とれる美青年だろう。ん?と首を傾げて俺の返事を待つ様はあざと可愛いならぬあざと格好良いだ。くそっ···これだからイケメンは性格が悪くて最悪だ。
「·······こっちに、来い」
意地の悪い笑みを浮かべた兄貴の袖を引っ張りドアから引き剥がす。
兄貴の隙をつくにもここじゃ場所が悪い。ソファだと俺のリーチも広くなる···そこらの床でも良いが万が一があった時に痛いのは御免だ。不本意だがベッドにしておこう。
その引っ張った袖をベッドに落とす。
体重を俺に預けていた兄はそのままベッドの上へ座った。
それでも変わらずの余裕な笑みが憎たらしい。
「···律花は何をしてくれるのかな?」
「···っ煩い。黙ってろ·······んっ」
こうなったらヤケクソだ。
俺は前世でさえ2回したか3回したかも分からない自分からのキスを繰り出した。···こちとら経験値不足なんだ、これで下手だとかどうこう言うならこのまま噛み付いてやる!
「ん·······ちゅっ········」
···本当に兄貴からは動かないのか?俺が唇を合わせるだけで、兄貴の唇は全く動かない。···キスってどうすれば良いんだよ·······。
「っ、何、見てんだよっ」
「·······可愛いなって」
「な、、馬鹿言うなっ!!」
「いや?本当に可愛いよ。···でも、そんなに屈辱そうな顔しないで。大きな瞳にこんなに涙を浮かべて···そんなに嫌だったの?もう可愛くて仕方がないよ···手を出せないのが本当に残念だ」
うぅぅ···悔しい。
残念だと言うわりに嬉しそうなのは気のせいか?
「煩い·······ちゅっ」
俺は噛み付くように唇をぶつけてやる。
だいたい自分からなんて本当に経験が無いんだ。···恥ずかしい話だが前世ではいつも彼女の方からしてきたし、せっ···せ、···そういうことだってまだ1、2回くらいしか···その···やってなかったし······。
よく2年もこんな頼りない俺と付き合ってくれたのか···コーネリアのせいで俺たちが別れたことを知った今、彼女には感謝しかない。
···キス、、そう言えば先輩はめちゃくちゃ上手かったな···。
複雑だが思い出してやってみれば······。
「···んっ·········んんッ!!?」
突然兄貴が俺の唇を軽く食んできた。
驚きで目を見開くと、そこには冷たい光を放つ兄貴の瞳がある。
「·······何?」
「···僕を説得中に、他のことを考えるなんて律花も余裕だね?」
「···は?」
「決めた······僕をイかせたら許してあげてもいいよ」
な、、。
「い、イかせるって···」
「ゴールが明確な方が律花もやり易いだろう?」
つまりは自分から兄貴に股を開けと言うのか···。
········無理無理無理無理!!これに関しては絶対無理!!
第一自分から兄貴のモノを自分の尻の突っ込むなんて出来る訳ないし、やりたくない。でもやらないと俺の今後の人生がかかってる訳で·······。
自分の貞操を取るか、今後の人生を取るか。
·······ん?待てよ···。
「······イかせるって、方法は何でもいいのか?」
「いいよ、律花の好きにして」
······うぅ。仕方がない···尻にこんなん突っ込むよりは···。
兄貴からの了承も出たことだ。
俺は覚悟を決めて兄貴の足元に座り込んだ。
「···いいな、これからすることは一切忘れろ」
「·······分かった。楽しみにしてる」
もう、兄貴には何をするか分かったようだ。
·······俺だって本当はこんなことしたくない。けど他の場所を触れさせれば手を出さないなんていっても絶対じゃないだろうし、イかせるだけが目標ならきっとこれが最短で尻の危険も低い。······だがこれはあくまでも最終手段としておこう。
恐る恐る兄貴のスラックスのジッパーを下げる。
その下の下着からはやや勃ちかけた兄貴のモノが見えた。
「···さ、触るぞ?」
「どうぞ?」
人のモノを触ると言うだけでこんなにも緊張するのか···。
先輩のも触ったことがあるけどあの時は俺もどっかのストッパーが外れてて、気にならなかった。今は意識がハッキリしてるし、だからより一層緊張してしまうんだろうけど······。
下着をずらし直に触る。
······熱っ、、もう既に熱を帯びていることに驚きつつもゆっくり触れていく。
「···ん」
軽く兄貴の吐息が聞こえた。···気持ちいいのか?
ちゃんと触れてないという自覚がある以上、少しだけ申し訳なくなってくる···。生殺しってキツイからな···。
だいぶ固く大きくなってきた兄貴の陰茎は兄貴自身の先ばしりで濡れ始めている。けれど、俺の触り方ではイクための決定打になっていない事くらい分かる。
·······くそ、、やっぱりやらないと駄目か···。
出来ることならやらずに済ませたかった。
上手く出来るか分からない。
けど、俺に出来る選択肢はこれしかない······。
「······俺、初めてだから·······その···」
「···っ······いいよ、と言うか初めてじゃなかったら僕も困るんだけどなぁ···?」
「っ·······煩い」
ぱくり。
俺は心に決めると兄貴のモノを口に咥えた。
······う、、苦い······。
「·······っ」
別に美味しいものだと思って咥えた訳じゃないが、やっぱり美味しくないのは当たり前だ。それでも咥えた瞬間に兄貴の漏らした艶っぽい吐息にもう少しだけ頑張ろうと思えた。
歯を当てないようにして······舌を使って······。
「ふぅ········ん···」
兄貴の陰茎は先輩程太くはないものの長さがある。
全てを口で咥えるのは至難の業だろう。
一旦口を離して、兄貴の陰茎を舐めてみる。
······これも俺の中に入ったんだよな······。
そう思うと、尻の穴がきゅんと窄まった。
心做しかその奥···中もきゅんきゅんしてきて何故なのかよく分からない。
「···ふぁ、、んっ·······ちゅっ」
「·······りつ······可愛い···凄く、上手だよ」
「んっ······ちゅ、、うるへ········」
·······なんかクラクラする。
兄貴の雄の匂いも、この苦い味も、咥えたせいで上手く出来ない呼吸も······辛いのに···なんだ·······これ。兄貴に上手だと言われながら撫でられる額が熱い。
触らないって言ったのに···。
兄貴の俺の頭を撫でる手が熱い。顔にかかりそうな髪を退ける手が優しく梳いてくるのが嫌なのに気持ちよくて···余計に混乱してくる。
「······んっ····硬く···なってきた··········あにき···いい····?」
「っ··········律花···」
「···ふぇ······?」
「僕のを舐めながら蕩けてるの?可愛い···」
自分から手を出さないと言っていた兄貴が屈んで俺の髪にキスを繰り返している。···蕩けてる?俺が?兄貴の言っている意味が分からない。
「·······いいよ。僕の負け·······イッてあげる···」
「···ふえ?」
「·······だから···ちゃんと、咥えて?」
その言葉に俺はまた口を開けた。
兄貴がイきやすいように頑張って鈴口や裏筋を咥えながら舐める。
·······イクなら、早くイケっ······っ。
「·······くっ···」
「ングっ!!」
不意に兄貴が俺の頭を掴んだ。
それとほぼ同時に俺の口の中に吐き出される兄貴の白濁。
「ん!!?」
何これ!?苦···っ!!
思わず吐き出そうと口を抑えるとその手を塞がれた。
「ちゃんと、飲み込んで?」
·······こんの鬼畜がぁあああ!!
俺は必死でその腕を退けようとするが、やっぱり兄貴の力には叶わない。
にこりと笑う兄貴の無言の圧力。
「···ん、、ん、んー!!」
「ほら···頑張って」
飲むしか無いのか···!?初めて男のモノを咥えた俺にさせる事じゃないだろ···。まさか異世界転生して男の精液を飲む日が来るなんて思ってなかったわ!!
······うぅ···もう、いい。
「んくっ······っ······」
こくりっ···。
苦くドロリとしたものが喉を通る···くそ、めっちゃ喉に絡まる···!
不味いし、美味しくない···。
「ぐっ······げほっ、げほげほっ」
「···あーあ、やっぱりまだ難しかったね···」
うげぇ······折角飲めた分も噎せた反動で吐き出してしまった。
そんな俺の頭を慰めるかのように撫でる兄貴。
分かってたなら飲ませるなよ···。
残念ながら今の俺にはそんな反応をする気力もない·······。
けれど責めてもの反抗だ。
兄貴のせいで俺の意思とは反対に出てきた涙でボロボロの汚い顔で兄貴を睨んでやる。
「······俺は行くからな!」
「···はぁ。全く、律花は本当に頑固だね······分かったよ。但し、条件を付けるからね」
「···条件?」
それから一日挟んで二日目の早朝。
一度目での登校予定日まであと4日。
「···律花様、大丈夫ですか?」
「あ、う、うん·······すみません、俺に付き合って貰うことになっちゃって」
「いいえ、これも従者の務めです」
兄貴の言った条件の一つが、不知火さんを同行させることだった。
蓮家の分家の一族である不知火さんなら蓮本家のある場所も知っているし、万が一にも従者として同行して貰った方が俺の為になる。
他の条件はなるべく一人で行動しないことや期限明けの延長は三日間のみ。つまり、今日を含めて四日後の夕方までに帰ってくること。と言った三つだった。
「律花、行ってらっしゃい」
「······ふんっ。············行って、来る」
「うん。気をつけて」
······あれから兄貴が嫌に優しい。勿論兄貴が優しいのは今に始まったことじゃないが···なんか機嫌が良いって言うのか···?それが少し怖い気がする。
上着を羽織って俺たちの見送りをしてくれた兄貴にまぁ、最低限の挨拶をして家を出る。転移陣の乗り継ぎが一回とは行ってもその後の行動は歩きだ。それに善は急げ(?)何事も思い立ったが吉日(?)だ。·······残念なことに兄貴のせいで時間を取られた訳だが。
···楼透、待ってろよ······!
連れ戻せなければ俺の我慢が無駄になる···。
必ずお前を連れ戻してやる!!
「律花様、そっちじゃありません。こっちです」
·········あ。
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