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章外 Greenhorn-onlineチャンネル①
Ver.1/第80話
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『魔王イベント開催決定!!』
表示されたスライドに、過剰とも思える反応が返される。スタジオでもクラッチが興奮気味に声を上げていた。
「ついに開催ですね! しかも、もうすぐじゃないですか!?」
すでに開催されることは告知されていたのに、これほど反応が良い理由は、これと一緒に開催日が付け足されていたからだ。
「はい。少し時期尚早かな? とも思ったんですが、今回のイベントのこともあって決めました。詳細に関しては今から公式サイトにアップされますので、そちらをご確認ください。すでに告知してあった内容と、若干変わっている部分もありますが、初めての魔王イベントになるので、やってみて、今後、さらに変わるかもしれないということは、ご了承ください」
吉多が話し終わると、安藤が続けて口を開いた。
「スタート日が早いのは、理由もありましてね。この日付は、挑戦権獲得のためのダンジョンが公開される日で、謂わば、前編の開始日なんです。魔王に挑戦できるのは、期間を空けて後編になりますので、まだ少し先の話になります。
それで、魔王になってもらうプレイヤーさんは、告知していた通り200名というのは変更しないつもりなんですが、吉多君も話した通り、予定よりも少し早い時期の開催になったので、どのくらい挑戦者がいるか計りかねていまして……、勇者を目指すプレイヤーさんが少ないようなら、調整したいと思っているんですよ。
なので、魔王プレイヤーの発表は、ダンジョン攻略の期限が過ぎてからにしたいと思います。
今回は、ダンジョン攻略にポイント制のタイムアタックも用意してありますので、この成績によって魔王の選出もしちゃおうと思っています」
「おー! ということは、勇者を目指しながら魔王にもなれるチャンスがある、と?」
「そういうことです。ここだけ聞いたら、勇者と魔王どっちがすごいの? って、感じになっちゃいますけど……」
「ちなみに、このイベントで魔王か勇者になった場合、ゲームの内容に変化があるんですか?」
「あー、いや。それはまったく関係ないです。異世界転生した気持ちで、思う存分やってもらって大丈夫です」
「良かった。いや、私が勇者や魔王になれるとは思っていませんけど、なれなかったら取れないスキルとかあったら、ちょっと困るなと思っていたので」
「あ、でも、イベント報酬という意味では、特殊なスキルを取得できるチャンスはありますよ? これは、魔王、勇者、どちらにもチャンスがありますけど、どうですかね? 強力なものがあるっちゃー、ありますけど……」
「そうだねえ。強いって、いうよりは、特殊、って感じのスキルが多いかな? いかにも勇者や魔王っぽい感じのだけど、これが取れたら一気に強くなれるってことには、ならないんじゃないかな」
「ですよね」
「あー、良かったです。魔王か勇者にならないとゲーム内にフラグが立たないとかだったら、ちょっと死に物狂いになっちゃうかもしれませんからね」
「安心してください。そういうことはないです」
「それと、コメントでも出ていますけど、ダンジョンはソロでの攻略なんでしょうか?」
「いや。最大8人のパーティで挑んでいただいて大丈夫です。ただ、魔王プレイヤーになれるのは、パーティリーダーだけになりますので、そこは注意してください。あと、複数のパーティでランクインした場合は、一番順位が高い記録だけが残りますので、そこもご了承ください。そして、一番重要なのが、パーティリーダーとして魔王に選ばれた場合は、魔王イベントも同じパーティメンバーが一緒に参加する必要がありますので、普段、複数のパーティで遊ばれている方は、じゅうぶん考えて挑んでいただくよう、お願いします」
「野良でパーティを組んで挑戦というのは、やめた方が良さそうですね」
「そうですね。あくまでもポイント制なので、単純にタイムが早ければ上位にランクインできるわけではないので、その辺はこの後も少し説明しますが、詳しくは公式サイトでご確認ください」
そうして魔王イベントのルールが一通り説明された後で、安藤が口を開く。
「さて、魔王イベント前編のルールは、こんなところです。先ほども話しましたが、魔王プレイヤーの選出については、このダンジョン攻略が終わった後になります……
……が」
「が?」
「実は、すでに魔王候補が2名決まっています」
「2名ということは、もしかして?」
「はい。先ほど話題に上がりました、〈ゴブリン軍の進撃〉を成功に導いてくれた2名のプレイヤーさんです。これもあって、全体報酬の件は先にやっておきたかったんですよ。これを聞いた後だと、結果が変わっちゃうかもしれないから」
「あー、なるほど。魔王に選ばれるんだったら報酬は……、ってなっちゃうかもしれませんもんね」
「そうですね。あと、〈ゴブリン軍の進撃〉で、このおふたり以外にも面白い方が何人かいらっしゃったので、そちらも候補に入っています。ただ、まだ確定ではないので、タイムアタックの成績を見てからになります」
「わかりました! それでは〈魔王イベント〉のコーナーはここまでということで、最後にお知らせをいくつか……」
こうして、和やかな雰囲気のまま、番組は終了へと向かっていくのだった。
そして、番組が終了して制止画像に切り替わったままの画面を見つめながら、あんぐりと大口を開けたまま固まっている人物がひとりいた。
この物語の主人公、ハルマである。
表示されたスライドに、過剰とも思える反応が返される。スタジオでもクラッチが興奮気味に声を上げていた。
「ついに開催ですね! しかも、もうすぐじゃないですか!?」
すでに開催されることは告知されていたのに、これほど反応が良い理由は、これと一緒に開催日が付け足されていたからだ。
「はい。少し時期尚早かな? とも思ったんですが、今回のイベントのこともあって決めました。詳細に関しては今から公式サイトにアップされますので、そちらをご確認ください。すでに告知してあった内容と、若干変わっている部分もありますが、初めての魔王イベントになるので、やってみて、今後、さらに変わるかもしれないということは、ご了承ください」
吉多が話し終わると、安藤が続けて口を開いた。
「スタート日が早いのは、理由もありましてね。この日付は、挑戦権獲得のためのダンジョンが公開される日で、謂わば、前編の開始日なんです。魔王に挑戦できるのは、期間を空けて後編になりますので、まだ少し先の話になります。
それで、魔王になってもらうプレイヤーさんは、告知していた通り200名というのは変更しないつもりなんですが、吉多君も話した通り、予定よりも少し早い時期の開催になったので、どのくらい挑戦者がいるか計りかねていまして……、勇者を目指すプレイヤーさんが少ないようなら、調整したいと思っているんですよ。
なので、魔王プレイヤーの発表は、ダンジョン攻略の期限が過ぎてからにしたいと思います。
今回は、ダンジョン攻略にポイント制のタイムアタックも用意してありますので、この成績によって魔王の選出もしちゃおうと思っています」
「おー! ということは、勇者を目指しながら魔王にもなれるチャンスがある、と?」
「そういうことです。ここだけ聞いたら、勇者と魔王どっちがすごいの? って、感じになっちゃいますけど……」
「ちなみに、このイベントで魔王か勇者になった場合、ゲームの内容に変化があるんですか?」
「あー、いや。それはまったく関係ないです。異世界転生した気持ちで、思う存分やってもらって大丈夫です」
「良かった。いや、私が勇者や魔王になれるとは思っていませんけど、なれなかったら取れないスキルとかあったら、ちょっと困るなと思っていたので」
「あ、でも、イベント報酬という意味では、特殊なスキルを取得できるチャンスはありますよ? これは、魔王、勇者、どちらにもチャンスがありますけど、どうですかね? 強力なものがあるっちゃー、ありますけど……」
「そうだねえ。強いって、いうよりは、特殊、って感じのスキルが多いかな? いかにも勇者や魔王っぽい感じのだけど、これが取れたら一気に強くなれるってことには、ならないんじゃないかな」
「ですよね」
「あー、良かったです。魔王か勇者にならないとゲーム内にフラグが立たないとかだったら、ちょっと死に物狂いになっちゃうかもしれませんからね」
「安心してください。そういうことはないです」
「それと、コメントでも出ていますけど、ダンジョンはソロでの攻略なんでしょうか?」
「いや。最大8人のパーティで挑んでいただいて大丈夫です。ただ、魔王プレイヤーになれるのは、パーティリーダーだけになりますので、そこは注意してください。あと、複数のパーティでランクインした場合は、一番順位が高い記録だけが残りますので、そこもご了承ください。そして、一番重要なのが、パーティリーダーとして魔王に選ばれた場合は、魔王イベントも同じパーティメンバーが一緒に参加する必要がありますので、普段、複数のパーティで遊ばれている方は、じゅうぶん考えて挑んでいただくよう、お願いします」
「野良でパーティを組んで挑戦というのは、やめた方が良さそうですね」
「そうですね。あくまでもポイント制なので、単純にタイムが早ければ上位にランクインできるわけではないので、その辺はこの後も少し説明しますが、詳しくは公式サイトでご確認ください」
そうして魔王イベントのルールが一通り説明された後で、安藤が口を開く。
「さて、魔王イベント前編のルールは、こんなところです。先ほども話しましたが、魔王プレイヤーの選出については、このダンジョン攻略が終わった後になります……
……が」
「が?」
「実は、すでに魔王候補が2名決まっています」
「2名ということは、もしかして?」
「はい。先ほど話題に上がりました、〈ゴブリン軍の進撃〉を成功に導いてくれた2名のプレイヤーさんです。これもあって、全体報酬の件は先にやっておきたかったんですよ。これを聞いた後だと、結果が変わっちゃうかもしれないから」
「あー、なるほど。魔王に選ばれるんだったら報酬は……、ってなっちゃうかもしれませんもんね」
「そうですね。あと、〈ゴブリン軍の進撃〉で、このおふたり以外にも面白い方が何人かいらっしゃったので、そちらも候補に入っています。ただ、まだ確定ではないので、タイムアタックの成績を見てからになります」
「わかりました! それでは〈魔王イベント〉のコーナーはここまでということで、最後にお知らせをいくつか……」
こうして、和やかな雰囲気のまま、番組は終了へと向かっていくのだった。
そして、番組が終了して制止画像に切り替わったままの画面を見つめながら、あんぐりと大口を開けたまま固まっている人物がひとりいた。
この物語の主人公、ハルマである。
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