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第6章 雨降りの迷宮
Ver.1/第41話
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ハルマが〈トラップ解除〉のスキルを覚えたことで、その後の探索はグッと楽になった。トラップの数が多かったこともあり、進行速度こそ遅くなったが、解除できるものを片っ端から解除して回れたからだ。しかも、20個目の解除に成功した段階で〈トラップ解除Ⅱ〉へと成長し、レベル2の罠まで解除できるようになったのである。
「なあ? 〈トラップ解除〉の成功率って、DEX依存って言ってなかったか?」
「そうだけど?」
「いや。失敗しないなあと思って」
「そういえば、そうだな。レベル1の罠だったら、成功率100%近いDEX値なんじゃね? ってか、それ、死亡フラグ的なやつなんじゃないか? まあ、この先レベル2の罠も増えていきそうだし、避けて通れない状況もあるかもしれないんだ。失敗したらごめんな」
「いやいや。そんなつもりじゃないから! 完全にオレ達の方が役に立ててないから、その時は気にすんな」
「何言ってるんだよ。チップ達と一緒じゃなかったら、戦闘はどうするんだよ。さすがにラフだけじゃ、生き残れないんじゃないか?」
「そこは、お前もがんばれよ」
どうにもこの親友と話していると、調子が狂うと思うチップだったが、たまにはこういうのんびりした攻略も悪くないと思っていた。
そうやって少しずつ奥へと進んでいた時だった。
「待った。また罠だ」
そう告げると、繰り返されてきたトラップ解除のスキルを発動させようとしたのだが、それより先に行動に移ったものがいた。
「うー。退屈ぅ。マリーもそれやる!」
刹那。
「うおっ!!」
視界が高速でぐるぐる回り出したではないか。
「ビックリしたぁ」
方向感覚を狂わされたアヤネも、突然のことに目を白黒させる。
「こらっ! マリー、危ないじゃないか」
隣でふわふわ浮かびながら、けらけら笑っているマリーを叱るも、当のマリーはご機嫌な様子だ。
「まったく……。それにしても、罠にかかるとこうなるのか。良かったなチップ。早めにフラグ回収できて」
「な、何が起こったんだよ?」
「回転床のトラップだな。あー、ビックリした。でも、ダメージ受けるタイプの罠じゃなくて良かったな。それとも、そういうトラップだったからマリーのイタズラも発動したのかもな」
そこまで口にして、全員の視界にアナウンスが表示された。
『スキル〈トラップⅠ〉を取得しました』
『罠を仕掛けることができるようになる(DEXによって発動率が変化)』
『〈トラップⅠ〉専用レシピを覚えました』
【取得条件/規定値以上のDEXの時、罠にかかる】
「今度は、みんなスキル取れたみたいだな。前に罠にかかった時は取れなかったから、DEX100以上とか、かな?」
チップが代表して告げていた。
「これ、DEXが低いと罠にかけても発動しない可能性あるんだね」
新しいスキルをじっくり確認しながら、シュンが眉間にしわを寄せる。ハルマ以外、DEXは最低限しかないのである。せっかく設置しても、無駄に終わる可能性が高いだろうことは予想できた。
「どうしよう? 魔法と組み合わせて使えるものもあるけど、使いどころがなさそうじゃない? 待ち伏せして戦う状況って、今までなかったわよね? ってか、そもそもアイテムがないとダメみたいね」
アヤネもモンスター相手に使うタイミングが思いつかないようだ。
「まあ、PVPとかなら、気をつけないといけない類のスキルだけどな」
「あー、そうか。先に進んだらPVP解禁されるエリアもあるのか」
現状、プレイヤーによって解放されているエリアの全てがPVP禁止エリアのため、フィールドで突然襲われることはないのだが、次のエリアからは解禁されると目されているのだ。ただ、一律に全エリアで解禁されるわけではなく、住み分けできるようになっていると明言されていた。
「とはいえ、イベントとかの限定エリアでの戦闘でもない限り、使いどころはずいぶんと限られそうではあるけどな」
「そうね。今は先に進みましょうか」
「賛成」
ハルマも仕掛けられる罠を確認してみたが、効果的に使えそうなものはすぐには思いつかないのだった。
「なあ? 〈トラップ解除〉の成功率って、DEX依存って言ってなかったか?」
「そうだけど?」
「いや。失敗しないなあと思って」
「そういえば、そうだな。レベル1の罠だったら、成功率100%近いDEX値なんじゃね? ってか、それ、死亡フラグ的なやつなんじゃないか? まあ、この先レベル2の罠も増えていきそうだし、避けて通れない状況もあるかもしれないんだ。失敗したらごめんな」
「いやいや。そんなつもりじゃないから! 完全にオレ達の方が役に立ててないから、その時は気にすんな」
「何言ってるんだよ。チップ達と一緒じゃなかったら、戦闘はどうするんだよ。さすがにラフだけじゃ、生き残れないんじゃないか?」
「そこは、お前もがんばれよ」
どうにもこの親友と話していると、調子が狂うと思うチップだったが、たまにはこういうのんびりした攻略も悪くないと思っていた。
そうやって少しずつ奥へと進んでいた時だった。
「待った。また罠だ」
そう告げると、繰り返されてきたトラップ解除のスキルを発動させようとしたのだが、それより先に行動に移ったものがいた。
「うー。退屈ぅ。マリーもそれやる!」
刹那。
「うおっ!!」
視界が高速でぐるぐる回り出したではないか。
「ビックリしたぁ」
方向感覚を狂わされたアヤネも、突然のことに目を白黒させる。
「こらっ! マリー、危ないじゃないか」
隣でふわふわ浮かびながら、けらけら笑っているマリーを叱るも、当のマリーはご機嫌な様子だ。
「まったく……。それにしても、罠にかかるとこうなるのか。良かったなチップ。早めにフラグ回収できて」
「な、何が起こったんだよ?」
「回転床のトラップだな。あー、ビックリした。でも、ダメージ受けるタイプの罠じゃなくて良かったな。それとも、そういうトラップだったからマリーのイタズラも発動したのかもな」
そこまで口にして、全員の視界にアナウンスが表示された。
『スキル〈トラップⅠ〉を取得しました』
『罠を仕掛けることができるようになる(DEXによって発動率が変化)』
『〈トラップⅠ〉専用レシピを覚えました』
【取得条件/規定値以上のDEXの時、罠にかかる】
「今度は、みんなスキル取れたみたいだな。前に罠にかかった時は取れなかったから、DEX100以上とか、かな?」
チップが代表して告げていた。
「これ、DEXが低いと罠にかけても発動しない可能性あるんだね」
新しいスキルをじっくり確認しながら、シュンが眉間にしわを寄せる。ハルマ以外、DEXは最低限しかないのである。せっかく設置しても、無駄に終わる可能性が高いだろうことは予想できた。
「どうしよう? 魔法と組み合わせて使えるものもあるけど、使いどころがなさそうじゃない? 待ち伏せして戦う状況って、今までなかったわよね? ってか、そもそもアイテムがないとダメみたいね」
アヤネもモンスター相手に使うタイミングが思いつかないようだ。
「まあ、PVPとかなら、気をつけないといけない類のスキルだけどな」
「あー、そうか。先に進んだらPVP解禁されるエリアもあるのか」
現状、プレイヤーによって解放されているエリアの全てがPVP禁止エリアのため、フィールドで突然襲われることはないのだが、次のエリアからは解禁されると目されているのだ。ただ、一律に全エリアで解禁されるわけではなく、住み分けできるようになっていると明言されていた。
「とはいえ、イベントとかの限定エリアでの戦闘でもない限り、使いどころはずいぶんと限られそうではあるけどな」
「そうね。今は先に進みましょうか」
「賛成」
ハルマも仕掛けられる罠を確認してみたが、効果的に使えそうなものはすぐには思いつかないのだった。
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