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第三章:言葉が判らなくて感じる想いを。

絶対に愛する事と、守る為だけをと。

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村に戻ってから約1週後。

最初は皆がだった。
私を心配して来てたけれど。

数日経つ頃には、いつも通りに戻った。

でも…

ゼスは…
少し変わった様な気もする?

今までより…
優しい目をする様な?

それと村に戻って来てからは…

いつもゼスは私を抱き締めたまま…
ただ寝てたけれど。

凄く嬉しそうに笑う。

でも今夜はゼスからだった。

**************************

私を先に優しく抱き締めてから…
優しい声でと耳元で囁いてきた。

「ユアナだけを…
俺は愛してる。
もう俺は…
離れたくない事もあるが。
良いか?」

私はゼスの意味に気付いた。

ゼスなら良いと…
私からも擦り寄る。

素直に、そのまま言う。

「ゼスなら良い…」

そう言ってからゼスが動き出した。

器用に私の服も脱がせながら…
ゼスも簡単に脱ぐのも判った。

私は…
本当に愛してるゼスならと。

信じる事を。

そう思いながら身を委ねる…

ゼスは抱き締めながら…
何度も軽くキスをしてくる。

でも…

いつもと違う事に…
私でも判った。

ゼスは何度も…
ゆっくりと私にキスだけを。

抱き締めた私すら離さない様に…
何度もキスばかりでと。
徐々にと舌も絡ませてくる。

「んっ、ふぁ…
んんっ、ぁっ、ゼス?
んぁ…」

ゆっくりな事で私も息は出来る。
それでもゼスはキスばかりしてくる。

「んっ、あっ…
ふっ…」

ゼスは抱き締めながらキスだけで…
身体へは触れる動きをしない。

僅かに唇が離れた時。

私は舌で首筋を舐められて…
思わずビクリと反応してしまう。

そんな私をゼスは嬉しそうに笑った。

ゼスは軽くキスだけすると…
今度は私の頬に手だけ触れた。

少し私は不思議に思ってゼスを見る。

でもゼスは…
嬉しそうに笑いながらだった。

「ユアナ…
また俺だけをと…
こうして信じてくれた事がなぁ?
愛してくれてる事にも判ってる。
そんなユアナが俺の側にと…
もう居てくれる事すら…
本当に俺は嬉しいんだ。」

それを言ってくるゼスに…
少し私は思い出して笑う。

「私もゼスを愛してるの。
それに…
ゼスだけを信じる事なら…
私でも出来るよ?」

ゼスは少しだけ首を横に振った。

でも嬉しそうな顔は変わらず…
私にとゼスが言った事に驚いた。

「ユアナ?
それは違うぞ?
もうなぁ…
俺を信じてくれる事。
それだけでも充分、嬉しいが。
信じる事以外でも…
あるだろ?
これは俺を愛してくれてる…
ユアナにしか俺にとかぁ?
出来ない事になるんだぞ?
俺も忘れてねぇよ?」

私にしか…
出来ないと!?

「ゼス?
私にしか…
ゼスに出来ないと?
それは…」

忘れてると?
私が!?

すぐに私は考える。
そんな私にと耳元でゼスが囁いた。

「前に俺はユアナから聞いたぞ?
ユアナの夢を。
本当に愛した者と。
更に愛してる者の子をと。
それなら俺も同じだろ?
俺が本当に愛してるのは…
ユアナしか居ねぇし。
他すら一切、誰も居ないんだ。
だったら、もう俺も同じ事だぞ?
ユアナにだけ求めるのも…
当たり前だろ?
ユアナと同じ。
俺の願いをだ…」

私の夢と?
ゼスと同じ!?

それは…

私は思い出す。

咄嗟にゼスを見ると…
ゼスは嬉しそうに笑ってるのも見た。

そんなゼスが笑って言ってくる。

「思い出したかぁ?
ユアナが言った夢だろ?
『本当に愛した人を。
私も愛したいと。
愛した人の子供を』とだ。
俺も言ったが同じだとなぁ…」

もう、その時すら…
恥ずかしくなるのにと!?

どうすれば…

私は判らない!?

それに…

ゼスも同じと?
私だけと!?

でも…

ゼスが嬉しそうに笑ってから…
私を抱き締めてくると耳元で囁いた。

「そうだ…
俺はユアナ以外、愛してねぇ…
他も考える事すら一切ねぇよ?
そのユアナだけを…
愛してるからこそだ。
もうユアナ以外。
誰にも無理だろ?
愛してるユアナだけとの子供を…
俺はユアナだけに求める。」

私でも意味は判った。

でも…

ゼスが私にと!?

同じ事なら…
それは…

少し腕を緩めてゼスが私を見てくる。
すぐに笑った。

「あははは…
また…
顔が赤いが?
くっ。
判り易いがなぁ…
これはユアナもかぁ?
俺すら同じに決まってんだろ?
それに俺が本当に愛してるのは…
ユアナだけだ。
そしてユアナ以外。
俺の願いは叶えらんねぇよ?」

そう言ってからゼスは…
今まで以上に優しく…
私にと触れてきた。

すぐに私の身体もだった。

「んあぁ…
ゼ、ゼスがと…
あぁっ!?
その願いを…
私だけと?
ぁっ、んぁあっ…
ふぁ…」

ゼスは私の身体にと…
手を滑らせながら…
軽くキスもしてくる。

また唇が僅かに離れると…
私の腰に…
腕を回してから耳元で囁いてきた。

「そう…
俺の願いだ。
ユアナに愛されたいと。
ユアナが側に居て欲しいと。
だから…
本当に愛してるユアナとの…
愛してる子供も欲しいと…
ユアナ以外、出来ない事だ。」

だから…

愛してる子供をと!?
私にしか出来ない事と!?
ゼスが私だけにと!?

でも…

「私も…
ゼスだけにと…」

どうにか私は言うけれど。
無理だった。

それなのにゼスは私にと…
優しい笑顔で言ってくる。

「もう…
俺の願いを叶えられるのはなぁ。
本当に愛してる…
ユアナだけしか居ねぇ。
ユアナは…
いつも何も出来ねぇってかぁ?
言ってんだろ?
だが、全く違う。
ユアナしか…
逆に出来ねぇんだよ。
他の誰も…
俺の願いは叶えられねぇ…
ユアナが居なければ…
全てが叶わなねぇんだ。」

もう私は驚く。

私にしか…
出来ない事と?

しかも…
ゼスの願いと?

でも…
それは…

「ゼスにと?
私もゼスだけを愛してるの…
そのゼスが言う願いは…
私も…
嬉しいだけだよ?」

ただ、私は嬉しくて…
笑いながらゼスにと言う。

本当に嬉しい…

それなのに、なぜか…
急に涙が零れた。

すぐにゼスが優しく笑いながら…
私の涙すらも片手で拭ってくる。

「ユアナ…
その涙は…
悲しいからでもないと。
その理由にだろ?
だが…
ユアナがなぁ?
まだ判らなくても良いんだ…
俺なら判る。
泣かせる事を。
俺はしたかねぇが。
でもなぁ…
悲しい涙じゃねぇならかぁ?
俺も絶対に…
ユアナだけを守ると。
そしてユアナだけを愛してると。
ユアナが信じてくれる事にもだ。
同じぐらいにかぁ?
俺も嬉しいだけだぞ?」

もう私は頷く事しか出来なかった。

**************************

そのままゼスは動き出しても…

いつもより、やっぱり…

全てが優しい事も…
けれど的確にも動いてくる。

その全てにと私は反応も…
身体がビクリと敏感に…
もう感じ取ってしまう。

「ふぁあん。
ゼス…
舌が…
あぁっ、それに…
んぁあっ!!
そこは…
あぁ…!?」

ゼスが徐々にと。
胸元から舌を這わせて…

更に手で両胸を揉みながら…
秘部へと動いてる事に私も気付く。

そんな私をゼスは…

私の上半身を簡単に両手で…
刺激しながらも抑えてくる。

徐々に舌が…
秘部にとだった。

舌が僅かに中を…

「あぁあっ、ゼス!?
そこにと…
中まで…
ふあぁん!?
あぁっ、ふぁぁっ!?
んっ、あぁあっ…」

ゼスの舌が動く度にと。
もう中だけでもなかった。

吸い付く様に…
刺激すらも常に変えてくる。

手すら両手で胸を。
私を簡単に抑えてと。

快楽を…

でも、なぜか…
いつも以上にと私がだった。

「ゼス!?
そんなにと…
あぁっ、んぁっ!?
んぁあっ…
ふあぁん!!」

このままだと…
快楽も強いけれど。

でも…

また違う!?

こんな快楽も…

どうにか私がイク前にと。
ゼスが動きを止めた。

身体が…
それに、なぜか…

いつも以上にと…

「ユアナ…
凄く感じてるのも判る。
それに…
心からだとなぁ。
俺も嬉しくなるだけだ。」

ゼスの声は聞こえてた。

目を閉じて快楽すら…
今夜は…

そこで私も気付いた。

でも…
ゼスは入れず。

既に勃ってる大きな肉棒をだった。

愛液を絡める様にだけ…
擦りつけながら動かしてくる。

敏感になってる私は…
もう判ってしまう。

身体もビクリと反応を。

けれどゼスは続けながら…
舌を身体に這わせてくる事も。

そして右胸にと…
乳首すら舌で転がす様に刺激を。
反対の左胸には指でと刺激を。

どうしてもビクリと私は感じ取る。

「ふぁっ!!
んあぁっ!?
ゼス…
ゼス、そんなに…
あぁん!!
身体がぁ…
あぁっ、ふあぁあ…
んあぁっ!!
こんな…
また…
あぁあぁぁん…」

もう私には…
快楽ばかり襲ってくる。

他にもある感覚がだった。
ビクリビクリと。

全てに身体すら反応して…

「ユアナ…
愛してる…
もうユアナ以外に俺は…
考えられない。」

ゼスの声を聞いた時。

「あぁあっ!!
ゼス!!
あぁぁっ!!
大きぃ…
それに…
あぁぁぁんっ!!
ふぁああぁあ…!!」

私は何も考えられずにと。
全てを感じ取ってイッてしまう。

もうゼスの肉棒が中に…
ゆっくりと…
挿入された事だけでだった。

既に身体に刻まれた様な…
快楽だけでもなく…

大きくて硬いのが私の奥と。

またゼスは動きを止めたけれど…

完全に奥まで全てが…
私の中にと入った事も判る。

ゼスは動かず、そのままでと…

「ユアナだけを愛してる。
もう…
敏感に感じてる事もだ。
凄く俺にすら伝わってくるが。
今はなぁ…
俺は嬉しいだけか。」

私は何も言えない程…
強い快楽だったけれど。

普段とも違う感覚にと…

私は…
何も言えなくても…

なぜか判らない。

でも…

ゼスの優しい笑顔を見てだった。
ゼスの身体へと手を伸ばす…

大きな身体の背にと。
私からと腕を動かしてた。

ゼスが僅かに…
驚く様子をしたけれど。

それでも本当に…
すぐ嬉しそうに笑って私を。

密着する様にと抱き締めてから…
徐々に腰を動き出した。

「ふぁぁん!?
んあぁあ…
ゼス…
あぁっ…
んあぁあ!!
ゼスのがぁ…
ふあぁあっ!?
あぁあっ!!」

ゼスがゆっくりと…
けれど何度もだった。

大きな肉棒を私の中で…
擦り付ける様にと。

けれど奥にだけでもない…

何度も…
ゆっくりと動かされる。

私を抱き締めたままでと。

腰を…
肉棒だけを動かして…

私の中だけを刺激し続ける。

「あぁあ…
ふぁあぁあん!!
ゼス…
あぁん、ゼス!?
んぁっああぁ!!
中にと…
ふぁあん!!
あぁあっ…!?
もう…
ふぁぁあぁあぁ!!」

また私がイッてしまうと思う時。
ゼスが囁いてきた。

「ユアナ…
判ってる。
それに愛してるんだ…
俺も一緒に…」

すぐに私も意味は判った。

初めて私は思う。

中に欲しいと。
ゼスのが欲しいと。

せめて…

「ゼスのを…
私の中に欲しい…」

私が言った時。

ゼスも急にだった。
ゆっくりだったのが…

急に激しくと…
ゼスが肉棒を動かしてくる。

「んあぁぁっ!?
ふぁあん!!
ゼス!!
んぁあぁぁ!!
ゼス…
あぁあぁあん!!
ゼスの…
ふぁあぁあ!!」

もう…
私はゼスばかりを。
求める事しか…

「ユアナ…
くっ…
そんなにと…
俺すら…
絶対にユアナだけだ。」

密着してて私は動けない。

けれど…
ゼスは私を更に動いて…

私の身体を抱き締めながら…
そのまま激しく。
肉棒を私の奥にとが判る。

もう…

「あぁあん!!
ゼスのを!!
あぁぁあっ…
もう…
ゼスのが…
ふぁぁぁっ!!
んあぁあ…
ぁあぁん!!」

もう私は…
完全に快楽だけでもなかった。

ゼスだけを感じる。
もっと求めるばかりで…

他には何も考えられなくなった。

それと同時で中にも感じ取る。
判るからこそ。

もう…

私の身体はビクビクも反応する。

ただ…
痙攣する様に動いてしまう…

ゼスは大きく息を吐き出した。

普段とも少し違う様子で…
すぐに私を抱き締めてた力を。
緩めたのも判ったけれど。

「ユアナ…
身体は…
大丈夫か?
力が…
強かっただろ?」

なぜか…
私は意識すら薄らいだ。

どうにか…

「大丈夫…
ゼス…」

私は僅かにしか言えなくて…

でも…

「んぁっ…
っぁあ…」

ゼスが肉棒を私から…
ゆっくりと抜く事に…

更に中からゴポリと精液すら。

「ぁっ、ふぁ…」

それにと…
もう全てにだった。

快楽以上にと…

今夜は…
なぜか感じ取ってしまう。

全てが強過ぎたのもある。

どうしても…
私はビクビクと痙攣する。

全てを感じ取って…
どうにか私も目を閉じたまま…
必死に息だけを。

すぐにゼスが…
私を支える様に…

体勢を変えた事だけ…
僅かに判った。

でも…

こんな感覚だけが…
判らない。

「ユアナ…
愛してる。
だが、もう今夜は…
そのまま休んで大丈夫だ。
ユアナの身体も含めて…
俺には…
ユアナの全てが大切だ。
後は俺に任せて良いぞ?
だから安心して…
眠って良いからな?」

ゼスの声だけは聞いた。

確かに…
いつもと今夜は違う感覚を。

私にも…
あったけれど。

でも…

「うん…
ゼスが居るなら…」

素直に私は…
ゼスが言う事に…
何も心配すらない。

だから…
意識も全てを手放した…

**************************

一方、ゼス。

ルドからの言葉だけで理解してた。

普通の基準だけでもない事。

更にユアナの場合、感情…
心の成長のみが早過ぎて様々なズレ…

その対策に関してだった。

だが…
どうあってもユアナを守る為には…
認識に関してならば無理がある。

皆が共通認識は出来ても…
こればかりは知識だけではない。

実力すら含めて明らかに無理だ。

ルドの言った通り…
ユアナの場合は俺と皆のみ。

だから余計にとか。

確かに…
洗脳からの影響でと絡まるのみ。

いくら皆が認識しても変わらん。

ならば、ユアナの方をだ…
そっちの認識を変える方法のみだろう。

ユアナを安全にする中でもだ。

確実な対策は必要になる!!

ならば…

そこからゼスは今までのユアナを。
目を閉じて右手を当てる。
そして考える事に集中する。

今までユアナが言った言葉を。

帝国の頃…
今の現状…

全て思い出す事で予測を。

目を開けて判断する。

これだけは確実…
ユアナにのみ!!

出来ない事を。
他の皆と、別である事をだろう。

先にしないと…
今以上にズレるのみだ!!

そして夜にユアナを。
抱いてた時。

途中で気付き。
もう本当に焦る。

動揺すら必死で隠しながら…
抱いた後ユアナを。

どうにか寝かせたが。

再び…
猛烈に反省中だった。

認識の防止は出来たが…

また俺が!?
あり得ねぇだろ!?

どんだけ馬鹿だぁ!!

確かに!?

俺自身の身体も含めて…
更に対策の為にとだが!?

ゼスは首を横に振るが。
内心、焦るどころじゃなかった。

まさか…
1週間で!?

既にユアナを…
抱き締めて寝るだけでも…

それだけでもだぞぉ!?
もう充分過ぎたのにかぁ!?

途中から…
まさか…

俺がか!?

俺が理性を失ったと!!

こんな事すらねぇよ!?

ゼスは自覚してた。
あのユアナに耐えられず…
完全に理性を失った事でとだった。

普段以上のユアナを。
ただ、求めるだけになってした事。

あのユアナが…
なぜか急に…

目を閉じて、すぐに思い出す。

あのユアナ自身から…
初めて自然に伸ばされた腕。
更に言葉…

目を開けてからユアナを見る。

全く警戒もなく…
安心しきった寝顔が判る。

これは…
またユアナがだろ!?

俺を!!
信じたからこそだろうがぁ!!

対策で認識もあったが。

それなのに!?
俺が理性を失って力加減すら?

ただ…
もうユアナを離したくなくて…

あんなにも!!

ゼスは服だけ着たが。
ユアナを起こさない様にしても…
既に部屋の中で歩いたり動く。

落ち着く訳もなかった。

だが、それでも…
あんなに求めてくるユアナ自身を。
初めての感覚すら伝わってきた。

もう…
俺だけを求める様に…

首を横に振る。

それでもだぞ!!
俺が駄目だろうがぁ!!

まず俺がだろう!?

ユアナの身体も配慮しないと…

それなのにかぁ!!

どんだけ俺は馬鹿なんだ!?

また、こんなんは…
ルドの言う通りだろうがぁ!!

更に首を横に振って…
冷静にと考える為。

右手を口元に当てる。
そして考えるが…

確かに…
ユアナが居なかった事でと。

そのユアナが俺を信じてだ…

また俺を愛してと…
既に嬉し過ぎた事もある。

村に戻って来てから…
初めてだったが。

そのまま首を横に振る。

だから俺がだろぉ!!
ユアナは気付けないんだぞぉ!!

だからこそ…

俺が!!
ユアナの身体にもだろうがぁ!?

また…

今回は俺がと!?
完全に理性をだぁ!?

だが、初めて…
あのユアナが…
更にと俺だけを。

あんな求めてくれる事に…

どうにもならずにかぁ!?

もう俺は…
馬鹿過ぎるだけだろうがぁ!!

絶対に俺はユアナだけを守る事。
当たり前過ぎるのに…

だが…
あのユアナからだ。
もう、俺をと求められて?

そんで俺の方が!?
完全に理性をだろぉ!?

抑えなきゃなんねぇのに!?
逆とか…
俺は馬鹿過ぎる!!

目を閉じたまま…
すぐユアナの言葉が浮かんだ。

『ゼスのを…
私の中に欲しい…』

あんな姿でと…
あんな声でと…

俺だって…
ユアナとの子供なら…
欲し…

すぐに気付く。
また首を横に振る。

どっちでも…

俺がだろうがぁ!!
一番、俺がなのにかよ!!

目を開けてから…
ユアナを見る。

その安心しきった顔にと。
少し眺めてしまう。

再度、呼吸を含めて…
ユアナの身体を確認もする。

もう、どうにもならず。
ゼスは微妙な心境でとだった。

そのまま家のドアから僅かに出た…

**************************

一方、ルド。

村に戻ってからも何も変わらず…

常にユアナの側か。
見える場所にしか居なかった。

一応、夜はユアナをと考えて…
ユアナが住む家が見える屋根に居た。

ルドは常に一人で身を守って生きてた事。
裏側で誰に襲われるか判らない事も多い。
だから常に仮眠程度のみ。
それが日常で身についてるだけだった。

仮入団後でもユアナのみを。

最初からゼスも含めて他の団員も。
一応…
ユアナ以外、知って居た事でもある。

夜の間に今後の対策や行動も考える。

ルドは息を吐き出してから…
目を閉じて、また考える。

まだ今ならばだ。
ユアナに問題ない…

それにゼスの見てれば判るが。
対策に関しては…
一応、問題ないだろう。

まぁ…
油断すら出来ねぇかぁ!?

今は問題なくてもだ!!
あんの馬鹿がぁ!!

だが…
ゼスの言ってた意味も…

もう、これは…
信頼どころじゃねぇだろう!?

あのゼスがだ。

俺に言った時。

出した…
明らかにだぞ?
抑えられない程の怒りだと?
もう隠せず…

つまり…
あの言葉に関しては事実のみ!!

裏側でゼスの存在をだ。
知らねぇ奴は居ねぇがなぁ…

それでも…
ゼスの場合。

性格も含めて実力をだ!!
更に頭脳すら大きい事もある!!

裏側に関してゼス自身でと…
かなり複雑にした事。

同時に全て規制も含めてだったな。

確かに…
かなり纏めてる事もある。

だがなぁ?
こんな事は当たり前かぁ?

一部では俺みてぇに属さねぇ奴。
逆に反発する連中も居る事だ。

俺が独自にある情報でもだな?
ゼスには従わねぇし?

そんなゼスでも…
情報規制だけは徹底してる。

俺の場合。
ネカティア国に居た…

表側の馬鹿三人!!

あの馬鹿三人が真っ先にユアナだった。
何度、俺が依頼を断ってもだ。

その時。
ユアナに関しては…
皇帝一族が売った情報のみ。

簡単だったがなぁ。

んで、あの帝国に居る今の二人。
更にザザラの件。

ゼスが保護してる事にだ!!
だから余計な手出しが出来ねぇだけ。

今、思い出せば…
ゼスだろうがぁ!!

わざと俺達みてぇなのにはだ!!
『保護』と言う形でのみ!!

そうやってだ!!
全て判らない様にしてた筈だろうがぁ!!

それでも俺の場合は…
表側の動きでだったな。

帝国にと接触させた事で…
予測する事が出来た。

そっから…

ふとルドは思い出した。
思わず首を横に振る。

俺もクズだが…
表側も変わらねぇ!!

クズが多い事ぐれぇ…
知ってんからなぁ!!

帝国の二人は動機が判ってしまえば?
まだマシってだけかぁ?

あのユアナを守る為だったと。

大元ならば父親だ!!

ゼスも言ってたが…
強制よりも暗示だろうがぁ!!

そっからも予測可能だな?

皇帝一族がだ。
ユアナの情報を売ったのも…
確か暗号文の前…

ならば帝国の二人が父親を。
その前にとか…

皇帝一族へ予防してた事。

あれすらゼスが暗号でだし?

すぐに帝国の二人がだった。

ザザラと皇帝一族に対応したな?

頭脳に関しても二人だからこそ。
もう表側は常に遅れる事が明確だ。

そもそも…
ゼスが常に先手!!
常に対応してるんだぞ?

そのゼスが完全にだ。

俺に言ったのは…
ユアナの為!!

信頼問題でもなく…
単純だろう。

ユアナの為にと…
絶対、俺が動く事をだ。

理解してるから言っただけ!!

あの時…
ゼスは言ったな?

『俺と同じでも性格は真逆だ。』

その上に隠せない程の怒り…

『一瞬すら迷うな!!
その一瞬、もし迷えば…
アイツは必ずユアナを…
壊す事も簡単に選ぶ。』

想像しただけでもルドすらだった。
一気に怒りが湧き上がりそうになる。

あのユアナを…

壊すだとぉ!!
しかも簡単に!?

今までの経験でもだが…

そういう奴は信頼以前の問題だ!!
娯楽どころじゃねぇ!!

どんな者にも抵抗感すらなく…
楽しむ事すら関係ねぇ!!

単純に自分の…
気分次第で動くだけ!!

気分次第で変わる事だ。

だから一瞬で笑ってと…
どんな事すらも簡単にしやがる!!

何をしても思わねぇ…

クソがぁ!!

おまけに…
あのゼスが…

『俺は実力だけならば…
勝てるかすら…
正直ギリギリだろう。』

実力だけならば…
ギリギリだと!?

ふざけんじゃねぇ!!

首を横に振る。

冷静になれ、俺…

最善をだろう?

それでも、あのゼスが…
ユアナを見ながらだったがなぁ。

あれすら思わずだろう?

『あのユアナを…
失うぐらいならば…
絶対に俺も命をだ。』

そんな事をしたらユアナは…
絶対にだ!!

悲しむどころじゃねぇっつうの!!

『ルド…
俺を信じる必要はないがなぁ?
もし俺が居なくなっても…
ルドには任せられるかぁ。』

あんの馬鹿がぁ!!

俺みてぇなクズにまで…
ユアナの為にだろうがぁ!!

何が頭脳だぁ!!
馬鹿がぁ!!

ふと気付く。

頭脳だと?

待てよ?
もうゼスには聞けねぇが…

『俺は実力だけならば…』

そうか!!

また逆か!?

頭脳だけならば…
ゼスが上だから!?

だからこそ!?

情報規制も含めて…
裏側に居るゼスが守れてる?

つまり…
今でも頭脳のみでとか!?

そしてユアナを明らかに…
最初は違うとしてもだろう!?

ゼス自身がと…
今すら常に側に居る理由も!!

目を開けて大きく息を吐き出す。

偶然だろうが…
帝国二人がゼスにと。

裏側でもだ。
ゼスだからこそ…

今ですらかよ!!

流石に全ての過去。
そんなん予測は出来ねぇが…

ゼスに関してならば…
過去の記録は全く出ない!!

裏側の情報網を使っても…
今まで一切、俺もだが。
他の全てだ!!

明らかにゼスが…
全てした事だろう!!

ルドは一度、切り替える為にと。
ユアナを考え出す。

まぁ、あのユアナが?
出す新手…

マジで必殺技なぁ?

もう…
する事の全部かぁ?

ゼスすら倒せる必殺技…
思い出しても笑うだけなぁ。

確かに?

スゲェ威力だと…
俺すら思ったぞ!!

そう思ってる時だった。

すぐ気付く。

この時間にゼスが一人で?

あの場所なら…
中には入れねぇが…

疑問に思ってルドはゼスにと。
すぐに近付いた。

**************************

一方、ゼス。

ドアから出て…
目を閉じて、しばらくするとだった。

すぐに気配を察した。

「おい、ゼス。
この時間にだ…
ユアナに関してか?」

目を開ける。

ルドが微妙な顔で居るのにと…
もう、そのまま言う。

「いんや…
一応、ユアナは?
対策も含めて?
身体も?
そう、無事だがなぁ…
現状だけならと?
どうにか、なるだろうが…
悪りぃが、ルド?
やっぱ俺は馬鹿だな?
もう今だけで良い…
どうにもならん感覚?
だからかぁ?
思いっきり俺を殴ってくれ。
出来れば素手希望?
後からユアナにとなぁ。
心配させたかねぇし?
顔面だけ避けてくれれば良い。」

ルドが複雑な顔になってから…
目を閉じた。

そのままで言ってきた。

「ゼス…
ある程度かぁ?
予測も出来るが…
これは確認かぁ?
対策で何を選んだ?」

俺は一応、言葉を選んだ。

「ユアナの夢…
願いぐらい…
ルドも知ってるなぁ?
その延長上をだ。
団員には一切、不可能。
更に俺と同じ事を。
何も出来ないと…
言葉に縛られてるならば。
ユアナにしか出来ない事をだ。」

ルドは目を開けてから…
微妙な顔で頷きながらだった。

「なるほど。
確かに?
その対策なら…
現状は問題ねぇが。
んで?
本日…
暴走したと?
ユアナに…
そんでかぁ?」

俺が素直に頷いた瞬間。

回転までルドは瞬時に付けて…
回し蹴りでと腹にだった。

俺は避けずに衝撃のみ受けた。

そんなルドは微妙な顔でと。
大きな溜息を出してから言った。

「どんだけ…
大馬鹿なんだ!?
全く…
既に俺はユアナの方が心配だ!!」

俺も…
ルドの言った事に納得した…
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