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第三章:離さないでもなく、もう離せない。

私は皆を、ならば私が誓う。

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私はスープだけを飲みながら…
ひたすら考えてた。

人間全てが要らない!!

でも…
皆を守りたい!!

**************************

狙撃銃の件から…
正確な日数も判らないけど。

私は家の中で、ずっと考える。

そんな私にと…
ラークがだった。

いつも心配しながら…
一緒に食事も持ってくる。

それでも私は、どうしても…
食べる気も、食べる事すら出来ない。

でも…
ラークが私の為に…
用意してくれたのだから。

私もスープだけでもと。
どうにか飲む。

察した様子でラークが…
私の頭を撫でながら言ってくる。

「ネオ…
無理しなくて良いんだ。
僅かでもだが。
この部屋すら出ないのも…
ずっと考えてるからだろう?
俺は少し片付けてくるから。
そのまま…
待っててくれるか?」

一応、私は頷く。

そのラークが凄く心配そうな顔で…
部屋から出るのも見てたけど。

また、すぐ私は考える。

ラークの言う通りで…
私は部屋からも最低限しか出なかった。

ずっと窓の外を眺めながら…
何度も私は考える。

私は…
また動物達の悲鳴を思い出す。

もう私は目を閉じた。

あんな…
優しい皆の…

私には聞こえてたんだぁ!!

それなのに人間は…

ただ…
狙撃銃の実験でと!?

あの皆を!?
人間が!?
皆の命を!?

絶対に人間は…
何も考えてない!!

こんな事…
私には、すぐ判る!!

人間が勝手に狙撃の的で皆へと。
しただけだぁ!!

その痛みで、優しい皆が…
あんなにも泣き叫んだのにかぁ!!

でも…
人間は実験のみ!?

あの優しい皆を!!

何も考えず…
人間が勝手にと!?

もう私は思い出すだけでもだった。
どうしても許せなくなる。

皆は何もしてない!!
皆は何も悪くない!!

私は助けられなかった…

もっと私が!!
早く気付いてたら!!

皆を思い出せば…
私も悲しくなるばかり。

涙が浮かびそうになる。
慌てて私は拭った。

いつも思う事。
同じで変わらない…

人間なんて大嫌いだぁ!!

でも…
嫌だけど。

所詮、私も人間…
嫌でも考えれば、すぐ判る事も。

あの距離なら大した威力もない…
簡易的な狙撃銃だ!!

スコープすら…
多分、大した事もないけど。

狙撃銃が作れたなら…
絶対!!

普通の小銃すら作れる!!

他の武器としても…
人間が使うだけ…

そんなのが出回れば…
いくら異能があっても!?

あのラークだって!!
ロアも変わらないのに!?

皆も危なくなるだけだぁ!!

それに…
シーレさんも!?

人間から隠れて…
ラークが言った時に涙まで…

ふと私は他の他部族でも…
ロポック族のナスクさんも思い出す。

あの時。
もう泣いてたのに!!

今まで、どれだけ人間が…
ロポック族に何をしてきたかも…

私には、すぐ判ったのに!!

あの場に居た…
他の皆も同じだった!!

人間なんて要らないからだぁ!!

でも…
リディワスさんの言葉も浮かんだ。

リディワスさんは…
もっと危ない!?

今でも動いてるなら!?

だったら…
絶対にだぁ!!

人間は真っ先に…
リディワスさんを!!

それに…
リディワスさんは他種族も纏めてる。

これなら更に!?

リディワスさんは…

強いし?
頭も良いし?

そうなれば…
もう絶対に狙われるだけ…

あの優しいリディワスさんすら!?

人間は絶対にするだけだぁ!!

私は目を閉じたまま…
必死に皆の事も考えてた。

**************************

「ネオ…
まさか…
あれから、ずっとか?
もう身体だけでも…
ないだろう?」

その声に気付いて…
私は、すぐ目を開けた。

部屋の中にリディワスさんが居た。

それにラークも側に居たけど。
心配そうに見てるのも判る。

私は声が聞こえるまで…
何も気付かなかった。

部屋の中に居る…
リディワスさんを私は見たけど。

でも…
何も言えなかった。

「ネオ、もう…
顔色だけでもない事すら明確に判る。
もっと私も早く済ませてたら…」

そう言うリディワスさんが。
もう無事だった事に私は嬉しい。

少し笑って私は…
リディワスさんを向いて言う。

「リディワスさんが来たのも…
本当に良かったぁ!!
ずっと心配してたんだよ?
絶対にリディワスさんが危ないと…
だから私は嬉しい!!」

リディワスさんが微妙に動く。

「ネオが…
私を心配してたと?
だが…
私はネオを。
ずっと心配していたが。
それに今回の件。
人間は原材料になる物資をだ。
もう手に入らん。
それに、なぜ…
ネオが私を?」

リディワスさんの言った事を。
すぐ私も理解したけど。
首を横に振って言う。

「そんなの当たり前だよ!!
リディワスさんがだぁ!!
一番、危ないのに…
あんな人間の中で!?
リディワスさんが動いてるのを!?
ラークからも聞いてた!!」

リディワスさんが複雑に動く。

「ネオ?
私は大丈夫だ。
簡単に負ける事すら…」

「違う!!」

咄嗟に私は叫んだ。
リディワスさんの言葉を遮る。

私には判るからこそ…
もうリディワスさんに…

そのままでと。
目を閉じて大きく言う。

「違うよ!!
リディワスさんが一番だぁ!!
危ないぐらい私でも判る!!
強いのも!!
頭が良いのも!!
だから余計にだぁ!!
人間は絶対…
リディワスさんを!!
更に、もし!?
リディワスさんを知ったら必ずだぁ!!
リディワスさんを狙うに決まってる!!
でもリディワスさんは強いと…
私でも判るぐらいだし!?
それならと?
人間は卑怯な罠をしてくるんだぁ!!
特にリディワスさんは…
他種族すら纏めてると?
そんな事が人間に気付かれたら…
真っ先にだぁ!!
どんな手段も!!
どんな卑怯な方法でもと!!
絶対にリディワスさんだけ…
必ず狙うだけになる!!」

どうにか言ってからも私は…
もう首を横に振って思う。

優しいリディワスさんが!?

大切なのに!?
また人間が!?

そんな事…

「ネオ…
私を心配してくれた事にだ。
理解した事でもあるが。
だが、私が今のネオをだと。
ネオならば…
私が心配してる事にも…
判るだろう?」

私はリディワスさんの声で目を開ける。

リディワスさんは微妙に動いてだった。

「私は言っただろう?
ネオは『誰よりも愛されるべき者』と。
そんなネオを。
皆すら愛してる。
ネオが笑ってない事にも…
今ですら皆も心配している。
私も、それは当たり前だろう?」

驚きながら私はリディワスさんを見た。

もう…
どんなに考えても!!

私には何も判らなくなる。

だから私は、また目を閉じた。
思うまま言った。

「私は人間だし?
皆の方が大切だし?
ラークも!!
リディワスさんも!!
ロアも!!
シーレさんも!!
他種族の皆も…
どうして!?
人間なんて…
何をしてるかも判らない!!
あんなゴミを!?
狙撃銃だって…
あの距離だし?
大した威力でもないけど!?
旧型の狙撃銃が作れるなら…
普通の小銃も作れる!!
火薬の代わりになる物だって?
多いし?
もっとだぁ!!
危ない物すら簡単に!?
それを気付いたら人間は…
何も考えないまま!!
ただ、作って…
更に実験して?
その事に何も思わない!!
後から気付いても…
遅い事すら気付かない!!」

そのままで私は考える。

そうだ…
代わりになる物すら多い!?

更にと!?
皆が、もっと!?

でも…
ラークも、リディワスさんも…

知らないから?

だったら!!

私は目を開ける。
そして考えて指輪に触れて言う。

「スコープ!!」

いつもと同じで左手の中に簡単に現れる。
私は少し歩いて、そのままラークに渡した。

凄く驚いた顔をしてたラークに…

「これは狙撃銃以外にも使える。
窓の外を見れば判る。
翳して遠くを覗けば良いだけだよ…」

ラークは不思議そうな顔になるけど。
言われた通りに窓へと動いた。

スコープで外を見た瞬間。
明らかにラークが驚く様子もした。

それから私はラークに言う。

「こんなのは狙撃銃に限らないよ。
でも…
遠くを見るぐらい簡単に出来る。
そんなのを付けて…
遠くから皆を!!
どんな相手すら!!
勝手に攻撃してくるのにだよ!!
ラークは…
防げるの?
更に皆は?
もっと危ない事が判るのに!?」

ラークが複雑な顔をして私は見たけど。
何も言わなかった。

でも…
私はラークも意味が判った事もだった。

それなのに…
どうして人間を!?

私は!!

また私が目を閉じた時。

「ネオ!!
もう判った!!
私が全ての人間をだ。
対処する!!」

**************************

リディワスさんの大きな声で私は…
目を開ける。

そんなリディワスさんを見るけど。
何も動いてなかった。

でも…
私を見てる事だけは判った。

そのまま私が見てると…

「ネオ。
この大陸からだ。
全ての人間を私がしよう。
他へと移動させる事を。」

私は驚く。

もっとラークは驚いた顔で言った。

「長!?
まだ対策は他にもだろう!?
話をしてたのもある!!」

私は少しラークを見るけど。
すぐだった。

「それも判っている、ラーク。
だが…
気付かないか?
ネオが人間を嫌う事も。
確かに前からだ。
私達も理解してた筈。
それでもだ。
今のネオが全てを言っている。
その理由にと私は判った。」

ラークは少し考える様子をしたけど。
複雑な顔になると。

「長が言う…
その理由。
ネオの事だけではないと?」

リディワスさんは僅かに動いた。

「ラーク。
今の全てだがな?
ネオの言葉で判る筈だぞ?
ネオが言った理由にもだ。
全て私達の事のみ。
ラークや私。
更に他種族の全てだろう?
ネオは自分が傷付く事より全てを。
常に周りの者達へと。
心配と不安だけしか…
言ってないだろう?」

ラークが驚きながらだった。

「それは…
だから…
長すら…」

リディワスさんも僅かに動く。

「そうだ。
ラークの考えた通りだろう?
ネオは一切。
自分自身の事は言ってない。
それに考えていない事もだ。
人間が嫌いな理由すら同じ事。
ネオは誰よりも…
自分自身を傷付けてる事すら判ってない。
今のネオも同じだろう?
全て同じ意味にもなる。
私の事すら心配していた。
これはラーク。
動物達の事も全て含まれる。
私はネオを守る事は既に言った筈。
そのネオがだ。
今すら悲しい顔も私は、させない。
そして…
これは一族の長としてだけでもない。
ネオにと必ず。
私の中でも決まっている事だ。」

私はリディワスさんにと首を傾げる。

でも…
リディワスさんは複雑に動いた。

「先に…
ネオ?
言いたい事もある。
私はネオが特別だと言ったが。
もうネオは充分。
皆からも愛されてるとだ。
『誰よりも愛されるべき者』はネオのみ。
ネオが笑う事を。
私も、ラークも、皆が望んでる事なのだ。
だから、もう…
ネオは何も心配しなくて良い。
リオエンラ族の長。
リディワスの名に誓う。
この大陸から全ての人間は移動させる事を。
そしてネオは、もう安心して…
今後も笑って暮らせるだろう?」

私は勝手に涙が零れたけど。
意味は判った。

だから嬉しくて…
笑ってリディワスさんに言う。

「うん!!
ありがとう!!
やっぱり…
私にはリディワスさんだけが。
特別だなぁ!!」

すぐラークも私の横にくると。
リディワスさんに頭を下げて言った。

「長…
俺も出来る事の全てを。
協力の時には連絡を。」

リディワスさんは微妙に動く。

「ラーク、判った。
連絡する。
それにネオ?
私は今の様にだ。
ネオの笑顔が見たかったぞ?
その笑顔が一番、ネオには似合う。」

私は嬉しくて笑った。
すぐ思う。

リディワスさんは本当に凄い。
絶対に信じられる。

強くて、それでも…
凄く優しいのも判る!!

私もラークを愛してる。

ロアや、シーレさんみたいな友達も。
他種族も、動物達も大切で…
私は優しい皆を守りたいけど。

でも…
それを叶えてくれるたのは…
リディワスさんだ!!

やっぱり…
リディワスさんだけは『特別』だ!!

**************************

ラークと一緒に家から見送る時。

私は…
せめて伝えたくて…

笑ってリディワスさんに。
大きく言う。

「リディワスさん!!
私からも言いたい事があるの!!」

リディワスさんは振り向いた様子も。
それに何となく?
私を見てる気もした。

だから笑いながら私は大きく続ける。

「いつもリディワスさんを!!
私は『特別』だって思うし?
ずっと今でもだよ?
何も変わらないけど?
初めて最初からだ!!
リディワスさんだけが特別なの!!
それに言ってきた事にもだよ?
私を『誰よりも愛されるべき者』と!?
勿論、私はラークを愛してるけど?
それでも、もっと!!
大好きで、大切な皆の事を!!
私は『誰よりも愛する』事を!!
リディワスさんは絶対だと。
信じられるって思うだけだし?
きっと、それなら?
皆も喜ぶよね!?」

横に居たラークは驚いた顔のまま…
何も言わず、リディワスさんを見た。

私も笑いながらリディワスさんを見る。
少しだけ微妙に動いた。

「ネオ。
私も同じだぞ?
だが…
くっ。
はははははははっ!!
それすら…
ネオは…
普通に言うか。
これは…
くっ。
はははははははっ!!
もう私も…
ネオだけは…
特別以上かも知れんな。
だからこそ。
私が必ずだ!!
ネオの笑顔すら守るのみ。
私にはだ。
ネオが笑うだけで嬉しい事。
何も変わらん。」

リディワスさんが笑った事も。
嬉しくて私も笑うだけだった。

でも…
ラークが私を抱き寄せた。

驚いて私もラークを見ると凄く…
慌てた様子でリディワスさんに言った。

「お、長!?
今のは、まさか!!
ネオを!?
更に意味すらだった?
だが…
俺もだぞ!!
もう絶対にネオを離せん!!
それに…
しばらくネオは安静!!
栄養もだ!!」

リディワスさんが微妙に動きながら。
笑ってるのは私でも判った。

「くっ。
はははははははっ!!
そうだな?
私もだぞ?
油断したら…
ラークならば。
判ってるな?
だが…
はははははははっ!!
勿論。
ラークの言う事も。
判るからこそだ。
くっ。
ならば…
私は更にだ。
ネオにと送ろう?
これもネオから教えて貰った。
あのドライフルーツをだ。
里でも好評で常にある。
栄養価も高いぞ?
はははははははっ!!」

それを聞いて私も思い出す。

あの里に行った時。
教えたドライフルーツを!?
皆にも好評!?

すぐ判って私は笑う。

「良かった!!
皆も喜んでくれてるなら。
私は嬉しいだけだなぁ!!」

リディワスさんが笑って…
リオエンラ族の皆が喜んでる。

それだけで充分。
私が嬉しいのも本当だった。

「ネオ。
それ程に時間も使わず。
人間の対処を優先しよう。
全て済んだらラークにだ。
連絡もする。
もうネオが悲しむ事もないぞ?
また来る。」

「うん!!
リディワスさん!!
本当にありがとう!!」

そう言ってからリディワスさんも…
森から出て行った。

しばらく私は去った方を見ながら思う。

あのリディワスさんが言った!!
だったら絶対にだ!!

私は信じられる。

これで皆も!?

もう嬉しいだけだった。

「ネオ…
長も言った事だが。
もうネオが傷付かない為に。
俺が側でも愛する事も。
更に守る事もだ。」

ラークの声を聞いて見ると…
優しい笑顔なのに気付いた。

「ラーク。
私が愛してるのはラークだけだ!!
もっと…
これからも楽しくなるね!!」

私が笑って言うと…
ラークも嬉しそうに笑った。

それから家に戻る。

どうしても思う。

きっと、これから…
毎日が安心して楽しくなると。

**************************

その後。

ラークの言う通り、しばらく私は安静中。
食事も徐々に食べれる様になってきた。

そんな中でもリディワスさんから…
グマンを使ったドライフルーツが届いた。

食べると本当に美味しい!!

でも…
私は食べながら気付く。

これは…
更に新たな方法も使ってる!?

少し考えるけど。
次にリディワスさんと会う時。

今度はジュース以外にだ!!
私はチャレンジしようと決めた。
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