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第一章:馬鹿神のミスから始まる生活。
人間は嫌いだけど、動物は好き。
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女性の民家から出て、服も買い、編み物の袋も数点。
更に情報も聞けた。
「この道沿いを行けば帝国内部です。
私は行っても意味がないので、判りません。
道案内は無理ですが…」
私も笑って言う。
「別に大丈夫だよ。
情報だけでも、かなり判ったし。
お金で済めば充分かなぁ。
あっ。
でも一応、あまり言わない方が。
いや、見つからない方が良いかもね?」
女性は不思議な顔をした。
「え?
言わない事は判りますが…
見つからない方が…?」
私が目を見ると、本当に判ってなかった。
だから一応、言う。
「そりゃ、そうでしょう?
私が渡したのが知られるのを防ぐ事が重要だよ?
貴方が言わなくてもね。
警戒するのは、他の民家や周りの人達の方でしょ?
貴方が持ってるとバレたら…
貴方だけじゃなくて子供達すら何をされるか…
周りの人達からしたら一番、簡単な方法。
それは貴方達から奪う事でしょ?
私は戻って来ないけど。
貴方の家が、ここにあるなら通報よりも簡単だし?
狙われたら、子供達すら危ないよ。」
すぐに女性は判った様だった。
それから目を見ると私は少し驚く。
明らかに真剣な目だと。
「ご注意まで、ありがとうございます。
私には、もう…
あの人の…
愛した夫以上、絶対に我が子を守ります。
もう無理だと思ってました…
でも貴方がくれた物、それで生きれる。
子供達を育てられる。
だから私には何も出来なくても…
我が子達だけでも必ずと。
帝国領土は危険です。
どうか、お気を付けて下さい。」
そう言うと頭を深く下げた。
それを見て私は思わずに居られなかった。
あぁ、そうか…
本当に愛してた夫だったんだろうなぁ。
それで、子供達だけでもかぁ。
私には…
なかったけど。
これが、きっと親ってのかなぁ?
それは、もう確認すら出来ないけど。
「私なら大丈夫だよ!!
貴方もね、確かに珍しいから。
それもあるんだ。
だから気にしないで子育て頑張ってね!!」
女性は嬉しそうに笑って言った。
「はい!!
本当にありがとうございました!!」
また私は目を見た。
嘘は付いてなかった…
**************************
そうして判れてから道沿いを進む。
少しそのまま歩いて気分良く思ってた。
なかなか、居ないんだよ?
嘘を付かない目は…
それに、あの目なら…
きっと子育てにと金は使われる。
まぁ、それで良いか。
私は別に金なら苦労しないし?
子育ての方が大変そうだ。
それに私はチートだしなぁ。
私は小袋状の編み物を出す。
IQOSを、それに入れ替えて置いたのもある。
なるほどなぁ。
出す事は出来るけど、他は出来ない。
確かに壊れたり、使ったらだけど?
新しいのを出せば良いだけ。
出し入れ自由にもしなかったのは…
あのすっごい馬鹿神の発想に驚いたのもあるけどなぁ。
ヒートスティックがなくなれば、補充も出来る。
だから普通に吸う。
そして歩きながら考えを纏める。
この帝国の名前は、ガランドル帝国と。
やっぱり身分制度関係かぁ。
更に、かなり複雑らしいなぁ。
そして身分が厳しいと。
ガランドル帝国の各地には一般市民と。
一般民からの兵士だけが各地にと。
それから奴隷やらも居るらしいと。
あの女性は見た事はないらしいと。
でも、かなり酷い扱いをされてるらしいと。
そして他国から、密入国の為と。
外部にと、奴隷が逃げない為と。
常に一般民には通報義務かぁ。
私は普通に吸いながらも歩く。
でも考えだけは纏めながらだった。
これは多分だけど、権力の独占だなぁ。
大きいらしい、ガランドル帝国だし…
そう言った通報義務をさせて、更にと。
報酬と。
それに身分の変更する事も配慮されてると?
だけど…
これは嘘だ。
報酬、まぁ…
あるだろうけど。
ここまで徹底してるのは…
その身分で上の者達がだ。
身分は変えさせない為にと。
してるんだろうなぁ。
私には全く理解すら出来ないなぁ。
どこの国でも、あっと、間違えた。
今は世界も違うかぁ。
人間は、どうして、こんなに馬鹿ばっかりなのか?
あの女性みたいに嘘を付かない人間すら稀だ。
その前に見た女性の発言。
あれは単純に報酬とかでだなぁ。
しかも逃げてと言ったし?
他国とも言ったし?
だったら、通報しないで見逃してやると?
上から目線か?
私は少し口元だけ笑った。
でも結局は…
あの馬鹿な人間の方が消滅だし。
あんな馬鹿、もう会話どころじゃないだろう?
兵士っぽい人達は、一般民の兵士か。
それで仕事としてもあるだろうけど。
これだけ身分に縛られてると…
多分だけど?
失敗とかしたら奴隷にとかぁ。
される可能性もあるからだろうなぁ。
そしてガランドル帝国の特殊かまでは…
流石に判らない部分だけど。
簡単に言えば身分の高い者達だけがだと。
王城と城下町は、全てが身分が高い者のみ。
住む事も、何もかも全てが許されてないんだとか…
それを一般民達は、王城内部と呼んでるらしい。
だから、そこは入れないからと。
さっきの女性も中は判らないと。
私はIQOSを袋へ、戻した。
それから道沿いの木々を見る。
自然は豊かそうだなぁ。
少しだけ確認もするかぁ?
言葉は動物もだけど…
元々、動物好きな私でもある。
それは嬉しいかも?
だから木々がある方へと向かった。
**************************
道から外れて少し中に入った木々の中でだった。
あれ?
何か今、動いた様な…
私は感だけを頼りに進む。
あっ!!
居た、でも…
あんな動物、知らないけど?
その動物を見てたら、あっちも私に気付いて鳴いた。
キキッ。
うん!?
今のは何だ?
鳴き声だったけど…
頭の中にだけ声っぽく変わった?
頭の中で聞こえた言葉。
それは『恐い』だった。
もしかして…
「ねぇ。
私の言葉は判る?」
そうすると動物の方がだった。
こっちを向いて、また鳴いた。
キキッキュ。
頭の中にだけ、私も言葉が聞こえる。
その言葉だけど…
それは『今、言葉が聞こえた?』と。
すぐ私は理解した。
だから笑って、その動物に言う。
「私は動物の言葉も判る。
だから恐い事はしないよ?」
そう言うと、まただった。
そのまま動かず、止まって鳴いた。
頭の中で変換される。
『本当に言葉が判る。
どうして、それに恐い事も?』
私は伝わってる事も、そうだった。
嬉しくなって笑って言う。
「うん!!
そうなんだ!!
私は動物達の言葉なら全部、判るからね。
だから恐くないし、嫌がる事もしたくないよ。」
その動物が、また鳴いた。
『本当に話せてる。
意味も判る、どうしてか判らないけど。
今まで、こんな事はなかったのに?
それに皆が避けるのに…』
私は少し疑問になった。
でも笑って動物へ。
「あぁ、簡単に言うとね。
神様が、そうしてくれたの。
だから動物達の言葉も全部だよ!!
それに皆が避けるって何?」
動物が鳴いて、また驚く。
『神様がしてくれてるの?
貴方だけは?
でも言葉が話せてるのも、本当に判る。
でも皆が人間は危険だって。
人間に捕まったら二度と戻って来れないって。
だから…』
私は少し悲しくなった。
だから笑えなくて普通に言った。
「あぁ、それは正しいと思うよ。
私も、そう。
自分も人間なのが、嫌いだし…
人間は弱いのを簡単に傷付ける。
それに最低だと思うんだぁ。
私も人間だし、信じては貰えないかなぁ。」
でも鳴き声に、また驚いて見たら…
動物の方が近付いて来た。
『確かに人間だけど、話せてるよ?
それに、そんな悲しい顔をする。
嘘も付いてないぐらい、僕だって判るよ!!
話せるのに信じないのは変だよ。』
もう私は嬉しくて、泣きそうにもなる。
兎っぽいけど、耳も色も全く違う動物だけど。
僅かに手を伸ばした。
「本当に…
信じてくれてる。
本当に私の言葉を、そのまま。
信じてくれてるのが…
私は嬉しい。
誰も…
人間の中に居ても…
誰も私を、信じてくれない…」
言ってる時に勝手に涙が零れた。
伸ばそうとしてた手に動物からだった。
擦り付いて来て鳴いた。
『そんな悲しそうな顔で泣かないで!!
僕には貴方の言葉が判るし。
それに人間の中で、信じて貰えないなんて変だ!!
貴方が悪い人間には見えない。
それなのに、泣かないで!!』
すぐ私は涙を拭った。
その動物を優しく撫でて言う。
「ありがとう。
そんな言葉も、初めて貰った。
本当に嬉しいよ。
私は人間だけど、人間が嫌いなんだ。
人間は誰も、私の話を聞いてくれないから。
でも、君は優しいね。」
その動物も、すぐ鳴いた。
また、その言葉に驚く。
『そんな事ないよ。
貴方の方が絶対に優しい。
僕にだって、それぐらい判る。
それなのに人間の中でなの?
だったら、僕は貴方と友達になる!!』
「私と…
友達に?
なってくれるの?」
その動物は擦り付きながら鳴いた。
『だって話せるよ?
それに優しいし、恐い事もしない。
人間は、いっぱい居る。
それでも誰もだ何て変だ。
だったら、僕は友達になりたい!!
それに、あんな悲しい顔で…
泣いちゃうのは痛いよ!!』
もう私は嬉しくて笑いながら…
「本当に!!
私も友達になりたい!!
初めての友達だなぁ。
凄く嬉しいなぁ。」
それでも動物の方が擦り付いて鳴いてくる。
『うん、友達になろう!!
人間の友達じゃないけど、話せるよ。
それだけで充分、僕にも判る。
だから友達には、なれる!!
僕は人間より弱いから、助けてあげられない。
それでも僕とも、普通に話してくれてる!!
だったら貴方だけは信じるし、泣かせたくない!!』
私は本当に嬉しくて笑った。
「あははは。
嬉しいなぁ。
そうだよね、普通、話せれば判るよね!!
私も信じるし、困った事があれば手伝うよ。」
『良かった、笑ってくれた!!
このぐらいしか出来ないけど。
それに僕も今は探し物をしてるから。』
探し物?
私は普通に聞く。
「探し物?
それは何を?
私も手伝うよ?」
『えっ、手伝ってくれるの?』
また私も笑って言う。
「勿論だよ、だって友達だもん。
それぐらい手伝うよ!!」
動物の方が少し私から離れると…
今度は茂みの様なとこを見てから鳴いた。
『この辺りにね。
いつも赤い小さな果実が出来るんだけど。
それは皆が好きで美味しいんだ。
でも最近ずっと無くて皆が?
どうしてか戻って来ないから…
気になって探しに来たんだ。』
すぐ私は嫌な予感がした。
「待って。
今、ずっと無いって言ったよね?
それに皆が戻って来ないと?」
動物の方が不思議そうにだった。
『うん、そうなんだ。
だから一応、近付かない事って言われてるけど。
でも、皆の好物なんだ。
だから少しあればと思って来たんだ。』
私は瞬時に判って言った。
「それは罠だ!!
多分、人間が仕掛けた罠だと思うから。
私が確認するまで動かないでね?」
『えっ、人間の!?
うん、動かない。』
すぐ私は視線の先、その茂みを見た。
そこは予測通りだった。
典型的なロープでの簡易的な罠に…
どうしても私は怒りが湧いたけど。
でも、この子は助けられた…
その動物のところに戻って言う。
「罠の仕組みも教える。
多分、人間がしてる罠だ。
でも罠の注意点を。
君に教えるから。
それを君が皆にと伝えれば…
そして気を付ければ…
皆も食べれるよ。」
『本当に!?
そう、人間に捕まっちゃってたのか…
だから戻って…』
その動物を、私は抱き締めた。
どうにか涙は出さず、僅かに言った。
「ごめんね…
人間なんて…
ずっと私も信じられないんだ…
そして信じても、こなかった。
それなのに私も、結局は人間だから…
どんな人間からも、理解されない…」
『貴方が悪い事なんて何もしてない!!
そんな中で生きる方が、ずっと辛い!!
貴方が謝る事じゃないよ!!
それに、もう今だって僕を助けてくれたよ。
とても優しいぐらい判る。
泣かないで?
貴方が教えてくれる。
だから、これからは僕だけじゃないよ?
きっと皆が嬉しい事だし、喜ぶ。』
どうにか私も笑って…
「うん、良かったぁ。
もう、これで皆が助かるなら…
私だったら、人間の罠には気付ける。
だから困ったら相談してね?
皆が痛い事になる前に、私が確認するから。
きっと、もっと皆が喜ぶよね!!」
『うん、ありがとう!!
絶対に僕は信じるよ。
今だって助けてくれた。
僕と話してるし、皆の事も。
心配してくれてるって判る。
それに、もう友達だからね!!』
また私は抱き締めて思う。
あぁ、本当に動物は好きだなぁ。
話せば判る。
それに気持ちもだなぁ。
人間なんかよりも、ずっと優しい…
**************************
その後、私は罠の説明をした。
最初は安全の為にと。
私が小さな赤い果実を全部、取った。
持ってた小袋に入れて背中へ。
背負う様にしてあげる。
とても喜んで貰えた。
それと私の事も皆に伝えると。
他にも動物達での連絡方法があると聞いた。
そうやって喜んでくれる動物を見てると嬉しいのもある。
でも私は、どうしても思う。
やっぱり人間なんて、本当に最低だ!!
更に情報も聞けた。
「この道沿いを行けば帝国内部です。
私は行っても意味がないので、判りません。
道案内は無理ですが…」
私も笑って言う。
「別に大丈夫だよ。
情報だけでも、かなり判ったし。
お金で済めば充分かなぁ。
あっ。
でも一応、あまり言わない方が。
いや、見つからない方が良いかもね?」
女性は不思議な顔をした。
「え?
言わない事は判りますが…
見つからない方が…?」
私が目を見ると、本当に判ってなかった。
だから一応、言う。
「そりゃ、そうでしょう?
私が渡したのが知られるのを防ぐ事が重要だよ?
貴方が言わなくてもね。
警戒するのは、他の民家や周りの人達の方でしょ?
貴方が持ってるとバレたら…
貴方だけじゃなくて子供達すら何をされるか…
周りの人達からしたら一番、簡単な方法。
それは貴方達から奪う事でしょ?
私は戻って来ないけど。
貴方の家が、ここにあるなら通報よりも簡単だし?
狙われたら、子供達すら危ないよ。」
すぐに女性は判った様だった。
それから目を見ると私は少し驚く。
明らかに真剣な目だと。
「ご注意まで、ありがとうございます。
私には、もう…
あの人の…
愛した夫以上、絶対に我が子を守ります。
もう無理だと思ってました…
でも貴方がくれた物、それで生きれる。
子供達を育てられる。
だから私には何も出来なくても…
我が子達だけでも必ずと。
帝国領土は危険です。
どうか、お気を付けて下さい。」
そう言うと頭を深く下げた。
それを見て私は思わずに居られなかった。
あぁ、そうか…
本当に愛してた夫だったんだろうなぁ。
それで、子供達だけでもかぁ。
私には…
なかったけど。
これが、きっと親ってのかなぁ?
それは、もう確認すら出来ないけど。
「私なら大丈夫だよ!!
貴方もね、確かに珍しいから。
それもあるんだ。
だから気にしないで子育て頑張ってね!!」
女性は嬉しそうに笑って言った。
「はい!!
本当にありがとうございました!!」
また私は目を見た。
嘘は付いてなかった…
**************************
そうして判れてから道沿いを進む。
少しそのまま歩いて気分良く思ってた。
なかなか、居ないんだよ?
嘘を付かない目は…
それに、あの目なら…
きっと子育てにと金は使われる。
まぁ、それで良いか。
私は別に金なら苦労しないし?
子育ての方が大変そうだ。
それに私はチートだしなぁ。
私は小袋状の編み物を出す。
IQOSを、それに入れ替えて置いたのもある。
なるほどなぁ。
出す事は出来るけど、他は出来ない。
確かに壊れたり、使ったらだけど?
新しいのを出せば良いだけ。
出し入れ自由にもしなかったのは…
あのすっごい馬鹿神の発想に驚いたのもあるけどなぁ。
ヒートスティックがなくなれば、補充も出来る。
だから普通に吸う。
そして歩きながら考えを纏める。
この帝国の名前は、ガランドル帝国と。
やっぱり身分制度関係かぁ。
更に、かなり複雑らしいなぁ。
そして身分が厳しいと。
ガランドル帝国の各地には一般市民と。
一般民からの兵士だけが各地にと。
それから奴隷やらも居るらしいと。
あの女性は見た事はないらしいと。
でも、かなり酷い扱いをされてるらしいと。
そして他国から、密入国の為と。
外部にと、奴隷が逃げない為と。
常に一般民には通報義務かぁ。
私は普通に吸いながらも歩く。
でも考えだけは纏めながらだった。
これは多分だけど、権力の独占だなぁ。
大きいらしい、ガランドル帝国だし…
そう言った通報義務をさせて、更にと。
報酬と。
それに身分の変更する事も配慮されてると?
だけど…
これは嘘だ。
報酬、まぁ…
あるだろうけど。
ここまで徹底してるのは…
その身分で上の者達がだ。
身分は変えさせない為にと。
してるんだろうなぁ。
私には全く理解すら出来ないなぁ。
どこの国でも、あっと、間違えた。
今は世界も違うかぁ。
人間は、どうして、こんなに馬鹿ばっかりなのか?
あの女性みたいに嘘を付かない人間すら稀だ。
その前に見た女性の発言。
あれは単純に報酬とかでだなぁ。
しかも逃げてと言ったし?
他国とも言ったし?
だったら、通報しないで見逃してやると?
上から目線か?
私は少し口元だけ笑った。
でも結局は…
あの馬鹿な人間の方が消滅だし。
あんな馬鹿、もう会話どころじゃないだろう?
兵士っぽい人達は、一般民の兵士か。
それで仕事としてもあるだろうけど。
これだけ身分に縛られてると…
多分だけど?
失敗とかしたら奴隷にとかぁ。
される可能性もあるからだろうなぁ。
そしてガランドル帝国の特殊かまでは…
流石に判らない部分だけど。
簡単に言えば身分の高い者達だけがだと。
王城と城下町は、全てが身分が高い者のみ。
住む事も、何もかも全てが許されてないんだとか…
それを一般民達は、王城内部と呼んでるらしい。
だから、そこは入れないからと。
さっきの女性も中は判らないと。
私はIQOSを袋へ、戻した。
それから道沿いの木々を見る。
自然は豊かそうだなぁ。
少しだけ確認もするかぁ?
言葉は動物もだけど…
元々、動物好きな私でもある。
それは嬉しいかも?
だから木々がある方へと向かった。
**************************
道から外れて少し中に入った木々の中でだった。
あれ?
何か今、動いた様な…
私は感だけを頼りに進む。
あっ!!
居た、でも…
あんな動物、知らないけど?
その動物を見てたら、あっちも私に気付いて鳴いた。
キキッ。
うん!?
今のは何だ?
鳴き声だったけど…
頭の中にだけ声っぽく変わった?
頭の中で聞こえた言葉。
それは『恐い』だった。
もしかして…
「ねぇ。
私の言葉は判る?」
そうすると動物の方がだった。
こっちを向いて、また鳴いた。
キキッキュ。
頭の中にだけ、私も言葉が聞こえる。
その言葉だけど…
それは『今、言葉が聞こえた?』と。
すぐ私は理解した。
だから笑って、その動物に言う。
「私は動物の言葉も判る。
だから恐い事はしないよ?」
そう言うと、まただった。
そのまま動かず、止まって鳴いた。
頭の中で変換される。
『本当に言葉が判る。
どうして、それに恐い事も?』
私は伝わってる事も、そうだった。
嬉しくなって笑って言う。
「うん!!
そうなんだ!!
私は動物達の言葉なら全部、判るからね。
だから恐くないし、嫌がる事もしたくないよ。」
その動物が、また鳴いた。
『本当に話せてる。
意味も判る、どうしてか判らないけど。
今まで、こんな事はなかったのに?
それに皆が避けるのに…』
私は少し疑問になった。
でも笑って動物へ。
「あぁ、簡単に言うとね。
神様が、そうしてくれたの。
だから動物達の言葉も全部だよ!!
それに皆が避けるって何?」
動物が鳴いて、また驚く。
『神様がしてくれてるの?
貴方だけは?
でも言葉が話せてるのも、本当に判る。
でも皆が人間は危険だって。
人間に捕まったら二度と戻って来れないって。
だから…』
私は少し悲しくなった。
だから笑えなくて普通に言った。
「あぁ、それは正しいと思うよ。
私も、そう。
自分も人間なのが、嫌いだし…
人間は弱いのを簡単に傷付ける。
それに最低だと思うんだぁ。
私も人間だし、信じては貰えないかなぁ。」
でも鳴き声に、また驚いて見たら…
動物の方が近付いて来た。
『確かに人間だけど、話せてるよ?
それに、そんな悲しい顔をする。
嘘も付いてないぐらい、僕だって判るよ!!
話せるのに信じないのは変だよ。』
もう私は嬉しくて、泣きそうにもなる。
兎っぽいけど、耳も色も全く違う動物だけど。
僅かに手を伸ばした。
「本当に…
信じてくれてる。
本当に私の言葉を、そのまま。
信じてくれてるのが…
私は嬉しい。
誰も…
人間の中に居ても…
誰も私を、信じてくれない…」
言ってる時に勝手に涙が零れた。
伸ばそうとしてた手に動物からだった。
擦り付いて来て鳴いた。
『そんな悲しそうな顔で泣かないで!!
僕には貴方の言葉が判るし。
それに人間の中で、信じて貰えないなんて変だ!!
貴方が悪い人間には見えない。
それなのに、泣かないで!!』
すぐ私は涙を拭った。
その動物を優しく撫でて言う。
「ありがとう。
そんな言葉も、初めて貰った。
本当に嬉しいよ。
私は人間だけど、人間が嫌いなんだ。
人間は誰も、私の話を聞いてくれないから。
でも、君は優しいね。」
その動物も、すぐ鳴いた。
また、その言葉に驚く。
『そんな事ないよ。
貴方の方が絶対に優しい。
僕にだって、それぐらい判る。
それなのに人間の中でなの?
だったら、僕は貴方と友達になる!!』
「私と…
友達に?
なってくれるの?」
その動物は擦り付きながら鳴いた。
『だって話せるよ?
それに優しいし、恐い事もしない。
人間は、いっぱい居る。
それでも誰もだ何て変だ。
だったら、僕は友達になりたい!!
それに、あんな悲しい顔で…
泣いちゃうのは痛いよ!!』
もう私は嬉しくて笑いながら…
「本当に!!
私も友達になりたい!!
初めての友達だなぁ。
凄く嬉しいなぁ。」
それでも動物の方が擦り付いて鳴いてくる。
『うん、友達になろう!!
人間の友達じゃないけど、話せるよ。
それだけで充分、僕にも判る。
だから友達には、なれる!!
僕は人間より弱いから、助けてあげられない。
それでも僕とも、普通に話してくれてる!!
だったら貴方だけは信じるし、泣かせたくない!!』
私は本当に嬉しくて笑った。
「あははは。
嬉しいなぁ。
そうだよね、普通、話せれば判るよね!!
私も信じるし、困った事があれば手伝うよ。」
『良かった、笑ってくれた!!
このぐらいしか出来ないけど。
それに僕も今は探し物をしてるから。』
探し物?
私は普通に聞く。
「探し物?
それは何を?
私も手伝うよ?」
『えっ、手伝ってくれるの?』
また私も笑って言う。
「勿論だよ、だって友達だもん。
それぐらい手伝うよ!!」
動物の方が少し私から離れると…
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『この辺りにね。
いつも赤い小さな果実が出来るんだけど。
それは皆が好きで美味しいんだ。
でも最近ずっと無くて皆が?
どうしてか戻って来ないから…
気になって探しに来たんだ。』
すぐ私は嫌な予感がした。
「待って。
今、ずっと無いって言ったよね?
それに皆が戻って来ないと?」
動物の方が不思議そうにだった。
『うん、そうなんだ。
だから一応、近付かない事って言われてるけど。
でも、皆の好物なんだ。
だから少しあればと思って来たんだ。』
私は瞬時に判って言った。
「それは罠だ!!
多分、人間が仕掛けた罠だと思うから。
私が確認するまで動かないでね?」
『えっ、人間の!?
うん、動かない。』
すぐ私は視線の先、その茂みを見た。
そこは予測通りだった。
典型的なロープでの簡易的な罠に…
どうしても私は怒りが湧いたけど。
でも、この子は助けられた…
その動物のところに戻って言う。
「罠の仕組みも教える。
多分、人間がしてる罠だ。
でも罠の注意点を。
君に教えるから。
それを君が皆にと伝えれば…
そして気を付ければ…
皆も食べれるよ。」
『本当に!?
そう、人間に捕まっちゃってたのか…
だから戻って…』
その動物を、私は抱き締めた。
どうにか涙は出さず、僅かに言った。
「ごめんね…
人間なんて…
ずっと私も信じられないんだ…
そして信じても、こなかった。
それなのに私も、結局は人間だから…
どんな人間からも、理解されない…」
『貴方が悪い事なんて何もしてない!!
そんな中で生きる方が、ずっと辛い!!
貴方が謝る事じゃないよ!!
それに、もう今だって僕を助けてくれたよ。
とても優しいぐらい判る。
泣かないで?
貴方が教えてくれる。
だから、これからは僕だけじゃないよ?
きっと皆が嬉しい事だし、喜ぶ。』
どうにか私も笑って…
「うん、良かったぁ。
もう、これで皆が助かるなら…
私だったら、人間の罠には気付ける。
だから困ったら相談してね?
皆が痛い事になる前に、私が確認するから。
きっと、もっと皆が喜ぶよね!!」
『うん、ありがとう!!
絶対に僕は信じるよ。
今だって助けてくれた。
僕と話してるし、皆の事も。
心配してくれてるって判る。
それに、もう友達だからね!!』
また私は抱き締めて思う。
あぁ、本当に動物は好きだなぁ。
話せば判る。
それに気持ちもだなぁ。
人間なんかよりも、ずっと優しい…
**************************
その後、私は罠の説明をした。
最初は安全の為にと。
私が小さな赤い果実を全部、取った。
持ってた小袋に入れて背中へ。
背負う様にしてあげる。
とても喜んで貰えた。
それと私の事も皆に伝えると。
他にも動物達での連絡方法があると聞いた。
そうやって喜んでくれる動物を見てると嬉しいのもある。
でも私は、どうしても思う。
やっぱり人間なんて、本当に最低だ!!
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二年後等とはしません。
今のところ。
前世で味わえなかった幸せを!
家族との思い出を大切に。
現在転生後···· 0歳
1章物語の要点······神々との出会い
1章②物語の要点······家族&神々の愛情
現在1章③物語の要点······?
想像力が9/25日から爆発しまして増えたための変えました。
学校編&冒険編はもう少し進んでから
―――編、―――編―――編まだまだ色んなのを書く予定―――は秘密
処女作なのでお手柔らかにお願いします。文章を書くのが下手なので誤字脱字や比例していたらコメントに書いていただけたらすぐに直しますのでお願いします。(背景などの細かいところはまだ全く書けないのですいません。)主人公以外の目線は、お気に入り100になり次第別に書きますのでそちらの方もよろしくお願いします。(詳細は200)
感想お願いいたします。
❕只今話を繋げ中なためしおりの方は注意❕
目線、詳細は本編の間に入れました
2020年9月毎日投稿予定(何もなければ)
頑張ります
(心の中で読んでくださる皆さんに物語の何か案があれば教えてほしい~~🙏)と思ってしまいました。人物、魔物、物語の流れなど何でも、皆さんの理想に追いつくために!
旧 転生したら最強だったし幸せだった
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アラヒフおばさんのゆるゆる異世界生活
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ゆっくり更新です。はじめての投稿です。
誤字、脱字等有りましたらご指摘下さい。
最強魔獣使いとなった俺、全ての魔獣の能力を使えるようになる〜最強魔獣使いになったんで元ギルドを潰してやろうと思います〜
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「無能は邪魔」
と言われて言い放たれてしまい、ギルドを追放させられた。
行く場所もなく、途方に暮れていると一匹の犬が近づいてきた。
そいつと暫く戯れた後、カロスと名付け行動を共にすることにした。
お金を稼ぐ為、俺は簡単な採取クエストを受注し、森の中でクエストを遂行していた。
だが、不運にも魔獣に遭遇してしまう。
無数の魔獣に囲まれ、俺は死を覚悟した。
その時だった。
地面を揺らし、俺の体の芯まで響いてくる何かの咆哮。
そして、その方向にいたのはーー。
これは、俺が弱者から魔獣使いとして成長していく物語である。
※小説家になろう、カクヨミで掲載しています
現在連載中の別小説、『最強聖剣使いが魔王と手を組むのはダメですか?〜俺は魔王と手を組んで、お前らがしたことを後悔させてやるからな〜』もよろしくお願いします。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
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死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
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完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
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