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第二章 第三部 水際
3 半分の葉
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「それで、トーヤはどうしようと思ってるんだ?」
アランが続けて聞く。
「さっきも言ったがな、まずは誰が味方かを見極める」
「それは聞いた。そんで取次役ってやつがやばいかも、って話だな」
「ああ、それもまだ推測に過ぎんけどな」
トーヤが一応そう付け加える。
「誰かが何かの目的で奥宮を、言い換えればマユリアやラーラ様、シャンタルをキリエさんから切り離し、自分の支配下に置こうとしているように俺には思えた。そしてそいつは多分、そのことを知ってるやつだ」
「それもトーヤの勘か」
「今までも似たようなことを見てきてるからな」
苦笑するように言う。
「権力欲に取り憑かれた人間が考えつきそうなこった」
「ほんとうだな」
アランも同じく苦笑する。
「その取次役ってのも結局はここの侍女だからな、そいつが単独でそんなことを考えつくとは思えん。誰かがそいつの背後にいて、そいつも動かされてるんだろう」
「だろうな」
アランも同意する。
「俺がいた八年前には、そんな空気全くなかった。みんな素直にシャンタルを信じてるように見えた。お出ましの時に俺が見たようにな。見ようによっては気持ち悪くなるぐらい疑いもなく、神様ってのを信じてた。そのぐらい純粋に神様の住処だったんだよ、ここは。だが、今はなんとなく雰囲気が違うように思う」
「シャンタルもなんかそんなこと言ってたよなな、珍しく怖い、てなこと」
「だろうな」
「それなんだがな」
ディレンが口を開いた。
「あの方にも……」
一度口ごもってから言い直す。
「不思議な力を持つ『黒のシャンタル』にも分からないことがあるってことなんだな」
「ってか、あいつの方がもっとなんも知らんと思うぞ。ずっとそうだったからな」
「ああ、言われてみればそうか」
幼い頃からほぼ自分の意識はなく、覚醒してからもなぜ自分がそんな理不尽な環境にいるのかを分からず、一時は家族であるマユリアとラーラ様に裏切られたと絶望したこともあったのだ。
「あいつは素直だ。すべてのことを素直にそのまま受け入れる。そんでその受け入れたことに染まることがない」
その言葉はディレンを納得させた。
「黒は何もかもを飲み込む色だ。だからあいつは染まらない。だが白はどうだ? この宮は白い、そこにそんな思惑が流れ込んだとしたら?」
「目立つよなあ、そんな汚れ」
ベルが言う。
「一ヶ所につけばな」
トーヤが笑って言う。
「シャンタルと俺が辛うじて逃げ切った聖なる湖でのことだ、たった1滴、あいつが流した血を嫌がった本家の力が弱まって、それでなんとかあいつの力の方が勝ったんだと思う。それと同じようなことがこの宮で起こっているとしたら?」
「えっと……なんか、わけわかんねえ……」
ベルが弱々しく口癖を口にする。
「最初に1滴、誰もそれに気がつかない。白にシミもつかない。全体に薄く薄く広まってるからな。だが、それを毎日1滴ずつ落とし続けたとしたらどうなる?」
トーヤがベルに聞く。
「えっと……」
すこし考えてからベルが、
「気がついたら白じゃなくなってる、とか?」
「さすがベルだ」
トーヤが笑いながらまたベルの頭をくしゃくしゃにした。
「今、この宮の白はおそらく真っ白じゃなくなってんだよ。そんでシャンタルはなんとなくそれを感じてる。これは理屈じゃねえ、あいつが戻ってみてその身で感じてることだ」
「おれには真っ白に見えるけどなあ……」
ベルが戸惑ったように言う。
「まあ、今はまだほとんど白なんだよ。本当の白を知ってる者すら気がつかないかも知れんほどの白だ。そんで、その中にいるマユリアやラーラ様ももしかしたら、まだ気がついてないかも知れん。そのぐらいわずかなんだろうよ」
「そういや」
ふと思い出したようにディレンが言う。
「『半分の葉』の話、知ってるか?」
「半分の葉?」
「なんだそりゃ」
アランとベルがそう聞きトーヤは黙る。
どうやらトーヤは知っている話のようだ。
「こういう話だよ」
ディレンが語って聞かせる。
「ある大きな池がある。そこには蓮があり、きれいな花を咲かせている」
「きれいな話だな」
「だな」
ディレンがベルに答えた。
「だがそこに一つ問題がある」
ディレンが続ける。
「その蓮の葉は毎日倍に増えるんだ。今日は1枚だったが明日は2枚、その翌日は4枚という風にな。そんで葉っぱが増えるとその分花も増えていく。なのでみんなきれいだなと思って黙って増えるままにしている」
「そりゃそうなるだろうな。いいじゃん、きれいな花が増えるのは。どこが問題なんだ?」
ベルが不思議そうに言う。
「その池の中には蓮以外にも色々な生き物がいる。魚やカエルや虫や、まあ色々な動物や、他にも水草やら色んなものがそこで生きてる。そいつらが生きるには水面から空気を吸うことが必要だ」
「まあ空気はいるわな。で?」
「もしも池全体が葉っぱで覆われたら、空気が入らなくなって、みんな息ができなくなって死んじまうんだ」
「こ、怖いな」
「その蓮の葉っぱ、きれいだからとほっといた葉っぱは今日、池の半分を覆った。その上できれいに蓮の花が咲き誇っている」
「うん」
「さて、全体を葉っぱが覆って池の生き物が全部死んでしまうのはいつだ?」
アランが続けて聞く。
「さっきも言ったがな、まずは誰が味方かを見極める」
「それは聞いた。そんで取次役ってやつがやばいかも、って話だな」
「ああ、それもまだ推測に過ぎんけどな」
トーヤが一応そう付け加える。
「誰かが何かの目的で奥宮を、言い換えればマユリアやラーラ様、シャンタルをキリエさんから切り離し、自分の支配下に置こうとしているように俺には思えた。そしてそいつは多分、そのことを知ってるやつだ」
「それもトーヤの勘か」
「今までも似たようなことを見てきてるからな」
苦笑するように言う。
「権力欲に取り憑かれた人間が考えつきそうなこった」
「ほんとうだな」
アランも同じく苦笑する。
「その取次役ってのも結局はここの侍女だからな、そいつが単独でそんなことを考えつくとは思えん。誰かがそいつの背後にいて、そいつも動かされてるんだろう」
「だろうな」
アランも同意する。
「俺がいた八年前には、そんな空気全くなかった。みんな素直にシャンタルを信じてるように見えた。お出ましの時に俺が見たようにな。見ようによっては気持ち悪くなるぐらい疑いもなく、神様ってのを信じてた。そのぐらい純粋に神様の住処だったんだよ、ここは。だが、今はなんとなく雰囲気が違うように思う」
「シャンタルもなんかそんなこと言ってたよなな、珍しく怖い、てなこと」
「だろうな」
「それなんだがな」
ディレンが口を開いた。
「あの方にも……」
一度口ごもってから言い直す。
「不思議な力を持つ『黒のシャンタル』にも分からないことがあるってことなんだな」
「ってか、あいつの方がもっとなんも知らんと思うぞ。ずっとそうだったからな」
「ああ、言われてみればそうか」
幼い頃からほぼ自分の意識はなく、覚醒してからもなぜ自分がそんな理不尽な環境にいるのかを分からず、一時は家族であるマユリアとラーラ様に裏切られたと絶望したこともあったのだ。
「あいつは素直だ。すべてのことを素直にそのまま受け入れる。そんでその受け入れたことに染まることがない」
その言葉はディレンを納得させた。
「黒は何もかもを飲み込む色だ。だからあいつは染まらない。だが白はどうだ? この宮は白い、そこにそんな思惑が流れ込んだとしたら?」
「目立つよなあ、そんな汚れ」
ベルが言う。
「一ヶ所につけばな」
トーヤが笑って言う。
「シャンタルと俺が辛うじて逃げ切った聖なる湖でのことだ、たった1滴、あいつが流した血を嫌がった本家の力が弱まって、それでなんとかあいつの力の方が勝ったんだと思う。それと同じようなことがこの宮で起こっているとしたら?」
「えっと……なんか、わけわかんねえ……」
ベルが弱々しく口癖を口にする。
「最初に1滴、誰もそれに気がつかない。白にシミもつかない。全体に薄く薄く広まってるからな。だが、それを毎日1滴ずつ落とし続けたとしたらどうなる?」
トーヤがベルに聞く。
「えっと……」
すこし考えてからベルが、
「気がついたら白じゃなくなってる、とか?」
「さすがベルだ」
トーヤが笑いながらまたベルの頭をくしゃくしゃにした。
「今、この宮の白はおそらく真っ白じゃなくなってんだよ。そんでシャンタルはなんとなくそれを感じてる。これは理屈じゃねえ、あいつが戻ってみてその身で感じてることだ」
「おれには真っ白に見えるけどなあ……」
ベルが戸惑ったように言う。
「まあ、今はまだほとんど白なんだよ。本当の白を知ってる者すら気がつかないかも知れんほどの白だ。そんで、その中にいるマユリアやラーラ様ももしかしたら、まだ気がついてないかも知れん。そのぐらいわずかなんだろうよ」
「そういや」
ふと思い出したようにディレンが言う。
「『半分の葉』の話、知ってるか?」
「半分の葉?」
「なんだそりゃ」
アランとベルがそう聞きトーヤは黙る。
どうやらトーヤは知っている話のようだ。
「こういう話だよ」
ディレンが語って聞かせる。
「ある大きな池がある。そこには蓮があり、きれいな花を咲かせている」
「きれいな話だな」
「だな」
ディレンがベルに答えた。
「だがそこに一つ問題がある」
ディレンが続ける。
「その蓮の葉は毎日倍に増えるんだ。今日は1枚だったが明日は2枚、その翌日は4枚という風にな。そんで葉っぱが増えるとその分花も増えていく。なのでみんなきれいだなと思って黙って増えるままにしている」
「そりゃそうなるだろうな。いいじゃん、きれいな花が増えるのは。どこが問題なんだ?」
ベルが不思議そうに言う。
「その池の中には蓮以外にも色々な生き物がいる。魚やカエルや虫や、まあ色々な動物や、他にも水草やら色んなものがそこで生きてる。そいつらが生きるには水面から空気を吸うことが必要だ」
「まあ空気はいるわな。で?」
「もしも池全体が葉っぱで覆われたら、空気が入らなくなって、みんな息ができなくなって死んじまうんだ」
「こ、怖いな」
「その蓮の葉っぱ、きれいだからとほっといた葉っぱは今日、池の半分を覆った。その上できれいに蓮の花が咲き誇っている」
「うん」
「さて、全体を葉っぱが覆って池の生き物が全部死んでしまうのはいつだ?」
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