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*その後*
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「俺、深月の全部を知りたい。深月の全部、俺に教えて」
腕の中の明翔の言葉に、以前、明翔に強引に迫ってしまった時の会話が思い出されて真に受けていいのかダメなのか迷う。
明翔のことだから、その気にさせといてそういうつもりじゃないとか言われそう。
何気に軽いトラウマなんだけど。盛んな発言。
「じゃ……じゃあ、とりま俺の赤ちゃん時代から話そうか」
ドキドキして治まらない。
ひとまず落ち着こうとソファに座ると、人が好きなデレが珍しくキャットタワーから動かない。
「俺生まれた時はそこそこ小さかったらしくて、母親がやたらミルク飲ませてなんか健診行ったら周りの子より一回り大きかったんだって」
「へえー、赤ちゃんの頃からデカかったんだ」
明翔がニコニコ話を聞いている。
あ、やっぱこっち? 俺の生い立ちを知りたかったのね。
違うだろ、とでも言うように背中にトンッと四つ足のツッコミが入る。
ナア、と鳴き声が聞こえた。
やっぱりツンはかわいくない。
テンパってる中での不意打ちにバランスを崩して明翔に覆いかぶさってしまった。
これじゃ俺が襲ってるみたいじゃん!
「ごめん! ツンが」
慌てて体を起こそうと腕を突っ張る。
明翔がその腕をつかんで俺を見上げる。
「深月の全部、教えてくんないの?」
「明翔……」
「俺、自分の好きが大きいから深月は俺がどんだけ深月のこと好きか分かってないって思い込んでた。分かってなかったのは俺の方かもしんない。深月、俺のこと大好きじゃん」
……だから、そう言ってんじゃん。
何、今さら……。
「めっちゃ笑うね。そんなにやりたかったの」
「違う! お前が俺と同じ気持ちになってくれたのが嬉しい。俺の思いがやっと伝わったのが嬉しい。俺ばっかりって温度差感じてたから」
「こんなに深月が好きなのに俺ばっかりって、どんだけ俺のこと好きなの」
嬉しい。
そうだよ。めちゃくちゃ好き。
「俺のことお前って言うの珍しいね」
「そう? 俺結構言うと思うけど」
「俺にはあんま言わない」
キスしながらワイシャツの中に手を入れた。
初めて明翔の素肌に触れて、背骨に触れて、こんな痩せてたんだって知った。
「うわ、指先冷たい」
「え。そう?」
「うん。深月、手ぇぬっくいのにびっくりした」
そんなことでびっくりするんだ。
新鮮なリアクションがかわいい。
明翔の首筋に口をつける。
「あはは! そここそばいよー。深月も」
無邪気に明翔がやり返してくる。
う……うん、かわいいよ。3歳児みたいで。
「なんか緊張してきた」
明翔の唇の柔らかみと耳元で聞こえる声にゾクゾクする。
「怖かったら言えよ。無理しなくていいから」
「怖い。やめて」
「え」
自分でも社交辞令というか、緊張をほぐしたいだけで全然本音じゃなかったと思い知らされる。
まじでか、明翔。
「嘘。嬉しい」
……コイツはどこまで俺を振り回す気だ……。
いや、これくらいでめげてたら明翔とは付き合えない。
俺は負けない。
「うわっ。そんなとこ触んの。ビビるー。えー、触り方やらしすぎん? おー、すげえ器用。指つりそうな動き」
「いちいち感想言うのやめてくれる? やりにくいわ」
早くも心が折れそう。
なんでこんなしゃべんの、明翔。
「深月が変なとこばっか触るからびっくりしちゃって。次どこ触るか先に言ってよ」
「何だよ、その特殊なの……どこ触るかなんかだいたい分かんだろ」
「分かんない。俺、深月と違ってたらしってないんで」
「俺もたらしってはねえわ。国宝級腐女子に英才教育されてるくせによう言うたな」
「だって、漫画読むだけじゃこんなに体が熱いことも分かんないんだよ」
明翔が腕を伸ばして俺の左胸に手のひらをあてる。
「うわ、めっちゃ鼓動速い」
「やめろ。俺もド緊張してるんで」
「高速道路走ってるハーレーみたい」
「理解が追いつかない例えすんな」
恥ずかしいわ。
明翔の手を引っぺがすと、グイッと抱き寄せられる。
「深月。めっちゃ好き」
「おまっ……なんでこんなタイミングで」
耐えきれない。とりあえず背もたれにでも顔うずめたい。
めちゃくちゃに腕を振り回すも、完全にさばかれて明翔がしがみついてくる。
この身体能力オバケが……。
開き直って力いっぱい抱きしめた。
もういいや。心臓ハーレーなのバレたし。
「覚悟しろよ、寝かさねえからな。今日泊ってけ」
「そのつもりでさっき家寄った時に着替え持ってきた。深月の服デカいんだもん」
「荷物置きに帰ったんじゃなかったのかよ……」
だが残念、明翔さん。
ブカブカの俺の服着てる明翔が見たいから、その着替えは出番ありません。
腕の中の明翔の言葉に、以前、明翔に強引に迫ってしまった時の会話が思い出されて真に受けていいのかダメなのか迷う。
明翔のことだから、その気にさせといてそういうつもりじゃないとか言われそう。
何気に軽いトラウマなんだけど。盛んな発言。
「じゃ……じゃあ、とりま俺の赤ちゃん時代から話そうか」
ドキドキして治まらない。
ひとまず落ち着こうとソファに座ると、人が好きなデレが珍しくキャットタワーから動かない。
「俺生まれた時はそこそこ小さかったらしくて、母親がやたらミルク飲ませてなんか健診行ったら周りの子より一回り大きかったんだって」
「へえー、赤ちゃんの頃からデカかったんだ」
明翔がニコニコ話を聞いている。
あ、やっぱこっち? 俺の生い立ちを知りたかったのね。
違うだろ、とでも言うように背中にトンッと四つ足のツッコミが入る。
ナア、と鳴き声が聞こえた。
やっぱりツンはかわいくない。
テンパってる中での不意打ちにバランスを崩して明翔に覆いかぶさってしまった。
これじゃ俺が襲ってるみたいじゃん!
「ごめん! ツンが」
慌てて体を起こそうと腕を突っ張る。
明翔がその腕をつかんで俺を見上げる。
「深月の全部、教えてくんないの?」
「明翔……」
「俺、自分の好きが大きいから深月は俺がどんだけ深月のこと好きか分かってないって思い込んでた。分かってなかったのは俺の方かもしんない。深月、俺のこと大好きじゃん」
……だから、そう言ってんじゃん。
何、今さら……。
「めっちゃ笑うね。そんなにやりたかったの」
「違う! お前が俺と同じ気持ちになってくれたのが嬉しい。俺の思いがやっと伝わったのが嬉しい。俺ばっかりって温度差感じてたから」
「こんなに深月が好きなのに俺ばっかりって、どんだけ俺のこと好きなの」
嬉しい。
そうだよ。めちゃくちゃ好き。
「俺のことお前って言うの珍しいね」
「そう? 俺結構言うと思うけど」
「俺にはあんま言わない」
キスしながらワイシャツの中に手を入れた。
初めて明翔の素肌に触れて、背骨に触れて、こんな痩せてたんだって知った。
「うわ、指先冷たい」
「え。そう?」
「うん。深月、手ぇぬっくいのにびっくりした」
そんなことでびっくりするんだ。
新鮮なリアクションがかわいい。
明翔の首筋に口をつける。
「あはは! そここそばいよー。深月も」
無邪気に明翔がやり返してくる。
う……うん、かわいいよ。3歳児みたいで。
「なんか緊張してきた」
明翔の唇の柔らかみと耳元で聞こえる声にゾクゾクする。
「怖かったら言えよ。無理しなくていいから」
「怖い。やめて」
「え」
自分でも社交辞令というか、緊張をほぐしたいだけで全然本音じゃなかったと思い知らされる。
まじでか、明翔。
「嘘。嬉しい」
……コイツはどこまで俺を振り回す気だ……。
いや、これくらいでめげてたら明翔とは付き合えない。
俺は負けない。
「うわっ。そんなとこ触んの。ビビるー。えー、触り方やらしすぎん? おー、すげえ器用。指つりそうな動き」
「いちいち感想言うのやめてくれる? やりにくいわ」
早くも心が折れそう。
なんでこんなしゃべんの、明翔。
「深月が変なとこばっか触るからびっくりしちゃって。次どこ触るか先に言ってよ」
「何だよ、その特殊なの……どこ触るかなんかだいたい分かんだろ」
「分かんない。俺、深月と違ってたらしってないんで」
「俺もたらしってはねえわ。国宝級腐女子に英才教育されてるくせによう言うたな」
「だって、漫画読むだけじゃこんなに体が熱いことも分かんないんだよ」
明翔が腕を伸ばして俺の左胸に手のひらをあてる。
「うわ、めっちゃ鼓動速い」
「やめろ。俺もド緊張してるんで」
「高速道路走ってるハーレーみたい」
「理解が追いつかない例えすんな」
恥ずかしいわ。
明翔の手を引っぺがすと、グイッと抱き寄せられる。
「深月。めっちゃ好き」
「おまっ……なんでこんなタイミングで」
耐えきれない。とりあえず背もたれにでも顔うずめたい。
めちゃくちゃに腕を振り回すも、完全にさばかれて明翔がしがみついてくる。
この身体能力オバケが……。
開き直って力いっぱい抱きしめた。
もういいや。心臓ハーレーなのバレたし。
「覚悟しろよ、寝かさねえからな。今日泊ってけ」
「そのつもりでさっき家寄った時に着替え持ってきた。深月の服デカいんだもん」
「荷物置きに帰ったんじゃなかったのかよ……」
だが残念、明翔さん。
ブカブカの俺の服着てる明翔が見たいから、その着替えは出番ありません。
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