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学園1年生編

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「ロッティ、バジル。最後の確認だよ。
 僕らは今後、今までと同じ生活は送れないだろう。その事…後悔しないね?」


 今僕達は首都に向かう為、ヘルクリスの背に乗り移動中。
 答えは分かりきっているけど…同行している2人に問い掛けた。


「ええ!大丈夫、皆一緒ならどこでも楽しく過ごせるわ!」

「僕もです。と言うより、僕がいないとお2人だけでは危なっかしくて見ていられません!」


 …うん!



「よっし!!!行くぞー!!」

「「おーーー!!!」」





 ※※※





 ゲルシェ先生もついて来てくれると言うので、一緒にファロさんの事務所まで来てもらった。


「…………」

「お兄様、どうしたの?入らないの?」

「いや、その……先生、先に行ってもらえない…?」

「…おう。お前らはここで待ってろ」


 事務所の扉の前。立ち止まる僕を不思議そうに見つめるロッティとバジル。

 前回……の、記憶が…!!忘れろ、僕。忘れろ……!!
 ぐうううう…!!こちとら13歳の乙女やぞコラァ!!?


「あれ…いねえな。どこ行きやがった?」

 いないの?もしかして居住区のほうかな?と思ったら……。



「あっれー、もう来ちゃったん?わり、今支度ちゅー」


「「きゃああああぁぁぁぁ!!!??」」

「なっ、なんですか貴方は!!?」

「あたし?通りすがりの変態でっす」

「てんめえええーーー!!!いい加減にしろっっっ!!!!」


 なんで…また全裸で彷徨いてるんですかね貴方!!?もうやだこの人!僕の妹に変なもん見せないでもらえますう!?
 家のほうから顔を出したファロさんは、全身から水を滴り落としている。
 風呂入ってたんならちゃんと、支度してから出て来てくんないかなあ!?

 僕とロッティは抱き合って顔を真っ赤にして絶叫した。
 そんな僕らを守るように前に立つバジル。どうやらこの2人から、僕は乙女系男子として認定されているらしい。
 ヨミ達精霊は、「またか…」的な感じで無反応。助けてくれてもいいんだよ!?

 先生は僕らの悲鳴を聞きつけ、事務所から飛び出して来た。
 そのままファロさんを家の中に蹴り入れ…


「………すまん。あれが便利屋だ…」

「あ、あの方が…?その、先生。失礼ながら…あの」

「みなまで言うな、リオ。分かってるから…あれでも腕は確かだから…」


 あ、そっか。この2人は教会の僕の誕生日パーティーに参加してないから、ファロさんは初対面か。写真にもロクに写ってなかったし。




「はーい、便利屋さんでそこのオーバンの親友、ジャン=バティスト・ファロだよ。
 お初の少年少女、よっろしくう」

「………シャルロット・ラサーニュと申しますわ」

「バジル・リオです…」

 ファロさんは髪をタオルで拭きながら現れた。現在ラフな部屋着だが、最初からその格好で対応して欲しかったな?


 そして促されるままに事務所に入る。ロッティの警戒心はマックスで、僕の腕を離そうとしない。ファロさんを睨み付け、常に僕より一歩前にいる。
 あれっ、僕兄としてどうなのそれ?


「あやー、おね…じゃないか。おにーちゃんと違って、勇ましい獅子みたいな子だね。強そー。
 そっちの坊主はイタチっぽい。可愛い顔して凶暴~。ジャンお兄さん怖くないよー」


 ファロさんは一切ペースを崩さない。そんな彼の姿に…2人も拍子抜けしたのか、少しだけ警戒を解いた。


「はいはい、座ってー。あ、セレスタンちゃん。シグニ元気してる?」

「はい。今は僕の部屋で留守番中です」

「そかそか。さ、どーぞ」

 ファロさんはしゃべりながらも手早くお茶を淹れてくれた。


「…美味しい…」

 ロッティが呟く。でしょ?美味しいよね、この人のお茶。

「お褒めにあずかり光栄です。ちょっと拘り持ってんのよ。
 んじゃ…お話、いいかね?」



 少し落ち着いたところで…本題に入る。
 さっきまでと違い、ファロさんの雰囲気も変わった。
 僕とロッティがソファーに座り、先生とバジルは横に立っている。


「それで…どうでしたか?」

「結果から言うと…クロもいいとこ、いやあ出るわ出るわ…これ見てみ」

「多っ!!?」

 ファロさんは後ろから、ドサっと大量の資料を出した。
 その重さに、反動でちょびっとカップが浮いたほど。


「こっちは横領。で、違法賭博。怪しげな買い物もいくつか。ちょっとやべーモンとか買ってるから…それはそっちに纏めてある。
 そんでラサーニュ領の他の共犯者は6人。こいつらの罪状はこっちね。
 共犯者のうち、2人は家族も共犯。一家纏めて処罰の対象だね」

 うええ…とても目を通しきれん…!!先生も手伝ってくれて、4人で確認する。分かりやすく纏めてくれてあるから、なんとか助かってるけど…!


「……このドレス。私が誕生日で着たものね…」

「…あ」

 それだけじゃない…今までロッティに贈られたドレス、アクセサリー等…横領した金で購入したと思われる品物リストが。
 それを見たロッティは…久しぶりに見る滅国モードに…!!


「………今までのドレスやアクセサリー、無駄に高い家具なんかは全部売ってしまいましょう。それで少しでも、被害への補填にしましょ」

「…うん」


 ………僕の目がおかしくなければ。ロッティがスーパー◯イヤ人のように…全身からオーラ的な何かを発している……!!!
 しかもなんか、画風変わってない?恋愛ファンタジー漫画の主人公なのに、劇画タッチになっちゃってない??
「破ッッッ!!!」とか言って、気合だけでこの建物吹っ飛ばせそうじゃない???

 隣に座る僕は逃げられないが、バジルと先生はすでに避難してるし、ファロさんもいつでも逃げられるよう構えている。ちくしょう、せめて1人だけでも道連れにしてやる…!!



「…落ち着いて、ね?」

「…ごめんなさい、お兄様。少し取り乱したわ。
 ではファロ様、続きを」

 よかった、いつもの美少女に戻った…というか萎んだ…。


「あ…うん(怖え~…セレスタンちゃん、猛獣使いだったか…)。
 うーんと、確認出来る一番古いのは6年前の違法オークションかねー。
 こーいうのって記録とか残さねえの多いから、ちと骨折れたわ。

 とは言え、我ながら完璧ぃ!これ持ってきゃ裁判も意味ねーわ。だーれも弁護なんて出来ねーぞ。もしこれ覆されたら、もうこの国終わりだっつーハナシ」

「ところで…通報って、どこにすればいいんですか?騎士団?」

「そだね~…司法省かな。そこで調査してもらって、必要なら騎士団に通報が行くよ。
 あたしのサイン書いとくからー、オーバン持ってってやれー」

「おう」



 ……これで、全部終わる。

 手が、震える…。怖い訳では無い。武者震い…?なんてね。
 その手を、ロッティが上から重ねてくれた。そして何も言わず、にっこりと笑う。


「…よし…!!
 ファロさん、本当にありがとうございました。でも僕、お礼すらまともに…」

「あ、いーの。オーバンに再就職先斡旋してもらうしー」

「へ?え、便利屋さん辞めちゃうんですか!?」

 なんで!!?僕のせい…では無いだろうけど!


「いやあ、元々趣味でやってた仕事だし。あたしゃ楽しけりゃなんでもいーんだわ。
 んで、もーっと面白そうでやり甲斐のある仕事みっけたから。
 ちなみにこの建物はあたしの持ち家だからさー、今後君らも好きに使っていーよ」

 そうなの!?確かにこのビル(仮)の中で、他に人見かけなかったけど!
 全裸で廊下出ていいの!?と思ったけど!!自分ちなら納得…。



「さ、もう行きな。健闘を祈ってんぜ」


「…はい!!」

「ありがとうございました」

「サンキュ」




 こうしてファロさんの事務所を後にする。
 僕は証拠資料を握り締め…前を向く。


「先生…本当に、ありがとう。僕達だけでは、ここまで用意出来ませんでした。
 ただの教師と生徒のはずだったのに…本当に、先生が僕達のお父さんだったら良かったのに…」

「お兄様…」

「坊ちゃん…」

 先生はそんな僕の頭をぽんと叩いた。


「…泣くのはまだ早え。それにな…これも縁ってやつだ。行くぞ」

「「「……はい!!」」」



 ※※※



 さて。皇宮までやって来ましたが…えっと、今まで誰かに案内されるがままだったから…司法省って、ドコ?

 と、僕らが戸惑っていたら…先生がスタスタ歩いて行く!?えええ、ちょっと!躊躇いなく門番さんに突撃ですか!!


「おい」

「はい……はいっ!!?こ、皇弟で」

「しっ!!今はそれを出すな…!」

「かしこまりました!!」

 …んん?門番さんがピシっと敬礼してる。
 んで…あっさり門開いちゃった!?ちょっと、用件とか身分の確認は!?

「行くぞ」

「え、うん…」

 そういえば…僕、先生の事あまり知らないな…。
 ゲルシェなんて家名聞いた事ないから…高位貴族ではないと思ってたんだけど…。

「ねえ2人共…ゲルシェ先生って、何者なんだろう…?」

「分からないわ…」

「僕もです…」

 とりあえず今は、先生の後ろをついて行く僕らであった。






「お待たせ致しました、ゲルシェ様。どうぞお掛けください」

「今日の用件は俺じゃなく、こっちの子供達だ」

「よろしくお願いします」

 その後僕らは、明らかにVIPな応接間に通された。こんな場所、一生縁が無いと思ってたわ。
 担当と思われる文官さんは戸惑い、僕らを見る。


「失礼致しました。それではどうぞお掛けください」

「ありがとうございます」

 僕とロッティがまた座り、バジルは横に控える。
 …これで終わりだクソ親父…!!

 
「僕はラサーニュ家が長男、セレスタンと申します。本日はお時間を割いて頂き感謝致します」

「シャルロット・ラサーニュです」

「ラサーニュ…私は担当させていただきます、メシャンと申します。では、ご用件をお聞きします」

 お、キリっとした。多分僕が精霊姫(不本意だが)だって気付いたんだな。
 僕達は大事に持っていた資料を差し出す。量が多いので、先生とバジルと3人で分けて持って来た。

「まずはこちらをご覧頂きたく存じます」

「では失礼して、拝見します。
 ……これは」

 文官さんの顔色が変わった。

「…ご覧の通り、そちらは我が父であるラサーニュ伯爵の不正行為について纏めた資料でございます」

「はい…しかもこのサイン、ファロ様ですね。
 ではこちらの資料の信憑性は非常に高いものとなります…」


 ……先生もあの人も、ナニモンなの?

 文官さんは少し調べる必要があるので、預かりたいと言ってきた。
 念の為コピーは別にあって、ファロさんが保管してくれている。だから手放しても問題はない。
 あんだけの資料を全部確認するには…そりゃ人手と時間も掛かるわな。


 彼に資料を託し…僕らは一旦帰る事に。いつ連絡来るのかな…首都で待機してようかな。

 と、そんな事を考えながら廊下を歩いていたら、先生が立ち止まった。


「俺はちと用事がある。お前ら先に帰れ。
 連絡は俺に寄越すよう言ってあるから…多分、明日にゃ来るだろ」

 用事…?皇宮で?
 普段なら「なんの用事?」と聞きたいところだが…


「…うん、分かった。お願いね、先生!」

 今は何も聞かず、帰ろう。先生もフッと笑ったから、きっとそれが正しいんだろう。
 僕達は出口に向かい、先生は踵を返す。

 あとは…連絡を待つのみ!




 ※




 皇宮の広い廊下を、ゲルシェは歩いていた。
 彼の正体を知る者は、即座に端に寄り頭を下げる。それを見た者も、倣って同様に頭を下げた。

「(こーいう扱いが嫌なんだよなー…めんどくせえ)」


 そして彼は、とある部屋の前までやって来た。
 控える騎士が礼を執る。すぐにやめさせ、自分で扉をノックした。


「入れ」

 返事を聞くやいなや、勢いよく扉を開けた。そこには…


「オーバン…皇宮嫌いのお前が、なんの用だ?」

「…そうも言ってられなくなっただけだ、兄貴」


 そこは、現皇帝の執務室。
 皇帝は部屋の中にいた人物を全て下げ、残るは皇帝とゲルシェのみ。


「…15年前に保留にした話の決着を。それと、昔の約束を果たしてもらう」

「15年前…お前が、皇室を抜けた時のか…。約束とは…?」

 ゲルシェはツカツカと部屋の中を歩き、皇帝の机に両手を突いた。


「忘れたとは言わさん。俺が拾った犬の命名権を、あんたに奪われた時だ!
 泣きじゃくる俺に、「一度だけ、なんでも言う事を聞いてあげる」と約束しただろうが!」

「いつの話をしてるんだお前は!
 そもそもお前が犬に「ワンチャン」などという名を付けようとしたから、私が必死に止めてやったんだろうが!」

「うるせえ7歳の頃の話を蒸し返すな!約束は約束だ!!それに結局「ポチ」なんて名付けやがって!!」

「自分で言い出したくせに…相変わらず我儘な弟め。
 それで…保留にした件か。引き受ける気になったのか?」

「ああ…」

 ゲルシェはそう返事をすると、机から手を離し、ゆっくりと下がった。
 そして片膝を突き頭を下げ、右手を握り胸の前にあて、臣下の礼を執った。



「皇帝陛下にオーバン・ゲルシェが申し上げます。
 我が願い…聞き入れて頂きたく存じます」

「…顔を上げなさい。して、願いとは?」


 ゲルシェはすっと立ち上がる。そして——…



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