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第17章 どうやら魔王は兄妹のようです。

決着の崩壊

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 あれからどれくらいの時間が経過しただろうか。妖魔王の妹が唱えた魔法により、周囲が光に呑まれて……それから……。
パッと目を見開く。
もちろん、朝日が昇っているような美しい景色を見たわけではない。
時間が経過したのは一瞬だと勘違いしていたのかもしれない。目の前の光景が一瞬で行われた光景ではなかった。
宙に浮いていた。宙に落ちていた。空へ空へと落ちていた。
遥か頭の上に魔王城の外壁が落ちてくる。
足元を見ると、そこは魔王城の床だった場所の瓦礫であった。

「これはいったい……?」

そう言うしかなかった。
普段ならあり得ない。重力の逆転した世界に俺は立っているのだから。
どんどん空へと瓦礫が落ちていく。魔王城の原型をジワジワと失いながら、瓦礫がどんどん崩壊のごとく空へと落ちていく。
魔王城はその重力にギリギリで耐えていたが、既に崩壊は始まり、屋根の部分が全壊していた。
理由など明らかだ。
妖魔王の妹が直前に放っていた魔法の仕業だ。
それ以外にこんな天地崩壊の様子を見ることなどあるものか。
存在を思い出したかのようにあわてて周囲を見渡す。
すると、奴らはすぐに見つかった。

「「おお、生きていたか」」などと呑気なことを言いながら、彼らは瓦礫に立っている。

「お前の仕業なんだな。今すぐにこの魔法を解かないとお前も……」

このまま、この星から追放される。無限の宇宙へと肉体が放り出されてしまう。
俺も妖魔王も……。このままでは、2組とも死んでしまう。

「「うん、いずれこの魔法は解けるわ。
あなたを瓦礫で押し潰さなければ意味がないからね~。鍵を奪うにはこの手くらいしか……」」

妖魔王の妹の方がその返答を返した。
彼らも自分達ごと宇宙へと放り出す気はないらしい。
そもそも、俺の肉体自体を潰すという考えに至ったのだ。虫に食われていたことから、その作戦を思い付いたのかもしれない。肉体が少しでも残っていれば復活する能力であれば、肉体を残さなければよいのだ。
治さなければならない体が存在しなければ、不老不死でも生きれないのだから。

「「解除まであと、1分といったところかな? 我が妹よ。その後は我に任せろ。お前は瓦礫に潰されないように自分の身を案じればよいのだ」」

妖魔王の兄だけが戦うつもりなのだろうか。

「妹の方は戦わないのか?」

よく見ると、妖魔王の妹は兄とは違い、瓦礫に腰かけて、呼吸も速くなっている。
彼女は明らかに体力を消耗していたため、代わりに兄が口を開く。

「「この魔法は禁断の魔法でね。天地逆転の禁忌なんだ。魔力消費量も異常の奥の手さ。これを唱えれば我が妹はしばらく戦闘不能になる。それほど、力を使う物なんだよ」」

「なら、なんでそんな魔法を……?」

「「それは、単に君を敵視しているからだ。怪我を負わせられるのも我(妾)らには久しぶりでね。そんな相手には本気の本気で潰しておかなきゃだろ?」」

「つまり、最終決戦のようなものか?」

「「そう言ってくれるとありがたいけどね。君は地面に激突した以降も戦うかもしれないからね。できれば、落ちていく間に速めに君の息の根を止めておきたい。我(妾)らとしては君は危険だからね」」

落ちていく間に戦う。
そんな戦闘技術が出来るものなら、教えてほしいものだが、今の俺はルイトボルトという神様の羽化前である。
そういうことをしようと思えばできるのかもしれない。
妖魔王との戦闘は避けることができないのは明らか。
彼がそんな状況でも向かってくるのなら、俺はそれに答えるように全力を尽くすしかないのである。

「────そうか、分かった。悪いな。質問攻めで時間使っちまって……」

俺が落ちている間に決着をつけようというのなら、俺も落ちていく間に決着をつけてしまいたい。
あと数分だと言っていたし、そろそろ覚悟を決めないと……。
そう思って俺は五円ソードを握る。

「構わないさ。どうせ、準備体操はいらないからね」

妖魔王の兄もまた両剣を握り、その背中に妹を隠す。
そして、時は来た。
瓦礫の上昇が止まる。一瞬、ごくわずかな時間だが、全ての瓦礫が落ちるのをやめる。
それは認知できないほどに短い一瞬であった。
そして、そこから急速的に重力を取り戻した瓦礫たちは元の地面に戻るために落ちる。
それが再戦の合図であった。



 お互いに瓦礫を蹴り跳ぶ。
この戦いは3分間の間にどれだけ決着をつけるのが速くなるかの戦い。
剣を振り上げ、その肉体に向けて振り下ろす。
それを防ぐかのように相手の刃が刃にぶつかる。
そして、剣と剣を互いに押し付けあった反動で、肉体が後方へと押し出された。
当然である。我々は今落ちているのだ。そのまま、頭を地面の方向へと向けたまま、まっ逆さまに堕ちていく。
妖魔王の兄の方は押し飛ばされた反動で側にあった瓦礫の固まりに激突しているようだった。しかし、彼は瓦礫の一部分をつかみ、片手だけの力で瓦礫の上に上がる。
その結果、俺とは体の向きが逆方向になり、本来の体勢に戻っていた。(ちなみに、妖魔王の妹は魔法が解ける前に瓦礫の上に体勢を立て直している)。
これでは妖魔王にとっては絶好の的。
うまく立てていない空中にいる状態の俺には不利な状況である。
しかし、妖魔王の兄が乗ったためか。
彼の立っている瓦礫に重さが加わり、落ちる速度が上がって俺よりも下へと落ちていく。
その隙に俺は上から落ちてきた瓦礫に足をつけることができ、そのまま走って別の瓦礫に移る。
背中からの棒高跳びのような方法で体勢を立て直した。
ホッと安心したのもつかの間。
俺の着地した瓦礫が半分に砕ける。
俺が乗ったからではない。この瓦礫よりも下から何者かが攻撃を仕掛けてきたからだ。
下からの激しい一太刀に半分の瓦礫は重力に逆らって上へと吹き飛ぶ。
その隙間に代わって入るように、下から姿を現したのは妖魔王の兄であった。
その姿に慌てて、俺が殴りかかかろうと拳を突き出した瞬間!!
ガッシリと俺の拳が妖魔王に掴まれる。
何も技を使っていない普通の拳。
ルイトボルトの羽化前になって身体能力も上がったとは思ったのだが……。
やはり、魔王には届かなかった。
妖魔王はそのまま俺の拳を掴み、振り投げ返りながら飛ばす。
俺の体は再び宙を舞い、20mほど離れた場所に落ちていった瓦礫に激突。
だが、その程度の攻撃はどうってことない。
俺は崩れてしまった瓦礫に目を向けることなく。別の瓦礫に着地した。
その場から見ると、妖魔王の姿は瓦礫に隠されて見えなくなってしまった。
この隙に、どこかの瓦礫に隠れて少しでも機をうかがおうとするのだが……。
目の前で妖魔王との間を隔てていた瓦礫に赤く高温の斬り込みが入り、瓦礫は2つに分かれてしまった。
切り口には溶岩のような液体がドロドロと熱を持ってついている。
それもそのはず、その妖魔王の剣はマグマのように赤く輝き、これまでの両刀とは違っていたからだ。



 瓦礫を蹴りあげておもいっきり、その場から離れる。自分でもなぜこれほどまでの速さで動けているのか不思議である。ジワジワとルイトボルトという神の力が溢れているという証明だろうか。人間や付喪人の時とは違う。その速さは神速のように瓦礫から瓦礫へと移動していた。
逃げ腰になったわけではない。
妖魔王がマグマのような両刀を構えているからだ。
奴の的になってあの攻撃を受けてしまうのはまずいかもしれないと脳が判断していたからだ。
距離を取りつつ、攻撃でも加えていかなければという作戦を俺は行っているのだ。
しかし、妖魔王もまたその対策というように俺の姿が現れたと思った瞬間にマグマのような赤い両刀から衝撃波を発射することで遠距離からでもジワジワと瓦礫を減らしていく。
赤い切り口で斬れた瓦礫は少しずつ小さくなっていく。
このままでは妖魔王の側以外に足場がなくなってしまう。
ならばと、俺は勢いよく瓦礫を蹴りあげて妖魔王に向かって一筋の弾丸のように向かっていった。
脚力に重力が重なり、妖魔王は両刀からマグマのような熱い液体を飛ばす暇もなく。
俺は彼の背後に着地する。
それを目で追っていた妖魔王の兄へと拳の一撃。
拳は妖魔王のほほに当たり、そのまま瓦礫から殴り飛ばされる。
そして、10m先にある瓦礫に体をおもいっきりぶつけてしまったようだ。
それを見届けて、俺は再び瓦礫から瓦礫へと神速で移動する。
身体が軽い。脚が軽い。重さを感じない。限界を感じない。
隠れては攻め、隠れては攻めの繰り返しである。
幸いにも無数の瓦礫が俺たちの距離まで落ちてきたので、それに隠れながら妖魔王への攻撃の隙を伺う。妖魔王の兄との距離は30m。
妖魔王が自分の周囲である10m付近の瓦礫を横凪ぎに破壊しているが、それは全く無意味であった。
草むらから飛び出す肉食動物のように何度も何度も機会を伺いながら、俺は10円を投げつける。遠距離からの暗殺作戦。
投げつけた10円は弾丸どころか。大砲のような破壊を妖魔王へと与える。
しかし、妖魔王はその威力を瓦礫で学ぶとすぐに2発目3発目も両刀で切断してしまった。
さらに俺の居場所もバレてしまった。
妖魔王の兄は10円玉が飛んできた方向にある瓦礫向かってマグマのような衝撃波を飛ばす。
マグマのような赤い衝撃波は触れた瓦礫を吹き飛ばす。
そして、盾のように身体を隠していた瓦礫もその影響で全壊。
完全に隠れていた場所がバレてしまった。
そこへと放たれる衝撃波。
慌てて、その場から離れようと足を動かすのだが。
衝撃波は俺が神速で隠れた瞬間に瓦礫を破壊。
その瓦礫の破片が背中に突き刺さる。
「痛ッ」と思う暇もなく。俺の体は瓦礫と共に吹き飛ばされて、遥か下の方にある瓦礫まで落ちていった。



 妖魔王の兄は俺の肉体が下へと落ちていったのをその目で確認すると、墜落していった俺にトドメを指すために彼は下へと移動する。
1つ1つの瓦礫の上をピョンピョンとバランスを崩すことなく。降りていく。
墜落した方向の先にある大きな瓦礫へと向かうために妖魔王の兄は両刀を持ちながら、どんどん下へと降りる。
その時!!
何かの違和感を覚えた妖魔王の兄が上を見上げたその時!!

「ウオオオオオ!!!『10円パンチ』!!!!!」

流れ星のような速さで上空から拳を握りしめて向かってくる者が1人。
妖魔王はいまだに瓦礫の側で動けなくなっている俺を想像していたようだが……。
あの瓦礫に墜落した瞬間に俺は既にそこから移動していたことに気づかなかったようだ。

「なッ!?」

その声に上を見上げる妖魔王の兄。
空気との摩擦で発火しそうな勢いのまま、俺は妖魔王めがけて、神速の速さで落ちていくと……。
今度は逆に妖魔王の兄の方が勢いよく瓦礫に向かって殴り飛ばされたのである。



 妖魔王の体は分厚い瓦礫を3個ほど貫通しながら落ちていった。
そして、彼はほんの数秒の間、痙攣を起こしたかのように身体が起き上がれなくなっていたがゆっくりと立ち上がり、宙で落ちていく俺を見る。
その隙を待っていた。
その数秒を俺は待っていたのだ。妖魔王がなにもできなくなる数秒のために、俺はアレを使う作戦を堪えていたのだから。
今、それを行うときが来たのである。

「『買』…………」

脳の中に大量の品物の商品が浮かび上がる。
百や千ではない。この世に産み出されたあらゆる全ての商品情報が俺の脳に直接流れてくる。
情報がどんどん上乗せされていく。
俺という情報が押し潰されていく。
俺の俺であるための情報が、新しい情報に押し潰されていく。俺が……。俺が……。俺が……。
データの消えて初期化したパソコンのように俺という意識はパチンッと消えた…………。

「………………」

黒く暗い闇の中。そして、商品の中で……。
俺は埋もれていた。どうすればここから出ていけるのか分からず。俺は商品の山を掻き分けていった。けれど、一向に外への光は見えない。
あいつもこの無数の知識に埋もれた経験があるのだろうか。この無数の知識に押し潰されながらも、あいつは生還したのだろうか。
掻き分けて進む度に上からの負荷が加わり、動きづらくなっていく。埋もれていく。
けれど、その腕を止めることはない。方向がわからなくなっても諦めずに動く。俺はあいつを越えなければならない。
もがく。つぶれそうになりながらも上だと思う方向へと歩く。
商品を掻き分けて、土を掘るように前へ前へ……。
その時、俺の頭上に穴が開き、片腕が俺に向かって伸ばされた。
あいつの腕……。
あの戦いで信念をぶつけ合ったあいつの腕だ。
その腕が「早く掴め!!」と言わんばかりに俺に向かって伸びている。

「─────ああ、その腕使わせてもらうぜ!!」

俺は商品の山の中で彼によって伸ばされた腕を掴んだ。





 戻ってきた……。
そう言うと、俺は金剛から貰っていた小銭の袋の口を開ける。
中には一枚も減っていない大量の小銭。
その小銭の束は言葉を発したお陰で、金剛のように虚空へと消えていく。
そして、その代わりに手にしたこの力。
金剛とは違う能力を行くはずだった俺が1度だけその能力を使うのである。
金剛と同じお金の付喪人である俺が、彼の力をお借りするのである。
腕を前に向けて大きな魔方陣を構える。
位置はギリギリで固定しなければ、妖魔王に避けられる可能性もあるからまだ指定はできない。
一方で、妖魔王の兄は両刀を構えている。
今までよりも赤黒くうねっている両刀の模様。
火山のように今にも噴火しそうなマグマのように赤い両刀はジワジワとまばゆく光る。
それは両刀に流れる膨大であり強大な魔力の流れ。
妖魔王の妹が兄の両刀に向かって魔力を与えているのだろうか。
妖魔王は両刀を構え、俺は腕を前に出す。
そして、二人の最終必殺技は放たれた。

「『ラグナロク』!!!!」
「『世界樹の頂を落とす剣(レーヴァテイン)』」

それは太陽よりも白く世界を包み込む光。
この星に刻まれるほどの大きな魔力同士のぶつかり合い。
空をまばゆい光の白に染め上げ、眼球は周囲を確認することを放棄してしまった。
大地が悲鳴をあげるほどの揺れを発生させ、狂ったように轟音は鳴り響く。
ただ、確かなことは2つの巨大な魔力のぶつかり合いによって全ての瓦礫が塵と化しながら落ちていくこと。
どちらの技が先に決まったかは分からない。




 3つの肉片が天井のポッカリと空いた魔王城の中へと墜落する。
2つの兄妹はいまだに人の形を保ってはいたが、受け身をとる力もなく床に落ちた。
肉片と化した体は地面に落ちてベチャッとトマトのように飛び散ったが。
鍵を口に隠した状態での即死だったためか。ルイトボルトの再生能力がすさまじく成長していたためか。
30秒ほどでもとの肉体へと再生した。
しかし、妖魔王とは違って俺はまだ立ち上がれるほど体力が戻ってはいない。
妖魔王はお互いに支え合いながら、ゆっくりと立ち上がっている。
2人の兄妹からの視線。既に勝敗は決まったかのように彼らは俺を見つめてくる。
その向けられた視線に俺は悔しくなり、ただ彼らを見ることしかできなかった。
妖魔王は歩き出す。「この戦いで勝利したのは自分だ」とでも言い張るような態度で、俺に向かって歩いてくる。正しいのは自分達であったと願望の正しさを訴えるように俺に向かってゆっくりと歩いてくる。
しかし、彼らが2歩歩いた時である。
それは俺の目の前で行われた。

「「………………ゴハッ…………!?!?!?」」

兄妹2人の腹部に突き刺された二本の剣。
彼らの後ろから一突きで刃が貫通している。
その刃からは幼い2人の兄妹の生き血が床へとポタリポタリと落ちていく。
────そこで俺は知った。
妖魔王との戦いは最終決戦ではなかった。本当の黒幕は……初めから妖魔王ではなくあいつだったのである。
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