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第8章 どうやらエトナとセンテネルは謀叛と悪逆のようです。
意思を継ぐセンテネル
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森の出口へと必死に走る者。
もはや、センテネルはこの二人を相手にする気が無いようだ。
もちろん向かうのはエトナのいる場所である。
エトナは今までにいくつもの国を蟲で襲い、制圧してきたのだ。
国潰しのエトナという異名を付けられて恐れられてきたのだ。
エトナなら、あの3人を倒してくれる。
センテネルは期待を込めてエトナを頼ることにしたのだ。
もうすぐ、もうすぐ、もうすぐ。
森の出口まではあと数メートル。
「先輩助けてくださ……………」
森から脱け出したセンテネルは異様な光景を目にした。
目の前にいたのはエトナである。
しかし、普通ではなかった。
口から血を吐いていたのだ。
「センテ…ネル…?」
エトナはセンテネルを見る。
センテネルはその場かあら動くことができない。
エトナの体に刺さっているのは、さきほどの槍。
センテネルが避けて、どこかへと飛んでいった槍。
「俺は勝てた。これさえなければ…。おい、蟲たちどこに行くんだ。まだ…終わって…な………い……ぞ……」
そう言いながらエトナは地面に倒れてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁ。先輩ィィィィ。私のせいです。私があの時、槍の威力を舐めてかからなければ」
センテネルはその場に崩れ落ちるように膝をつく。
その様子に死神さんも妙義も言葉が出なかった。
「先輩…。私が保証します。あなたは天国に行ける。神のご加護があります」
仮面の中では涙が止まっていないのだろう。
しかし、そう言って落ち着くと、センテネルは涙を堪えながら立ち上がる。
「先輩。もう良いですよね。王女の体はもういらないですよね。全員殺します」
センテネルは今までにない程の殺気を出している。
その頃、
「なんだ? 蟲たちが退いていくぞ」
「あっ、真ルイボルト教の奴らも倒れていく」
「勝ったのか? 俺達?」
馬車達の先頭で戦っていた護衛隊達は、突然の戦況の変化に戸惑っていた。
「なんだよ。俺達なら余裕だったな。所詮、蟲だぜ」
その中の一人がそう言った瞬間である。
そいつは首と胴体が引きちぎられた。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
パニックになる護衛隊達。
「落ち着け。周囲を警戒しろ」
そう言いながら落ち着かせようとする者もいたのだ。
だが、その声も彼らには届かない。
セロハンテープは透明なので死に様もハッキリと分かってしまう。
それがさらにパニックを生んでいくのだ。
「お前。何やってるんだ!!!」
妙義はセンテネルに斬りかかる。
しかし、斬り終わる事はなかった。
またもや空中で止まってしまうのだ。
「どうでしたか? 見てたんですよね。
死に方はどうでした? 血の飛び方、顔の表情」
「怖ッ。あと、私は蟲に殺されかけていたから見てないぞ」
妙義はセンテネルを汚物を見るような目で見つめた。
「すみません。流石に私もフォローできないです」
死神さんもセンテネルを引いている目で見つめた。
その後、センテネルはセロハンテープを操りながらも妙義と死神さんと戦っている。
2対1の戦いだが、センテネルは全く不利な状況でないように見える。
妙義は剣を振ってセロハンテープを、次々と交わしながら斬り刻んでいく。
死神さんは大鎌を使い、襲いかかってくるセロハンテープを刻んでいった。
「勝利 勝算 優勝。勝ちは決まったのです。なのに…なのになのになのにィィ。何故、諦めないのですか。楽に死なせてあげるのに…。何故、抵抗するのです」
センテネルには分からなかった。
彼女らはセロハンテープから身を守るのが精一杯なはずなのに……。
攻撃する隙すら与えていないのに……。
彼女らが諦めずに、心が折れずに立ち向かってくる理由が分からないのだ。
そんな事を考えているセンテネルに妙義はどんどん近づいていく。
「おゥらァァァ」
妙義は気合いを込めて、センテネルに斬りかかった。
剣は振り下ろされ、その衝撃でセンテネルの体は飛ばされる。
「──うわぁぁぁぁ? 痛くない?」
「そんな…こんなことって」
確かに手応えはあったのだ。
しかし、斬られたのはセンテネルでは無い。
なんと、センテネルを守るように蟲が飛んでいたのだ。
「まっ…まさか。まさか、そんな…。奇跡 幸運 運命 最高 これは…」
センテネルはとある方向を向く。
そこには蟲に襲われて亡くなってしまった男の死体があった。
「苗木にしたんですね。使えなくなったゴスロリ幼女の体を捨てて、その男の体を使ったんですね」
センテネルのテンションが上がっていく。
「一人でもやれてるじゃねぇか。センテネル。
流石だぞ、お前はもっと自信を持つべきだ。
そうすればお前は強いんだからよ」
死体はゆっくりと立ち上がる。
「先輩ィィィィィィィィ」
もはや、センテネルはこの二人を相手にする気が無いようだ。
もちろん向かうのはエトナのいる場所である。
エトナは今までにいくつもの国を蟲で襲い、制圧してきたのだ。
国潰しのエトナという異名を付けられて恐れられてきたのだ。
エトナなら、あの3人を倒してくれる。
センテネルは期待を込めてエトナを頼ることにしたのだ。
もうすぐ、もうすぐ、もうすぐ。
森の出口まではあと数メートル。
「先輩助けてくださ……………」
森から脱け出したセンテネルは異様な光景を目にした。
目の前にいたのはエトナである。
しかし、普通ではなかった。
口から血を吐いていたのだ。
「センテ…ネル…?」
エトナはセンテネルを見る。
センテネルはその場かあら動くことができない。
エトナの体に刺さっているのは、さきほどの槍。
センテネルが避けて、どこかへと飛んでいった槍。
「俺は勝てた。これさえなければ…。おい、蟲たちどこに行くんだ。まだ…終わって…な………い……ぞ……」
そう言いながらエトナは地面に倒れてしまった。
「うわぁぁぁぁぁぁ。先輩ィィィィ。私のせいです。私があの時、槍の威力を舐めてかからなければ」
センテネルはその場に崩れ落ちるように膝をつく。
その様子に死神さんも妙義も言葉が出なかった。
「先輩…。私が保証します。あなたは天国に行ける。神のご加護があります」
仮面の中では涙が止まっていないのだろう。
しかし、そう言って落ち着くと、センテネルは涙を堪えながら立ち上がる。
「先輩。もう良いですよね。王女の体はもういらないですよね。全員殺します」
センテネルは今までにない程の殺気を出している。
その頃、
「なんだ? 蟲たちが退いていくぞ」
「あっ、真ルイボルト教の奴らも倒れていく」
「勝ったのか? 俺達?」
馬車達の先頭で戦っていた護衛隊達は、突然の戦況の変化に戸惑っていた。
「なんだよ。俺達なら余裕だったな。所詮、蟲だぜ」
その中の一人がそう言った瞬間である。
そいつは首と胴体が引きちぎられた。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!」
パニックになる護衛隊達。
「落ち着け。周囲を警戒しろ」
そう言いながら落ち着かせようとする者もいたのだ。
だが、その声も彼らには届かない。
セロハンテープは透明なので死に様もハッキリと分かってしまう。
それがさらにパニックを生んでいくのだ。
「お前。何やってるんだ!!!」
妙義はセンテネルに斬りかかる。
しかし、斬り終わる事はなかった。
またもや空中で止まってしまうのだ。
「どうでしたか? 見てたんですよね。
死に方はどうでした? 血の飛び方、顔の表情」
「怖ッ。あと、私は蟲に殺されかけていたから見てないぞ」
妙義はセンテネルを汚物を見るような目で見つめた。
「すみません。流石に私もフォローできないです」
死神さんもセンテネルを引いている目で見つめた。
その後、センテネルはセロハンテープを操りながらも妙義と死神さんと戦っている。
2対1の戦いだが、センテネルは全く不利な状況でないように見える。
妙義は剣を振ってセロハンテープを、次々と交わしながら斬り刻んでいく。
死神さんは大鎌を使い、襲いかかってくるセロハンテープを刻んでいった。
「勝利 勝算 優勝。勝ちは決まったのです。なのに…なのになのになのにィィ。何故、諦めないのですか。楽に死なせてあげるのに…。何故、抵抗するのです」
センテネルには分からなかった。
彼女らはセロハンテープから身を守るのが精一杯なはずなのに……。
攻撃する隙すら与えていないのに……。
彼女らが諦めずに、心が折れずに立ち向かってくる理由が分からないのだ。
そんな事を考えているセンテネルに妙義はどんどん近づいていく。
「おゥらァァァ」
妙義は気合いを込めて、センテネルに斬りかかった。
剣は振り下ろされ、その衝撃でセンテネルの体は飛ばされる。
「──うわぁぁぁぁ? 痛くない?」
「そんな…こんなことって」
確かに手応えはあったのだ。
しかし、斬られたのはセンテネルでは無い。
なんと、センテネルを守るように蟲が飛んでいたのだ。
「まっ…まさか。まさか、そんな…。奇跡 幸運 運命 最高 これは…」
センテネルはとある方向を向く。
そこには蟲に襲われて亡くなってしまった男の死体があった。
「苗木にしたんですね。使えなくなったゴスロリ幼女の体を捨てて、その男の体を使ったんですね」
センテネルのテンションが上がっていく。
「一人でもやれてるじゃねぇか。センテネル。
流石だぞ、お前はもっと自信を持つべきだ。
そうすればお前は強いんだからよ」
死体はゆっくりと立ち上がる。
「先輩ィィィィィィィィ」
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