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第5章 どうやら王レベルは仕事をしているようです。
王レベル会議 その2
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みんなからの視線に黒が怯えていると、塩見は副会長に向かって意見を述べる。
「なぁ、副会長。それで奴らがブロードピークに関係してるって事か?」
「ああ、あいつらは……」
副会長がそう言いかけた瞬間、塩見は自身の持っていた剣を鞘から抜いて席を立つ。
彼の目付きは先程とは異なり、鋭く殺気だっている。
まさに何か嫌なことが起こる展開だ。
そして、彼はこちらを向いたかと思うと、地面を蹴り瞬間移動のごとき速さで黒に近づくと、その剣先を黒の喉元に向かって突こうとしてきた。
さすが、王レベル。気を緩めずにいた俺には向かわず、気を緩めて油断していた黒を狙ってきたのだ。
「あっ、死んだ……」
その予想もしない速さに黒が死を覚悟したその時。
何者かが塩見の放った突きを弾き返す。
「邪魔だぜ空木。手を出されちゃ困るんだが?
この程度の殺気にも気づかないこの女が悪いんだけど」
攻撃を弾き返された塩見は、怒りを抑えながら、空木に不満を吐いた。
だが、空木も呆れた顔を浮かべながら、塩見に反論する。
「やれやれだ、御前はバカか?」
空木は塩見よりも速い速度で移動し黒を庇ったのだ。
その手にはとても鋭い鉤爪の武器が付いている。
おそらく、その鉤爪で塩見の剣を弾き返したのだろう。
「銀色の狼と呼ばれるお前がなんでこいつらの味方をするんだ? 関係者なら疑うべきだろ?
しかもあの野郎の関係者…………お前も知ってるだろ? 拙者があいつを恨んでいる事くらい」
「それは知ってる。
だから、バカかと聞いたんだ。
疑う時点で人を殺そうとするな。
それに奴の協力者がこんな所に呼ばれると思うのか?」
俺たちの目の前で喧嘩を始める2人。
「「ワハハハハハハハハハハハハハ!!!」」
そして、その光景を大笑いしながら見ている三原と少し笑いを抑えながら見ている副会長以外のメンバー。
どうやらこんな風になるのはいつもの事のようだ。
だが、流石に痺れを切らしたのか。
副会長は大声をあげて2人を注意する。
「やめないか!!お前達!!
会議がまったく進まん。塩見も気持ちは分かるが、空木の言う通りだ。
そんなんだからお前らは勇者連盟に呼ばれないんだぞ!!!」
「「すみません」」
謝った2人は喧嘩をやめて、元の席へと移動していく。
喧嘩は中断。黒も無事だし一安心…なんてならない。黒が油断していたとしてもあいつは俺の仲間を殺そうとしたのだ。
俺は今後も奴の事を許さないだろう。
例え、黒は駄目な奴でも俺の仲間なのだ。
「あわわわわわ………」
ふと、横を見るとあまりの急展開に黒の脳みそがついていけていない。
「はぁ、よかった~。
安心しろ黒。次会った時は俺があいつをぶっ飛ばしてやるからな」
俺は小声で黒にそう呟くと、恨みを込めて塩見をにらみ続けていた。
「さて、話を戻すが、彼らはブロードピークの関係者ではあるが、仲間ではない。
彼らは1度ブロードピークと接触しているのだ」
「「「「…………!?」」」」」
すると、再び全員の視線が俺たちに向けられる。
「もちろん、証拠もある。今日はいないが、生徒会の1人がブロードピークと接触しているんだ。つまり再び奴が行動を起こし始めたということ」
熱心に手に入れた情報について語る副会長であったが。
あいつはもう魔王軍幹部をやめているという情報は手に入れていないようだ。
「その理由は分からん。だが、奴は何回か姿を変えている。だから、私は目撃者として彼らを呼んだのだ」
つまり、俺たちにあいつの特徴とか顔とかを聞くために呼び出したのか。
しかし、あいつの情報を伝える前に1つ確かめておきたい事がある。
「なぁ、悪いんだけど1つ聞かせてくれ。そいつは何者なんだ? 勇者連盟ってなんだ?」
俺は副会長が話を終えたタイミングで手をあげて質問してみる。
すると、質問に答え手あげようと手をあげた者達がいた。
乗鞍と紅葉である。
「いいか? 新人さんよぉ。あいつは恐ろしい奴だ。どれくらい恐ろしいかって言うと筋肉をまったく鍛えない野郎くらい恐ろしい奴だ。
いや、筋肉だと分かりづらいか?
ガハハハハハ!!」
「はいはいはーい~。やいうちの教えていげるね。まずブロードピークっちゆう奴は術ん方法ば広めた悪か奴なん。そいで勇者連盟っちゆうんは付喪連盟っち冒険者連盟ん上に位置しゅる限られとる人材しか入るこつん出来なかちかっぱばり場所なん」
しかし、2人の説明は分かりづらい。さっぱり分からん。
すると、先程の小さな子供である雲仙が2人の代わりに説明してくれるようだ。
「2人とも駄目です。いいですか?新人さん。僕っちの話を聞いてください。
・勇者連盟というのは付喪連盟と冒険者連盟などの選ばれた者が所属できる世界に1つの場所です。世界レベルの依頼や知識を得る事ができます。
だいたい、王レベルの人が行ける場所なんですよ?
だから、王レベルは基本、期生制度的で変わるんです。
・ブロードピークというのは、元ギバーズだった者です。ちなみにギバーズとは付喪人になるための契約を手助けする役職。
ブロードピークはこの出禁されていた方法を白日の元に晒し、強制契約が広まっていきました。
強制契約とは支配力に関係なく強制的に付喪人にする事で、高確率で今後暴走してしまうんです。
結論を言うと奴は“低支配力暴走事件”を引き起こす事となったキッカケであり元凶なんです。」
雲仙が完璧な説明をしてくれたお陰で、2つの疑問を解決することが出来た。
「なるほどな。だったら、協力させてもらうぜ。犯人の顔とかを伝えれば俺たちは帰して貰えるんだな」
それなら協力せざるおえない。
「魔王軍幹部があの程度かよ」とガッカリした所を返り討ちにあった俺だったが。
そこまでの奴だって事なら、負けた事も恥ずかしくない。
すると、大楠は雲仙を褒め称えると同時に塩見に恨みを込めて愚痴を呟いた。
「さすがです付喪連盟の軍師。完璧ですね。いつも喧嘩っ速い(ピー)野郎とは大違いです」
「誰が喧嘩っ速い(ピー)野郎だ? 大楠。
火事と喧嘩は江戸の花だからいいんだよ。
どうした?お前……新入りのこと気に入ってるのか?」
「気に入ってるなんて……口に出させないでください。穢らわしい。ただひれ伏して欲しいだけですよ?」
大楠はそう呟くとこちらを見て欲望に飲まれたような目でニッコリと笑みを浮かべてくる。
まさか、この女性は支配欲が強すぎるのだろうか。
そう考えると俺は自分の身の危険を感じ、少し体が震え始めた。
この2人の間が殺気だっているのだ。
その時、静かにこの様子を見ていた2人の人物が我慢の限界に達したのだろう。
「おい傾奇者達……余興は見事だが、休憩は入れよ。生き物とは休まねば死するのみ。間は何事にも必要だぞ?
それに大楠。貴様の能力は大勢の場所で使うべきではない。下の迷惑も考えろ馬鹿者め」
「そうだ。三原の言う通りだ。落ち着こう。
御前らは自分の事しか考えていないのか?
説明などに任せればいいし、新入りの事など副会長に任せればいい。私情や思い付きで勝手に動くな。見苦しい」
三原と空木の2人からの抗議によって殺気だっていた雰囲気は解消された。
すると、副会長は息を整えて俺たちに声をかけてくる。
「ありがとう2人とも。いいかね?新人君。
見ての通り王レベルというのは会議になるといつも殺気だっている。
彼らにも性格が危険な奴もいるんだ。
でも、実力だけは本物だ。彼らは魔王軍幹部を討伐してきたエリート集団。
幹部を1人討ち取るごとに1日に100人の命を救うんだ。
だが、幹部は交代制で減ることはない。だから、我々は魔王を討伐し世界を平和にしなければならない。それがこの付喪連盟の使命だ。
その心がけを君にも持っていて欲しい」
「「ハイッ!!!」」
俺たちは声をあげて返事をし、副会長を見ると彼はにっこりと笑顔を見せて話を戻す。
「それじゃあ色々と聞かせてもらうよ新人君達」
こうして、俺たちはブロードピークの特徴や人相を数人の前で話し始める。
これが俺と王レベル達との出会いとなったのである。
「なぁ、副会長。それで奴らがブロードピークに関係してるって事か?」
「ああ、あいつらは……」
副会長がそう言いかけた瞬間、塩見は自身の持っていた剣を鞘から抜いて席を立つ。
彼の目付きは先程とは異なり、鋭く殺気だっている。
まさに何か嫌なことが起こる展開だ。
そして、彼はこちらを向いたかと思うと、地面を蹴り瞬間移動のごとき速さで黒に近づくと、その剣先を黒の喉元に向かって突こうとしてきた。
さすが、王レベル。気を緩めずにいた俺には向かわず、気を緩めて油断していた黒を狙ってきたのだ。
「あっ、死んだ……」
その予想もしない速さに黒が死を覚悟したその時。
何者かが塩見の放った突きを弾き返す。
「邪魔だぜ空木。手を出されちゃ困るんだが?
この程度の殺気にも気づかないこの女が悪いんだけど」
攻撃を弾き返された塩見は、怒りを抑えながら、空木に不満を吐いた。
だが、空木も呆れた顔を浮かべながら、塩見に反論する。
「やれやれだ、御前はバカか?」
空木は塩見よりも速い速度で移動し黒を庇ったのだ。
その手にはとても鋭い鉤爪の武器が付いている。
おそらく、その鉤爪で塩見の剣を弾き返したのだろう。
「銀色の狼と呼ばれるお前がなんでこいつらの味方をするんだ? 関係者なら疑うべきだろ?
しかもあの野郎の関係者…………お前も知ってるだろ? 拙者があいつを恨んでいる事くらい」
「それは知ってる。
だから、バカかと聞いたんだ。
疑う時点で人を殺そうとするな。
それに奴の協力者がこんな所に呼ばれると思うのか?」
俺たちの目の前で喧嘩を始める2人。
「「ワハハハハハハハハハハハハハ!!!」」
そして、その光景を大笑いしながら見ている三原と少し笑いを抑えながら見ている副会長以外のメンバー。
どうやらこんな風になるのはいつもの事のようだ。
だが、流石に痺れを切らしたのか。
副会長は大声をあげて2人を注意する。
「やめないか!!お前達!!
会議がまったく進まん。塩見も気持ちは分かるが、空木の言う通りだ。
そんなんだからお前らは勇者連盟に呼ばれないんだぞ!!!」
「「すみません」」
謝った2人は喧嘩をやめて、元の席へと移動していく。
喧嘩は中断。黒も無事だし一安心…なんてならない。黒が油断していたとしてもあいつは俺の仲間を殺そうとしたのだ。
俺は今後も奴の事を許さないだろう。
例え、黒は駄目な奴でも俺の仲間なのだ。
「あわわわわわ………」
ふと、横を見るとあまりの急展開に黒の脳みそがついていけていない。
「はぁ、よかった~。
安心しろ黒。次会った時は俺があいつをぶっ飛ばしてやるからな」
俺は小声で黒にそう呟くと、恨みを込めて塩見をにらみ続けていた。
「さて、話を戻すが、彼らはブロードピークの関係者ではあるが、仲間ではない。
彼らは1度ブロードピークと接触しているのだ」
「「「「…………!?」」」」」
すると、再び全員の視線が俺たちに向けられる。
「もちろん、証拠もある。今日はいないが、生徒会の1人がブロードピークと接触しているんだ。つまり再び奴が行動を起こし始めたということ」
熱心に手に入れた情報について語る副会長であったが。
あいつはもう魔王軍幹部をやめているという情報は手に入れていないようだ。
「その理由は分からん。だが、奴は何回か姿を変えている。だから、私は目撃者として彼らを呼んだのだ」
つまり、俺たちにあいつの特徴とか顔とかを聞くために呼び出したのか。
しかし、あいつの情報を伝える前に1つ確かめておきたい事がある。
「なぁ、悪いんだけど1つ聞かせてくれ。そいつは何者なんだ? 勇者連盟ってなんだ?」
俺は副会長が話を終えたタイミングで手をあげて質問してみる。
すると、質問に答え手あげようと手をあげた者達がいた。
乗鞍と紅葉である。
「いいか? 新人さんよぉ。あいつは恐ろしい奴だ。どれくらい恐ろしいかって言うと筋肉をまったく鍛えない野郎くらい恐ろしい奴だ。
いや、筋肉だと分かりづらいか?
ガハハハハハ!!」
「はいはいはーい~。やいうちの教えていげるね。まずブロードピークっちゆう奴は術ん方法ば広めた悪か奴なん。そいで勇者連盟っちゆうんは付喪連盟っち冒険者連盟ん上に位置しゅる限られとる人材しか入るこつん出来なかちかっぱばり場所なん」
しかし、2人の説明は分かりづらい。さっぱり分からん。
すると、先程の小さな子供である雲仙が2人の代わりに説明してくれるようだ。
「2人とも駄目です。いいですか?新人さん。僕っちの話を聞いてください。
・勇者連盟というのは付喪連盟と冒険者連盟などの選ばれた者が所属できる世界に1つの場所です。世界レベルの依頼や知識を得る事ができます。
だいたい、王レベルの人が行ける場所なんですよ?
だから、王レベルは基本、期生制度的で変わるんです。
・ブロードピークというのは、元ギバーズだった者です。ちなみにギバーズとは付喪人になるための契約を手助けする役職。
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結論を言うと奴は“低支配力暴走事件”を引き起こす事となったキッカケであり元凶なんです。」
雲仙が完璧な説明をしてくれたお陰で、2つの疑問を解決することが出来た。
「なるほどな。だったら、協力させてもらうぜ。犯人の顔とかを伝えれば俺たちは帰して貰えるんだな」
それなら協力せざるおえない。
「魔王軍幹部があの程度かよ」とガッカリした所を返り討ちにあった俺だったが。
そこまでの奴だって事なら、負けた事も恥ずかしくない。
すると、大楠は雲仙を褒め称えると同時に塩見に恨みを込めて愚痴を呟いた。
「さすがです付喪連盟の軍師。完璧ですね。いつも喧嘩っ速い(ピー)野郎とは大違いです」
「誰が喧嘩っ速い(ピー)野郎だ? 大楠。
火事と喧嘩は江戸の花だからいいんだよ。
どうした?お前……新入りのこと気に入ってるのか?」
「気に入ってるなんて……口に出させないでください。穢らわしい。ただひれ伏して欲しいだけですよ?」
大楠はそう呟くとこちらを見て欲望に飲まれたような目でニッコリと笑みを浮かべてくる。
まさか、この女性は支配欲が強すぎるのだろうか。
そう考えると俺は自分の身の危険を感じ、少し体が震え始めた。
この2人の間が殺気だっているのだ。
その時、静かにこの様子を見ていた2人の人物が我慢の限界に達したのだろう。
「おい傾奇者達……余興は見事だが、休憩は入れよ。生き物とは休まねば死するのみ。間は何事にも必要だぞ?
それに大楠。貴様の能力は大勢の場所で使うべきではない。下の迷惑も考えろ馬鹿者め」
「そうだ。三原の言う通りだ。落ち着こう。
御前らは自分の事しか考えていないのか?
説明などに任せればいいし、新入りの事など副会長に任せればいい。私情や思い付きで勝手に動くな。見苦しい」
三原と空木の2人からの抗議によって殺気だっていた雰囲気は解消された。
すると、副会長は息を整えて俺たちに声をかけてくる。
「ありがとう2人とも。いいかね?新人君。
見ての通り王レベルというのは会議になるといつも殺気だっている。
彼らにも性格が危険な奴もいるんだ。
でも、実力だけは本物だ。彼らは魔王軍幹部を討伐してきたエリート集団。
幹部を1人討ち取るごとに1日に100人の命を救うんだ。
だが、幹部は交代制で減ることはない。だから、我々は魔王を討伐し世界を平和にしなければならない。それがこの付喪連盟の使命だ。
その心がけを君にも持っていて欲しい」
「「ハイッ!!!」」
俺たちは声をあげて返事をし、副会長を見ると彼はにっこりと笑顔を見せて話を戻す。
「それじゃあ色々と聞かせてもらうよ新人君達」
こうして、俺たちはブロードピークの特徴や人相を数人の前で話し始める。
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