6 / 294
第2章 どうやらみんなは試験を受けるようです。
知名度が欲しい
しおりを挟む
とあるビルの中に「付喪カフェ(仮)」と看板を掛けている部屋がありました。
そこは営業時間前なのか、一人の男がテレビの前に釘付けになっている。
『今日のニュースのお時間です。大勢の被害者の方が不審死を遂げた事件から十年が経った今でも“犯人”は分かっておりません。』
俺はテレビに釘付けになっていた。
「明山さん、営業時間前なんですから。準備しなくていいんですか?」
英彦が困り果てた様子で俺に向かって言ってくる。
「頼む最後だ。これで諦めるから。」
実は、とある理由により俺は、ここ数日ずっとテレビのニュースの時間になると、この状態なのだ。
仕方なく英彦は自身のバイトの日でもないのに店の準備を手伝いに行った。
『続いてのニュースです。先日国市を襲った付喪神による被害の面影は無かったかのように、町は復興を遂げているようです。
ですが、その被害については様々な噂がたっており、町を襲ったついてはあのバイオ団が関わっていたという噂等が流れていますが、実際の所は分かっておりません。
また、その付喪神による町の全壊から人々を守った付喪人は誰なのか、それもまだ分かっていません。
では、現場にいる北岳(きただけ)アナウンサー。』
『はい現場の北岳です。今ではかなり復興が進んでいる国市ですが、この町を守った救世主は誰なのか。
付喪連盟に確認してみたところ…。恐らく王レベルの付喪人の誰かが町を守ってくれたんだろう。
あれほどの被害を起こす敵から町を守る程の付喪人は連盟登録者の中には今のところ王レベルにしかいないですし…とコメントをいただいき、それ以上は何も分からないというコメントを頂きました…以上現場からでした。』
『そうですか。ありがとうございました北岳アナウンサー。では、皆さん明日もこの時間にお会いしましょう。以上ニュースのお時間でした。』
「何でだァァァァァァ」
俺が叫んだのはニュースが終わった瞬間である。
正直何があったか聞きたくはないみたいだったが、英彦は訪ねてみることにしたようだ。
「明山さん朝から何叫んでるんですか?
確かに先日明山さんが好きだって言ってたアナウンサーがやめてしまい、悲しいのは分かっています。
しかし何か事情があったからやめたんですよ。仕方ないことなんですよ。」
何故だろう。半分当たっている。
「たっ、確かにその事は悲しいが…。その事じゃないんだ。確かに悲しいけど…。」
俺の本心は、2回言うほど悲しかったのだろうか。
しかし、そんなことではない。
俺は少し涙をこらえながら言った。
「英彦、バイオンの事は覚えてるか?」
バイオンとは前回戦った敵の名前である。
ニュースでも言っていた国市を襲ったという付喪神の正体なのだが、俺により倒されてしまっている。
「はい。ですがあいつがどうしたのですか?」
「あいつを倒し、町を守ったのは俺〈と英彦〉だ。本来なら今テレビに出たり、取材に答えたり、礼金貰えたりするはずだ…はずなのだ。
でも今聞いたか?
『王レベルの付喪人が倒してくれたかもしれませんね。』だぞ。
このままだとホントに王レベルの誰かがやったってことになっちまうじゃねぇーか。
何でだよ。何でなんだよ。アアアアア!!!!!」
そんな少しイラついている俺に英彦が一言。
「だって明山さん、有名じゃないですから。」
俺は驚いて声もでない状態に陥った。
「世の中、弱者は手柄を強者に捕られるような弱肉強食の世界ですよ。どこか一瞬の隙をついてあの攻撃が当たる前に倒していたのかもしれません。普通はあり得ませんが、王レベルの付喪人ならできる人はいるかもしれません。それほどすごい人達があのレベルに集まっているんですよ。」
そう言って英彦は誤魔化してみたが、実際あの近くには英彦と明山しかいなかったのだ。
遠距離から攻撃したとしても、止めを指したのは明山しかいないはずだ。
しかし、付喪連盟は明山が倒した…とは言っていない。
これはまさか、連盟の陰謀なのだろうか。
それとも…いやまさかあり得ないとは思うが…。
「明山さんサンチュウを着けて戦ったんですよね?」
英彦は一応、確認を取ってみる。
「サンチュウ…なんだそれ?」
その返答を聞いた英彦は嫌な予感がしていた。
「ほら、付喪人の免許を取った時にもらう。戦闘時や、いろいろなことに使う大事なサンチュウですよ。」
「えっ…。三虫って人の体内にいて、神様にその人の罪を話しに行くって考えられていた虫のことか?」
「う~ん…ちょっとその話は聞いたことがないですが、ほらサンチュウとはこれのことですよ。」
見ると英彦の腕のところにはブレスレットのような物が着けている。
「へー、こんなのがあるんだ。知らなかったなー。」
英彦の嫌な予感が的中したようだった。
そこは営業時間前なのか、一人の男がテレビの前に釘付けになっている。
『今日のニュースのお時間です。大勢の被害者の方が不審死を遂げた事件から十年が経った今でも“犯人”は分かっておりません。』
俺はテレビに釘付けになっていた。
「明山さん、営業時間前なんですから。準備しなくていいんですか?」
英彦が困り果てた様子で俺に向かって言ってくる。
「頼む最後だ。これで諦めるから。」
実は、とある理由により俺は、ここ数日ずっとテレビのニュースの時間になると、この状態なのだ。
仕方なく英彦は自身のバイトの日でもないのに店の準備を手伝いに行った。
『続いてのニュースです。先日国市を襲った付喪神による被害の面影は無かったかのように、町は復興を遂げているようです。
ですが、その被害については様々な噂がたっており、町を襲ったついてはあのバイオ団が関わっていたという噂等が流れていますが、実際の所は分かっておりません。
また、その付喪神による町の全壊から人々を守った付喪人は誰なのか、それもまだ分かっていません。
では、現場にいる北岳(きただけ)アナウンサー。』
『はい現場の北岳です。今ではかなり復興が進んでいる国市ですが、この町を守った救世主は誰なのか。
付喪連盟に確認してみたところ…。恐らく王レベルの付喪人の誰かが町を守ってくれたんだろう。
あれほどの被害を起こす敵から町を守る程の付喪人は連盟登録者の中には今のところ王レベルにしかいないですし…とコメントをいただいき、それ以上は何も分からないというコメントを頂きました…以上現場からでした。』
『そうですか。ありがとうございました北岳アナウンサー。では、皆さん明日もこの時間にお会いしましょう。以上ニュースのお時間でした。』
「何でだァァァァァァ」
俺が叫んだのはニュースが終わった瞬間である。
正直何があったか聞きたくはないみたいだったが、英彦は訪ねてみることにしたようだ。
「明山さん朝から何叫んでるんですか?
確かに先日明山さんが好きだって言ってたアナウンサーがやめてしまい、悲しいのは分かっています。
しかし何か事情があったからやめたんですよ。仕方ないことなんですよ。」
何故だろう。半分当たっている。
「たっ、確かにその事は悲しいが…。その事じゃないんだ。確かに悲しいけど…。」
俺の本心は、2回言うほど悲しかったのだろうか。
しかし、そんなことではない。
俺は少し涙をこらえながら言った。
「英彦、バイオンの事は覚えてるか?」
バイオンとは前回戦った敵の名前である。
ニュースでも言っていた国市を襲ったという付喪神の正体なのだが、俺により倒されてしまっている。
「はい。ですがあいつがどうしたのですか?」
「あいつを倒し、町を守ったのは俺〈と英彦〉だ。本来なら今テレビに出たり、取材に答えたり、礼金貰えたりするはずだ…はずなのだ。
でも今聞いたか?
『王レベルの付喪人が倒してくれたかもしれませんね。』だぞ。
このままだとホントに王レベルの誰かがやったってことになっちまうじゃねぇーか。
何でだよ。何でなんだよ。アアアアア!!!!!」
そんな少しイラついている俺に英彦が一言。
「だって明山さん、有名じゃないですから。」
俺は驚いて声もでない状態に陥った。
「世の中、弱者は手柄を強者に捕られるような弱肉強食の世界ですよ。どこか一瞬の隙をついてあの攻撃が当たる前に倒していたのかもしれません。普通はあり得ませんが、王レベルの付喪人ならできる人はいるかもしれません。それほどすごい人達があのレベルに集まっているんですよ。」
そう言って英彦は誤魔化してみたが、実際あの近くには英彦と明山しかいなかったのだ。
遠距離から攻撃したとしても、止めを指したのは明山しかいないはずだ。
しかし、付喪連盟は明山が倒した…とは言っていない。
これはまさか、連盟の陰謀なのだろうか。
それとも…いやまさかあり得ないとは思うが…。
「明山さんサンチュウを着けて戦ったんですよね?」
英彦は一応、確認を取ってみる。
「サンチュウ…なんだそれ?」
その返答を聞いた英彦は嫌な予感がしていた。
「ほら、付喪人の免許を取った時にもらう。戦闘時や、いろいろなことに使う大事なサンチュウですよ。」
「えっ…。三虫って人の体内にいて、神様にその人の罪を話しに行くって考えられていた虫のことか?」
「う~ん…ちょっとその話は聞いたことがないですが、ほらサンチュウとはこれのことですよ。」
見ると英彦の腕のところにはブレスレットのような物が着けている。
「へー、こんなのがあるんだ。知らなかったなー。」
英彦の嫌な予感が的中したようだった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
雪月 夜狐
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
大陸鉄道の死神 〜【二重人格】で【一時間しか動けない】異世界諜報員は復讐のために暗躍する〜
佐渡の鹿
ファンタジー
ー 勇者が魔王を滅ぼす代償にこの世界から魔力が消滅した ー
異世界の大陸にある『霧江大陸鉄道社』。そこで働く優しい少年「三船春ニ」には本人も知らない秘密がある。
それは彼に二つの魂が宿っている=【二重人格】と言うこと。もう一つの魂は「三船雪一」彼の双子の兄であり、【死神】と呼ばれる大陸最強の諜報員だった。
失ったはずの兄弟が一つの体に宿る奇妙で歪な肉体、その原因を作った男に復讐するために暗躍する。
〜チート無し・転生無しの異世界大正ロマン風スパイファンタジー開幕〜
母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)
いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。
全く親父の奴!勝手に消えやがって!
親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。
俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。
母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。
なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな?
なら、出ていくよ!
俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ!
これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。
カクヨム様にて先行掲載中です。
不定期更新です。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
堕天使と悪魔の黙示録
RYU
SF
〜舞台は23世紀の超巨大都市『メガ・メガロポリス』〜
アンドロイドが自由意思を持ち、彼等は人間社会を蹂躙し人類にとって驚異となる存在となっていた時代ー。
とあるメカオタクで女嫌いな青年は、過去のトラウマから心を閉ざし誰にも関心を示さず、日々マシンの組み立てと整備の仕事に精力を注いでいた。
そして、転機は訪れるー。
彼はとあるバイクレースに出場し、過去の事件の重大な鍵を握る因縁の相手に遭遇した。そこで、自分の複雑な生い立ちや、アンドロイドに仲間や育ての親を殺された悲惨な過去のの全容が明るみに出てくるのであった。
そんな中ー、亡くなった初恋の人にそっくりの顔貌の童顔の女性と対峙し行動を共にする事になる。
彼女は、こう言い放つ。
『私があなたを守りますからー。』
彼女は宿敵の鍵を握っており、戦闘能力は次元を超えたレベルだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる