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第1章 どうやら始まりのお話のようです。
始まりは女神の元で
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人は誰しも鍵のかかったドアの先を想像する。
鍵は一つしかなく、入れるのは一人。
そのためには誰が入るかを決めなければならない。
鍵を持つ者はその先に何があるのかを想像し、その鍵を開ける。
その想像は想像した本人にしか分からない………。
これで何度目か、それすらも残されてはいない。
ただ、鍵を手に入れる…………それが獲得候補者の勤めである。
これは、自身の未来と世界の未来を知り、自身の信じる道を進んでいく1人の男の物語。
そして、これは“付喪神の能力を操る者”達の戦いの記録である。
目が覚めるとそこは静かな場所だった。
振り返ると、俺の後ろには白くて丸いまるで魂のような物体がふわふわと浮いている。
「ん? 魂?」
まさか死んだのだろうか。
俺は怖くなって、自分の記憶をたどってみる事にした。
確か…。自転車に乗ってて道路をわたっていたら、スピードを落とせずに………目の前が真っ暗に…。
「マジか最悪だ……。」
いやでも、あの状況でも別に死んだことは悲しいとは思えない。
ただ、家族にさよならを言えなかったこと…。
後は予約していた限定ソフビを買えなかったことは未練だったな…。
そうこう考えて動いているうちに俺はデカイ門の中に入っていく。
さらに奥に進むと門の先には部屋があり、そこには綺麗な女の人が一人立っている。
神様だろうか? それとも女神…?
いや、確かに可愛いが…女神ってもっと大人びていると思っていた。
俺の目の前にいるのは、明らかに俺と同じくらいの年の少女だ。
すると、その謎の女性は俺の事を見て、
「やっと、トイレから戻ってきたわね。早く、人と付喪神の世界に転生されなさい。
ほら、早く早く~。」
…と、ムスッと拗ねている様な顔で声をかけてきた。
トイレ?転生?付喪神?
その言葉に俺は耳を疑ってしまう。
なぜなら、魂がトイレに行くなんて知らなかったからだ。
それに転生なんて…。
俺が驚いていると、突然、体を光が包み込んでいく。
「では、次の世界では早く死なないように気をつけて生きてくださいね。
あと、次にあなたの行く世界では“付喪神と人が共存してる世界”だけど、魔王という存在がその世界で付喪神達と暴れまわっているみたいだから注意して生きてね。
あっ、心配しなくても魔法とかモンスターもいるかもって噂だから。あくまでも噂だけどね。それじゃあ、楽しい日々を楽しんでね~。」
女の人は毎度言うためのセリフを棒読みで言った。
はっきりと俺に向かって…。
「えっ、まさか俺に言ってます?
俺はそんな世界に転生するなんて事は選んでません。
まだ、そんな世界に行くなんて心の準備も…。
そんなちょっと待って話を…。お願いちょっ待…。
ちょっと待てェェェェェェ!!!」
しかし、もう手遅れだった。
一瞬光が差したかと思うと、光に包まれた俺は転生先の世界に既に移動し始めていたのだ。
そして、その光は俺の体を宙に浮かせる。
どうやら、この光に包まれて俺は宙を飛びながら異世界へと行くようだ。
俺が異世界へと飛ばされていく最中、遠くにトイレから戻ってきた魂が見える。
「なんで!?
じゃあ、今のはまさかあなたの双子?
だから似ていたのね。(震え声)そりゃ間違えるわけだわ。
あっ、電話が鳴ってる。
はい、もしもし。どうしたの死神ちゃん?
えっ、違う。また私やらかしたって……?」
そして、綺麗な女の人の顔が青ざめているのも見える。
人の話も聞かずに行動するからだ。ザマーみろ…。
そして、俺の意識は遠くなっていった。
この世界には付喪神(つくもがみ)というものがいる。
付喪神…それは物が100年たって魂が宿ること。
近年、人々は邪悪な付喪神によって平穏な人生を送ることができなくなってしまった。
しかし、そんな中、一部の人々のに付喪神の力をその身に宿し付喪神と戦う者が現れる。
その人々を皆は敬意を持ってこう言う。
付喪人(つくもびと)と…。
鍵は一つしかなく、入れるのは一人。
そのためには誰が入るかを決めなければならない。
鍵を持つ者はその先に何があるのかを想像し、その鍵を開ける。
その想像は想像した本人にしか分からない………。
これで何度目か、それすらも残されてはいない。
ただ、鍵を手に入れる…………それが獲得候補者の勤めである。
これは、自身の未来と世界の未来を知り、自身の信じる道を進んでいく1人の男の物語。
そして、これは“付喪神の能力を操る者”達の戦いの記録である。
目が覚めるとそこは静かな場所だった。
振り返ると、俺の後ろには白くて丸いまるで魂のような物体がふわふわと浮いている。
「ん? 魂?」
まさか死んだのだろうか。
俺は怖くなって、自分の記憶をたどってみる事にした。
確か…。自転車に乗ってて道路をわたっていたら、スピードを落とせずに………目の前が真っ暗に…。
「マジか最悪だ……。」
いやでも、あの状況でも別に死んだことは悲しいとは思えない。
ただ、家族にさよならを言えなかったこと…。
後は予約していた限定ソフビを買えなかったことは未練だったな…。
そうこう考えて動いているうちに俺はデカイ門の中に入っていく。
さらに奥に進むと門の先には部屋があり、そこには綺麗な女の人が一人立っている。
神様だろうか? それとも女神…?
いや、確かに可愛いが…女神ってもっと大人びていると思っていた。
俺の目の前にいるのは、明らかに俺と同じくらいの年の少女だ。
すると、その謎の女性は俺の事を見て、
「やっと、トイレから戻ってきたわね。早く、人と付喪神の世界に転生されなさい。
ほら、早く早く~。」
…と、ムスッと拗ねている様な顔で声をかけてきた。
トイレ?転生?付喪神?
その言葉に俺は耳を疑ってしまう。
なぜなら、魂がトイレに行くなんて知らなかったからだ。
それに転生なんて…。
俺が驚いていると、突然、体を光が包み込んでいく。
「では、次の世界では早く死なないように気をつけて生きてくださいね。
あと、次にあなたの行く世界では“付喪神と人が共存してる世界”だけど、魔王という存在がその世界で付喪神達と暴れまわっているみたいだから注意して生きてね。
あっ、心配しなくても魔法とかモンスターもいるかもって噂だから。あくまでも噂だけどね。それじゃあ、楽しい日々を楽しんでね~。」
女の人は毎度言うためのセリフを棒読みで言った。
はっきりと俺に向かって…。
「えっ、まさか俺に言ってます?
俺はそんな世界に転生するなんて事は選んでません。
まだ、そんな世界に行くなんて心の準備も…。
そんなちょっと待って話を…。お願いちょっ待…。
ちょっと待てェェェェェェ!!!」
しかし、もう手遅れだった。
一瞬光が差したかと思うと、光に包まれた俺は転生先の世界に既に移動し始めていたのだ。
そして、その光は俺の体を宙に浮かせる。
どうやら、この光に包まれて俺は宙を飛びながら異世界へと行くようだ。
俺が異世界へと飛ばされていく最中、遠くにトイレから戻ってきた魂が見える。
「なんで!?
じゃあ、今のはまさかあなたの双子?
だから似ていたのね。(震え声)そりゃ間違えるわけだわ。
あっ、電話が鳴ってる。
はい、もしもし。どうしたの死神ちゃん?
えっ、違う。また私やらかしたって……?」
そして、綺麗な女の人の顔が青ざめているのも見える。
人の話も聞かずに行動するからだ。ザマーみろ…。
そして、俺の意識は遠くなっていった。
この世界には付喪神(つくもがみ)というものがいる。
付喪神…それは物が100年たって魂が宿ること。
近年、人々は邪悪な付喪神によって平穏な人生を送ることができなくなってしまった。
しかし、そんな中、一部の人々のに付喪神の力をその身に宿し付喪神と戦う者が現れる。
その人々を皆は敬意を持ってこう言う。
付喪人(つくもびと)と…。
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