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126話 みんなが私を護りたいように
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ジャンヌさんとみんなと会話してから更に三日。
みんなはめっきり私の所に来なくなってしまいました。
唯一、王宮に住んでいたリビオでさえ、最近はこちらに帰らずに外泊をしているとレイモンから聞いています。
みんなは別に私に怒っていたわけではない。みんなが本当に怒っていたことは、どうして自分に頼ってくれなかったのか。どうして自分だけが戦おうとしていたのか。きっとそこだろう。
そうでなければ、私の代わりに戦おうとなんてするはずがない。利用してきただけのあいつだけが戦えばいいと思われるはずだ。
「愛されていたのかな。友として。それとも、私が姫だから?」
私の問いに答えてくれる人はいない。過剰防衛の騎士達は呟きが聞こえないくらいの距離にいて、スザンヌは黙って傍に控えている。
ですが、みんながアリゼとの最終決戦のことを知ったと言うことは逆に好都合なのではないでしょうか。
これから先ワンダーオーブを手に入れることについて、みんなに直接そう言って連れていけるのよね。その為には、説得も必要になりますが。
ジョアサンやリビオの時のように回りくどい説明も不要。問題は、誰が【黄】のワンダーオーブの入手方法を知っていたのか。これが問題なのよね。
無難に考えれば、私以外の転生者の存在よね。
そしてもう一つ。三か月も月日が経過してもあの時、ジャンヌさんの手元には【黄】のワンダーオーブしかなかったということ。
全員が事情を理解していて、同意の上であれば、もっと早く集めることができたはず。
それをしなかったということは、他のワンダーオーブの入手する条件を把握しきっていない。もしくは、その条件を揃えることができていない。
例えば、私同様、ワンダーオーブの入手スポットを捜索中とか。
或いはそもそもジャンヌさんの魔力量が足りず、やっとビルジニを超えたから【黄】のワンダーオーブだけ入手したとか。
となると次は魔力量でいえば、ミゲルね。ですが、【橙】のワンダーオーブを手に入れるには勇気を示すこと。運よくイベントが起きると考えにくい。
もしかしたら、ジャンヌさん達が先に手に入れようとしているワンダーオーブは【青】の方かもしれません。
どちらにせよ、あの場にオリバーがいなかったことだけが気になります。単純に帰国していなかったからいなかったのか。それとも、話を聞いた上で、ジャンヌさんとの協力関係を断ったのか。
あるいは、話を一切聞いていないのか。
学園の休校はもうじき終わることをアンヌ先生から伺っています。
新任の先生も決まり、内部の職員の経歴も洗い直し終わったそうです。私は、オリバーに向けて手紙を書き、王宮に招待することにしました。
「いいわ、ブランクにジャンヌさん。それからみんな。どんな運命が待っていても、必ずこの王国は守り抜く」
まずは私の味方を作りましょう。向こうは六人もいます。こちらは今の所私とスザンヌだけ。…………。
「スザンヌ」
「何でしょうかお嬢様」
「これから信じられない話をしてもいいかしら?」
「…………はぁ。構いませんが」
私は、私が転生者であるという事実を除いて、説明できる限りでスザンヌに現状とこれからのことを説明しました。
どうしてアリゼのことやワンダーオーブのことを知っているかは、はぐらかしましたが、彼女はため息を吐くと、私は姫様の従者ですから、それが絵空事でも構いません。と、答えてくれました。
「ありがとうございます」
「しかし、そのブランクとかいう魔術師。姫様の部屋に無断で出入りしていたのですよね」
「え? ええ、そうなるわね」
スザンヌはどうやら、私よりもブランクに対してお怒りの様子。
「貴女は私が戦うことに反対ではないのですか?」
「反対ですよ? ですが、それ以上に姫様を信じています。それだけ事情を把握した上で、なお貴女が戦うというのであれば、私は貴女を支えるだけです」
「ありがとうスザンヌ。貴女は最高の仲間よ」
「大丈夫です。姫様を死なせたくない人たちは、向こうの皆様も一緒です。彼らは敵ではありません。貴女が後ろに下がらないから、彼らは更に前に出る。姫様はそれだけを理解してください」
私が前に出ようとするから、皆は私を護る為にもっと前に出てしまうか。確かに、彼らにとって王国の姫であり、幼馴染の私は護りたいと思える人間になるわよね。
ジャンヌさんなんてお人よしすぎて、初対面の人でも楯になろうとするんだろうな。
「ふふ」
「何がおかしいのですか?」
「何もおかしくないわ。一人で悩んでいたけど、悩む理由なんてなかったってことよ。みんな私が大切で、私もみんなが大切でだから、皆が私を護るように、私もみんなを護る」
そのためにはまず、背中を預けられる仲間を集めなくてはいけませんね。
みんなはめっきり私の所に来なくなってしまいました。
唯一、王宮に住んでいたリビオでさえ、最近はこちらに帰らずに外泊をしているとレイモンから聞いています。
みんなは別に私に怒っていたわけではない。みんなが本当に怒っていたことは、どうして自分に頼ってくれなかったのか。どうして自分だけが戦おうとしていたのか。きっとそこだろう。
そうでなければ、私の代わりに戦おうとなんてするはずがない。利用してきただけのあいつだけが戦えばいいと思われるはずだ。
「愛されていたのかな。友として。それとも、私が姫だから?」
私の問いに答えてくれる人はいない。過剰防衛の騎士達は呟きが聞こえないくらいの距離にいて、スザンヌは黙って傍に控えている。
ですが、みんながアリゼとの最終決戦のことを知ったと言うことは逆に好都合なのではないでしょうか。
これから先ワンダーオーブを手に入れることについて、みんなに直接そう言って連れていけるのよね。その為には、説得も必要になりますが。
ジョアサンやリビオの時のように回りくどい説明も不要。問題は、誰が【黄】のワンダーオーブの入手方法を知っていたのか。これが問題なのよね。
無難に考えれば、私以外の転生者の存在よね。
そしてもう一つ。三か月も月日が経過してもあの時、ジャンヌさんの手元には【黄】のワンダーオーブしかなかったということ。
全員が事情を理解していて、同意の上であれば、もっと早く集めることができたはず。
それをしなかったということは、他のワンダーオーブの入手する条件を把握しきっていない。もしくは、その条件を揃えることができていない。
例えば、私同様、ワンダーオーブの入手スポットを捜索中とか。
或いはそもそもジャンヌさんの魔力量が足りず、やっとビルジニを超えたから【黄】のワンダーオーブだけ入手したとか。
となると次は魔力量でいえば、ミゲルね。ですが、【橙】のワンダーオーブを手に入れるには勇気を示すこと。運よくイベントが起きると考えにくい。
もしかしたら、ジャンヌさん達が先に手に入れようとしているワンダーオーブは【青】の方かもしれません。
どちらにせよ、あの場にオリバーがいなかったことだけが気になります。単純に帰国していなかったからいなかったのか。それとも、話を聞いた上で、ジャンヌさんとの協力関係を断ったのか。
あるいは、話を一切聞いていないのか。
学園の休校はもうじき終わることをアンヌ先生から伺っています。
新任の先生も決まり、内部の職員の経歴も洗い直し終わったそうです。私は、オリバーに向けて手紙を書き、王宮に招待することにしました。
「いいわ、ブランクにジャンヌさん。それからみんな。どんな運命が待っていても、必ずこの王国は守り抜く」
まずは私の味方を作りましょう。向こうは六人もいます。こちらは今の所私とスザンヌだけ。…………。
「スザンヌ」
「何でしょうかお嬢様」
「これから信じられない話をしてもいいかしら?」
「…………はぁ。構いませんが」
私は、私が転生者であるという事実を除いて、説明できる限りでスザンヌに現状とこれからのことを説明しました。
どうしてアリゼのことやワンダーオーブのことを知っているかは、はぐらかしましたが、彼女はため息を吐くと、私は姫様の従者ですから、それが絵空事でも構いません。と、答えてくれました。
「ありがとうございます」
「しかし、そのブランクとかいう魔術師。姫様の部屋に無断で出入りしていたのですよね」
「え? ええ、そうなるわね」
スザンヌはどうやら、私よりもブランクに対してお怒りの様子。
「貴女は私が戦うことに反対ではないのですか?」
「反対ですよ? ですが、それ以上に姫様を信じています。それだけ事情を把握した上で、なお貴女が戦うというのであれば、私は貴女を支えるだけです」
「ありがとうスザンヌ。貴女は最高の仲間よ」
「大丈夫です。姫様を死なせたくない人たちは、向こうの皆様も一緒です。彼らは敵ではありません。貴女が後ろに下がらないから、彼らは更に前に出る。姫様はそれだけを理解してください」
私が前に出ようとするから、皆は私を護る為にもっと前に出てしまうか。確かに、彼らにとって王国の姫であり、幼馴染の私は護りたいと思える人間になるわよね。
ジャンヌさんなんてお人よしすぎて、初対面の人でも楯になろうとするんだろうな。
「ふふ」
「何がおかしいのですか?」
「何もおかしくないわ。一人で悩んでいたけど、悩む理由なんてなかったってことよ。みんな私が大切で、私もみんなが大切でだから、皆が私を護るように、私もみんなを護る」
そのためにはまず、背中を預けられる仲間を集めなくてはいけませんね。
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