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第3章 ポンコツしかできないこと
26話 猿園
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日が沈み、大地が闇に包まれる頃、私、ジェスカ、エミリアさんの三人はナダル家の屋敷からこっそりと抜け出します。
「移動手段はどうするつもりだ?」
「え? ……馬って三人乗れますでしょうか?」
「あー、最初に確認すればよかったな」
一応乗れなくはないようですが、かなり窮屈そうでした。エミリアさん嬉しそう。
「んで? どーするよ? とにかくしばらく三人乗りで我慢するか?」
「……そうね。そうしましょう」
でもジェスカ。今ここで足を止めてしまったことである人が現れる頃合いだと考えています。ほら、馬のひづめの音。
「やあ、ルー。どこに逃げようっていうんだい?」
やはり現れましたか。グレイ様。ついに現れるタイミングまで予測できるようになってしまいましたわ。
「ではジバジデオまでお願いします」
「え? 僕がルーをそんなところまで連れて行く訳ないでしょ?」
「そんなことを言って出発の準備をこっそり初めていたではないですか? いいから乗せなさい」
私が頑張ってグレイ様の愛馬アルフレッドの背中に乗ろうと乗ろうと乗ろうと……早く乗せなさいよ変態王子! ニヤニヤしないでください!
「ははは。頬を膨らませてムッとした表情でこっちを見つめたら抱き上げてもいいよ? てゆうか僕は別にジバジデオには連れて行かないつもりだけど?」
ええ、そうでしょうね。貴方は乗せてくださりませんし、乗ったら最後王都まで連れていかれるでしょう。
「じゃあグレイ様はエミリアさんの方をお願いします。ジェスカそちらに乗せてくださる?」
私はくるっと回ってジェスカの馬の方に向かい乗ろうと乗ろうと乗ろうと……ええ、ジェスカそこは乗せてくださいな。
「いや、俺は良いけど、ほら自国の王子がめっちゃ睨んでるぞ」
「さあ? あちらはジバジデオ便ではないそうですので」
「はぁ、わかったよ。ジバジデオに行けばいいんだね? 君は成長したね。ずるい方ばかりにね」
私はまたグレイ様の方に向き直り、アルフレッドの背中に乗ろうと……もう頑張りませんよ? ほら! ほら! 早く乗せてくださいまし!
「いいんですか王子さん?」
「いいよ。彼女のことだ初めから逃げ出すつもりだったに違いない。それが王宮から逃げ出そうとするか今逃げ出そうとするかの違いだよ」
「まあそうだな。姫さんは行動すると言ったら行動する人だ。動けなかった後悔でもあったんすかね」
「ルーはきっと嬉しいんだと思うよ。あがいた結果何かが変わるのが。そこが可愛いとこなんだけどね」
グレイ様とジェスカが何やら私の話題で談笑していらっしゃいますが、その話題私がいない時にして頂けないでしょうか?
何故か一方的に恥ずかしい気持ちになりつつも少し嬉しく思う私。自分が何かしてきたことを見てきていてくれた方々。
そんな方々を巻き込んで何しているのでしょうね私。ですが、グレイ様もジェスカもエミリアさんも強制していなくともご一緒してくださるのですから。良いですよね?
おいていくことになるヨハンネスやメルヒオール様には申し訳ありませんね。オルガお義姉様も。
もともと反対だったメルヒオール様含め、お三方は私がデークルーガ帝国に行くことに反対な気持ちが強いでしょう。ですから無理についてこなくて結構です。
本当に私のことを大事に思うなら追いかけてでも来てください。自惚れかもしれませんが、三人とも来てくださると信じています。
それからエレナ。アナタは意図的に置いていくことをお許しください。でも、ナダル復興に力を入れるべきだと思いました。
私は戦争を終わらせますから、アナタはアナタのすべきことをしてください。実はさりげなくルイーセ様には言伝を頼んで置きましたので、エレナならナダルに残って復興を手伝ってくださるでしょう。
マリア? ああ、いましたね。彼女は私にどこまで思い入れがあるかわかりませんが、良い友だと思っていますので不幸がない程度に頑張ってください。
「では行きましょうか」
「あ、姫さん心の準備できました?」
「お姉様、私を踏む準備は?」
「ねえルー。ちょっとこのメンバー個性的すぎるなって思ってたんだけど」
「そうでしょうか? グレイ様も大変変態がすぎましてよ?」
ところで私今の今までアルフレッドに乗せてもらうの待機していましたのですが? そろそろ乗せて欲しいのですが?
「あのグレイ様? まだでしょうか?」
「ごめんね。可愛かったからもう少し眺めてていいかな?」
「早くなさい!?」
しょうがないなぁと笑いながらグレイ様が私に手を差し伸べてくださりましたわ。私はその腕をがっしりと掴み、その後はグレイ様に引っ張って頂き見事アルフレッドに乗せて頂けましたわ。
「うわ姫さんなにその笑顔みたことねぇ」
「はぁ? 何を言っていますか? 笑顔なんて作っていませんわ?」
今、笑顔になる要因がどこにあるというのですか? ジェスカも変な考えをお持ちのようですわね。
「それにしても冷えますね」
気がつけば肌寒さを感じやすい季節に移り変わっていましたのですね。全然気付きませんでしたわ。
私は走る馬から振り落とされないようにしっかりとグレイ様にしがみ付きました。
ほんのりとですが、温かみがあるのですね。少し落ち着いてしまいますね。
「お姉様寝顔も可愛らしい」
「そうだね。ルーは誰よりも可愛いよ」
「急に何ですか? 少しくらい寝させてくださいな」
「眠るなら抱きかかえながら走るよ?」
「んー。お願いします」
一度、馬を停めて頂き、グレイ様に抱きかかえて頂く形になってから再度出発して頂きましたわ。馬の速度は私を起こさない様にゆっくりめにして頂きました。
=== sideエリオット(ルクレシア兄)===
俺は大きな失態を犯してしまった。部下を一人逃がすのが精いっぱい。鉄格子の向こう側に浮かぶ月は、アルデマグラ公国でも見ることができるのだろうか?
遡ること数日前。ジバジデオ王国の女王。白い髪に青い三白眼のアンジェリカ・アウグスタ・ジバジデオと謁見した時のことだ。
アンジェリカ女王陛下は、デークルーガ帝国とアルデマグラ公国の戦争をそれはそれは嬉しそうにし、そしてデークルーガ帝国に加担するとまで口にした。
正確には、大人しくしている代わりにヨハン・フランスワの子孫を切らせろと言われたことをこちら側が拒否したから、彼女はデークルーガ帝国に加担すると発言していた。
必死の説得を試みると、彼女は自身の身長よりも大きな剣を握り、こちらに剣先を向けて一言言い放った。
「アルデマグラ猿めが。私をだまらせてぇなら。剣を握るでごぜぇますよ」
彼女は強い。ジバジデオ王国の王位継承は至って単純。王位継承権を持った者の中で一番強い人間が王位を継承する。
そして彼女アンジェリカには四人の子供に十三人の孫。そして甥や姪までいる中で四十年の間女王として君臨してきた化け物だ。
剣を握る。部下含め三人がかりで負けてもおかしくないだろう。そういった相手だ。
四十年前、当時王妃だった彼女アンジェリカは、アルデマグラ公国との戦争で最前線にたって多くの兵を犠牲にしたクリーチャーと呼ばれていた。
結局、戦争自体は救国の英雄ヨハン・フランスワの活躍により、終戦。
さて……戦争時代を知る人間か。当時新兵だったマルッティ曰く、生きていれば後に武勇を語れたであろうものたちを次々となぎ倒していたらしいな。
剣を構えるが、女王アンジェリカに動く気配はない。だが、隙も見当たらない。先に動くべきか否か。
これでもアルデマグラ公国の第一騎士団騎士団長を務めている身。臆する訳にはいかない。
「んー? こねぇでごぜぇますなら。こちらから行くでごぜぇますよ?」
そういった彼女はその巨大な剣の先を真上に向けこちらに一歩ずつ近づいてくる。
なんだその構えは……。隙があるのかどうかもわからない。
たった一歩。たった一歩だけ後ずさってしまった瞬間である。女王アンジェリカはその青い三白眼をこちらにぎょろりと動かす。
間違いなくこっちを見ている。その目が動いたのがはっきりとわかる。今まで一歩ずつ近づいて来ていた彼女が急に速度を上げて一瞬でお互いの剣の間合いに入った。
カウンターを決めるしかない。彼女の胴体めがけて剣を突き刺そうとする。が、しかし驚くべき身軽さを披露されてしまった。
大きな剣を石の床に突き刺し、その剣の柄を掴んで自らの剣の柄の上に立ったのだ。
突きの姿勢を急に変えることもできなかった俺は、ただただ目の前にいたはずの女王の方に首を向けることが精いっぱいだった。
彼女は突きによって前傾姿勢になった俺の背中に足を乗せ、俺は突然の人一人分の質量が背中に乗ったことにより固い石の床に伏せてしまう。
大きな剣を床から抜き、その剣を振りかぶる。首を持っていかれると覚悟した俺は目を閉じてしまった次の瞬間だった。
部下1人は逃げ出し、もう一人の方は私の盾になって斬られてしまった。
「あー? 一匹は愛玩動物として飼うつもりだったでごぜぇますのに。じゃあお前が飼われるでごぜぇますよ」
そして俺は、身ぐるみはがされて猿園に閉じ込められてしまった。
「移動手段はどうするつもりだ?」
「え? ……馬って三人乗れますでしょうか?」
「あー、最初に確認すればよかったな」
一応乗れなくはないようですが、かなり窮屈そうでした。エミリアさん嬉しそう。
「んで? どーするよ? とにかくしばらく三人乗りで我慢するか?」
「……そうね。そうしましょう」
でもジェスカ。今ここで足を止めてしまったことである人が現れる頃合いだと考えています。ほら、馬のひづめの音。
「やあ、ルー。どこに逃げようっていうんだい?」
やはり現れましたか。グレイ様。ついに現れるタイミングまで予測できるようになってしまいましたわ。
「ではジバジデオまでお願いします」
「え? 僕がルーをそんなところまで連れて行く訳ないでしょ?」
「そんなことを言って出発の準備をこっそり初めていたではないですか? いいから乗せなさい」
私が頑張ってグレイ様の愛馬アルフレッドの背中に乗ろうと乗ろうと乗ろうと……早く乗せなさいよ変態王子! ニヤニヤしないでください!
「ははは。頬を膨らませてムッとした表情でこっちを見つめたら抱き上げてもいいよ? てゆうか僕は別にジバジデオには連れて行かないつもりだけど?」
ええ、そうでしょうね。貴方は乗せてくださりませんし、乗ったら最後王都まで連れていかれるでしょう。
「じゃあグレイ様はエミリアさんの方をお願いします。ジェスカそちらに乗せてくださる?」
私はくるっと回ってジェスカの馬の方に向かい乗ろうと乗ろうと乗ろうと……ええ、ジェスカそこは乗せてくださいな。
「いや、俺は良いけど、ほら自国の王子がめっちゃ睨んでるぞ」
「さあ? あちらはジバジデオ便ではないそうですので」
「はぁ、わかったよ。ジバジデオに行けばいいんだね? 君は成長したね。ずるい方ばかりにね」
私はまたグレイ様の方に向き直り、アルフレッドの背中に乗ろうと……もう頑張りませんよ? ほら! ほら! 早く乗せてくださいまし!
「いいんですか王子さん?」
「いいよ。彼女のことだ初めから逃げ出すつもりだったに違いない。それが王宮から逃げ出そうとするか今逃げ出そうとするかの違いだよ」
「まあそうだな。姫さんは行動すると言ったら行動する人だ。動けなかった後悔でもあったんすかね」
「ルーはきっと嬉しいんだと思うよ。あがいた結果何かが変わるのが。そこが可愛いとこなんだけどね」
グレイ様とジェスカが何やら私の話題で談笑していらっしゃいますが、その話題私がいない時にして頂けないでしょうか?
何故か一方的に恥ずかしい気持ちになりつつも少し嬉しく思う私。自分が何かしてきたことを見てきていてくれた方々。
そんな方々を巻き込んで何しているのでしょうね私。ですが、グレイ様もジェスカもエミリアさんも強制していなくともご一緒してくださるのですから。良いですよね?
おいていくことになるヨハンネスやメルヒオール様には申し訳ありませんね。オルガお義姉様も。
もともと反対だったメルヒオール様含め、お三方は私がデークルーガ帝国に行くことに反対な気持ちが強いでしょう。ですから無理についてこなくて結構です。
本当に私のことを大事に思うなら追いかけてでも来てください。自惚れかもしれませんが、三人とも来てくださると信じています。
それからエレナ。アナタは意図的に置いていくことをお許しください。でも、ナダル復興に力を入れるべきだと思いました。
私は戦争を終わらせますから、アナタはアナタのすべきことをしてください。実はさりげなくルイーセ様には言伝を頼んで置きましたので、エレナならナダルに残って復興を手伝ってくださるでしょう。
マリア? ああ、いましたね。彼女は私にどこまで思い入れがあるかわかりませんが、良い友だと思っていますので不幸がない程度に頑張ってください。
「では行きましょうか」
「あ、姫さん心の準備できました?」
「お姉様、私を踏む準備は?」
「ねえルー。ちょっとこのメンバー個性的すぎるなって思ってたんだけど」
「そうでしょうか? グレイ様も大変変態がすぎましてよ?」
ところで私今の今までアルフレッドに乗せてもらうの待機していましたのですが? そろそろ乗せて欲しいのですが?
「あのグレイ様? まだでしょうか?」
「ごめんね。可愛かったからもう少し眺めてていいかな?」
「早くなさい!?」
しょうがないなぁと笑いながらグレイ様が私に手を差し伸べてくださりましたわ。私はその腕をがっしりと掴み、その後はグレイ様に引っ張って頂き見事アルフレッドに乗せて頂けましたわ。
「うわ姫さんなにその笑顔みたことねぇ」
「はぁ? 何を言っていますか? 笑顔なんて作っていませんわ?」
今、笑顔になる要因がどこにあるというのですか? ジェスカも変な考えをお持ちのようですわね。
「それにしても冷えますね」
気がつけば肌寒さを感じやすい季節に移り変わっていましたのですね。全然気付きませんでしたわ。
私は走る馬から振り落とされないようにしっかりとグレイ様にしがみ付きました。
ほんのりとですが、温かみがあるのですね。少し落ち着いてしまいますね。
「お姉様寝顔も可愛らしい」
「そうだね。ルーは誰よりも可愛いよ」
「急に何ですか? 少しくらい寝させてくださいな」
「眠るなら抱きかかえながら走るよ?」
「んー。お願いします」
一度、馬を停めて頂き、グレイ様に抱きかかえて頂く形になってから再度出発して頂きましたわ。馬の速度は私を起こさない様にゆっくりめにして頂きました。
=== sideエリオット(ルクレシア兄)===
俺は大きな失態を犯してしまった。部下を一人逃がすのが精いっぱい。鉄格子の向こう側に浮かぶ月は、アルデマグラ公国でも見ることができるのだろうか?
遡ること数日前。ジバジデオ王国の女王。白い髪に青い三白眼のアンジェリカ・アウグスタ・ジバジデオと謁見した時のことだ。
アンジェリカ女王陛下は、デークルーガ帝国とアルデマグラ公国の戦争をそれはそれは嬉しそうにし、そしてデークルーガ帝国に加担するとまで口にした。
正確には、大人しくしている代わりにヨハン・フランスワの子孫を切らせろと言われたことをこちら側が拒否したから、彼女はデークルーガ帝国に加担すると発言していた。
必死の説得を試みると、彼女は自身の身長よりも大きな剣を握り、こちらに剣先を向けて一言言い放った。
「アルデマグラ猿めが。私をだまらせてぇなら。剣を握るでごぜぇますよ」
彼女は強い。ジバジデオ王国の王位継承は至って単純。王位継承権を持った者の中で一番強い人間が王位を継承する。
そして彼女アンジェリカには四人の子供に十三人の孫。そして甥や姪までいる中で四十年の間女王として君臨してきた化け物だ。
剣を握る。部下含め三人がかりで負けてもおかしくないだろう。そういった相手だ。
四十年前、当時王妃だった彼女アンジェリカは、アルデマグラ公国との戦争で最前線にたって多くの兵を犠牲にしたクリーチャーと呼ばれていた。
結局、戦争自体は救国の英雄ヨハン・フランスワの活躍により、終戦。
さて……戦争時代を知る人間か。当時新兵だったマルッティ曰く、生きていれば後に武勇を語れたであろうものたちを次々となぎ倒していたらしいな。
剣を構えるが、女王アンジェリカに動く気配はない。だが、隙も見当たらない。先に動くべきか否か。
これでもアルデマグラ公国の第一騎士団騎士団長を務めている身。臆する訳にはいかない。
「んー? こねぇでごぜぇますなら。こちらから行くでごぜぇますよ?」
そういった彼女はその巨大な剣の先を真上に向けこちらに一歩ずつ近づいてくる。
なんだその構えは……。隙があるのかどうかもわからない。
たった一歩。たった一歩だけ後ずさってしまった瞬間である。女王アンジェリカはその青い三白眼をこちらにぎょろりと動かす。
間違いなくこっちを見ている。その目が動いたのがはっきりとわかる。今まで一歩ずつ近づいて来ていた彼女が急に速度を上げて一瞬でお互いの剣の間合いに入った。
カウンターを決めるしかない。彼女の胴体めがけて剣を突き刺そうとする。が、しかし驚くべき身軽さを披露されてしまった。
大きな剣を石の床に突き刺し、その剣の柄を掴んで自らの剣の柄の上に立ったのだ。
突きの姿勢を急に変えることもできなかった俺は、ただただ目の前にいたはずの女王の方に首を向けることが精いっぱいだった。
彼女は突きによって前傾姿勢になった俺の背中に足を乗せ、俺は突然の人一人分の質量が背中に乗ったことにより固い石の床に伏せてしまう。
大きな剣を床から抜き、その剣を振りかぶる。首を持っていかれると覚悟した俺は目を閉じてしまった次の瞬間だった。
部下1人は逃げ出し、もう一人の方は私の盾になって斬られてしまった。
「あー? 一匹は愛玩動物として飼うつもりだったでごぜぇますのに。じゃあお前が飼われるでごぜぇますよ」
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