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第2章 公爵令嬢でもできること
17話 私をネタに争わないでください
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痛いです。痛いです。痛いですわぁ!! あ、ちょっと慣れてきました。ダメです! やっぱり痛いです! 痛すぎます!
私は痛めた足を一切庇うことなく、メルヒオール様と踊りましたわ。何度も痛めた足のせいで表情が険しくなりそうになってしまいました。ですが当然ながらこの私は、捻った足で踊ることは慣れているのです。何せ捻っていない時ですら、踊りだせば捻るのです!
ですが、踊る前から捻るというのは久しぶりだったからでしょうか。とても負担に感じますわ。いつもでしたらちょうど良いタイミングで突然楽な姿勢になるのですが、やはり最初から捻った状態で踊り始めたからでしょうか。
メルヒオール様のリードはとても上手な方だと思います。何せ私は普段からグレイ様とお兄様しか踊りません。周りの評判ではグレイ様もお兄様もリードがとても上手な方らしいですわ。ですので私から見て比べる対象が上手な方のみなのです。
メルヒオール様は残念ながらお二人ほど上手には感じませんね。いえ、足の痛みのせいかもしれません。またご一緒しましょう。お次は足が痛くない時からでお願いします。
そして一曲が終わりそうな頃には、すっかり足の痛みが最高潮に達してしまいましたわ。これダメですね。曲が終わる直前、私はメルヒオール様を巻き込んで倒れそうになってしまいました。
このままではメルヒオール様まで巻き込んでしまします!
それはいけないと思った私はとっさにメルヒオール様の手を放すも、その勢いで私の支えが一切なくなってしまいました。
こんな会場のど真ん中で、ベッケンシュタイン家の令嬢が粗相を犯すわけには行きません。それにここは対立派閥の頂点リンナンコスキ家の夜会。絶対に転べない会場がここにあります。
そんな時でした。曲が終わると同時に別の方が私の手を取り、体制を立て直してくださりました。
「お待たせルー」
「まだ私に踊らせるつもりですの?」
私の手をとったのはこの国代表の変態……ではなく、この国の王子グレイ様でしたわ。
私が声をかけた瞬間に、音楽が流れ始めましたわ。さすが鬼畜王子は違いますね。逃げるタイミングが一切ございませんでした。
「始まるよ。いつも通りで大丈夫?」
「申し訳ありません、本日は会場に来る前に足を」
「いつも通りだね」
聞きなさいよ。人の話を。幼馴染の苦痛の叫びを。いつも通りなのは、貴方のその鬼畜さですわ!
そして私たちはそのまま踊り始めましたわ。足の痛みなどお構いなし。当然、周りの方々がそれに気付くような真似は致しません。あれ?
そういえば私の足の痛みの訴えをいつも通りって仰いました方がいましたね。もしかしてバレバレでしたのでしょうか?
いえ、グレイ様は何度かご一緒した為、偶然気付かれる機会がありましたのよね。
たまに急に痛みが走ることもありますが、そのたびに足にかかる体重が軽減されるような体制になり、また地に足をつけるときはゆっくりとなるべく痛くならない様に踊り続けられました。
さすがですね、足への負担があまりかかりません。いくら変態鬼畜と言いましても一国の王子、リードが上手なのは間違いありませんね。最も、本当はこのような状況で踊らせ続けないで欲しい所ですが。
まあ、あのまま転倒するくらいならこれで良しとしましょう。
そしてまた曲が終わる頃、私はグレイ様と一緒に中央から避けるように壁際に向かっていきましたわ。その際に、グレイ様はわざわざメルヒオール様のいらっしゃる方に連れてきてくださりましたわ。
「ありがとうございます。グレイ様」
「ああ、気にしないで。ルーとのダンスは慣れているから」
ああ、この言葉をわざわざメルヒオール様に聞かせるために訪れたのですね。鬼畜な上に私の婚活を妨害するなんて何を考えているのでしょう。
「メルヒオール様、先ほどは申し訳ありません。急に転びそうになってしまいまして」
「いえ、こちらこそ支えになれずに」
メルヒオール様は紳士的ですね。我が国の王子とは大違いです。ご迷惑をかけてしまいましたのに、素敵な笑顔で対応してくださります。
「随分と仲がよさそうだね。彼はクエンカ家の子息かな?」
「申し遅れました。メルヒオール・クエンカです」
「よろしく。こっちは不要だよね?」
「勿論です。殿下」
しかしさすがですね。子爵家の子息ですらきちんと把握していらっしゃるのですね。グレイ様とメルヒオール様は表面上ではとても良い笑顔でご挨拶されていますが、不思議なことにグレイ様は長年の付き合いなのでなんとかくわかりますが、とてつもなく不機嫌でいらっしゃいます。
器の小さな方です事。私というオモチャを取られたくらいで一国の王子が癇癪を起さないで欲しいですわ。メルヒオール様はあんなに紳士的に挨拶を返してくださっていますのにね。
あらあら、周囲の方々が私たちに注目しているようですわね。それもそうなりますよね。王家主催の夜会ではグレイ様にエスコートされていた私が、本日はメルヒオール様にエスコートされていたことだけでも、周りの方々がとても驚かれていましたのに、私とメルヒオール様の目の前に王子自らいらっしゃるのですから。私たちの関係性を気になさっている方々が皆こちらを注目していらっしゃいます。
さてどうしましょうか。私は早くレティシア様たちと合流して足を休めたいのですが、グレイ様とメルヒオール様の会話が一向に終わる気配が感じません。途中から聞いていませんでしたが、たまに私の名前が聞こえたような……これはもしかしなくても私の話ですの?
「君はルーの怪我も見抜けずに足に負担をかけさせすぎ」
「それはそれは。俺の力不足ですね。しかし、お言葉ですが王子殿下、貴方はルクレシア様のお怪我を見抜いていてなお、彼女を躍らせたということで宜しいでしょうか?」
「あの場合は仕方なくね。ベッケンシュタイン家の令嬢をリンナンコスキ家の夜会で転ばせる方が問題だ」
「彼女より彼女のお家を優先ということですか。なんて非人道的な方だ。もしかしたらもっと怪我を悪化させることになったかもしれないんですよ」
「どうかな? 転ばせれば足以外も怪我したかもしれない。ルーの支えになったのは僕だ。君は手を離されたんだっけか? ルーを躍らせ続けた方が、結果的にも怪我を増やすことはなかったように見えるんじゃないかな? 憶測で怪我をひどくさせるかもと語るなら、こちらも憶測で転んだ方が大けがに繋がったと語らせてもらうよ」
不思議ですね。お二方喧嘩でもされているような雰囲気ですわ。何を争うことがあるのでしょうか。ああ、私の怪我の件で私を優先するかベッケンシュタイン家を優先するかのお話ですね。まあ、これはどちらも正しいのでしょうね。私もなるべくお家には迷惑をかけたくありませんし、どちらかと言えばグレイ様に賛同してしまうところですが、メルヒオール様の主張も正しいと思えますわ。
いい加減に止めたほうが良いのかしら? そうですよね。ここはリンナンコスキ家の夜会ですし、ベッケンシュタイン家の私が悪目立ちするのは避けるべきですわ。
「お二人ともそろそろ」
私が未だに何かを言い合っている二人に近づきながら声をかけようとしますと、そのまま足の痛みで前方によろけてしまい、とっさに近くにあったテーブルクロスを掴んでしまいました。
そのまま私は床に衝突。これはいつも通りですし、ダンスの最中に会場の真ん中で転んだ訳ではありません。この程度でしたら大事にはならないでしょう。その瞬間でした。何かが床に落ちる音。まるで陶器や金属、ガラスに液体。その他にもべちゃべちゃとまるで食べ物が散乱するかのような音。
ハッとした私はすぐに右手を見ますと、しっかりと掴まれているテーブルクロス。そしてその脇で散乱している食事やドリンク。
はい、たった今ベッケンシュタイン家の令嬢はやらかしましたわ。それはもう無残に……。ごめんなさい、お父様お母様お兄様お義姉様。あなた方の可愛いルクレシアは、十六歳になった所で失敗だらけの間抜けな令嬢で御座います。
私は痛めた足を一切庇うことなく、メルヒオール様と踊りましたわ。何度も痛めた足のせいで表情が険しくなりそうになってしまいました。ですが当然ながらこの私は、捻った足で踊ることは慣れているのです。何せ捻っていない時ですら、踊りだせば捻るのです!
ですが、踊る前から捻るというのは久しぶりだったからでしょうか。とても負担に感じますわ。いつもでしたらちょうど良いタイミングで突然楽な姿勢になるのですが、やはり最初から捻った状態で踊り始めたからでしょうか。
メルヒオール様のリードはとても上手な方だと思います。何せ私は普段からグレイ様とお兄様しか踊りません。周りの評判ではグレイ様もお兄様もリードがとても上手な方らしいですわ。ですので私から見て比べる対象が上手な方のみなのです。
メルヒオール様は残念ながらお二人ほど上手には感じませんね。いえ、足の痛みのせいかもしれません。またご一緒しましょう。お次は足が痛くない時からでお願いします。
そして一曲が終わりそうな頃には、すっかり足の痛みが最高潮に達してしまいましたわ。これダメですね。曲が終わる直前、私はメルヒオール様を巻き込んで倒れそうになってしまいました。
このままではメルヒオール様まで巻き込んでしまします!
それはいけないと思った私はとっさにメルヒオール様の手を放すも、その勢いで私の支えが一切なくなってしまいました。
こんな会場のど真ん中で、ベッケンシュタイン家の令嬢が粗相を犯すわけには行きません。それにここは対立派閥の頂点リンナンコスキ家の夜会。絶対に転べない会場がここにあります。
そんな時でした。曲が終わると同時に別の方が私の手を取り、体制を立て直してくださりました。
「お待たせルー」
「まだ私に踊らせるつもりですの?」
私の手をとったのはこの国代表の変態……ではなく、この国の王子グレイ様でしたわ。
私が声をかけた瞬間に、音楽が流れ始めましたわ。さすが鬼畜王子は違いますね。逃げるタイミングが一切ございませんでした。
「始まるよ。いつも通りで大丈夫?」
「申し訳ありません、本日は会場に来る前に足を」
「いつも通りだね」
聞きなさいよ。人の話を。幼馴染の苦痛の叫びを。いつも通りなのは、貴方のその鬼畜さですわ!
そして私たちはそのまま踊り始めましたわ。足の痛みなどお構いなし。当然、周りの方々がそれに気付くような真似は致しません。あれ?
そういえば私の足の痛みの訴えをいつも通りって仰いました方がいましたね。もしかしてバレバレでしたのでしょうか?
いえ、グレイ様は何度かご一緒した為、偶然気付かれる機会がありましたのよね。
たまに急に痛みが走ることもありますが、そのたびに足にかかる体重が軽減されるような体制になり、また地に足をつけるときはゆっくりとなるべく痛くならない様に踊り続けられました。
さすがですね、足への負担があまりかかりません。いくら変態鬼畜と言いましても一国の王子、リードが上手なのは間違いありませんね。最も、本当はこのような状況で踊らせ続けないで欲しい所ですが。
まあ、あのまま転倒するくらいならこれで良しとしましょう。
そしてまた曲が終わる頃、私はグレイ様と一緒に中央から避けるように壁際に向かっていきましたわ。その際に、グレイ様はわざわざメルヒオール様のいらっしゃる方に連れてきてくださりましたわ。
「ありがとうございます。グレイ様」
「ああ、気にしないで。ルーとのダンスは慣れているから」
ああ、この言葉をわざわざメルヒオール様に聞かせるために訪れたのですね。鬼畜な上に私の婚活を妨害するなんて何を考えているのでしょう。
「メルヒオール様、先ほどは申し訳ありません。急に転びそうになってしまいまして」
「いえ、こちらこそ支えになれずに」
メルヒオール様は紳士的ですね。我が国の王子とは大違いです。ご迷惑をかけてしまいましたのに、素敵な笑顔で対応してくださります。
「随分と仲がよさそうだね。彼はクエンカ家の子息かな?」
「申し遅れました。メルヒオール・クエンカです」
「よろしく。こっちは不要だよね?」
「勿論です。殿下」
しかしさすがですね。子爵家の子息ですらきちんと把握していらっしゃるのですね。グレイ様とメルヒオール様は表面上ではとても良い笑顔でご挨拶されていますが、不思議なことにグレイ様は長年の付き合いなのでなんとかくわかりますが、とてつもなく不機嫌でいらっしゃいます。
器の小さな方です事。私というオモチャを取られたくらいで一国の王子が癇癪を起さないで欲しいですわ。メルヒオール様はあんなに紳士的に挨拶を返してくださっていますのにね。
あらあら、周囲の方々が私たちに注目しているようですわね。それもそうなりますよね。王家主催の夜会ではグレイ様にエスコートされていた私が、本日はメルヒオール様にエスコートされていたことだけでも、周りの方々がとても驚かれていましたのに、私とメルヒオール様の目の前に王子自らいらっしゃるのですから。私たちの関係性を気になさっている方々が皆こちらを注目していらっしゃいます。
さてどうしましょうか。私は早くレティシア様たちと合流して足を休めたいのですが、グレイ様とメルヒオール様の会話が一向に終わる気配が感じません。途中から聞いていませんでしたが、たまに私の名前が聞こえたような……これはもしかしなくても私の話ですの?
「君はルーの怪我も見抜けずに足に負担をかけさせすぎ」
「それはそれは。俺の力不足ですね。しかし、お言葉ですが王子殿下、貴方はルクレシア様のお怪我を見抜いていてなお、彼女を躍らせたということで宜しいでしょうか?」
「あの場合は仕方なくね。ベッケンシュタイン家の令嬢をリンナンコスキ家の夜会で転ばせる方が問題だ」
「彼女より彼女のお家を優先ということですか。なんて非人道的な方だ。もしかしたらもっと怪我を悪化させることになったかもしれないんですよ」
「どうかな? 転ばせれば足以外も怪我したかもしれない。ルーの支えになったのは僕だ。君は手を離されたんだっけか? ルーを躍らせ続けた方が、結果的にも怪我を増やすことはなかったように見えるんじゃないかな? 憶測で怪我をひどくさせるかもと語るなら、こちらも憶測で転んだ方が大けがに繋がったと語らせてもらうよ」
不思議ですね。お二方喧嘩でもされているような雰囲気ですわ。何を争うことがあるのでしょうか。ああ、私の怪我の件で私を優先するかベッケンシュタイン家を優先するかのお話ですね。まあ、これはどちらも正しいのでしょうね。私もなるべくお家には迷惑をかけたくありませんし、どちらかと言えばグレイ様に賛同してしまうところですが、メルヒオール様の主張も正しいと思えますわ。
いい加減に止めたほうが良いのかしら? そうですよね。ここはリンナンコスキ家の夜会ですし、ベッケンシュタイン家の私が悪目立ちするのは避けるべきですわ。
「お二人ともそろそろ」
私が未だに何かを言い合っている二人に近づきながら声をかけようとしますと、そのまま足の痛みで前方によろけてしまい、とっさに近くにあったテーブルクロスを掴んでしまいました。
そのまま私は床に衝突。これはいつも通りですし、ダンスの最中に会場の真ん中で転んだ訳ではありません。この程度でしたら大事にはならないでしょう。その瞬間でした。何かが床に落ちる音。まるで陶器や金属、ガラスに液体。その他にもべちゃべちゃとまるで食べ物が散乱するかのような音。
ハッとした私はすぐに右手を見ますと、しっかりと掴まれているテーブルクロス。そしてその脇で散乱している食事やドリンク。
はい、たった今ベッケンシュタイン家の令嬢はやらかしましたわ。それはもう無残に……。ごめんなさい、お父様お母様お兄様お義姉様。あなた方の可愛いルクレシアは、十六歳になった所で失敗だらけの間抜けな令嬢で御座います。
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