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5話

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『は~。。。』




『希望、なんでそんなため息なんてついちゃってんの?』




『いや、別に大したことはないんだけど』




『この瑞樹ちゃんに言ってみん』




『まぁ瑞樹でもいいや』




『なんかいらっとくるけど、まぁここは置いとくとして』




『実は。。。』




学校が始まって2週間が過ぎたある日のことだった。いつものように、家に帰って夜ご飯を作り、お父さんは仕事で遅くに帰ってくるから、先に双子と一緒にご飯を食べていたんだけど




『ねぇお兄ちゃん』




『どうした美春?』




『金曜日ね、私と優人、歓迎遠足なの』




『えっそうだっけ?お前たちプリントとかもらっているんじゃないのか?兄ちゃん見てないけど』




『。。。。』




『二人そろってだんまり決め込むな』




『ごめんなさい』




そういって二人が出してきたプリントには確かに、今週の金曜日にある歓迎遠足についてのプリントがしっかりと記載されていた。優人のプリントはぐちゃぐちゃになっているし、やはり女の子と男の子の差はこうゆうところに出てくるよな。まぁ自分も昔はプリントをぐちゃぐちゃにしてお母さんに怒られていたな。




『まぁいいけど、今度からは忘れないように。せっかくの双子なんだから、どっちかが覚えておけばいいから』




『はぁい』




『わかった』




『それで、歓迎遠足だったらお弁当がいるってことだよね』




小学校は基本給食で、お父さんは社食があるから、いつも自分の分の弁当は夜ご飯をつめたりしている




『あのね、お友達のちひろちゃんがね、お母さんに可愛いお弁当作ってもらうんだって言っていたの。。。だから美春も可愛いお弁当を作ってほしいなって』




『僕もクラスの子たちかっこいいお弁当作ってもらうって言っていたからかっこいいお弁当がいい』




そうだよね~。今どきのお母さんたちってこうゆうときにいつも力より120%の力を発揮してお弁当作ってくるんだよね。別にいんだよ?自分の子供を喜ばすためにやっていることだからそれを悪いとは言わないけど、それに憧れる子供が増えるというのは、そうゆう(キャラ弁)を作るのが苦手な人からしたら迷惑でしかないって思うのは僕だけだろうか、僕も何回か動画を見たことがあるんだけど、細かいんだよね。あんな細かい作業できるかと思って、最初からキャラ弁はあきらめていたんだよね。去年は1年生だったからキャラよりおかず質で勝負して、エビフライ・ミートボールなどでしのいだのだが、今年はそうはいかないみたいだ。




『なるほど、なるほど、美春の可愛いと優人のかっこいいはどんなお弁当なの?』




『〇〇キュアとか〇〇エモンとか~?』




『〇〇ライダーとか〇〇ウォッチ』




まぁ今どきの子供たちってyoutuberに憧れたりする子たちが多いって聞くし、まだキャラってだけで作りやすいかって内心ほっとするけど、もし僕が作ったキャラ弁で他の子たちに馬鹿にされたらどうしようって思ったらなんか不安になってくる




『兄ちゃんに任せろ』




僕は120%の強がりの返事をした。




『ということがあったんだよ』




『なるほどなぁ。今どきの子供たちのお弁当ってキャラ弁が多いっていうもんね。私たちのときはキャラ弁よりもおかずの種類の方が大事だったんだけどな。時代は変わるんですな~』




『お前は、何歳だよ』




『15歳だけど』




『知ってるから、、まぁそんな話はどうでもいいとして、どうしようかな~』




『流すな。私たちも手伝ってあげるよ』




『ありがとう』
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