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第一章 始まり編
プロローグ
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――システムの設定を変更します。
――繰り返します、システムの設定を変更します。
――カウント日数を13に変更……。
――カウント日数到達を確認しました、システムをリセットします、担当者は次元超越の衝撃に備えてください。
突如二人の男の話し合いを遮るように謎のアナウンスが流れる。
「どういう事だ!リセット周期は14日間の筈だ!」
「な、何が起きている!今の声は!?」
「誰かがアルビオンの設定を変更した」
「どういう事だ!アルビオンを管理しているのはブリッツじゃないのか!?」
「その筈なんだがな!」
言いながら一人の男は大きなモニターに向かう。
――システムリセットまで30秒。
「何をするつもりだ」
不安そうなもう一人の男が言う。
「さっき渡したベルナンドをしっかり持っていろ!それがあれば記憶を失わずに済む!」
――システムリセットまで10秒。
アナウンスが残り時間を告げる。
「くそっ!いいか? 本当の敵はブリッツじゃない!アルビオンの設定を変更した奴が本当の敵だ!」
――8、7
「敵?敵ってなんだよ!」
あいつにも言われた敵とはブリッツの事だと思っていた。
しかし、敵はブリッツでは無かった。
全てが振り出しに戻った気がした、そして今まさに世界がアルビオンによって振り出しに戻されようとしていた。
――6、5、4。
「もう時間が無い!リセットされたらあいつに言うんだ!」
――3、2。
「言うってな……」
――1、0…………システムリセットを開始シマス…………。
最後の言葉を交わすことなく、二人がいた空間は瞬時に光で覆われた、その光は更に大きくなり、やがて世界全体を覆ってしまった。
男の意識は光によって微睡みの中に落ちる。
薄れゆく意識の中で巨大な魔力を放つアルビオンを見て思いだす。今までに何度も見たこの光景を……
(またダメだった……)
男は繰り返していた。
同じように4日から今日にいたるまで何度も繰り返していた――。
---
澄み渡る青空の下、周りの晴れやかな景色にそぐわず、暗い顔をしながら歩く一団がいた。
彼らは大陸の南に位置する国『ノースク』の兵士達。
彼らは現在、同じく大陸の北に位置する国『アーファルス』との戦時中の状態である。
しかし、ノースクの敗戦は濃厚であり、このままでは時間の問題との声も多い。
そこで彼らは『オメガ』と呼ばれる傭兵集団に戦争の協力依頼を頼む為、オメガのアジトへと向かっている途中だった。
「隊長、本当に異端者なんかに頼むんですか?」
「それが上の判断だろう、我々はそれに従うまでだ」
そう言いつつも、隊長と呼ばれた男も納得していない様だった。
それもその筈、彼らが依頼しようとしているオメガと言う集団は、世間では『異端者』と呼ばれ忌み嫌われている存在だった。
この世界には魔法という力が存在する。
魔法は四種類、火・水・風・雷。その上位種とされる光。
しかし、オメガの面々はその五種類の魔法以外の物を使うらしい……。
らしいというのも、余りにも世間に出回っている情報が少ないのだ。ただ確実なのは、彼らが五種類しか無い筈の魔法と言う力の道理から外れているという事。
故に、オメガは異端者の集団とされていた。
ため息を付く隊長は、これから向かう全貌が見えない相手の事を考えて、やめる。
考えても仕方ない――。
足取りは重く、しかし確実にオメガが住むアジトは近づいてくる。
「はあ、一体どうなる事やら……」
再びため息を付く隊長の足取りは重いままだった。
――繰り返します、システムの設定を変更します。
――カウント日数を13に変更……。
――カウント日数到達を確認しました、システムをリセットします、担当者は次元超越の衝撃に備えてください。
突如二人の男の話し合いを遮るように謎のアナウンスが流れる。
「どういう事だ!リセット周期は14日間の筈だ!」
「な、何が起きている!今の声は!?」
「誰かがアルビオンの設定を変更した」
「どういう事だ!アルビオンを管理しているのはブリッツじゃないのか!?」
「その筈なんだがな!」
言いながら一人の男は大きなモニターに向かう。
――システムリセットまで30秒。
「何をするつもりだ」
不安そうなもう一人の男が言う。
「さっき渡したベルナンドをしっかり持っていろ!それがあれば記憶を失わずに済む!」
――システムリセットまで10秒。
アナウンスが残り時間を告げる。
「くそっ!いいか? 本当の敵はブリッツじゃない!アルビオンの設定を変更した奴が本当の敵だ!」
――8、7
「敵?敵ってなんだよ!」
あいつにも言われた敵とはブリッツの事だと思っていた。
しかし、敵はブリッツでは無かった。
全てが振り出しに戻った気がした、そして今まさに世界がアルビオンによって振り出しに戻されようとしていた。
――6、5、4。
「もう時間が無い!リセットされたらあいつに言うんだ!」
――3、2。
「言うってな……」
――1、0…………システムリセットを開始シマス…………。
最後の言葉を交わすことなく、二人がいた空間は瞬時に光で覆われた、その光は更に大きくなり、やがて世界全体を覆ってしまった。
男の意識は光によって微睡みの中に落ちる。
薄れゆく意識の中で巨大な魔力を放つアルビオンを見て思いだす。今までに何度も見たこの光景を……
(またダメだった……)
男は繰り返していた。
同じように4日から今日にいたるまで何度も繰り返していた――。
---
澄み渡る青空の下、周りの晴れやかな景色にそぐわず、暗い顔をしながら歩く一団がいた。
彼らは大陸の南に位置する国『ノースク』の兵士達。
彼らは現在、同じく大陸の北に位置する国『アーファルス』との戦時中の状態である。
しかし、ノースクの敗戦は濃厚であり、このままでは時間の問題との声も多い。
そこで彼らは『オメガ』と呼ばれる傭兵集団に戦争の協力依頼を頼む為、オメガのアジトへと向かっている途中だった。
「隊長、本当に異端者なんかに頼むんですか?」
「それが上の判断だろう、我々はそれに従うまでだ」
そう言いつつも、隊長と呼ばれた男も納得していない様だった。
それもその筈、彼らが依頼しようとしているオメガと言う集団は、世間では『異端者』と呼ばれ忌み嫌われている存在だった。
この世界には魔法という力が存在する。
魔法は四種類、火・水・風・雷。その上位種とされる光。
しかし、オメガの面々はその五種類の魔法以外の物を使うらしい……。
らしいというのも、余りにも世間に出回っている情報が少ないのだ。ただ確実なのは、彼らが五種類しか無い筈の魔法と言う力の道理から外れているという事。
故に、オメガは異端者の集団とされていた。
ため息を付く隊長は、これから向かう全貌が見えない相手の事を考えて、やめる。
考えても仕方ない――。
足取りは重く、しかし確実にオメガが住むアジトは近づいてくる。
「はあ、一体どうなる事やら……」
再びため息を付く隊長の足取りは重いままだった。
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