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1章

水を確保したい

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「ふぅ……疲れたから休憩……なんか思ったより体力使うんだな……。」

魔力量ってどうやって見りゃいいんだろう。自分の限界がわかんないと困るだろうし。一旦なくなるまで水を出してみるとか?でも受け皿ないし。火は危なすぎて使うの保留。
そういえば食料はどうなっているのだろう。今は水だけしかない。火は使えないも同然。どうにもならないこの状況。もしかして俺詰んでる?
……あの部屋に植物図鑑とかないのかな。このままじゃ俺は餓死する。嫌だよ、異世界転生した後に誰にも見つからずひっそり森の奥で餓死するなんて。ここのご主人の墓場を湖の近くに作ったのだが、その墓場の隣に俺も並ぶなんて冗談じゃない。つか並べてくれる人もいないんだったわあはは。
 よくよく考えたら水の受け皿すらないから水も飲めない。ドバドバとあふれ出てくる水じゃ汲めないし、顔を突っ込むしかない。溺れるの覚悟で俺は毎回水を飲まなきゃいけないのか。なんたる拷問。コップとか皿とか探そう。なけりゃ最悪溺死覚悟で飲む。




「あった!」

本が大量に置いてある部屋にしれっと置いてあった。これで俺は水が飲める。でもこれ大丈夫なのだろうか。この部屋にあったってことはなにか実験に使った後とかでは。怖いなぁ。でもこれがないと水が飲めないし……。妖精カムバック。今俺はお前たちを激しく頼りたい。肝心な時にいないの勘弁しろよ。とりあえず外に出て水を出そう。
……ドアを開けながらふと考えてみた。唱える文章を少しいじってみるのはどうだろうか。例えば「水を出させてください」で大量の水が出てくるなら、「この器いっぱいの水をください」と言う。俺の考えが合っていれば、言葉通りの水量に調節されるはず。というわけで。

「レッツトライ!この器いっぱいの水をください!……おおっ!」

 思った通りだ。器になみなみに注がれた水に反射して映る美少年が見える。最高か。ただ、お礼を言わないので湧き水の如く底から水が溢れて地面が濡れていく。ついでに俺の足もびしょ濡れだ。
 何はともあれ、水は確保できた。問題は食料だ。この森に木の実とかフルーツ生ってないかな。
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