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しおりを挟むウィリアムさんに抱っこされたまま、お母さんが遠ざかっていく。
放心状態のままの私を抱えたまま、2人はどんどん進んでいき、とうとう宿まで到着してしまった。
宿の人に聞くと部屋は空いていたようで、さっさと手続きをすませ、鍵を受け取っている。
そのまま部屋まで移動し、リビングらしき部屋を素通りして寝室らしき部屋のベッドにそっとおろされる。
呆然と為されるがままに座る私の前に2人が膝をつく。
そこで何とか覚醒した私。
ビックリして立ち上がりかけたのを制止される。
「しー」
ウィリアムさんが人差し指を口に当て静かにしろという。
その色気にあてられ、よろよろとベッドに座り直すとハロルドさんが口をひらく。
「私、ハロルドは貴女、ミリアーナに番の紋合わせを申し込みいたします」
「私ウィリアムは貴女、ミリアーナに番の紋合わせを申し込みいたします」
この世界に産まれた者ならば誰でも小さいころから教わる正式な番の申し込みの文言を淀みなく告げる2人にキュンとしつつ、私も正式な許可の文言を口にする。
「私ミリアーナはお2方の紋合わせの申し込みをお受けいたします」
私の言葉が終わると2人が隣に移動し、並んで座る形になる。
「あぁ、ミリアーナ。ありがとう。ね、僕のことはウィルって呼んで」
「まじで、すげぇ、嬉しい。俺のことはルドと呼んでくれ」
「あ、あのこれからよろしくお願いします。私のことは、ミリ-って呼んでください」
3人で顔を見合せ笑い合う。
「さぁ、ミリー。僕達に番紋を見せて?」
そういいながらウィルが上半身裸になる。
「ああ、確認させてくれ」
ルドもいつの間にか上半身裸になっている。
2人の綺麗に筋肉のついた体に見とれつつも、覚悟を決め自分の服に手をかけた。
はい。
あのあと番紋が同じことを確認し、2人に美味しく?いただかれました。
3日目の夜はさすがに手加減してくれたのか、心地よい眠りを得ることができたので4日目の朝は気持ちよく起きられた。
お風呂に朝ごはん、そして着替え(いつの間にか用意されていた)と甲斐甲斐しくお世話され自宅に帰る準備を整える。
そして2人に挟まれ家まで帰ってました…。
家に入るのに少しドキドキしてしまう。
玄関を見つめ躊躇っていると
ばんっ
っと勢いよく扉が開いた。
「「「おかえり!ミリ-」」」
お父さん達でした。
玄関から数歩離れていてよかった。
「た、ただいま。お父さん達」
そうして私の番と家族との顔合わせは何だかんだと騒がしく終わり、晩御飯を食べたらまた宿に戻ってイチャイチャしました…。
それからはあわただしく日々が過ぎていった。
次の日には婚姻届を出し、お揃いの腕輪を注文し
その次の日には3人で住む家を購入して
家具やら日用品を揃え
何と1週間後には新居での暮らしがスタートした。
突然の番との出会いに戸惑いはしたものの、今はとても幸せな気持ちで満たされている。
これから、どんどん家族も増える予定だからとても楽しみ!
これが私の番たちとの出会い方。
ウィル、ルド…私を見つけてくれてありがとう。
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