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御祖父様ー徹ー前編(?)
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翔はお爺さんにコンプレックス?を抱いているらしい。
「お爺様は凄いんだ。僕はソフトクリームはソフトクリーム、単なる食べ物でしかないと思っていた。」
うん、ソフトクリームはソフトクリームだぞ?しかも、俺の手についたソフトクリームを舐めながらしみじみする話か?
因みに、ソフトクリームは一個を二人で交互に食べている。翔はまだ小さいから、食べ過ぎ厳禁ってことで、丸々一個は食べさせて貰えないらしい。こんなに好物なんだから、半分だけでも作ってあげろよ、料理人。あ、ついでにもう少し溶けにくいソフトクリームを研究しろよ、料理人。
ばっちいからやめろというのに、好物だから勿体ないと言うのだ。金持ちの家なのに、俺の指に着いたアイスをベロベロ舐めるんだよ?犬みたいに鼻息も荒くしててさ、気の毒だ。
ヒッと息を飲む音がした
「か、翔!何やっているの!」
「あ、だ、大丈夫です!ちゃんと手を洗いました!念入りに洗ってます!」
そう、何度言っても勿体ないと言って舐めるから、諦めて手をきっちり洗うようにしたのだ。
「ち、ちが!スミマセンスミマセンスミマセン!」
翔のばあちゃんがコメツキバッタのようにあたまを下げた。ばあちゃんの謝罪スイッチが今ひとつ分からない…………。
そんなばあちゃんの元に爺さんがやってきて、αと言うものはこういうものだ。君も僕でわかってるよね。諦めて……とかなんとか言ってて、ばあちゃんは、よよよよよって泣き始めて、こんなオバカムクナコに非道な事をとか言っている。
「翔、部屋でしなさい。そう云う事は」
爺さんがばあちゃんを抱き締めながら、少し怒った声で翔にいう。
「だって、御祖母様が徹を部屋に連れ込むなって」
う~ん。俺はまだばあちゃんに信用はされてないか。イジメるとか思ってんのかなぁ?
「お前にプレゼントを置いておいた。二人で見に行くといいよ。私が説明しておくから」
部屋に行くと、水彩画セットとハンディマッサージャーがあった。前者は良いけど、後者は問題じゃね?幼児が肩こりになるくらい勉強させてんのか。
翔の顔が暗くなる。
「御祖父様は僕に何を気づかせたいのだろう。物事には二面性がある。ソフトクリームだって僕は気がつかなった…………僕はいつ御祖父様のレベルになれるのだろう。僕はαだから、そうならなければいけないのに」
ソフトクリーム、好きだよな、お前。そして『αだから』か。重たい話題にソフトクリームがそぐわんが、まぁ、いい。
まだ入学前検査してないだろう。あぁでも、金持ちだし自腹でやってるか。ってか、それ以前に幼児でありながらこの頭、まぁ、αだろう。
αを羨ましいと思った事もあったけど、翔を知ってあまり思わなくなった。こんな小さいうちから、αらしくあれとジジイに言われるのだ。気の毒だ。
「二面性の用途……何らかのメッセージが……僕には想像力が足りない……」
そんなの決まっているだろう。マッサージャーはもっと勉強しろよと言う事だよ。肩こりになるくらい…………ジジイめ。
「二面性…ソフトクリーム…」
おい、ソフトクリームから外れろ。どんだけ好きなんだ。
「よくわからんが、有名な言葉があるよ。必要は発明の母って」
「おじい様も ソフトクリームが必要になったってこと?」
御祖父様、番、番の為のソフトクリーム。番と楽しむソフトクリーム…………ブツブツ翔が言っている。番と味わうソフトクリームが正解だけど、まぁまだ幼稚園児だし細かいニュアンスを否定しても可哀想だ。
「うん。 おじいさんは 何かしらでソフトクリームが必要になったんじゃないか。ってもソフトクリームが欲しい時なんて決まっているけど。二人とも暑くて体を冷やしたかっただけだよ。どうせだったら美味しいのがいいじゃん。自分に置き換えて想像してみ?」
「ととととととととおるっ!」
おい。息が荒いぞ。目も血走り過ぎだ。美少年が台無しだぞ
「自分に置き換える!凄い!凄いよ!徹!ソフトクリームが更に素晴らしくなった!」
「お、おう。」
興奮しすぎるな。鼻血がでてるぞ。過呼吸になったら、どうするんだ。
落ち着きなさい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつも読んで頂きありがとうございます。
二人が出会ってすぐの頃です。
リアルタイムの方が読み終えられましたら、就活より前に移動します。
。
「お爺様は凄いんだ。僕はソフトクリームはソフトクリーム、単なる食べ物でしかないと思っていた。」
うん、ソフトクリームはソフトクリームだぞ?しかも、俺の手についたソフトクリームを舐めながらしみじみする話か?
因みに、ソフトクリームは一個を二人で交互に食べている。翔はまだ小さいから、食べ過ぎ厳禁ってことで、丸々一個は食べさせて貰えないらしい。こんなに好物なんだから、半分だけでも作ってあげろよ、料理人。あ、ついでにもう少し溶けにくいソフトクリームを研究しろよ、料理人。
ばっちいからやめろというのに、好物だから勿体ないと言うのだ。金持ちの家なのに、俺の指に着いたアイスをベロベロ舐めるんだよ?犬みたいに鼻息も荒くしててさ、気の毒だ。
ヒッと息を飲む音がした
「か、翔!何やっているの!」
「あ、だ、大丈夫です!ちゃんと手を洗いました!念入りに洗ってます!」
そう、何度言っても勿体ないと言って舐めるから、諦めて手をきっちり洗うようにしたのだ。
「ち、ちが!スミマセンスミマセンスミマセン!」
翔のばあちゃんがコメツキバッタのようにあたまを下げた。ばあちゃんの謝罪スイッチが今ひとつ分からない…………。
そんなばあちゃんの元に爺さんがやってきて、αと言うものはこういうものだ。君も僕でわかってるよね。諦めて……とかなんとか言ってて、ばあちゃんは、よよよよよって泣き始めて、こんなオバカムクナコに非道な事をとか言っている。
「翔、部屋でしなさい。そう云う事は」
爺さんがばあちゃんを抱き締めながら、少し怒った声で翔にいう。
「だって、御祖母様が徹を部屋に連れ込むなって」
う~ん。俺はまだばあちゃんに信用はされてないか。イジメるとか思ってんのかなぁ?
「お前にプレゼントを置いておいた。二人で見に行くといいよ。私が説明しておくから」
部屋に行くと、水彩画セットとハンディマッサージャーがあった。前者は良いけど、後者は問題じゃね?幼児が肩こりになるくらい勉強させてんのか。
翔の顔が暗くなる。
「御祖父様は僕に何を気づかせたいのだろう。物事には二面性がある。ソフトクリームだって僕は気がつかなった…………僕はいつ御祖父様のレベルになれるのだろう。僕はαだから、そうならなければいけないのに」
ソフトクリーム、好きだよな、お前。そして『αだから』か。重たい話題にソフトクリームがそぐわんが、まぁ、いい。
まだ入学前検査してないだろう。あぁでも、金持ちだし自腹でやってるか。ってか、それ以前に幼児でありながらこの頭、まぁ、αだろう。
αを羨ましいと思った事もあったけど、翔を知ってあまり思わなくなった。こんな小さいうちから、αらしくあれとジジイに言われるのだ。気の毒だ。
「二面性の用途……何らかのメッセージが……僕には想像力が足りない……」
そんなの決まっているだろう。マッサージャーはもっと勉強しろよと言う事だよ。肩こりになるくらい…………ジジイめ。
「二面性…ソフトクリーム…」
おい、ソフトクリームから外れろ。どんだけ好きなんだ。
「よくわからんが、有名な言葉があるよ。必要は発明の母って」
「おじい様も ソフトクリームが必要になったってこと?」
御祖父様、番、番の為のソフトクリーム。番と楽しむソフトクリーム…………ブツブツ翔が言っている。番と味わうソフトクリームが正解だけど、まぁまだ幼稚園児だし細かいニュアンスを否定しても可哀想だ。
「うん。 おじいさんは 何かしらでソフトクリームが必要になったんじゃないか。ってもソフトクリームが欲しい時なんて決まっているけど。二人とも暑くて体を冷やしたかっただけだよ。どうせだったら美味しいのがいいじゃん。自分に置き換えて想像してみ?」
「ととととととととおるっ!」
おい。息が荒いぞ。目も血走り過ぎだ。美少年が台無しだぞ
「自分に置き換える!凄い!凄いよ!徹!ソフトクリームが更に素晴らしくなった!」
「お、おう。」
興奮しすぎるな。鼻血がでてるぞ。過呼吸になったら、どうするんだ。
落ち着きなさい。
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